この"沢山の歌声"で、"曲"で、ヒーローを目指します 作:伽華 竜魅
決行日までの話を結構削りました。ごめんなさい。
(最初は書こうかなって思ったんですけど、思ったより内容は思い浮かばなかった……くっ!無念…!!)
あと『switch2』落選してあたしゃくやじい…!!
ナイトアイ事務所と他プロヒーローたちのチームアップが成され、死穢八斎會の調査が始まってから数日が経過していた。
日本各地に散っている八斎會関連の施設、その各地の現地プロヒーローが調べている。
一方で私たちインターン生は通常の学校生活に戻り、今作戦のことは他言禁止として命令されていた。
覚悟は既に決めている。
私たちのような幼い頃から残酷な悲劇を味わい続ける子たちをこの手で、この胸の歌で救ける。
もう…美音のように追い詰められたり、メドゥーゴルとマグニールのように完全に駒にされることもさせない……絶対に。
私はそう決意し、報告を待つばかりだった。
だけどただ待つばかりというのはどうしてもできない。故か夜の寮…私の自室で、私はパソコンを使いいろいろと調べていた。
私たちのように、"個性"故に拉致され人体実験をされたり、兵器として利用されたりしている子供たちがいるのかを。
そんな時、傍に置いてあったスマホから通知とバイブ音が鳴った。
それを手に取り急ぎ共有スペースに向かう。
共有スペースに着けば、既に出久くんたちがスマホを手に集まっていた。
「みんな、来たか?」
「うん」
「来たわ」
「決行日……!」
壊理ちゃんを、今度こそ絶対に救ける。
——◆——
数日後。
決行日を迎え、私たちは一度ナイトアイ事務所に合流。壊理ちゃんは八斎會の本拠地にいるらしい。
その決定打はナイトアイが尾行していた組員の1人が、女の子向けのおもちゃを買いに来たところを上手く接触し『予知』を使用。
その『予知』で壊理ちゃんと、壊理ちゃんの隠し場所までの道のりを把握が強制捜査の決め手になったようだ。
そして今、各々
「令状読み上げたらダーッ!! と行くんで。速やかによろしくお願いします!」
警察の人がインターホンの前に移動する。
その間にロックロックがまた愚痴ったり、ヤクザのことを甘く見た言い方をしている。
この人、本当にヒーローかよ……そう思っていたら、屋敷の門…扉が吹き飛んだ。
警察が数人吹き飛ばされていたけど、既に出久くんと相澤先生が落下する前に受け止めて救けていた。
「何なんですかぁ? 朝から大人数でぇ~」
オールマイトやエンデヴァー以上に巨体で、八斎會のトレードマークであるマスクを被った巨漢。
「おいおいおい! 勘づかれたのかよ!?」
「いいからみんなで取り押さえろ!」
全員が一斉に身構える中、巨漢は眠そうな喋りをしながらその拳を容赦なく振り下ろして来る。
「離れて!!」
「何の用ですかァ!!!」
土煙が衝撃波で登る中、晴れればそこには巨漢よりも巨大な竜がいた。
「とりあえず、ここで人員を割くのは違うでしょ! 彼は『リューキュウ事務所』で対処します。皆さんは今のうちに!」
『リューキュウ』。
ドラゴンに変身できる"個性"だったはず…すごい。
でもとりあえず、言われた通り突入するしかない!
