問題児たちと時空間の支配者が異世界から来るそうですよ?   作:ふわにゃん

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今回はバレンタインと言うことで、バレンタインの特別編をやります。

今回も蘭丸君がやらかします。

……正直蘭丸君が羨ましい……(ギリィ)


バレンタイン特別編

 

バレンタインの“ノーネーム”では女性陣が厨房を独占していた。女性にとっての大きなイベントの一つであるからか、熱が入ってるように見える。

飛鳥と耀は二人で作りながら和気藹々と作っているのに対して、黒ウサギとレティシアは熱を入れて作っている。

 

「ねぇ春日部さん。黒ウサギとレティシアの作ってるのって……」

 

「うん。多分蘭丸の分だろうね」

 

そう、黒ウサギとレティシアは十六夜達のチョコを早めに終えて(勿論手は抜いてないが)蘭丸のチョコに時間をかけていた。

 

「それにしても蘭丸君ってなんであんなに鈍いのかしら?黒ウサギもレティシアもわかりやすいのにね」

 

「うん。それに“サウザンドアイズ”の店員さんも好きそうだよね」

 

二人が話をしている時と同刻、蘭丸がくしゃみをしたりしてなかったり。

 

 

 

**

 

その頃蘭丸は“サウザンドアイズ”で白夜叉と商談していた。

 

「この時期はこの商品を売り出した方が売れるだろうな」

 

「うむ。ならばそう手配しよう。……それとホレ」

 

白夜叉から渡されたのはちょっと大き目の袋である。中身を見てみると、大量のチョコである。

 

「これは?」

 

「うむ、商業コミュニティの娘達からだ。…………ちと多いかもしれんが」

 

「ちょっとなんてもんじゃ無いだろ、この量」

 

苦笑いを浮かべながらも蘭丸はそのチョコをギフトカードにしまう。ちなみに蘭丸は商業指南で様々な商業コミュニティを回っていて、“先生”と呼ばれることも多いが、その裏で鈍さ故に、“女殺し”や“ハーレムクイーン"など蘭丸が聞いたら寝込むような渾名で呼ばれていることは白夜叉だけの秘密である。

 

「それと、これは私からだ。黒ウサギ達の分もあるぞ」

 

「おう、サンキューな」

 

白夜叉からのチョコを受け取り、礼を言うと蘭丸は“サウザンドアイズ”を後にしようとしたら、

 

「あ、あの蘭丸さん」

 

女性店員に呼び止められた。心なしか女性店員の顔が赤く見える。

 

「ん?どうした」

 

「あの………えっと……その……///」

 

「???」

 

女性店員は綺麗にラッピングされた包装紙を持ってもじもじとしていた。蘭丸が不思議そうに見つめる。

 

「これは、いつもお世話になっているお礼です。……その…よかったら///」

 

包装紙をおそるおそる差し出す。その様子は何時もの彼女ではなかった。

 

「そっか、ありがとな。……開けてもいいか?」

 

「は、はい、どうぞ」

 

そう言いながら蘭丸は包装紙を開ける。中にはトリュフが入っていた。

 

「お口に合うかどうか……///」

 

女性店員は指を絡めてもじもじとしている。

 

「ん、じゃあいただきます」

 

蘭丸はトリュフを一つ口に運び、咀嚼する。

 

「うん、美味いよ。ありがとな」

 

「〜〜〜ッ!///で、では私は仕事があるので!」

 

緊張感と蘭丸のスマイルに耐えきれなくなった女性店員は逃げるように暖簾をくぐった。それを見た蘭丸は……

 

「……風邪でもひいてたのか?顔も赤かったし」

 

相変わらずであった。

 

 

**

 

少し遡り、黒ウサギは現在チョコを調理していた。ちなみにチョコは市販の物を溶かした物ではなくカカオからの手づくりである。

 

「味はバッチリなのです。あとはこれを冷やして完成です」

 

