この"沢山の歌声"で、"曲"で、ヒーローを目指します 作:伽華 竜魅
やっぱオリジナルよりだと書きやすいですね。
【フルカウル・100%】を纏うデク。
【
壊理の"個性"『巻き戻し』の力によって、今この瞬間にのみ引き出せる、太陽と陽だまりの最大の力を纏った2人を見て、治崎は口を開き語るように喋る。
「お前も【"個性"殺し】も、壊理も…力の価値を分かってない。"個性"は伸ばすことで飛躍する。俺は研究を重ね、壊理の力を抽出し、到達点まで引き出すことに成功した。結果、単に肉体を巻き戻すにとどまらず、もっと大きな流れ……種としての流れ、変異が起こる前の形へと巻き戻す。壊理にはそういう力が備わっている」
治崎は巨大な肉塊、いくつもある手を建物や地面へと伸ばし触れる。
すれば『オーバーホール』が発動され、次々と分解されて行った。
「【"個性"殺し】同様、"個性"因子を消滅させ、人間を正常に戻す力だ! "個性"で成り立つこの世界を……理を壊すほどの力が、壊理だ!! 壊理の価値も分からんガキどもに! 利用できる代物じゃない!!!」
無数にアスファルトから棘が伸びデクとアカシア、壊理へと繰り出す。
「お前ならわかるはずだ!! "個性"で"個性"を完全消滅させ、"無個性"にさせることができる…純粋な人類に戻すことができる力【"個性"殺し】を持つお前ならわかるはずだ!! 天堕幻神ァ!!」
対してアカシアは己の黄金の拳を強く握りしめて地に突き刺し、その衝撃と風圧を繰り出すことで棘を全て相殺させた。
「――だとしてもォォォッ!!!!」
アカシアの叫び。
その叫びに呼応し、『
そしてアカシアはデクへ叫び願う。
「
「もちろんだ!! アカシア!!!」
治崎は再び棘を、同時に己の肉塊の手を3人へ繰り出す。
♪ 真正面ど真ん中に 諦めずぶつかるんだ ♫
アカシアは歌い、その黄金にて肉塊へと駆け出しその拳を力強く打ち込む。
「ぐぅ…!!」
♪ 全力全開で 限界 突破して ♫
同時にパイルバンカーを起動させ、打ち込むと同時に治崎を天高く青空へと吹き飛ばす。
「ッ!!!」
治崎が苦しむ中、視界に青緑の閃光の稲妻が映り込む。
♪ 互いに握るもの 形の違う正義 ♫
その正体は壊理を背負い、100%の力の風圧にて空中移動を発揮させているデク。
さらにアカシアとは違い、歌う必要がないデクがアカシアの歌に合わせ、自然と口を動かし共に歌っている。
「(【スマッシュッ!!!】)」
デクはそのまま100%の力で治崎の身体を蹴り飛ばす。
♪ だけど 今はBrave 重ね合う時だ ♫
デクの後に続き、アカシアも空中へと駆け出す。
『ガングニール』のスラスターとパワージャッキだけではない。
今のアカシアは壊理の"個性"にて体力をいくら使おうと逆再生のごとく体力が元に戻り続ける。
故に今のアカシアは、自身に纏う『ガングニール』のまま、『
♪ 支配され 噛み締めた 悔しさに 抗った ♫
「(壊理ちゃんの力が強まってる…! 止め方がわからないって治崎が言ってた。僕が初めて『ワン・フォー・オール』を使った時と同じように、扱い方を知らない状態で力をベタ踏みしてるんだ…!!)」
2人が歌う中、同時進行で壊理の『巻き戻し』もまた力を増していく。
故に少しでも気を抜いたりすれば2人はその力に苦しみだしてしまう。
それでも2人はそれぞれ歌いながら宙を飛び回り、治崎と融合している肉塊を攻撃し破壊していく。
♪ その心伝う気がしたんだ ♫
♪ Wow! Wow! Wow! ♫
攻撃を受けた治崎は怒り狂い叫ぶ。
「――どいつもこいつも大局を見ようとしない!!」
自身の巨大な肉塊に触れ、分解させ形状を変えようとする治崎。
♪ 極限の 極限の 想い込めた鉄槌 ♫
「俺が崩すのはこの世界!! その構造そのものだ!! 目の前の小さな正義だけの…感情論だけのヒーロー気取りが――」
2人は互いに治崎へ向かう。
♪ 共に、一緒に! ♫
「――俺の邪魔をするなァ!!」
「「――解き放とう!♪」」
身体の構造を変え、巨大な腕を作り出した治崎は迫りくる2人を迎え撃ち相殺しようとする。
だがその結果は虚しく、両腕共に黄金の輝きと青緑の稲妻によって一瞬にして粉砕された。
♪ I trust! 花咲く勇気 Shakin' hands ♫