「ええい! もう入って行け行け!」
「ヒーローと警察だ! 違法薬物製造、販売の容疑で捜索令状が出ている!」
門の中に入ればさらに多くの組員が湧いて出て来て、妨害してきた。
「火急の用や! 土足で失礼するで!」
だけど湧いて出てきた組員を一部プロヒーローが相手をし、押しのけて私たちはその人たちに任せつつ、一直線に屋敷内へと突き進む。
「どこかから情報が漏れてたのだろうか、妙に一丸となってる気が……」
「だったらもっとスマートに躱せる方法を取るだろ。意志の統一は普段から言われてるんだろう」
「杯を交わせば、親分と兄貴分に忠義を尽くす。肩身が狭い分、昔ながらの結束を重視してんだろうな。この騒ぎ、治崎や幹部が姿を見せてない。今頃地下で、隠蔽や逃走の準備中だろうさ」
ホントに昔ながらなんだ……でもこれらはすべて治崎にとっては時間稼ぎでしかないと考えているかもしれない。
それに対し切島くんは「子分に責任押し付けて逃げ出そうなんて漢らしくねぇ!」と言っていた。
そんな中ナイトアイは長い廊下の途中にある掛け軸が壁に飾られた傍で止まった。
「ここだ。この下に隠し通路を開く仕掛けがある。この板敷きを決まった順番に押さえると開く」
『予知』でその開け方も見ていたのか、手順を辿って仕掛けを迷いなく解いていった。
すると、壁が一度奥に軽く進んでから、横へスライドして通路が開かれていった。
「忍者屋敷かっての! ですね!」
「見てなきゃ気づかんな。まだ姿を見せてない"個性"に気をつけましょう」
ようやく人が通れるぐらいまで隙間ができた時、そこから待ち構えていたのか、3人が飛び出してきた。
「なんじゃテメェらァ!!」
「ッ! バブルガール、1人頼む!」
すぐに身構えたが、センチピーダーとバブルガールが素早い対応をし、あっという間に3人を取り押さえた。事務所ではあんなだったけど、サイドキックでありやっぱりプロ。対応力が高い。
「追ってこないよう大人しくさせます。先に行ってください!」
「……行くぞ!」
「すぐ合流します!」
ナイトアイの号令で一斉に地下へと進んでいく。
だけど…この胸騒ぎは何なんだ。ここに突入してから突然、そして今も進行形で収まらない。
「——って行き止まりじゃねぇか。道合ってんだよな!?」
「説明しろ! ナイトアイ!」
階段を降り終えて角を曲がれば、そこには壁しかなく道は続いていなかった。
「俺が見てきます」
「ルミリオン先輩待って! またマッパに……」
「大丈夫。ミリオの
そうなのか。
まぁ確かにそうしないと現場でいろいろと問題が起こる。プロだとMt.レディ辺りも"個性"で大きくなるけど
「壁で塞いであるだけです! ただかなり厚い壁です」
「治崎の『オーバーホール』なら、こういうことも可能か」
「小細工を……!」
「来られたら困るって言ってるようなもんだ!」
真っ先に出久くんと切島くんが"個性"を発動し、目の前の壁を互いの攻撃を合わせて、一撃で破壊し道を切り開いた。
その穴を通り奥へ進むけど次の瞬間、突然地下全体が大きな男性のうめき声と共にうねり始めた。
「治崎じゃねぇ、逸脱してる! 考えられるとしたら本部長の『入中』だ! 奴の"個性"は【物に入り込んで操る】『擬態』、コンクリの中に入って生き迷宮となってるんだ!」
「規模が大きすぎるぞ!? 奴が入り、操れるのはせいぜい冷蔵庫の大きさまでと……」
「かなぁりキツめにブーストさせれば無い話じゃないか……しかし何に化けるか注意しとったが、まさかの地下! こんなん相当体に負担かかるはずやで。イレイザー! 消されへんのか!?」
「本体が見えないとどうにも……」
まるで大蛇の胃の中にいるみたいだ……『ガングニール』の力なら、壁を破壊して無理にでも目的地に行くことはできるけど、それを逆手に取られて地上に出される可能性もある。
「どれだけ道を歪めようとも、目的の方向さえ分かっていれば! 俺は行けるッ!」
「ルミリオン!」
「「先輩!」」
そんな中、通形先輩が迷いなく走り出した。
「スピード勝負! それを奴らも分かってるからこその時間稼ぎでしょう。先に向かってます!」
"個性"で壁をすり抜けて、消えていく通形先輩。
あの先輩の"個性"ならこのうごめく迷宮も無視して、一直線に治崎の所へ行けるだろう。
そう思っていると急に足元が大きく開き、その場にいた全員が下へと落ち始めた——
「——なッ!?」
——と思ったら、
「幻神!!」
そしてぶつけられ、私だけがみんなとは違う方へと飛ばされ、飛ばされた先で数回転がってから身体を起こす。
「……ここは」
私以外誰もいない。
いや、正確には私だけが別の場所へと更に分断されたというべきか。
すると足音が聞こえて、その音の方にバッ!と振り返り身構える。
「お前さんは……確か若の言ってたターゲットだな?」
「(ターゲット…?)」
そこには数人の組員たちがいた。
全員がマスクをしていて、刀や拳銃を手にしている。
ドクンッ!!と心臓が高鳴り、身体は黄金の輝きに包まれる。
肌にピッタリと張り付く黒と赤を基調とするバトルスーツを身に纏い、両腕両脚には黒の機械装甲であるガントレットと黄色とは異なる形をするグリーブを装着。
頭部にはヘッドセットを、首元には漆黒のマントを装着した。
『黒いガングニール』を纏い構える。
♪ (Kort el fes Gungnir) ♫
♪ (Kort el fes Gungnir) ♫
「お前は生かして捕らえろとのお達しだ……なァに、すぐに終わるさ!!」
「やっちまえ!!」
「丸裸にしてやる!!」
組員が一斉に襲い掛かってくる。
アームドギアは形成しない。
己の拳と足、そしてマントで応戦する!!
