病んだわ、自分。
闇夜のフェンリル隊仕様 陸戦型ザクⅡ(現地改修)
耐久:60
火力:95
雷装:15
対空:60
装甲:正面70・側面55・背面30・下部25
対潜:65
索敵:85
運:50
回避:70
搭載:0
速力:高速
射程:短
武装:ザクスパイクシールド・105mmザクマシンガン or 90mmアサルトライフル・280mmザクバズーカ or 360mmジャイアントバズ or 880mmラケーテンバズ(現地改修)・クラッカー or 各種グレネード(対潜・スモーク・スタン)・ヒートホーク・脚部三連装ミサイルポッド・マゼラトップ砲
「……なんというか」
「なんだ?」
「武装だけで沈みそうですね」
トップヘビーにも程がある。
というか、武装のラインナップがちょっとおかしい。まるで歩く武器庫だ。パイロット毎の武装バリエーションが一人に統合されているからか。
これが味方で良かった。
流石は一年戦争の地上戦を生き残り続けた部隊の機体だ。
素敵なパーティーとやらは満場一致、即決で即行準備に取り掛かったらしく、マイ中尉、フェンさん、私、志賀乃提督の四人(人?)で開発したミサイルセットと建造召喚したフェンさんの確認作業を終わらせ、夕陽が見える頃には鎮守府全体が騒がしくなっていた。
「む、ミサイルランチャーがないな」
「ミサイルやバズーカだって普通の弾薬補給はできないと思うんだがな? そんなに大火力ばかりいらないだろ。普段はそれ以外の武装で頼む」
志賀乃提督は何故そんなに補給や特性に関して詳しいのだろうか?
ミサイル持ちが私以外にもいたのだろうか?
「ふむ……まぁ、まずはこの身体にも慣れないといけないしな。ザクマシンガンとザクバズーカ、あとはグレネードとヒートホークだけで十分だろう」
「そうだね。艤装の細かい調整は僕がやるよ」
「任せましょう」
マイ中尉がフェンさんの肩に乗る。
……消えた。
どうやら同化したらしい。
……少しだけ、ジェラシー。
マイ中尉は、私のマイ中尉なの。
「ん? どうした。私の顔に何か付いているか、ラング」
「い、いえっ! なんでもありません!」
嫉妬心を知られたくなくて咄嗟に隠そうとしてしまったが、これもまた人間らしさというものなのだろうか。
いや、艦娘だけど。艦MSとも言う。
「主役の二人がこんなところにいちゃダメっぽい~」
「早くこっちに来てお話しましょう?」
「――だとさ」
さっきのパーティー娘と……誰だろう? 知らない艦娘に呼ばれた。
志賀乃提督が気を利かせたつもりなのか、私とフェンさんに会場への道を譲る。
「行きましょうか、フェンさん」
「ああ」
見知らぬ顔が大勢いる中でその注目を一手に集めるのは、少しつらい。
きっと物凄く緊張する。
フェンさんを見ると特に気負うこともなく、自然体で歩いている。
私の視線に気付き、
「そう硬くなることもない。私たちはもうこの部隊の一員なのだからな」
「と、言われましても……」
母艦として運用されていたので私よりも小さな下の子が相手なら大丈夫なのだけれど。
ここにいるのは先輩ばかり。
いちおう、フェンさんが初めての後輩なのだ。戦歴が違いすぎて後輩として見ることは出来ないけど。
「……まぁ、じきに慣れるだろう」
投げられた。
仕方ない。頑張ろう。
鎮守府を出て、グラウンドっぽい空間では艦娘たちは各々好き勝手に立食をしたりお喋りをしていたり、とにかく自由だった。
艦娘以外の、普通の人間もちらほらいる。
提督と同じ服装なので近所の別鎮守府の方々だろうか。
艦娘とは少し違った反応のする、おかしな気配を纏っている人もいるけど。
「ステージへ向かってください。まずは挨拶をしていただきます」
「あ、はい」
「了解した」
セーラー服にメガネの艦娘に指示されてグラウンド中央に組み立てられた舞台へと上がる。
視線が集まり、ひそひそ声はあちらこちらで囁き合う。
うぅ……つらい。
敵から受ける侮蔑と畏怖の視線なら平気なのに。
……MS越しに受ける見えないはずの視線を馬鹿にしてはいけませんよ? 感じた時にはもうトリガーが引かれているという事もあるのですからね。え? なにもそんなことは考えていない? そう。ならいいけど、って私は誰に向けて言っているのか。
あぁもう緊張するなぁ!
