…………ちょっとね、ほのぼの空気がね…………吸いたくなったの(゜-゜)
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自由学園の朝は早い。
そして……自分は朝に弱い……低血圧なの。
「ほら、子供達が起きてくる時間だぞ~。ウィン、起きろ~」
『むふふ~、相変わらず猫みたいに丸まって~、かぁいいねぇ』
ツンツンと頬をライナに突かれながら、逃げるように布団に包まろうとするが……リムルによってはぎ取られてしまう。
「うぅ~、リムルのえっち~」
「毎回毎回、人聞きの悪い言い方をするんじゃない!?」
『でもこういうのって、ちょっと強引に奪いたくなる気持ちは解るのよね』
「とにかく、もう朝だから起きろよ」
『そうよ。食堂は定時に閉まっちゃうんだからね』
この学園の食堂は時間になるとご飯が食べられないために、寝坊はできない仕組みだ。
子供達も朝に強いゲイルやアリスによって、定時に起きている。
ケンヤやクロエなんかは朝が弱いようで、ゲイルかアリスが起こしているようだ。
部屋から出ると、ちょうどアリス達やケンヤ達も合流して食堂に向かう所に出くわした。
「お、お前ら、ちゃんと定時に起きれてるな」
リムルは子供達に挨拶しながら、先頭を歩く。
『ほ~ら、行くわよウィン』
「……ふぁい」
「はは、おはようございます。リムル先生」
「寝坊すると、食堂閉まっちゃうのよ! もう顔くらい洗いなさいよ」
「ふぇ~~。そう言ってもよ~」
ケンヤはお腹辺りを掻きながら、大きな欠伸をしている。
リョウタもポケっとしているが、意識はしっかりとしているようである。
クロエは自分と同じように、寝ぼけ眼を擦りながらアリスに引っ張られている……ちなみに自分はライナに手を握られている。
食堂に並び、配膳のおば……お姉さんに挨拶していると、何故かしらないが自分とリムルのお盆には山盛りの食事が乗せられていく。
「ほい、リムル先生。ウィン先生。先生だったら、もっと大きくなんなきゃね!」
山盛りのマッシュポテトに、ベーコンと目玉焼きが三つずつ。
ちなみにパンも三つとか。
「先生達……すげぇ食うな」
「山盛りマッシュ……」
「沢山食べれば……大きく?」
『ウィン、安心しなさい。その身長でその大きさは普通にある方だからね』
「べっ! 別に気にしてないよ⁉」
なんで大きくなると言われて思わず胸の部分を見てしまったのだろう。
「まったく、ウィン先生も身だしなみくらいはシッカリしないとダメよ。ただでさえ人目を惹く容姿してるんだから」
「ん~、そう?」
クロエからはジト目で見られるし、アリスやゲイルなんかは溜息と呆れ顔で見てくる。
ケンヤとリョウタも頷いている。
「ウィン先生って無防備な所があるから、心配になるのよね」
「リムル先生はまだ中性的だし……なんか、オッサン口調も相まって大丈夫そうですけどね。ウィン先生は……見ていて心配になります」
「何でっ⁉」
『ほらみなさい、皆が同じ意見よ』
ライナがチラッと周りを見ながら言うと、話が聞こえていた寮生活の生徒達が何人も頷いている……給食を作っているおば……お姉さん方も一緒になって首が上下に動いてた。
「……そんなことないもん……」
「現実を見なさいよ、ウィン先生」
「子供に諭されてるぞ、ウィン……」
「そんな憐みの目で見ないでよ!」
皆が楽しそうに笑う中で、ちょっと頬を膨らましながら、山盛り定食にかぶりついた。
==久しぶりに授業を再開するという事で、リムルが教卓に立っている。
「よーし。今日から本格的に授業をするぞー。元気よくいこうな!」
「……この教卓、大きくない?」
『リムルの顔ぐらいしか見えないわね』
「台が無いからそう思うだけだろ?」
子供達が席に座るのを待っている間に、教卓を改めてみると、なんか無駄に大きくなっている気がするのだ。ユウキ辺りが手を加えたのかな……。
元々、このクラスの子供達は暴れることが多かったからか、室内の机や椅子は頑丈なものに作り替える予定とか言っていた気がする。
「あの、リムル先生が強いのは知ってるんですが、実際には何を教えてくれる先生なんですか? ウィン先生は魔法関係だったり、美術関係だったり図画工作という感じなのは知っているんですけど」