♪ 握るだけじゃないんだ Shakin' hands ♫
♪ こぶしを 開いて繋ぎたい…! ♫
瞬時に身体を修復させ、触手と言わんばかりに無数の腕を作り出し、駆け巡るアカシアとデクへと繰り出し追尾させる。
デクとアカシアは迫りくる無数の肉塊の手を避け、破壊していく。
♪ I believe! 花咲く勇気 Shakin' hands ♫
♪ 信念はたがえども Shakin' hands ♫
♪ さあ 今 誰かの為なら ♫
♪ 「だとしても!」 と吠え立て! ♫
そして無駄のない完璧なタイミングと言わんばかりに、2人は治崎の懐に入り、互いの脚をその身体へと打ち込む。
そうすれば空中戦とはいえど落下し続けている治崎は再び宙へと吹き飛ばされる。
「この病人どもがァ!!!」
吐き捨てる治崎を他所に、2人は打ち上げられた治崎の高さよりも遥か高くへ駆け上がる。
2人は並び、互いの手を指を絡める形でつなぎ合う。そしてアカシアは【
纏うギアが全て輝き、そして散る。
だがアカシアの身に纏うバトルスーツは、
そして開いている片手を掲げる。
「(光る…お花…?)」
デクの背に背負われている壊理もまた、その花を見て驚愕する。
そんな中アカシアは黄金に咲く花の名を叫ぶ。
「――アマルガァァァムッ!!!!」
次の瞬間、咲き誇った花は散り、細かな花びらとなる。
♪ 手を掴み 握って…と ♫
だが散った花びらは3人を中心に渦巻き、やがてアカシアとデク、それぞれの空いている手の方から繋がるように、その力を形成させていく。
♪
黄金の光沢と輝きにて形成されたその形は巨大な腕であり手。
♪ 残酷は
片腕はデクの動きにリンクし動き、片腕はアカシアの動きにリンクし動く。
♪ それでも歌い繋げと… ♫
その黄金武装の名は——【アマルガム】
かの世界にて『賢者の石』によりリビルドされた『シンフォギア』の秘められし力。
本来は装者1人に着き、その装者の特性やスタイルに合わさった形を形成させるもの。
アカシアの場合、自身の前世にて培った記憶から構造、能力を得て『
しかしアカシア自身の体力、生命力をエネルギー源にする以上、たとえ成長しようと限界は存在する。
故に簡単には『シンフォギア』並びに『ファウストローブ』以外の武装は難しい状態。
だが今この瞬間はだけは違う。
壊理の『巻き戻し』にデクの『OFA』
2人の"個性"が『
だからこそ『ガングニール』の【アマルガム】、その片腕がデクの手として形成され、武装されたのだ。
♪ I trust! 花咲く勇気 Shakin' hands ♫
「ヴオ”ォ”ォ”ォ”オ”オ”オ”ッ!!!!」
治崎は懲りずに自身を分解し、身体を再構築し壊理を奪おうと襲い掛かる。
♪ 握るだけじゃないんだ Shakin' hands ♫
対して迎撃するため、デクが腕を動かす。
すれば【アマルガム】の腕も全く同じ動きをし、その攻撃を受け止めた。
♪ こぶしを 開いて繋ぎたい…! ♫
受け止めている腕が分解されるよりも早く、アカシアが空いている片腕を動かす。
すれば【アマルガム】の片腕が全く同じように動き、拳を握りしめる。
そして拳を治崎へ叩き込み、殴り飛ばす。
それでもデクが装備しているほうの【アマルガム】は『オーバーホール』によって分解されかけていた。
♪ I believe! 花咲く勇気 Shakin' hands ♫
だがその分解されかけ、亀裂が入っている【アマルガム】の片腕は壊理の『巻き戻し』によって何事もなかったように修復される。
両腕共に搭載されているスラスターを全開で放射させ、3人は一気に治崎へと向かっていく。
♪ 信念はたがえども Shakin' hands ♫
「(目の前の小さな女の子1人救えないで……!!)」
「(世界中のみんなを救けるヒーローに……!!)」
デクとアカシアは互いに、空いている手を指を絡めるように強く握り合う。
「「(なれるかァァァアアアッ!!!!!)」」
すれば同じように【アマルガム】の両腕もまた指を絡めるように握り合った。
♪ さあ 今 目前の天に ♫
そのまま治崎へ一直線に、スラスターを全開にして飛んでいく。
迎撃しようとする治崎の肉塊が次々と激突すれば砕かれ、肉片として飛び散っていった。
