さすがに色々と動き回ったり、子供達の為に下位精霊を疑似上位精霊にしたり。
子供達もテンションが上がっていて気を張っていた事もあるので、ランガとライナを護衛につけ、しばらく休ませることにした。
「ふふ、良い顔して寝てる?」
「そりゃあ一番の不安が無くなったんだ……今はゆっくり寝かせてやろう」
ゆっくりとしながら、リムルに入れたばかりのミルクティーを渡す。
「アンタ達が規格外なのは、大体分かったけど……無茶苦茶しすぎじゃない?」
「でも、つまらないより、面白く生きるにはコレぐらいじゃないと無理」
「ぐっ! なんか否定し辛いわね……」
「ラミリスもテンペストに遊びにおいでよ? 楽しいモノがいっぱいあるよ?」
「主にウィンのせいでな……いつの間にやら遊び場が沢山出来てんだよなぁ」
「気のせい?」
「目を逸らさずに言えよ」
「遊び場‼ どんなものがあるのよ!」
「ん~、来てからのお楽しみ?」
「やめろ! 本当に来るぞコイツ! どことなくミリムに近しい感じがするんだぞ!」
たわいもない会話で盛り上がりながら、夜になるまでゆっくり過ごした。
ある程度の魔素が回復したら、次はラミリスと約束した人形作りだ。
「しっかし人形か……どうするか」
「動かしやすく、壊れにくい形がベスト?」
「とするなら……さっきの機械的なヤツが良いんだよな」
「そうね、弱いのなんて論外よ!」
「ん~、ブリキ人形って感じかなぁ」
「じゃあデッサン人形にしたら? どんな動きにも対応できるし」
「いいなそれ! ならボディは魔鋼で作れば問題ないだろうし……あとは――」
大元はリムルが蓄積していた魔鉱石を素にしてカイジン達が作っていた剣の様に魔鋼へ、そして魔鋼を剣ではなくデッサン人形のように形作っていく。
大まかな形をパーツ毎に作っていき、デッサン人形が完成した。
「へぇ~、これなら確かに色々と動かしやすいわね!」
「あとはリムルがこの人形に宿す悪魔を呼び出すだけ?」
「へ? デーモン?」
魔法陣を展開させてリムルが呪文を唱え始めた。
力が集まるにつれて、バチバチと電気が弾ける様な音が響き渡る。
「……来い。上位悪魔」
噴き出すように光があふれていき、黒い霧となって場所から徐々に姿が現れる。
「ぐ、グレーターデーモンじゃない!」
なんか良く分からないけど、ラミリスが興奮している。
呼び出された上位悪魔はリムルの前に跪いて頭を垂れる。
「お呼びでございますかマスターよ」
「うおおおぉぉ⁉」
「ラミリス、五月蠅い?」
なんかジッとしていられないようだからラミリスと一緒にリムルの隣へ行く。
「君にこの妖精の守護者になってもらいたい」
「こんなんだけど、一応は魔王だよ?」
「ちょっと! 扱いが雑! ウィン‼ こんなんって何よ⁉」
そう言われても仕方ないじゃないか……なんかキャラ的に……。
ラミリスがイジリ易いのがいけないと思う。
「期間は百年。代価は俺の魔素とウィンの魔素。そして、魔鋼で作った魔人形。俺達で作ったんだぜ。まぁつまりは君の依り代となる身体だな。契約期間を過ぎても、この体は好きに使ってもらって構わない」
自分が上位悪魔の前へとデッサン人形を持って見せてあげる。
「……素晴らしい! 願ってもないな」
「ふっふ~ん。良いでしょう⁉」
「なんでお前が偉そうなんだよ」
リムルがラミリスをジト目で見る。
「アタシも手伝ったじゃんか!」
「主にウィンだろうが……」
「希望の形を言うにしても、擬音語での会話は大変?」
「あらよく言うわね。一番に理解してたのはウィンじゃない。さすがは心の友ね」
「それ、偶にいうよな……何時からそうなったんだっけ?」
「……さぁ? なんかラミリスとは波長が合うのは確か?」
「あのお目付け役みたいな女が居なければ、アタシの下に置きたい存在よ!」
「いや、ウィンはやらねぇって」
「ん、自分はテンペストとリムル……相棒?」
「なんで自信が無さげなんだよ」
自分達がじゃれ合っている間に、上位悪魔の方は人形に興味津々なご様子。
というか、いつの間にかラミリスから呼び捨てにされているが……良いのだろうか? 自分もラミリスと呼び捨てにしているけど……。
「これを作ったのはウィン様、ですか。素晴らしいですね」
「喜んでくれてよかった?」
「よし……では、お前に俺とウィンから“ベレッタ”の名を授ける」
「初めてのリムルと作った合作?」
