この"沢山の歌声"で、"曲"で、ヒーローを目指します 作:伽華 竜魅
ちびたXtreme様、sakurano様、誤字報告ありがとうございます!
ようやくマクロス要素を出せて私嬉しいです。
これでタグつけてる意味が見出せる…!!
雨続きの空の中、赤い輝きと黄緑の輝きが閃光の如く飛び回り、衝突し合う。
一方で巨大戦艦『マクロス・クォーター』もまた、3つの白銀の輝きを相手に苦戦しながらに飛行を続けていた。
そんな中、幻神を追いかけていた緑谷はカタパルトに出ていた。
「風が…!?」
何もつけずに外に出た故、緑谷は宙を舞いそうになる。だが彼の足元から小さな穴が自動的に開かれ、アンカーが射出される。
そのアンカーは緑谷の身体を縛る形で捕まえた。
『何をやっているの! 固定もせずに外に出ればそりゃ風に煽られて飛ばされかけるわよ!!』
アナウンスという形で声が響き渡る。
「だけど幻神は…! (それに幻神はこの空飛ぶ船を知っていた。いやそもそもこの世界の人たちは、これらは全部幻神の記憶から作り出したって言っていた……ただの空想上でしか存在しないものでここまでのものを想像できるのか? あの人たちもなんでそれを忠実に再現することができているんだ? ……幻神、君は一体何なんだ?)」
緑谷は内心で思考をフル回転する。
元々陽だまりと感じさせていた彼女は、神から直接授けられたのかと疑われるほどの知恵、正確に言えば想像力がある。
雄英に入学してから今に至るまで、彼女は誰もが聞いたことない歌を歌い、その身に物理法則やサポート会社を無視し上回るほどの技術としか言えないものを"個性"で生み出し身に纏い戦う。
挙句の果てには"個性"増幅装置ありきとはいえど、ロボアニメなどでしか存在が難しい変形する戦闘機を具現化して見せ、さらには自分たちと何ら変わりない人の形すらもやり遂げて見せた。
そして『並行世界』ではそれらの記憶、想像されたものが"個性"としてではなく人の手、技術などで再現され作り出されている。
故に緑谷は幻神の存在が分からなくなってしまっていた。その陽だまりは今、『並行世界』の陽だまり……否、日陰と思わせ感じさせていたもう一人と衝突している。
陽だまりはもう既に現状況を受け入れ、敵であるはずのアリス達と協力(?)している。
なのに自分は動けていない。
あんなに陽だまりと思わせ感じさせてくれる彼女を守ると決めたのに、結局動けていない。
憧れにして今では師であるオールマイトから、"個性"を授かっているのに、このテイタラク。
己を殴りつくせるならそうしたいと緑谷は思い、拳を血が出てしまうのではと思う程に強く握りしめる。
——◆——
雨で身体が、顔が濡れ、目にたまに入ってきて痛くなる中、私は必死に『並行世界』のお姉ちゃんに食らい付いていた。
「くぅ!!」
「……」
私たちの世界の雄英校内に警報を鳴らさずに入れたのもこれで頷けた。
こっちの世界でも私は雄英高校の生徒で、登録された認証キーを持っていたから、それが私たちの世界の雄英バリアのシステムに引っかからずに通れたんだ。でなければ洒落にならないってもの。
「このっ!!!」
『イチイバル』で攻撃しつくすも、ミネはマクロスのバルキリーがアクロバティックに全て避けながら撃ち落としていくように、ていうかそのまんまと言えてしまう動きをしていった。
「(あの時は【BURNING・EX-DRIVE】だったからだ……でも今は通常形態故、圧倒的に状況が違う!!)」
神野区での戦い。
あの日私の世界の美音は【シェンショウジン・ファウストローブ】を、私は【BURNING・EX-DRIVE】を纏っていた。
それも全部"個性"増幅装置があってこそ起きた奇跡なんだ。
だけど今はそう言った条件どころか、揃えるためのピースそのものが存在しない。
故に私は今持ちえるものでミネを救うしかない。
「このっ! やっさいもっさい!!」
【- MEGA DETH PARTY -】
「無駄」
私が【- MEGA DETH PARTY -】を放つとミネは大剣を大振りに振るい、発生させた風圧で全てを一撃にて破壊し爆破させた。
『
【"個性"殺し】は使えない。
使ったら『
「(『イチイバル』じゃだめだ! 向こうは接近戦を好んでいる……なら!!)」
ギアチェンジをするしかない!
息を吸い歌う!!