♪ この胸に宿った 信念の火は ♫
声帯を変換して歌い始め、マントを伸ばし飛んでくる銃弾を防ぐ。
♪ 誰も消す事は出来やしない 永劫のブレイズ ♫
「「うわっ!」」
そのままマントを伸ばし銃を持つ奴らを弾き飛ばす。
♪ いま例えこの身を焼き尽くそうと ♫
そして迫ってくる方を殴り、蹴り飛ばしていく。
♪ 信ず我が道の為なら 天になってもいい ♫
『黒いガングニール』のまま『ガングニール』の機能を+させて、ガントレットをブースターへと変形させる。
♪ 闇に惑う夜には 歌を灯そうか ♫
そのまま地面に突き刺すように殴り抉るとパイルバンカーが瞬時に起動し、地面から壁へと衝撃を伝播していって壊れていった。
♪ 聖光のセレナーデ 力よ宿れ ♫
最後にはマントを伸ばしながら高速回転していき、一部の組員を吹き飛ばす。
♪ 絶対に譲れない 夢が吠え叫ぶよ ♫
「この野郎!!」
"個性"を使用し、身体に棘を生やしながら迫ってくる。他にも何人かが"個性"を使用してきている。
♪ 正義の為に悪を貫け ♫
それに対し私は『イチイバル』のアームドギアであるクロスボウを具現化させて連射する。
♪ 涙などいらない 無双の一振りよ ♫
それでも潜り抜けて向かってくる奴らがいる。
私はクロスボウを『イチイバル』から『
そしてそのまま剣を振るい、その振るう剣圧で吹き飛ばした。
♪ 覚悟を今構えたら 誇りと契れ ♫
周りを見渡せば、この部屋にいた組員たちは全員気絶している。
それが絶対と確認できたことで、アームドギアの刃を柄にしまい、その柄を『黒いガングニール』のガントレットの中にしまった。
とりあえず拘束として、ガントレットから短剣を人数分射出し、部屋の電気のライトで出来ている影に突き刺す。
【- 影縫い -】
入口は……あそこか。
扉を蹴り開けてから通路を確認して、とりあえず目的は下だから下へ行くための階段を探すために走り出す。にしても何で私だけ分断させたんだ?大群を半分程に分断してそれぞれで相手して倒すなら分かる。でも、分断の更に分断なんて、それも私を一人にして向こうにメリットは……。
『——確か若の言ってたターゲットだな?』
ターゲット…。
『——"個性"を壊すクスリ』
"個性"を壊す……。
「ッ!!!!」
思わず足を止めてしまう。
分かった…わかってしまった……治崎はこの状況の中、核である壊理ちゃんを連れて逃走することだけじゃない。
『
この世界では【"個性"殺し】の異名を持つ。
【"個性"にて"個性"を完全永久消滅させる力】
治崎の狙いが壊理ちゃんを兵器の核として利用し、"個性"を壊す薬を作ってばら撒くことなのはほぼ確定事実。
それが本当なら、そういう奴にとって『
つまり治崎はこの状況の中、私の『
……どうであれ目的は、壊理ちゃんを救けることに変わらない!
「最速でッ!」
両腕のガントレットを合体させて射出し、アームドギアを形成する。
「最短でッ!!」
アームドギアを持ち、掲げて高速回転させる。
「まっすぐにッ!!!」
マントをその回転に合わせて私自身を覆いつくしていく。
そして飛び上がり、真下へ落下して——
「一直線にィィッ!!!!」
——コンクリートを貫いていく。
このまま目的地まで、一気に突き進む!!!
待機期間削ってもう突入させました。
間の話も読みたかった方々、申し訳ございません。
それと前アンケートの『ギャラルホルン』で察してる方々もいますが、それらの企画作りも着々に進めております。
それもあって投稿ペースは落ちます(まぁ一番の理由は仕事で書く暇がないってことだけど)が、中途半端に終わらず最後までやり遂げるよう頑張ります。
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