そんな事を言っていたら、急に上位悪魔が眩しいほどに光り、人形と一体化していく。
その際に自分とリムルから、魔素をゴッソリと持っていかれた。
「……ワレは、魔将人形。ベレッタ。ラミリス様の守護者として、頂戴した命令を遂行する者でございます」
胸に手をあて、丁重に紳士的な礼をラミリスにする。
「お、おう。お任せするよ! 頼んだわね!」
物凄くカチコチになりながら、頑張って威厳を保とうとしているラミリスに思わず吹きそうになって顔を背けた。
【頑張って威厳を保ってくれよ】
【しばらくは、緊張してそうだけどね】
【あぁ、想像し易いくらいにな】
【けどさ、二人で魔素をあげたはずなのに……かなり持っていかれたね】
【あぁ、ビックリした。名付けで魔素をごっそり持っていかれたのは久々だな】
【名付け自体、久々?」
【そういや、そうだな……】
外へと歩いてきて、リムルと一緒に夜空を見上げる。
【元気かな、みんな】
【そうだな……】
シズさんの心残りだった問題が片付いて、いろんな余裕が出来たからか。
こっちの世界での故郷。テンペストに居る皆の事が懐かしく思えた。
==夜も開けて、子供達が起きてくる。
「うぉ! 誰だお前!」
「見たことない、人? ですね」
初めに起きてきたのはケンヤとゲイルだった。
「ベレッタと言います。リムル様とウィン様により召喚された者です」
「先生たちが!? スゲー」
そんな感じで、クロエやアリス。リョウタと顔合わせをして挨拶を交わしていく。
「こいつのお守り、大変だろうけどしっかり頼んだぞベレッタ」
リムルがラミリスを指差しながら言う。
「どういうイミよ⁉」
「はっ、この体に誓い、お役に立ってご覧にいれます」
「ん、頼りにしてる……あ、そうだベレッタ。コレもついでに持ってて」
子供達に渡した時と同じようにケースに入れたカードを手渡す。
「これは……」
「お守り?」
「ありがたき幸せ」
ベレッタに渡したカードは二枚{傀儡虫}と{謎の傀儡師}だ。
生徒達と違うのは、ケースの中に入れた時点で見えるのはカードの裏側だけ。
傀儡虫は手札から墓地へ捨てることで発動する効果だし。
謎の傀儡師は、召喚・反転召喚に成功した時、ライフを回復する効果だ。
今は手元にないけど……そのうちギミック・パペットのデッキでも作ってバレッタに上げよう。
「よし、じゃあ学園に帰るか」
「ん、帰ろう」
「「「「「はいっ‼」」」」」
最後に揶揄われたラミリスは少しむくれた顔を自分とリムルをチラッと見る。
「リムル! ウィン!」
呼び止められてリムルと同時にラミリスの方へと振り返る。
「ど~~しても、可憐なアタシに会いたくなったら。また来てもいいわよ?」
「ははは、寂しいなら、そう言った方がいいぞ」
「なっ⁉ アンタ、魔王に対して失礼すぎない!?」
「今さら?」
「ウィン! アンタも少しは敬いなさいよ!」
「まぁ、迷宮から出る気になったらテンペストに遊びに来てくれ」
「うん、歓迎するよ。一緒に遊ぼう?」
自分達がそういうと、ラミリスはちょっと寂しそうではあるけど嬉しそうな顔をした。
「じゃあなラミリス。世話になった」
「本当に、ありがとう……色々と助かった?」
〈告。疑似上位精霊「空」の作成時に「空間属性」を「解析鑑定」……〉
『アンタもアンタで、抜け目ないわね……大賢者』
〈統合の結果「影移動」が「空間移動」へ進化。影を経由せず既知の場所への瞬間移動が可能となりました〉
『へぇ……良い能力ね。アタシも後で統合させて進化させておかなくっちゃね』
〈…………〉
『あ、そうだ。ラミリス様……ウィンはあげないわよ――』
「いや、何時からライナのモノになったの?」
リムルが「空間移動」を発動する直前に、ラミリスの方を向き……まるで挑発でもするような言葉と笑顔で自分に抱き付きながらラミリスに手を振っていた。
「…………ムキィ――!? なんなのアイツ‼ ほんっとに最後の最後まで気に入らないわね‼」
「……ラミリス様?」
ベレッタがチラとっとみたラミリスの表情は、寂しそうにリムルやウィンが消えた位置を名残惜しそうに見つめていた顔だった。
「はーやれやれ。やっと帰った! ベレッタ、お茶入れて!」
「お茶ですか?」
「そう、お茶!」
「……御意」
次の解放テーマ、ワルプルギス終わりまで
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