「俺の計画を…!! 俺の宿願の邪魔をするな……!!! 英雄症候群どもがァ”ァ”ァ”ア”ア”ア”ッ!!!!!!」
♪ 「だとしても!」 を……—— ♫
【アマルガム】の両拳がパージされ、先に治崎に激突する。
そして後を追うように、2人は最初から繋ぎ合っていた方の手から黄金と青緑の稲妻を膨大に漏らしながら——
「「――貫けェェェエエエッ!!!!!♪」」
——【アマルガム】の拳へ打ち込み、【- 100% SMASH INITIAL COMMANDER -】を放った。
膨大な黄金の輝きと青緑の稲妻が【アマルガム】に流れ込み、治崎の身体ごと地上へ、
すれば【アマルガム】へと凝縮された『
治崎と【アマルガム】の両拳の落下地点近くに3人は着地する。
同時に大穴付近には、麗日の"個性"にて地下から出てきた麗日本人と致命傷のナイトアイがいた。
「ナイトアイ…デクくんが殺されるって、本当ですか…?」
「あぁ…それが私が見た未来……治崎が逃亡に成功し——緑谷が殺される未来のはず…なのに……」
そのナイトアイは目の前で起きている状況に驚愕していた。
ナイトアイが治崎を対象に見た先の未来。
その未来では緑谷が命を落とし、治崎が壊理を連れて逃亡を図り成功するという結末。
「私は、見ていない…! こんな、未来を…!!」
だがその未来とは真逆の結果が、今ナイトアイの目の前で起きている。
ナイトアイが見た未来では緑谷が通常の【フルカウル】を纏い、たった一人で治崎と交戦し命を落とすもの。しかし今目の前では、【フルカウル・100%】を纏っている。
さらには【
全て、ナイトアイは知ることもないもの。
故に未来は捻じ曲げられた。
「変えられるというのか…未来を……」
同時にナイトアイの中で微かな希望が…未来への光という名の希望が芽生える。
その瞼は微かに震え、そして自身は静かに微笑んだ。
——◆——
治崎から離れる【アマルガム】はデクとアカシア、それぞれに装着されている部位にドッキングし元に戻る。
「ふぅー! ふぅー!」
「はぁ…! はぁ…!」
『
『OFA』の青緑の稲妻。
『巻き戻し』の煌めく光。
その3つを纏ったまま息を荒くする。
その目に絶望は一切染まっておらず、希望に溢れながら治崎を捉えていた。
「はぁ…はぁ…壊理ちゃん、怪我はな——」
瞬間、デクとアカシアの身体からも壊理の『巻き戻し』による光が溢れ出る。
同時にデクとアカシアはその力に苦しみだした。
「力が…増してる…!!!」
「うぅ…!!」
膝を着き、うめく2人。
すれば次の瞬間——
「――ぁぁぁあああッッ!!!!」
——【アマルガム】の攻撃と落下の衝突により、気絶していたはずの治崎が壊理を取り返そうと肉塊の巨大な手を伸ばす。
「ッ! こ、んのォ……!!!」
それに気づいたアカシアは『巻き戻し』の勢いにもがきながら、【アマルガム】にてその手を同じようにわし掴みする形で対抗する。
そして接触したことによって壊理の『巻き戻し』が伝染するかのように影響を受け始める。
結果活瓶との融合が元に戻され、分離し引き離された。
「【
『巻き戻し』によって元の姿に戻り、身体の傷も完治された治崎を麗日がすぐに【G・M・A】にて取り押さえる。
同時に大穴からリューキュウが這い上がり、そのリューキュウから蛙吹やイレイザーヘッドたちが地上へと出た。
「ナイトアイは後方にいます! 周辺住民には避難を呼びかけました! けどデクくんとアカシアが!! 様子がおかしい!!」
デクとアカシアは壊理の『巻き戻し』に対抗するかのように、今だ【フルカウル・100%】と【アマルガム】を解除せずもがいている。
「(嫌…止まって…! 止まってッ!! この人たちが死んじゃう!! お願い!!)」
壊理は必死に"個性"を止めようと、止まってほしい願うも『巻き戻し』はその勢いを弱ませるどころか逆に、さらにと言わんばかりに増していく。
そして治崎に言われた「呪われている」という言葉を思い出すも、ただ必死に止まることだけを願っていた。
「(止まって…! 止まってェッ!!)」
「ッ! (歌…?)」
「(この、歌は…!?)」