『黒いガングニール』の『聖詠』を口ずさむ。
すると心臓がドクンッ!!!と高鳴り、青黒の輝きに包まれた。
肌にピッタリと張り付く黒と赤を基調とするバトルスーツを身に纏い、両腕両脚には黒の機械装甲であるガントレットと黄色とは異なる形をするグリーブが装着される。
頭部にはヘッドセットを装着。首元には漆黒のマントが装着された。
ギアチェンジ完了!
『
——◆——
『マクロス・クォーター』内部。
激しい衝撃に寄り艦内部は揺れに揺れており、内部の廊下を走っていた少女はその衝撃によって倒れた。
「はぁ…! はぁ…! 私も急がないと……約束、したんだから…!!」
その正体はイヴ・ラグナ。
彼女は
それは約束を守り、果たすために。
——◆——
『マクロス・クォーター』は現在、異能格納型幼体α、β、γの三人を相手に苦戦しており、一部は黒煙を漏らしていた。
そしてまた複数の異能による攻撃を被弾し損傷してしまう。
「第二主砲が大破! 袋のネズミ状態です!!!」
「狼狽えるな! 目標地点に着くまで耐え続けろ! ぐっ!!!」
絶え間ない無数の異能による攻撃。
全体にバリアを展開することで損傷をなるべく防ごうと試みようとも、そのバリアすらすり抜ける異能すらある。
さらに絶え間ない被弾故、バリアも維持ができなくなりつつあった。
「目標地点まであと10……——着きました!!」
「よし! ——『マクロス・クォーター』! 全艦トランスフォーメーションッ!!!」
目標地点に付いた瞬間アリスは命令を下し、操縦士の一人が1つの装置を力強く上にあげて見せる。
すれば次の瞬間、『マクロス・クォーター』は動き出した。
艦であるその形を変えていき、後方の推進器は徐々に足となり、前方は左右がそれぞれ腕となっていく。可変戦闘機のようにバトロイドへと変形を果たした『マクロス・クォーター』は、カタパルトを背に背負う形に移動させる。
そして右腕部に搭載されている巨大なキャノン砲を、左腕部を支えとし終わりなき災禍へと照準を向けた。
「搭乗員は対ショック姿勢!!」
「誤差による最終調整をギリギリまで実行中!!」
「エネルギー充填120%!!」
「【
瞬間、構えられた巨大主砲に充填されていたエネルギーが3つに分かれて放射された。
その3つのエネルギーはそれぞれが絡み合い、1つになるように回転していき、そして1つの大きなエネルギーとなる。
だが異能格納型幼体である3体のうち2体は、とんでもない行動にて【マクロスキャノン】を止めにかかった。
「ッ! βとγが封印系異能を施した柱を抜きこちらに接近……!? いや! 【マクロスキャノン】を防ぐための盾にしてきました!!」
「なっ!?」
映し出されるモニターの1つ、それが拡大されて映し出されているのはクレーターを囲うように地に刺されていた7つの大柱。
そのうち4本は破損しており、残りは3本となっていたが、その3本のうち2本が異能格納型幼体によって抜き取られていた。
「まさかこっちの攻撃を利用するために陽動をしていたのか!?」
「ダメです! 発射した以上、もう止められません!!!」
αは防御に特化した"異能"、応用できる"異能"、反射系の"異能"を発動。
βとγは封印系の異能が施されている大柱を盾とし、終わりなき災禍に迫る【マクロスキャノン】を真正面から防ぎ始める。
「クッソ! ついこの間までは同じ屋根の下で暮らした仲間だったはずだろ!?」
「そりゃあくまで終わりなき災禍が目覚めるまでの間、意味も理屈も分かんねぇが何故か命令権などが局長や隊長にあったからだ!! 目覚め始めようとしている今、俺たちも邪魔ものだって改めて排除するって魂胆だろ!!」
次の瞬間、大柱は2本とも破損。
だがαの複数"異能"、それだけでも【マクロスキャノン】を防いで見せた。
言い換えれば、3体は柱を破壊するために狙っていたのだ。
「柱破損! 残りは1本のみ!」
「終わりなき災禍が反応! 裂け目から泥が出始めています!!」
封印するため、封印系、封じることに特化した"異能"を数多く施し、これから先量産も難しく、唯一完成した7本の柱。
その全てを使用しようやく封印することに成功したはずが、今ではそれが残り1本となり、封印も解け始めている。
アリスは汗を頬から流し表情を歪ませてしまう。
「局長は!?」
「何度もコールしていますが応答ないっス!」
「……つまり、もっと長く時間を稼ぐしかないってことね……幸い黒換ミネは天堕幻神が相手してくれて——ッ!? どうしたのッ!?」
突如の揺れに全員が倒れないようにもがき、1人が叫ぶ。
「脚部付近の泥が豹変!! あの時と同じ手を作り出し、張り付いてきました!!」
「なっ!? 緊急浮上! 急げ!!」
「了解! 緊急浮上!! 出力全開!!」
バトロイドへと変形し泥エリアへと足を踏み入れた『マクロス・クォーター』。
だがその足元は封印の柱が既に1本となっている故、泥は不完全と言えど動き出し始めている。
故に、いくら歌姫から摘出し再現し作り上げた代物と言えど、