黒ウサギの作っていたのは生チョコである。完成した物を冷蔵庫に入れて完成……………とはならなかった。

 

「それでは……次は蘭丸さんの分ですね!」

 

そう、生チョコはあくまで十六夜達の物であり、蘭丸の物は別で作る予定でいた。

 

「蘭丸さんは甘い物は大好きだと言っていたのですが……なら黒ウサギも腕を振るいましょう!」

 

調理を開始した黒ウサギは終始ニヤニヤしていたと証言があったと言う。

 

 

 

 

 

**

 

「よし。始めるか」

 

同刻、レティシアも十六夜達のチョコを作り終え、蘭丸への本命チョコを作り始めていた。ちなみにレティシアは自室の簡単な厨房で調理をしていた。

 

「これを作って蘭丸に渡して、その後は……………ハッ!危ない危ない。自分を見失いかけた」

 

危ない妄想にふけっていたレティシアはぶんぶんと顔を振り自我を保つ。レティシアもカカオを調理し始めた。

 

 

 

 

 

 

**

 

そしてその日の夕食はバレンタインだからと夕食と言うより、チョコパーティーになっていた。

 

「これは私からよ。チョコ作るのは初めてだから苦労したけれど…」

 

「大丈夫だよ飛鳥、私も手伝ったし」

 

飛鳥のはチョコケーキである。初めてだからと言うのは本当らしくケーキの形は少し不恰好である。耀のはフォンダンショコラであった。こちらは手慣れた感の感じるような綺麗に作れていた。

 

「いや、春日部もそうだが、お嬢様も初めてと言う割には味はしっかりしてるぞ」

 

「大丈夫、料理は慣れだ。何回も料理していけば感覚はわかってくるから。初めてでこれなら練習していけばかなり上達するぞ」

 

「ふふ、ありがとう二人とも」

 

十六夜と蘭丸の評価で気を良くしたのか嬉しそうに微笑む飛鳥。耀はと言うと既に口いっぱいにチョコを頬張っていた。

 

「……春日部さん、いくらなんでも詰めすぎじゃあ…」

 

「んぐんぐ……うん大丈夫だよ。そこにチョコフォンデュあったからつい」

 

「あ、それ俺のやつだわ」

 

どうやら蘭丸が作った物らしいチョコフォンデュには子供達が大勢集まっていた。十六夜はへえ、とその光景を眺めていた。

 

「こいつは驚いたな。あの機械もお前じゃなきゃ持って来れないしな」

 

「ふ、商人舐めんな」

 

「ふふ美味しいわね。このチョコフォンデュって」

 

チョコに苺をつけた飛鳥はちょっと嫉妬しちゃうわと皮肉そうに言う。十六夜もバナナを食べながらヤハハと笑う。耀は既に口いっぱいになっていた。

 

「おいおい、口にチョコついてるぞ。ったく子供みたいだな」

 

と蘭丸はハンカチで耀の口を拭う。

 

(おいおいこれって)

 

(こういう時って)

 

そうこう言う時には………

 

「皆さん、チョコ追加したのです…………よ?」

 

「すまないな少し遅く……なっ……?」

 

追加のチョコを持ってきた黒ウサギとレティシアが入ってくるというお約束である。

 

「おう、サンキューなってどうした固まって?」

 

((お前(貴方)のせいだろ‼︎)せいでしょう‼︎)

 

当の本人がこれである。黒ウサギとレティシアは石になって固まっていた。

 

「???」

 

「ダメだなこりゃあ」

 

十六夜は静かに溜息をはいていた。

 

 

 

**

 

そしてその夜、なんとか回復したレティシアは蘭丸の部屋の前に立っていた。

 

「蘭丸………喜んでくれるだろうか……」

 

少し躊躇っているレティシアだが意を決してドアをノックした。

 

「……蘭丸、いるか?」

 

「ああ、空いてるぞ」

 