その場にいる全員の耳に1つの歌声が聴こえ始める。苦しみ、もがきながらもデクは顔を上げれば、そこには【アマルガム】をいつの間にか解除しており、通常の『ガングニール』を纏った姿のアカシアがデクから手を離して1人その場に立ち、苦しみながらも【絶唱】を口ずさんでいた。
「ダメ、だ…!! 幻神ァ!!!」
デクはもがきながらアカシアにやめるよう呼びかけるが、アカシアは止まるこなく、ついには『OFA』の青緑の稲妻と閃光と『巻き戻し』の煌めく光の両方がアカシアの纏う『
「2人をこれ以上…苦しませるわけには…いかない……!!!」
己より他を優先する自己犠牲。
デクは自分を視野に入れず、他を救けるためなら己のことなど考えない。
命を捨てて救えるのであれば喜んで捨ててしまうだろう。
アカシアもまたデクと同じ狂気に近い、もしくは全く同じ自己犠牲を身に宿している。
故にアカシアはデクと壊理のために、それぞれの負荷をたった1人で背負う選択を迷うことなく選び、実行した。
【——セット・ハーモニクス!!!】
起動するための掛け声のように叫ぶアカシア。
次の瞬間、デクの『OFA』の力と壊理の『巻き戻し』の力が『
「ぐぅぅぅ!!!! (身体が、悲鳴を上げてる…!! それ、でもォ…!!!)」
『
今アカシアが纏い、抱えているのは『
そしてアカシアは『ガングニール』の装甲の一部を次々と展開させていく。
「ぁ…」
「ッ!」
溢れ出る力が止まったことで壊理はそのまま倒れ落ちかける。
そこをデクが瞬時に受け止めた。
「はぁ…はぁ…壊理ちゃん……幻神!!」
デクが心配するも、アカシアは両腕のガントレットを合体させ、片腕にのみ武装させる。
すればガントレットがさらに変形し、内部のエンジンを起動させ高速回転させていく。
「——はぁぁぁああああッ!!!!!」
次の瞬間、アカシアはそのガントレットを天へ突き出す。すればガントレットそのものが高速で回転していき、アカシア自身に蓄積されていた3つの"個性"の膨大な輝きが渦巻き状に天へ解き放たれた。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「幻神!」
アカシアはデクの声に反応し、ゆっくりと振り返る。
「よかった……2人とも、無事…で……」
3つの"個性"を一時的にとはいえ蓄えていた影響か、『ガングニール』を含め、アカシアの身体は毛先に至るまですべてが熱が籠っているように光り、その熱による蒸気が身体から発生していた。
「(傍にいるだけで熱い…!)」
その熱はデク自身にもとても温度が高い熱量だと理解させるほどのもの。
それでもデクは向かおうと足を動かす。
「今は、来ちゃ…だめ……!」
だがアカシアはその行動を拒み、拒まれたデクは「でも君の身体が!!」と心配する。
「壊理ちゃんも、だけど……2人とも、焼けちゃ…うから……!!」
アカシアは無理やり身体を動かし、空中で戦闘していた際に確認していた川へ向かおうとする。
だが自身が思っている以上にも身体への負担は大きく、逆に足を崩し膝をついてしまう。
「だい、じょうぶ……へい、き…へっちゃら…だか、ら……」
心配させまいとアカシアは笑うも、その直後に前身の力が抜け、『ガングニール』……『
めっちゃ濃すぎてどこ触れればいいの!?って内容になったと思いますので、軽い解説をします。
【Alchemic Gold】を使えたのは壊理ちゃんの『巻き戻し』の力によって体力が回復され続けられていた為です。
一応『巻き戻し』がなくとも幻神自身のやり方によっては引き出すことが可能ですが、消耗は大きいです。
【アマルガム】は幻神自身の成長状態を言えば実はまだ纏えない状態でした。
ですが今回の緑谷の『OFA』の蓄積された純粋な超パワーと壊理ちゃんの『巻き戻し』による体力などの回復力によって具現化できたと言えます。
え?だったらこの2人いないとできないんじゃないのかだって?
それは幻神の今後の成長次第によってはもしかしたらって感じです。そういう感じですッ!!!
【S2CA】
原作、本来であれば『立花響』の特性によって引き出さすことの出来る技。
同時に装者であり、手を繋なぎ協力し合ってこそ成り立つ技を幻神は『
なんで緑谷は歌えたの?
説明不要の一言。『【愛】ですよ!!』
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