問題児集団を束ねてるのは間違ってる   作:新人作家

12 / 21
第12話

 

 「うぃ~す、おはよ~ス······」

 

 うぇぇぇ、頭痛と吐き気がするぅ···。

 

 昨日は病み上がりにも関わらず神デメテルに連れられて【フレイヤ・ファミリア】の所行って、バトッて、魅力されて、クベーラと酒飲んで、【凶狼】ってか【ロキ・ファミリア】と一悶着あって一日を終えた。

 

 濃い一日だから無意識的に自棄酒したんかなぁ。本拠地に帰ってからの記憶が飛んでるんだよなぁ。Lv.6が酒に酔うなんて相当だぞ。思い出そうとしたら「うっ、頭が」状態になって頭痛が酷くなる。よって、考えるのをやめた。

 

 あっ、冷たい水美味しい······。

 

 「ふん、俺より後に起きるとはいいご身分(ゴミ分)だな、団長殿?」

 

 「おはよ~、コーちゃん」

 

 「おはよう、団長ちゃん」

 

 「おはようございます、団長」

 

 「おはようッス、団長氏」

 

 「ん」

 

 「お、おはよう、ごごございます!」

 

 上から戦闘狂(キリオス)駄女神(クベーラ)淫乱妖精(メルティ)性悪巫女(ナザレ)発明馬鹿(グレイ)猫天使(クロノ)、そして白兎。 

 

 ······珍しいな、全員揃ってる。この時間帯ならグレイは引きこもり、クロノは屋根上で寝ている(外出している)のに。そしてキリオス。戦闘をこよなく愛するコイツは一人遠征に行くから家に居る時間より、ダンジョン内に居る時間のが圧倒的に多い。物資の補充かな?

 

 まあなんにせよ、全員が揃うのは久方ぶりで、どこか嬉しい気持ちになる。

 

 「それはそうと、俺の朝食は?」

 

 「自分で作れ」

   

 「ごもっとも」

 

 「コーヒーは私が淹れてあげる。朝食はキリオスちゃんが作ってくれてるよ」

  

 「サンキュー·······え、マジでか!?」

 

 「キリオス"ちゃん"はよせ。キリオス"ちゃん"はよせ!」

 

 「二回言いましたね······」

 

 「あ、ならばこのドリンク自動製造機はいかがです?コーヒーはもちろん指定した飲み物が用意される優れものなんですが、たまに異物が混ざった飲み物が出てくる仕様になってるッス。体に害は多分ないのでご安心を。どうッスか?」

 

 「「いらない」」

 

 「それは仕様じゃなくて欠点だよ~」

 

 「ん」

 

 「ちなみに使用した場合、お腹壊します。預言結果です」

 

 「こ、これが【クベーラ・ファミリア】、都市最狂派閥······!」

 

 ワイワイガヤガヤと会話が弾む。軽口を叩き、それに返す。いつもの日常。全員が揃うのもそうだけど、こういうのもなんか久しぶりな気がする。最"強"派閥のニュアンスおかしくなかった?

 

 てか、

 

 「お前は誰だ?」

  

 「え」

 

 ほんと誰よこの白兎。

 

 

 

 

 

 

 「ほ~ん、キリオスにねぇ······」

 

 「は、はい!ボロボロのところをキリオスさんに、助けられまして。泊めさせていただいただけでなく、ご飯までご馳走してくれて······。本当に助かりました」

 

 「気にするな」

 

 白兎──もといベル・クラネルはキリオスが拾ってきた少年で、【ヘスティア・ファミリア】という零細派閥所属の冒険者。田舎から直接オラリオまで来たから、恩恵(ファルナ)を授かる神はオラリオで出会ったヘスティアただ一柱。つまり駆け出し(ルーキー)

 

 (······それにしても)

 

 俺は横目でキリオスを見る。

 

 キリオスは弱者を見ても足を止めない。助けを求められても平気で見捨てる。そんな男が自分より遥か格下、それも駆け出しを助けた?この少年に何か感じるものがあったのだろうか。

 

 キリオスの行動に疑問を抱く。

 

 「ベル」

 

 「は、はい!」

 

 キリオスが口を開いた。え、てか下の名呼び?お前とか貴様とかフルネーム呼びのお前が?

 

 「冒険者としてのお前は、何もかもが足りてない。力、技、知識、知恵そして心。仲間の居ないお前は、必然的にソロで活動することになる。そして死ぬ」

 

 「は、はい······」

 

 コーヒー片手にキリオス劇場を視聴する。狂人がマトモなこと言ってら(失礼)。気になるのか、他団員も静かに視聴中。

 

 キリオスは頭のネジが数本飛んではいるが、戦闘においてはこの中の誰よりも天才だ。同じソロ探索なら、コイツの助言(アドバイス)は結構タメになるのでは?

 

 さて、コイツがどんなこと言うのか······。私、気になります!!

 

 「───よって、俺を目指してもらう」

 

 「「「「おい」」」」

 

 絶っっっっ対、駄目だろ!!ベルを何万回殺す気か!?

 

 「が、俺も多忙故な。コイツらから学べ」

 

 「「「「おい!」」」」

 

 人任せかよ!師匠だろうがテメェ!!

 

 キリオスの野郎、一番弟子(ベル)を俺達に押し付けやがった······!それとお前は多忙じゃないだろ、行かなくていいただの遠征に行くだけだろうが!

 

 「え、え~と······。お願い、します······?」

 

 「「「「······。······ハァ~~~」」」」

 

 俺達は顔を見合わせて、深いため息を吐いた。クベーラ?ずっと笑ってるよ。

 




~迷宮コソコソ噂話~
実はキリオス、数年前に滅茶苦茶強い魔女に片思いしてたよ!その人が死んで失恋したんだけど······このベルって少年、どこかあの人に面影があだら"く"し"や"!?

キ「余計なこと喋るな殺すぞ」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。