それを合図にレティシアは蘭丸の部屋に入る。中では蘭丸は机に座り、書類を整理していた。今まで黒ウサギがやっていた仕事を蘭丸が全てやっていて、その量はかなりのものであった。

 

「まだやっていたのか?」

 

「ああ、あとちょっとで終わるけどな」

 

と言いながらレティシアを椅子に座らせる。レティシアは一度深呼吸をして箱を取り出す。

 

「バレンタインチョコだ。こんな遅くですまないな。仕上げにてまがかかってな」

 

実際には緊張で渡すのを躊躇していたのは彼女だけのひみつである。

 

「そうか、開けてもいいか?」

 

「ああ、感想を聞かせて欲しい」

 

蘭丸はそのトリュフを口に運ぶ。レティシアは少し涙目でその答えを待っていた。

 

「うん。すごい美味しいなありがとなレティシア」

 

「そうか……それは良かった」

 

レティシアはホッとしたような表情を浮かべていた。そして蘭丸も次々とトリュフを食べ進める。

 

 

 

 

 

「ごちそうさまレティシア。すごいうまかったよ」

 

「それは良かった…………蘭丸頬にチョコが…」

 

「ん?そうか」

 

「ああ、ちょっと待っていろ私がとる」

 

レティシアは蘭丸の頬に顔を近づけてそのままチョコを舐めとった。これには流石の蘭丸もポカンとしていた。

 

「……………はい?」

 

「ふふ……確かに甘いな///」

 

レティシアは顔を真っ赤にしてそのまま部屋を後にした。蘭丸は暫く放心状態になった後……

 

「……吸血鬼のバレンタインってこういうものなのか?」

 

もはやアホのレベルである。

 

 

 

 

**

 

「うう…躊躇っていたらこんな時間になっていたのですよ」

 

黒ウサギも仕上げ後、躊躇って遅くなっていた。黒ウサギはドアをノックする。

 

「蘭丸さん、黒ウサギです。少しよろしいでしょうか?」

 

「ああ、空いてるからはいっていいぞ」

 

失礼しますと黒ウサギは蘭丸の部屋に入った。蘭丸はベッドに腰を掛けていた。

 

「すいません。こんな遅くに」

 

「構わないさ、それより……チョコか?」

 

「Yes。黒ウサギが丹精込めて作ったのですが………こんな遅くになってしまって………」

 

「構わんよ。食べていいか?」

 

黒ウサギが頷くと蘭丸は嬉しそうに箱を開ける、中にはチョコティラミスが入っていた。ティラミスは食べやすいように一口サイズに切られていた。

 

「おお、美味そうだな。いただきます」

 

蘭丸はティラミスを一切れを食べた。

 

「うん、美味い!」

 

「ありがとうございます蘭丸さん!」

 

黒ウサギはウサ耳をひょこひょこさせていた。それと同時に机の脇にあった空箱の山が目に入った。

 

「蘭丸さん……あれは?」

 

「ああ、いろんなコミュニティからもらってな。せっかくもらったものだし全部食べたよ」

 

「この量を⁉︎」

 

黒ウサギは驚いていた。その量はかなりで食べ切るのは困難である。

 

「まあでも、やっぱりレティシアや黒ウサギ見たいに心がこもってるチョコはなかった」

 

だから、と蘭丸は黒ウサギの頭を撫でる。

 

「ありがとな、黒ウサギ」

 

「〜〜〜ッ///」

 

蘭丸の100%スマイルに黒ウサギはポンと音が鳴るように顔を赤らめた。

 

「い、いえそれほどでも……ではおやすみなさい///」

 

「あー待て黒ウサ……早いな」

 

蘭丸が驚く程のスピードで黒ウサギは部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

翌日、蘭丸は胸焼けで一日寝込んでいたと言う。





蘭丸君は相変わらずですねー

なんか今回は暴走していたような………


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