この"沢山の歌声"で、"曲"で、ヒーローを目指します   作:伽華 竜魅

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ちびたXtreme様、誤字報告ありがとうございます!




HORNBORNE

 

 

 

 

夢を見た。

夜空と月を印象付けるような、とても綺麗な長い髪を持つ■■。

そんな■■が苦しんでいて、■■が救けようと命を懸けた。

でも■■は消えて、■■だけが生き残って、絶望した。

 

 

そんな■■の前に現れたのが——

 

 

「……ぁ、れ…?」

 

瞼を開ければ天井の光が、暗闇に慣れていた眼に差し込む。

翡翠交じりのパーマがかかった白髪の長髪に大きめのアホ毛が特徴な少女は、重い身体の上半身をぎこちなく動かし起きる。

 

「ここって……」

 

「おや、目が覚めたかい?」

 

「ッ!?」

 

カーテンが開かれ、リカバリーガールがのぞき込む。少女は思わず驚愕し身構える。

 

「そう警戒しなくてもいいよ。ここは雄英高校近くの病院…医務室さね」

 

「えっ……」

 

「あんた酷いけがだったよ。出血量も酷くて苦労した——」

 

「——あの!!」

 

少女はリカバリーガールの言葉を遮る大きさで問いかける。

驚くリカバリーガールなど気にせず、少女はそのまま口に言った。

 

「『黒換美音』……それか『天堕幻神』に会わせていただけませんか!?」

 

陽だまりの歌姫と日陰の歌姫。

その2人の名を。

 

 

——◆——

 

 

翌日。

謎の(ヴィラン)に狙われる謎の少女を救った幻神は、病院を勝手に抜け出し、(ヴィラン)と交戦したことによる処罰を下されていた。

しかしヒーローとして当たり前の行動・活動をしたこと、仮免許を所持していたこともあり、ある程度は軽くされた。

 

「つまり(ヴィラン)はその搬送された子を狙っていたと」

 

「はい。あの子も自分が狙われているのが分かっていたのか、負傷しながらも逃げてと叫んでいて……」

 

雄英高校に無事戻った幻神は担任である相澤に呼び出され、仮眠室にて事情聴取をされていた。

 

「夜中に目を覚まして、眠れなくてぼーっと外を眺めてたら、微かにですけど海当たりで何かが光ってるように見えたんです」

 

「それで行ったと」

 

「はい」

 

相澤はため息をする。

 

「お前は緑谷たちを救けるべく【絶唱】で自身への負荷を増大させ、昨日までずっと眠り続けて入院していたっていうのに……お前は緑谷と同等の自己犠牲者だな」

 

「歌と人助けが趣味なだけで自己犠牲じゃありません!」

 

「これまでのことも含めて説得力がないんだよ」

 

ぐっ…!と幻神は核心を突かれたように顔をしかめる。相澤は再びため息をし、幻神を見てハッキリと伝えた。

 

「ほんとは緑谷も含めて言いたかったが、お前らがそうすることで悲しむ人がいるってことをしっかり理解しろ。自己犠牲あってこそヒーロー。それは確かにそうだ。ヒーローは自分の意志で危険な場所へ足を踏み入れるが、無事戻ってくることも大事だ。命を落としたら、取り残された人たちが悲しむってことをしっかりと考えて理解しろ。いいな?」

 

「………ごめんなさい」

 

無駄に反論や言い訳をしても余計に雰囲気を最悪にする。

そして相澤は生徒である自分を心配してそう言っていると、そう理解し、素直に謝罪した。

 

「その謝罪は今後の行動で示せ。いいな?」

 

「……善処します」

 

「そこはハッキリと「はい」と言え」

 

「とりあえず終わりだ」と相澤は言い立ち上がる。

それを見た幻神は咄嗟に聞いた。

 

「あの! あの子は!?」

 

「雄英近くの病院に搬送されたそうだ。今もそこにいるだろう………会いたいのか?」

 

「はい! その、あの子に個人的に聞きたいことがあるんです」

 

