問題児集団を束ねてるのは間違ってる   作:新人作家

9 / 21
第9話

 

 コーネリウスが【フレイヤ・ファミリア】と揉めに揉めた後、クベーラに値段が高い店で料理と酒を振る舞っている時刻と同じ時間帯。

 

 「大変お待ちしておりました、メルティ様、ナザレ様、グレイ様!娯楽都市(サントリオ・ベガ)最大賭博場(グラン・カジノ)、【エルドラド・リゾート】へようこそおいでくださいました!」

 

 【クベーラ・ファミリア】は世界の中心と謳われるオラリオの中でも随一の問題児集団である。欲しい物が手に入らないと恥も外聞も関係なく駄々っ子になる浪費癖の女神クベーラを始め、ショートカットするためだけにダンジョンを毎度崩壊させるキリオス、敵対派閥とはいえ動けないよう両手両足を切り落として拷問の数々を行ったクロノ。それらを放置、もしくは指示を出して安全圏で楽しんでいる(とされる)最も狡猾で悪質な団長コーネリウス。

 

 そんな連中に問題を起こされたらたまらないと、有名人を使って客足増やすためだとしても賭博場(カジノ)含め娯楽施設にはまずお呼ばれされないのだが、()()()()()()()()()()()()彼ら彼女らは別である。

 

 「カジノへのご招待、どうもありがとう。今日は有意義な時間にさせてもらうよ」

 

 暗黒期に人々を癒したエルフの聖女メルティ。女神の如く慈愛(?)と美貌、そしてその強さから熱狂的なファンも多く、先日のランクアップでさらに人気が加速した。

 

 『愛の手紙(ラブレター)がまた届いたよ。羨ましいなぁ』

 

 『いらないから燃やしといて』

 

 『ええ~···』

 

 「こういう場所は初めてなので、とても楽しみです」

 

 的中率99.9%を叩き出した美人占い師ナザレ。街角なんかでたまに占いをやっており、ものの数分で行列ができるほど人気。オブラートに包まずズバッと言うが、逆にそれがいい、なんか吹っ切れたという人が後を絶えない。

 

 『なんで占いやってんの?金のため?』

 

 『人の不幸は蜜の味なんですよ』

 

 『ええ~···』

 

 「楽しみ~(ヒィィ、キッラキラしてるぅぅ···オエッ、吐きそう···)」

 

 数々の魔道具で都市外の人々を救った偉大な発明王グレイ。発明品のお陰で国々を守られた王族貴族、そしてかの【九魔姫(ナインヘル)】の父である王族妖精(ハイエルフ)からも感謝状が届き、小人族(ハーフ)だということから差別、蔑視と戦い抜いた偉人にして英雄とされている。

 

 『引っ切り無しに届く感謝状どうする?』

 

 『あー···邪魔なんで捨ててくださいっす』

 

 『ええ~···』

 

 この三人はあのファミリアの中でも人望が厚いため、よくこういう場にお呼ばれする。(なお、出席率はかなり低い模様)

 

 「で、ではご案内致します!ここここちらへどうぞ!」

 

 ドレスに着飾ったメルティとナザレに誰もが動きを止めて見惚れる中、会場へ向かった。見惚れてても職務を全うする案内人は偉い。

 

 「二人とも、()()()()()

 

 「はい」

 

 「うっす」

 

 

 

 「おや、今日は運がいいみたいだね」

 

 「また私の勝ちですね」

 

 「これも自分の勝ちっすね」

 

 「すげぇ女達だぜ!ドンピシャで当てやがる!!」

 

 「このチビもやべぇぞ!賭博のプロ相手に連戦連勝だ!!」

 

 メルティとナザレ、それとグレイは()()()()()()()()()()()、会場を沸かす。一戦ごとに自分の所持金を全額投入(オール・イン)しているので、それはそれは大変儲かる。そしてどれも不正した痕跡がないので進行役(ディーラー)含めた店員は何も言えず、このままいけば世界の中心であるオラリオの娯楽施設が、それこそ破産するのではないかというぐらいに金が流れる。

 

 「お客様」

 

 そんな豪運なお客様にもっと楽しんでもらうために、V.I.P.から()()()()()()()()()()()という噂がある。

 

 「経営者(オーナー)のセルバンティスが、ぜひお会いしたいと」

 

 「······。うん!いいね、行こっか」

 

 「楽しみですね」

 

 「ははは。(帰りたい···)」

 

 「ではご案内致します」

 

 案内人の背を追うように歩く三人は、ドワーフという種族にしては珍しく身綺麗で羽振りのいい男性のもとへと案内された。

 

 「おお、あなた方がかの【クベーラ・ファミリア】のご一行ですな!」

 

 「(メルティ)」

 

 「(うん)」

 

 「私はテリー・セルバンティス。この最大賭博場(グラン・カジノ)経営者(オーナー)を務めておる者です。こちらの招待に応じていただき、誠にありがとうございます」

 

 部下に気に入った女の家族縁者に賭事を持ち掛けさせ、()()()()()()()()()()妻に娶ったとされる、この娯楽都市(サントリオ・ベガ)全ての実権を握る愛多き敏腕経営者(オーナー)

 

 「今夜は充実した素晴らしい時間にしましょうぞ」

 

 メルティとナザレを見た彼は一瞬ニヤリ、と身震いするような視線と笑みを浮かべた。

 

 「(······お色気枠(メルティ氏とナザレ氏)がいるのに、自分がいる必要あった?)」

 

 と、グレイは訝しんだ。




後二、三話で終わるカジノ編開幕。

身に覚えのない風評被害が団長を襲う!!

記憶力がいいグレイはカード系、ルーレットなどの的中系はナザレ、メルティはLv.7の視力を活かせる遊びをそれぞれ担当。コイツら出禁かナーフしろ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。