ゲイルが手を上げてリムルに言うと、リムルは真顔で自分の方を見てきた。
「なに、お前そんなことをしてたの?」
『えぇ、ウィンはちゃ~んとリムルがテンペストに行ってる間に授業をしてたわよ』
「……ちゃんと教えてた?」
ただ、遊びが主だったのでリムルからしっかり教えていたのかと、改めて聞かれると……答えられないんだけど。
「はいはい、前から思ってたんですけど。リムル先生もウィン先生もさ、なんで先生なのに小さいの?」
リョウタが手を上げて、ここぞとばかりに質問してくる。
「てか、年齢的に俺達と変わらねぇんじゃね?」
「とっちゃんぼーやじゃないのぉ?」
「アリス、なにそれ? トッチャ?」
クロエが興味ありげにアリスに聞く。
それにゲイルが答えて始める。
「いい年なのに子供っぽいおじさんの事だよ。アリス、よく知ってるな」
「リムル先生っておじさんなの⁉」
……凄く否定し辛い上に、ある意味で言えば的を射ているせいで質が悪い。
「そういえば、オッサン口調だよね」
「ああ見えて実は30代後半だったりするのよ、きっと」
「わははは、きめぇ!」
ケンヤは大笑いしているけど……子供って怖いね。
アリスなんて絶妙なラインを言い当てている気がする。
というかクロエさんや……何を黄昏たり、おじさんだったところにショックを受けているのか、自分は非常に気になる所です。
チラッとリムルの方を見ると、なんか子供達の一言に胸を突き刺すようなダメージを負っているようだ。
「あの……リムル先生、授業は?」
「ちょっとだけ、時間をくれ」
教卓の下に屈みこんで、胸を抑えながら震えている。
ライナがニコニコと微笑みながらリムルの背中をさすっているので、元気づけているのかと思ったが、違うらしい。
『ふふ、もしかして子供達が言ってる事は事実だったりするのかしらねぇ』
「ち、違うぞ!」
『前にユウキって子が女の子と付き合った事ないって言ってたのに嬉しそうにしてたのってさ、もしかして自分も、お・じ・さ・ん、になるまで付き合ったことなかったとかぁ』
ライナが微笑みながら囁き、リムルに止めを刺している。
「お、俺にここまでのダメージを与えたのは、お前らが初めてだ……」
アリスはライナ同様にリムルが蹲る姿を見ながらニヤニヤと笑っている。
「元気出して?」
リムルが落ち着くのを待って、普通の授業が開始される。
「授業って普通の勉強かよ!」
「今さらこんなの必要ないわよ」
「九九の暗唱も満足に出来ないヤツが何を言ってんだよ」
リムルに突っ込まれ、ケンヤとアリスが黙ってしまう。
「くっ、シズ先生やウィン先生はこんなの殆どやりませんでしたよ!」
「遊んだり、絵を描いたり。玩具を作ったり!」
「やはりな、シズ先生やウィンのような、心優しい女性ならそういう教育をするだろう。だがしかし、俺はそこまで優しくはないからな。もちろん、サボるヤツにはお仕置きだ」
なんか子供達の暴露で自分の方にも鋭い視線がリムルから飛んで来た、目を逸らしながら他所を向き回避する。
「シズ先生以上のキツイ奴をな‼」
「ふざけんな――っ‼」
ケンヤが冷や汗を滝のように流しながら叫ぶ。
「シズ先生以上とか、人の心ってものがないの⁉」
アリスは顔を青くしながら震えている。
「鬼だよう、悪魔だよう」
リョウタなんか泣き出しているし。
「許されるわけないですよ!」
「ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさい――」
ゲイルも顔色を青くしてるし、クロエは壊れた人形のように謝る言葉を繰り返している。
「なにしたの……シズさん」
「分からんが、俺も泣きたい」
その後、普通に計算問題をしていたらアリスはぬいぐるみ達と一緒に授業を受けるし……ルーズベルトなるアリスのお気に入り人形が何故か、アリスも間違えていた計算問題を全問正解という不思議な事態を引き起こしていた。
あのルーズベルト……アリスが動かしてるんだよね…………。
次の解放テーマ、ワルプルギス終わりまで
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