(ヴィラン)に狙われ、幻神に救けられた、ギアペンダントを持ちし謎の少女。

幻神しか知らない装甲と武器を纏い使う(ヴィラン)のこと。なぜか自分しか知らないギアペンダントを所持していた謎の少女。

知りたいこと、否、知らなければいけないことがいくつもある。

故に幻神は、謎の少女との面会を求めていた。

 

「……はぁ、昨日目覚めたと報告があった。それでお前に会いたがってることも聞いている」

 

「ッ! 本当ですか!?」

 

「あぁ、今日の授業を終えた後にでも外出許可を出してから行くといい」

 

その希望もすぐに叶う。

昨日目覚めたばかりの少女が最初に要求したのは天堕幻神との面会であるからである。

 

 

——◆——

 

 

放課後、病院、病室。

そこに私は来ていた。

理由は当然、あの日『紡心(アクシア)』に導かれて向かった海で救けた少女に会うためだ。

相澤先生からの伝言で、あの子もまた私に会いたがっていると、話さなきゃいけないことがあると言ってきたらしい。

 

私もそうだ。

今は私が持っている…あの子が持っていたギアペンダントのこと、あの装甲と武器を扱っていた(ヴィラン)のこと、聞きたいこと…聞かなきゃいけないことが山ほどある。

 

勇気を振り絞り、扉を開ける。

そこに病室用のベッドと、窓が開けられているため入ってくる風によって揺れ動くカーテンがあり、そのカーテンが揺れるたびに見える人物が——

 

「……あっ」

 

——目を覚まし、私に会いたいと言っていた女の子がベットに座ったままそこにいた。

同時に私がきたことに気づいて、私はとりあえず何も言わず女の子の傍まで移動した。

 

「初めまして、だね」

 

「ッ! そ、うですね……()()()()()()()()

 

「…?」

 

何故か戸惑い、俯いて返してきた。

何で?って考えても初対面なんだからわからないか。

 

「あの…浜辺ではありがとうございました」

 

「ん? あぁ大丈夫だよ。困ってる人、救けを求めてる人がいたら誰であろうと手を差し伸べるのは当たり前のことだから!」

 

近くに置かれていたパイプ椅子を取り出して座る。

 

「(……気まずい)」

 

初対面であるが故にお互いに面会を求めた結果で今こうなってるけど、実際に会うとどこから話せばいいか、聞けばいいか分からない。

お互いに黙り込んじゃってるし……とりあえず深呼吸して……。

 

「…ねぇ、いくつか聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」

 

「ッ! は、はい」

 

驚きながらも、何を聞かれるのか分からないのか、それとも思い当たることがあるからか、身構えている。きっと私が聞こうとしているのに薄々気づいているからだろう。

それでも私は聞かなきゃ、知らなくちゃいけない。

 

「まず最初に、あなたの名前は?」

 

「……イヴ…『イヴ・ラグナ』です」

 

『イヴ・ラグナ』……何か深い意味でもありそうな名前…って、そう考えるのは失礼だよね。

 

「じゃあイヴちゃんって呼ぶね? あ、私は『天堕幻神』。ヒーロー名はアカシアだから、好きに呼んでね!」

 

「ッ! ……そ、そう…ですか」

 

「…?」

 

なんで辛そうな顔をするのだろうか?

それとも、あの(ヴィラン)との関係性が…?

 

「……とりあえず、単刀直入に聞くよ。イヴちゃん」

 

私はポケットからギアペンダントを取り出し、それをイヴちゃんに見せる。

 

「あなたは何者で、何で私しか知らないギアペンダントを持っていたの?」

 

「…! それ、は……」

 

真剣な表情と眼差しでイヴちゃんを見て問いただす。すればイヴちゃんは最初は自身にないことを確認して、私が持っているのが元々持っていた物だと理解して顔を逸らす。

 

「……まっ、そんな没収とかはしないよ?」

 

私は立ち上がり、イヴちゃんの手を取ればギアペンダントをすんなりと返した。

 

「え…? なんで…!?」

 

「本来だったら預かるのが警察的にも正しいことなんだろうけどね……でもそれを大事そうに持ってたから、返したほうがいいと思った。それだけだよ」

 

「……そのお人好し、いつか足元すくわれるよ」

 

「先生にも言われたよ」

 

