==お別れ会から数日。
ミョルマイルは貸し切りの会場を用意して次の日には、またテンペストへ向かうと颯爽と行ってしまったが、自分達は引継ぎや、生徒達の説得など色々な事に追われ、テンペストに帰還するのが遅れてしまっていた。
「――――先生……行っちゃうの?」
「クロちゃん、先生を引き止めちゃダメだよ」
「そうよ、早く行っちゃえばいいんだわ」
そんな事を言いながら、生徒達はやっぱり未練というか……自分達を引き止めたい気持ちがあるのだろう。それでも、最後は笑顔で送り出そうとしてくれている。
クロエは特にリムルに懐いて……うん、懐いていたから、寂しいんだろうね。
なんか自分達がここに来る前に、クロエの一人語りがあってケンヤやアリスに思いっきりツッコミを入れられていた様子だけどね。
聞いていなかったことにしてあげた方が良いだろう。
「……仕方ないな」
リムルはジッと寂しそうに見つめてくるクロエを見て、頭につけているシズさんの仮面を手に取る。
「これをやるから、元気出せ」
ポンとシズさんの仮面をクロエの頭に置いて渡す。
それを物凄く嬉しそうにしながら、クロエが抱きしめた。
「ずるい! 私も欲しかったのにぃ」
「だめー。私がもらったの!」
「こらこら」
リムルが慌てて仲裁に入る。
「仮面くらい、いいだろ」
ケンヤは呆れながら言い。
「先生、俺達みんなに新しい服をくれたしね」
「アリスちゃん、似合ってるよ」
なんと場の空気を読んでゲイルやリョウタはアリスの服を褒める。
「うぅ~~」
物凄く何か言いたげに自分の方を見てくるアリスに、ちょっと気圧されてしまう。
とりあえず用意しておいて良かったのかな。
アリスの属性に合わせたモノは用意できていないが、魔法を使うなら補助としての役目を果たしてくれる杖を取り出す。
人形たちを動かす時にもスムーズな指示が出来るよう、ちょっとした細工もしてある。
「じゃあ、はい……使いこなせるようになったら、しっかりした杖を上げるから、今はコレで我慢してほしい?」
「えっ⁉ 良いの‼ やったぁ~~」
自分の杖に似せた感じで作ったけど、思いのほか喜んでくれたようだ。
「あっ! 良いなぁ⁉」
『ふふ、ケンヤ達の武器は今度ね。今は色々と忙しくってちょっと遅れてるのよ』
「マジッ!? 絶対だからな!!」
ライナが素早くフォローしてくれて助かった。
「それに、服だって自分達の国に居る巫女姫達が祈りを込めて織った服なんだよ?」
『軽くて丈夫で質が良いのよ。大事に着なさいよアナタ達』
「そうそう、ちなみに袖のところにレースをあしらってるのはアリスのだけだぞ」
そう畳み掛けるように言うと、なんとかアリスは納得してくれた。
【ふぅ……なんとか、なった?】
【あぁ、シュナやハレたち御巫の皆に感謝だな】
「しっかり勉強しろよ、お前ら。別れはつらいが二度と会えないワケじゃない」
「休みになったら遊びにおいで?」
『歓迎するわよ』
生徒達が涙目になりながら、自分達を見てくるのでこれ以上のお話はせずに、別れを告げて離れる。
「じゃあ、またな!」
「また会おうね?」
『次に会う時までには成長しときなさいよ』
手を振りながらテンペストの方へと歩き出す。
「時間を掛けると離れ難くなるからなぁ~」
「別れはあっさり?」
「あぁ……こんだけ離れて、道からそれれば……」
『リムル! なんか変よ⁉』
リムルが「空間移動」を発動させようとしていたが、何も起きずに終わる。
〈告。広範囲結界に囚われました。結界の外への空間干渉系の能力は封じられました〉
「結界!? なんでそんなもんが……」
「ライナ!? どういうこと!?」
『分かんないわよ……ただ、いきなり結界に覆われたって事くらいしかね』
自分達が驚いていると、影移動で現れた蒼影は傷だらけだった。
「り……リムル様‼ ウィン様‼」
「蒼影!? どうしたの、その怪我!?」
「これは分身体……本体は無事ですので、ご心配には及びません。それより、リムル様、ウィン様……敵です、それも想像を絶する強さの……っ。どうか、お逃げくだ――」
ダメージのせいか、蒼影の分身体が消えていく。
ミリムが来た時も窮地だったけど、殺気なんてなかったから危機感はなかったけど……今回は訳が違いそう。
それも、この殺気はリムルにだけに向いている……。
「初めましてかな」
自分が先に振り返ると、そこには女性が立っていた……リムルに見せてもらった事のある記憶の映像で、だけど……彼女は、シズさんが気にしていた……。
「もうすぐサヨナラだけど」
「何を言ってるの?」
『そうね、いきなりこんなことするなんて』
「貴女達には用は無い……」
そう言って、さっきからリムルの方しか見ていない。
「……何か用事ですか? 俺は冒険者のリムル。どなたかとお間違いでは?」
「間違っていないわ、魔物の国の盟主さん。君の国がね、邪魔なのよ」
「それなら自分も同じ盟主、関係なくないよ⁉」
「えぇ、知ってるわよ……でも、貴女は保護対象と言いつかってるのよ。それに、潰すことに変わりはないわ。そういう訳で、いま君に帰られるのは、都合が悪いのよ」
思いっきりリムルに向けて殺気を飛ばしながら話す彼女の名は。
「……初めまして、聖方聖教会の聖騎士団長、ヒナタ・サカグチ」
「ちょっと!? 自分は保護対象ってどういう……勝手に話を進めていかないで‼」
『潰すって……どういう事よ‼』
自分とライナの声など届かないという感じで、ヒナタはただリムルだけを見ながら殺気をまき散らしている。
自分に向けられている訳ではないのに、初めて感じる恐怖に足が竦んでしまう。
それでも、このままじゃダメだと奮い立って、なんとかヒナタに話しかけようとするも、彼女は自分達の事など眼中にないらしい。
短めですみません_(._.)_
この時期ですからね……ちょっと忙しく、ちょくちょく短めで上げるかもです。
でも、毎日投稿は続けていくので、ご了承くださいまし_(._.)_
次の解放テーマ、ワルプルギス終わりまで
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