『あー、あー、テステス。マイクチェックマイクチェック、
もう思いっきり注目されているのにこれ以上煽らないでいただけますかね!?
そう巫女服メガネの艦娘(霧島って呼ばれていたような?)に心の中で訴えるも届くはずもなく。
横に目を向けてもフェンさんは集まっている人たちを逆に観察している。
私が固まっていると霧島さん(?)とやらからマイクを渡され、挨拶を促される。
『え、え~っと……ビグラング、です?』
……ぱちくり。
しーん、と。静まり返っている。
――つ、つらい!
誰も何も喋らないし反応してくれない!
「代わろう」
「あ、はい」
見かねたフェンさんが私からマイクを受け取り、
『今日からこの艦隊に配属されたフェンリルザクだ。私とラングは少々異質な存在だから、日々の生活において迷惑をかけるかもしれないが、私たちは戦場を共にする同僚だ。出来る限り仲良くやっていきたいと思っている。これからどうか、よろしく頼む』
……ぱちぱちぱち。
まばらな拍手から始まり、フェンさんがマイクを霧島さんに返す頃にはみんな私たちを歓迎しているよな雰囲気だった。
……なんだろうこの反応の差は。
「気にするな、ラング。というか君は見た目がな……艦娘としても少し……いや、かなり……。その……あまりこう言いたくは無いのだが……」
「え、私になにか問題が?」
言い辛そうに言葉尻を濁すフェンさんを見上げる。
どこか至らない点でもある……けど。ありまくりだけど。
「あまりにも容姿が幼すぎるのだよ」
「……ふぇ?」
そりゃまぁ底上げブースターブーツを履いてないと駆逐艦以下の身長になりますけど。
オッゴに乗って散っていった学徒兵たちの弟妹くらいの見た目ですけど。
フェンさんから見れば完全に子供だろうなー……っていうか誰がどう見てもロリっ娘?
「まるゆとタメ張れそうじゃないか?」
「誰ですか”まるゆ”って」
「陸軍の潜水艇だよ」
いやだから誰さ。
舞台の裏から声をかけてきた志賀乃提督。
そのまま霧島さんからマイクをもぎ取り――あ、霧島さんが舌打ちした。
『っつーことでパーティータイムだこのやろぉぉぉぉ!!』
「「「わぁぁぁ!!」」」「「「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!」」」
なぜか会場のテンションが爆上がりして男女の歓声が鼓膜を震わせる。
野郎の数が圧倒的に少ないというつっこみは野暮なのか。
「ほら、行ってこい」
「え? ……え?」
流れに乗れない私をぐいぐい押して会場の波に放り出す志賀乃提督。
フェンさんは……もう流れて遠いところまでいってしまっている。
……人ごみは、酔う。
あ、駄目だコレ……。
結局、なにがなんだかわからないうちに意識を失って医務室へと運ばれてしまう私であった。
精神面のセーフティーが不安定だからだろうか。
あぁ……マイ中尉に会いたい。
中尉に触りたい。
中尉を感じたい。
中尉と抱きしめあいたい。
中尉のことを食べt………………おっと♪
「疲れているんだよ、ラング。今夜はもうおやすみ」
……はい。
おやすみなさい、中尉。
でもまだ書けるはずだから。
どうかエタるか完結するまでお付き合いくださるとそれはとっても嬉しいなって。
(´・ω・`)如月? あぁ、彼女ならドラム缶ガン積みして元気で東急に行ってもらっているよ。うちではね。休暇がないからある種ブラック艦隊だけど。
あと電ちゃんに続いてヴェルちゃんがレベル99になったよ。
指輪の準備をしなくちゃね。