ラブライブリスタートシリーズ ラブライブカーニバル リンクス 作:しゅみタロス
沼津学生総合センター
心咲「えっと……16番会議室だから、この先か……」
多くのスクールアイドルチームの監督者及び地方のテレビ局やラブライブ運営委員会の関係者でごった返す中、俺はセミナーを行う会議室に向かっていた。その中でもとりわけ自分が話題の中心にいることからかやたら人に声を掛けられる。慣れてきたとは言え自分も有名になった者だと改めて実感する。
陸 カシャ「あれが心咲護か……カッコいいな」
千歌「うん、私たちこれからあの人に色々な事教わるんだよ」
陸「しっかり学ばないとな、スクールアイドル目指すなら」
千歌「そうだね、行こう」
心咲「着いたは良いが……ちょっと早かったみたいだな」
16番会議室に着いたが開いていない、少し時間を潰す必要があると感じた俺は近くの待合室へと向かった。
すると……
ガラッ
ジュンヤ・集「!!」
心咲「ああ、ごめん。中にいるとは思わなくて……」
ジュンヤ「いえ、お構いなく」
集「ただ早く来すぎて暇だったからな、それにこうしてお会いできるのは嬉しいからね。心咲さん」
心咲「君達も俺のセミナーの希望者」
ジュンヤ「はい、友達の誘いで」
年下とは言えよく出来た人たちだ、中学生とは思えないオーラに少し驚いてしまう。
心咲「君は楽譜を書いてるのか?」
ジュンヤ「ええ、僕イギリスのファンガリオン交響楽団の後継ぎなので」
心咲「ファンガリオン……!!」
聞いたことある、ファンガリオン交響楽団と言えばイギリス屈指のオーケストラ楽団で今の世で最も規模の大きい音楽家一族。かれこれその歴史はイギリスの貴族社会の時代から存在していたらしいけど……。
心咲「まさか、ファンガリオン家の人間がスクールアイドル。ちょっと意外だな」
集「いや、やるのは僕たちじゃないよ」
心咲「そうなのか?」
ジュンヤ「僕たちは誘われてきただけだから」
成程、あくまで友達付き合いの一環で付いてきたわけか。彼らの言うその友達に良い事を教えられるよう本腰を入れないとな。
そんなこんなで時間が過ぎ、ようやく会議室に入る事になった。
会議室
曜「お待たせ~」
陸「おう、待ってたぜ」
千歌「遅いよ~、何してたの?」
曜「地元テレビの取材に掴まってさ~もう大変だったよ~」
ジュンヤ「お疲れ様、チョコレート食べる?」
曜「あ、ありがとー」
すると後ろから
仁乃介「よう、滑り込みセーフって所だな」
集「野球の練習終わったみたいだな、丁度いい」
仁乃介「じゃあ、隣失礼するぜ、陸」
陸「お構いなく」
中学生の和気藹々とした空気の中、俺が会議室に入ると同時に静寂に包まれる。未来のスクールアイドル志望の中学生たちの前で俺が伝えるべき事、それは今までを振り返ってみれば自ずと何かは分かっていた。教壇に立つと俺は目の前の皆に一礼した。
心咲「皆さん、初めまして。ミューズの主幹を務める神城寺高校2年の心咲護です。自己紹介とは言っても皆さん恐らくテレビや雑誌で概ね俺の事は知ってると思うから特に言う事はありませんが皆さんに少しでも俺の話を聞いてそれが糧になるなら嬉しい限りです。今日はよろしくお願いします」
中学生一同「「「「「よろしくお願いします」」」」」
礼儀に据えた中学生たちに対し、少しばかりフランクに話してしまったがそれでも皆こうして俺を輝くような目で見ているのは少し嬉しい。皆憧れのラブライブを目指す未来あるスクールアイドルだ。こう言う人たちを俺は先人としてしっかり導かないとな。尚更心が引き締まった。
心咲「それじゃあ、俺が皆に伝えたいテーマについて話をしていく。
テーマは自分の為の音楽だ」
陸「自分の為……」
俺は皆の前で自分の事について語り始めた。
心咲「本来、ミューズは音ノ木坂の廃校阻止が目的で俺と高坂さんが立ち上げたスクールアイドルだった。始めは規模が小さく、アライズには遠く及ばない無名だったけど俺は何とかして音ノ木坂の為に力を尽くしてここまで成長させることが出来た。
だがそれは使命感や周りに強制された訳じゃないんだ」
ざわざわ
中学生たちがざわめきだす。きっと大多数が同じ考えだったのだろう。だが、それは違うと正す必要があるな。
心咲「俺は最初ただ頼られただけだった、でもミューズのメンバーと夢を追ううちに自分の中で皆でやる音楽に楽しさを感じていたんだ。どれだけの苦労を重ねても終わりが見えない中で音楽を続ける意味、それは誰よりも俺がやりたかった、求めていたものでそれが俺にとっての音楽は自分が前に進む為に自分が楽しむ音楽だ。
それが自分の為の音楽、皆にはそれを信じてスクールアイドルをやって欲しい。
それが俺の伝えたい事だ」
陸「自分の為の音楽……」
全員の瞳に力が宿る、これだけの言葉しか伝えられないが皆には十分だろう。
だが、この言葉が
このセミナーに参加していた後に俺と立場を同じくする一人の少年によって受け継がれるのを俺は知る事になる。
その先にある天使たちとの出会い、それはこれが始まりでもあった。