【ランガ、聞こえるか?】
〈告。空間干渉を封じられたため、影に潜む個体名ランガは応答できません〉
リムルが考えている間に、なんとか時間を稼がないと。
「答えてください‼ 保護なんて望んでない‼」
『そうよ、ウィンはリムルと共に歩んできたんだから』
自分達の反応をみて、何故か溜息を吐き捨てる様にリムルを睨みつける。
「……そこの魔物に操られてるの?」
「彼にはリムルって名前がある、というか、なんでリムルが魔物だって思うの?」
「密告があったのよ」
淡々と語るヒナタは、リムルや自分の動きに注意を払いつつ、応えてくれた。
「密告……?」
王都では知り合いの前以外では、常にリムルは人型で仮面をつけていたはずだ。
尾行されていたのだとしたら、それは蒼影の分身体が知らせてくれるはず……一体誰が、彼女に情報を流したのだろう。
しかも……なんかリムルの事を確実に“悪”という印象で話している感じだ。
この殺気は、シズさんにも関係する感じだと思う。
〈告。広範囲結界の影響で魔力感知が機能しなくなりました。知覚は肉体依存に移行します。戦闘に備え、視覚、聴覚維持のため、万能変化「人間」の持続を推奨します〉
「そろそろ、始めていいかな?」
さっきから殺気という威圧感がどんどん増している。
〈――警告〉
「まず、話し合いたいんだけどな」
〈スキル各種に広範囲結界からの圧力を確認。魔法系等の能力は全て制限を受けます〉
「話し合う? 私とあなたが? 魔物の言葉に興味はない」
「やめてっていってるでしょう⁉」
風霊術で彼女の攻撃を逸らせて、リムルの前に立つ。
「この結界内で魔法!? よく使えるわね。それに、よく躱せてたわね。この中じゃ思うようにうごけないでしょうに」
「やっぱりこの結界もお前の仕業か」
「そう、聖方聖教会が誇る、究極の対魔結界」
彼女の邪魔をするように立ち回るが、身体が重いしライナの方は立ってるのがやっとという感じで、動けない様子だ。
リムルも剣を手に持ってヒナタの攻撃を退けていく。
「聖浄化結界内では、魔素が浄化されるの。魔素を活動源とする魔物は存在維持に力の大半を使わざるを得ない。下位の魔物なら消滅するわね」
その話を聞いて一番最初に彼女が言っていた言葉を思い出す。
「まさか……まさかテンペストの皆に何かしたのッ‼ 魔物だって心があるのに‼ 人間と仲良くしたいって思ってくれてる子達だって居たのに!? テンペストを見もしないで、勝手に決めつけて滅ぼすって言ったの‼」
自分の叫びに少しだけ彼女の動きが鈍った気がしたが……それ以上に、いまは彼女が許せない気持ちでいっぱいだ。
「貴女は少し――ッ!?」
なんかヒナタが動揺して言葉につまりながらこちらを見ている。
『悪いわね……さすがに……今の私じゃウィン一人が限界みたい』
自分の足元に魔法陣が描かれていた。
『結界内に別の結界を上書きっていうのは、流石にキツイわね……ウィン、先にテンペストに行きなさい……この、分からず屋には、アタシとリムルで十分でしょう』
「……でも!?」
「ウィン‼ 頼む、先に行ってくれ」
「だって、彼女ってば勘違いしてるよ‼ リムルはシズ先生の思いを――」
「貴女もシズ先生と出会ってたの……そして、彼は命ばかりか、その姿まで奪ったという事実を――」
違うと叫ぼうとしたが、その前に足元からいきなり別の魔法陣が展開された。
『その魔法陣って……』
ヒータの使い魔である炎を纏う狐が彼女の危機を知らせるかのように、全身へとまとわりつくように炎で周りを満たしてく。
その炎は優しくて、あったかい幕の様に自分を覆ってしまう。
「ヒータに……なにか、あったの?」
狐は寂しそうに頷いて、空を見上げている。
ヒナタの猛攻を何とか捌いているリムルだけど、何回か突きを食らっていた。
「行けっ‼」
『リムルのことなら大丈夫‼ アタシが付いてるんだから‼ さっさと行きなさいウィン‼』
リムルの事も心配だけど、二人を信じて、自分はテンペストの方に向かうと決めた。
「ちゃんと無事に帰って来て、約束だからね‼」
自分を覆ってくれている稲荷火に、連れて行ってほしいとお願いする。
するとヒータの思いに繋がる様にして稲荷火が激しく燃え上がる。
熱を感じない炎に包まれ、真っ赤に輝く視界に目を閉じると……転移にも似た感じの体が浮くようにしてヒータの存在を感じる場所へと引っ張られていく。
次の解放テーマ、ワルプルギス終わりまで
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