しかし不完全であり固めに力むことも叶わず、『マクロス・クォーター』は泥から離れることに成功した。
「ッ! 隊長!! 発進許可も出ていないのに、カタパルトから発進しようとしている者がいます!!」
「識別信号は!?」
「識別番号9864…ってこれ、角笛ですよ!?」
「なっ!?」
角笛——『ギャラルホルン』を"個性"として宿す存在は1人。
故にアリス達は驚愕するが、この状況下ですぐに止めることは不可能。
「……そう、使うのね。発進できる戦闘員は戦闘準備しカタパルトへ移動を! 我々は終わりなき災禍並びに異能格納型幼体を相手する!!」
——◆——
カタパルト。
『3番発進ゲート展開。ナンバーコード9864、イヴ・ラグナをカタパルトへ』
『カタパルト、進路クリア。イヴ・ラグナ、発進スタンバイ』
自身の背中に発進用の推進機を装備したイヴ・ラグナがカタパルトから現れ、アナウンスと共に、推進機が動作確認を行い、その後に噴射しようとエネルギーを溜めていく。そしてイヴ自身は、未だに微かに赤い輝きを漏らすギアペンダントを両手で包むように握りしめてから、意を決し顔を上げる。
「……イヴ・ラグナ! 行きます!!」
掛け声を合図に、カタパルトと推進機が動き、イヴはその勢いでカタパルトから射出された。
目標は雨空の中激しく衝突し合う、世界を超えて再び出会った姉妹。
——◆——
激しいアクロバティックな戦い。
互いに【エクスドライブ】でないにもかかわらず、私たちは互いに一歩も引かずにその刃を振るっていた。
「【投影開始】」
「ッ! なぁんで『シンフォギア』なのに【英雄を召喚して戦う魔術戦争】アニメの呪文唱えるの!!!」
ミネは片手に蒼き双刃刀を形成させる。
同時に私は違和感に気づいた。
さっきからミネが使っている『シンフォギア』は
にもかかわらず
『ガングニール』『天羽々斬』『アガートラーム』
『イガリマ』『シュルシャガナ』『神獣鏡』
輝きの色は同じ。
形状は異なるけど、知識として基本的に全部を知っている私だからこそわかる。
『イチイバル』だ。
『
遠距離攻撃も基本的に斬撃か『シュルシャガナ』と『神獣鏡』のエネルギー弾だけ。
「(なんで『イチイバル』だけ使ってこないの? 何かわけがある? それとも封じられてる? いや、それだったら『神獣鏡』の方を封じる方がいいに決まってる……何か、何か意味があるはず…!)」
『イガリマ』のアームドギアを形成し接近すれば、ミネも大剣で応戦してくる。
そもそもなんでミネは『シンフォギア』を纏っていないの?それでなんで私と互角に渡り合えてるの!?
「(もしかしなくても、終わりなき災禍に大きな関係が…?)」
あぁもう考えてもらちが明かない!
この世界ほんっとどうなってんのぉ!!!
「発射」
「やっばッ!?」
ミネが頭部に武装している『シュルシャガナ』の砲をこっちに向けてエネルギーを放射してきた。
咄嗟に私は『アガートラーム』のシールドで防御する。
あの日、美音は【シェンショウジン・ファウストローブ】と『ダウルダブラ』と錬金術、そして『Sv-303』と【闇】を使用していた。
一方で私は【BURNING・EX-DRIVE】で6つの『シンフォギア』。
今は互いに同じものを使える。
なぜミネは『イチイバル』だけ使ってこないのか未だわからないけど、それでも手札で言えばほぼ同じだ。そしてエネルギーを弾き飛ばし、すぐに接近しようとするが、ミネが視界からいなくなっていた。
「ど、どこ——」
「——終ワリ」
真後ろから声が聞こえて、バッ!と振り返った瞬間には、私の首に真っすぐと別で既に具現化させていた大剣が振るわれていて、もう当たる直前の状態になってしまった。
回避ができない——
「——だめェェェエエエッ!!!!」
「「ッ!?」」
——次の瞬間。
突然の叫び声と共にミネ目掛けて誰かが突進してきた。
「イヴちゃん!?」
「オ前…!!」
背中にジェットパック的なのを装備しているイヴちゃんが飛んできた。
そんなイヴちゃんにミネは問答無用で、蒼き双刃刀を突き刺した。
「うぅ!!」
「ッ! だめ! お姉ちゃん!!」
容赦なくイヴちゃんを殺すつもりだと悟った私はアームドギアを消して、イヴちゃんと同じようにミネに突進。
身体を掴み押さえ始めた。
「……ッ、邪魔ッ!!!」
だけどミネが放った"個性"による衝撃波で私たちは吹き飛ばされ、私はすぐにイヴちゃんを掴んで離れないようにする。
「イヴちゃん! なんで来たの!? 危ないから離れて——」
「嫌!!」
「っ!? なんで!! あなたは戦えないんだよ!?」
イヴちゃんの"個性"は『ギャラルホルン』。
本人が世界を超えて繋ぎ、行き来することができる"個性"だと言っていた。
そこに戦闘として扱える力は備わっていない。
にもかかわらず、なんでイヴちゃんはここまで。
「——約束、したの……!」
「約束…?」
イヴちゃんは私から少し離れて、自身のジェットパックで浮遊する。
そしてずっと謎だったギアペンダントを取り出した…って、なんで光って…!?