自分のことながら思わず笑ってしまう。

一方でイヴちゃんは、ギアペンダントをとても大切に見つめて、優しく両手で包んでいた。

 

「……あなたの言う通り、これは本物のギアペンダントであり、あなたが纏う『シンフォギア』の力の一端が宿ってる」

 

イヴちゃんはギアペンダントを見つめながら、ぽつりぽつりと語り始めた。

そして『シンフォギア』という単語も使っている……。

 

「まだ私は、私たちは深く知りえていない。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「えっ…私の記憶の、解読…?」

 

一瞬、何を言っているのか分からなかった。

 

「このギアペンダントはあなたから、約束と共に託された力の一つなの」

 

「まっ、待って! いろいろと理解があんまり追いつかないんだけど!?」

 

思わず止めてしまう。

いやだって本当にいきなりぶっ飛んだ内容(?)で、転生者と言えどあまり頭の出来は良くない方だから理解が追い付けない。

 

「——『終焉の到来を告げる角笛(ギャラルホルン)』。この名をあなたは知っているはず」

 

「…えっ、今…『ギャラルホルン』って…!?」

 

「『並行世界』。私はこの世界とは別の世界から来た。そう言えばわかる?」

 

その言葉を聞き、私は絶句した。

『ギャラルホルン』に『並行世界』って、それだとまるで……。

 

「私が生まれ持ったのは『終焉の到来を告げる角笛(ギャラルホルン)』。あなたの知るのと同じように、世界と世界を繋ぎ、自由に行き来できる力」

 

「…ッ」

 

息を呑む。

さっきまでの空気と一変して、とても重くなってきる中、イヴちゃんはベットから下りて窓の傍に移動し外を眺める。

 

「私の"個性"は、世界を超える力があるの……だからあなた達に会いに来た」

 

こっちへゆっくりと振り向き、何故か薄く輝いている翡翠の瞳で私を見つめてくる。

 

「約束を果たし、世界を救うためにも必要なの。私たちにはない未知の知識を持った歌姫、もしくはその記憶と知識を受け継いだ歌姫………そう、天堕幻神か黒換美音が」

 

だがその顔は覚悟を決めながらも、救けを求める顔だった。

だけど同時に……——

 

 

——どこか懐かしくて、暖かく感じた。

 

 

——◆——

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『泣———で————■が選ん—選択—————』

 

『大—夫——傍———な————■■———に譲———きた————』

 

『————■——最後の————だ——生き———』

 

 

「……ン」

 

日差しが差し込む森。

森の茂みにて一人の少女は目を覚まし、身体を起こしながら昨日の戦闘にて微かに喰らった痛みに表情を苦にする。

武装を解除しており、フードマントや衣服に着いた葉をはたき落としながら、唯一解除していない。

否、解除されていないバイザーを起動させ、目元を隠すようにそのギザギザを閉じる。

そんなバイザーを装着したままの顔を上へと見上げさせる。

 

「(サッキノ…何ノ、記憶ダッタッケ…?)」

 

バイザーによって隠されている目元。

故に少女の表情の変化は口元でなければ判別は不可能。だが少女はすぐに切り替え、腕を上げて掌を開く。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

そして出された黄色の液体入りのジェムを、宙へと放り投げる。

すれば前触れもなくそのジェムは割れ、液体も空中に溶け込むように消える。

次の瞬間、規模の大きな黄金の錬成陣が展開され、そこから1つの巨大な影が出現する。

 

「(…何ノタメニ…戦ッテイルンダッケ……)」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

そんな少女が見上げる青空と白い雲、そして太陽は、大きさの影によって視界から完全に見えなっており、影はゆっくりと少女の元へ降下していく。

 

 

 

 





なんか結構ざっくりな感じにも見えるけど、これでも結構頑張ってます。
大目に見てください。いや本当にマジでお願いします(土下座


名前『イヴ・ラグナ』
"個性"『終焉の到来を告げる角笛(ギャラルホルン)

外見。
白髪のパーマがかかった長髪に大きめのアホ毛が特徴であり、瞳は翡翠色。
ちなみに胸の大きさはGカップと意外と巨乳。

身長 149cm
好きなもの 不明
嫌いなもの 不明

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