「
「あの人…? ッ!」
イヴちゃんが語り始めたと思ったら、ミネの方は大剣を構えてこっちに接近しようとしていた。
私は咄嗟に槍と大鎌を形成して身構える。
「だから、
「さっきから何の話を…!!」
ミネが接近してきて、私は咄嗟にその攻撃を防ぐ。
とりあえず、イヴちゃんをここから離れさせないと…!!
「(いや、待って…?)」
さっきからイヴちゃんの発言がどこか引っかかる。
ギアペンダントを所持していて、それをある人から託されたものだと仮定。
ミネは『シンフォギア』の中で唯一『イチイバル』だけを使用してこない…そして適合者として扱うための具現化……ッ!!?
「まさかっ!!!?」
私は思わず振り返り叫ぶが、次には絶句した。
だって、イヴちゃんの握るギアペンダントが赤い輝きを膨大とばかりに放出し、イヴちゃん自身もオーラとして纏い始め、そのオーラは次第に形を模り始めていたから。
「だから私も戦える。そして約束したから! 必ずミネさんを救けると!! あの人は——ユウカさんはそれを信じて私に託したの!!」
「だから答えて! 『
『魔弓・イチイバル』その『シンフォギア』の名を叫んだ瞬間——イヴちゃんは赤い輝きに包まれ、私とミネは、イヴちゃんから発生する輝きの衝撃波によって吹き飛ばされた。
そして聞こえた。
歌声が、『イチイバル』の『聖詠』が。
肌にピッタリと張り付く赤と白を基調とするバトルスーツを身に纏い、脚部は白と赤の武装付きにのパンプスとストッキングを装着。
腰には後面に大きめのスラスターが付きに前面が開いた輪っかの装甲を、両腕には装甲が薄いガントレットを前腕に装着。
頭部には両耳を包み込むような楕円型に両サイドの下にはヘッドホンに近しい構造、頭部と固定するためとばかりの構造のヘッドギアを装着。
そして胸元には左右に半円形が繋がったギアペンダントが装着された。
その姿はまさに、【戦姫絶唱シンフォギアXD】の『並行世界』のキャラクター——
「噓でしょ…!」
「……ッ」
——『雪音クリス(Another)』が纏う『イチイバル』の姿だった。
「絶対に救けるよ。ユウカさんから授かった——『
『並行世界』を繋げる『ギャラルホルン』を"個性因子"として身に宿す少女。
その少女は今——『イチイバル(Ver.Another)』を纏い、日陰を救うべくその銃爪に指をかける。
イヴ・ラグナがギアペンダントを持っていたのは今シリーズの序盤からです。
その正体が半分明かされました。
あと並行世界の美音がイチイバルを使っていなかったのは、これまでの戦闘描写でも描かれています。
意外とわかるかもしれません。
ちなみにイヴ・ラグナの外見などの詳細は彼女の名前が明らかになった時に後書きで描かれております。あと余談ですが実はイヴちゃんの見た目、書かれていますがanotherクリスに酷似してます。
そして最後に正直言います。オリジナル編早く終わらせて原作に戻りたいって気持ちが大きいです。
かれこれもう4か月…4か月ですよ!?流石に原作に戻らないと……でもこのオリジナル編がそれでも大事なんですよね……今後の展開でオリジナル編はある意味重要な点なんです。
でも社会人になってから作業する暇がガクンッ!!と落ちたんですよね…今では休みの日と休憩時間の合間でしか書けない……。
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