心にデュエリスト魂を持って転スラ世界に・・・   作:風月八泉

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130話 魔王の箔と甘い理想

 

 

 

 

 

 

 

 

 休憩ということでハルやゴブイチ達が飲み物を用意してくれていたらしく、皆に配り歩いてくれる。

 

 

「手伝うわ」

「ありがとうございます」

 

 ミュウランも積極的にハルやゴブイチの手伝いを申し出て、働き始めているようだ。

 あの様子なら、問題はなさそうで安心だ。

 

「それで、聞きたいんだが……今後の人間への対応はどう考えてるんだ。旦那、お嬢?」

「今回の件は今までの体制を見直さざるを得ない出来事……皆も言ってくれたけど、人間の全てを敵と断じる事は出来ない」

「知ってもらえれば良き隣人になれるって、その可能性を自分は信じたい」

「あぁ、俺もそうだ……だが、それはあくまでも、今後の希望としての話だ」

「現状、自分達は諸外国にあまり知られていないのが問題? ドワルゴンやブルムンドの国交相手としての知名度はあるけどね」

 

「問題は、俺達の在り方までは認知はされていないだろう。故に、今の段階で人間と手を結ぶのは時期尚早だ」

 

「進行中の連合軍を退けたとしても、いずれ第二第三とファルムス王国と同じような国が現れてたら意味が無い?」

「だから、まず重要なのは人類にとって無視できない存在として、その地位を築くことだ」

 

 自分とリムルの話を聞きながら、其々がしっかりと考えて先を見据えて考えてくれる。

 

「なるほど、そのために「魔王」の箔を利用するということか。武力を用いた交渉では不利だと悟らせる」

 

 紅丸が頷きながら自分とリムルの案に納得したようすを見せてくれた。

 

「同時に他の魔王に対する牽制も行えば、人類にとっての盾ともなり得る。聡い者は敵対よりも共存をえらぶだろう」

 

 ゲルドも紅丸と同様に賛成という感じで話してくれている。

 

「そうだ、友好的な者とは手を取り合い、害意ある接触を図る者には相応の報いをうけてもらう」

「相手に対して、自分達は鏡のように接するのが良いと思う」

「そうして長い時間をかけて、ゆっくりと友好的な関係を築くことを目指す。これが俺とウィンの出した考えだ」

 

 自分達の考えはまだまだ甘いだろうけど、やっぱり仲良くなれるなら、自分はその可能性を大事にしたい。

 

「それはまた甘い理想論だな――だが、嫌いじゃないぜ。旦那やお嬢らしくてな」

 

 カイジンが腕組みをしながら、ニヤリと笑いながら自分達について来てくれる意志を示してくれる。

 そのまま髭を触りながら、カイジンが続けて話す。

 

「しかし西方聖教会の当たりは強くなるな。新たな魔王の誕生とあっちゃ、やつら黙っちゃいないだろ」

「だろうな」

「自分達の話なんて聞いてくれない人達だろうからね」

 

 リムルはカイジンや皆を見ながら、カイジンの問いにすぐに返答する。

 

「西方聖教会が俺達を悪だと断ずるなら、断固としてこれと戦おう」

「了解っす‼」

 

 ゴブタは敬礼しながら返事をしてくれて、リグルは頷きながら賛同してくれる。

 

【ヒナタとは……大丈夫?】

【あぁ、相手が誰であろうとスタンスは変わらない。たとえ、シズさんの教え子であろうとな……お前は手出しするなよ。ヒナタとは俺が戦うからな】

【うん、わかった】

 

「差し当って対処すべき人間は進行中の連合軍ですね。布陣を考えませんと……」

「あ、ごめんね紅丸。その連合軍なんだけど、相手は自分とリムルの二人だけに任せてほしいんだ」

「え?」

「理由はある。殺された者達の蘇生に関わるんだが――、これを成すためには俺とウィンが魔王になることが、絶対条件だ。そして侵略者を俺達二人で殲滅することは、魔王化に必要な儀式だからだ」

 

 そう言い切ったリムルと自分に皆からの心配そうな視線が集まって来る。

 

「リムル様、ウィン様」

「大丈夫だ、怒りで我を忘れてるわけじゃない。それに二人でやるんだ、大丈夫さ……な、ウィン」

「ほぇ⁉ ……えっと、はい。大丈夫‼」

 

 怒りで我を忘れてダルクやゲルド達に止めてもらうまで、半暴走気味に飛び出していった自分として、なんとも言えない。

 

「しかし……だとしても、お二人だけで出陣など、危険過ぎでは……」

 

 リグルドが物凄く心配そうにオドオドとしながら言う。

 

「心配ない、油断はしないし……手加減もしない。その点はウィンも同じだ。ちなみにウィンの本気は俺よりもえげつないぞ」

「リムル!? そ、そんな事はないヨ!?」

『いや~、相手を強制的に不利に追い込んで自分の得意なフィールドを作り出す時点で、どうかしてると思うわね』

『それにウィンは相手をリムル同様に力そのものを取り込む事も出来るしな……使い方次第では、操る事さえも可能だぞ』

『姿を見せなくても、トラップで嵌め殺しだって出来るしね……ボクもその辺は同意かな』

『むしろ、風霊術使えば相手が気付かない間に殲滅って感じだよね~。正直、私達の誰よりも優しいウィンじゃなきゃ、大変な事になってたと思うなぁ~』

『接近戦に持ち込むまでも大変ですからね……接近戦をしたところで、ウィンが作り出したフィールド内では力だってあり得ない程上がっていて、今の私では手も出ませんでしたよ』

 

 レイもミリムとの戦闘訓練に参加した時に、自分と手合わせした時のことを語り、それに驚いたヨウムやカバル達、グルーシスなんて口が開いたままで居る。

 

「え⁉ レイの姐御でも接近戦で負けんのか⁉」

「うそ、だろ……普段は遊び人って感じなのに……」

 

「はぁ、あなた達……ここの警備隊の人達が魔法を得意なのってウィン様の訓練マニュアルがあってのものよ……私だって参考になるレベルのモノなんだから」

「ウィンちゃんのおかげで、私だって魔法のレベルが上がったくらいなんだらぁ」

 

 エレンとミュウランが呆れながら男性陣をジト目で見ながら言う。

 

 ただ、霊使いメンバーは知っているが……アレは全部、遊びが発端だとは口が裂けても言えない。

 初めは蒼影の粘鋼糸を使った遊びから始まったなぁ。

 そこから何故か周りに回って、魔法が得意なゴブリン達とシャボン玉作り(水魔法訓練)から始まり。

 

 的当ての的を作る為に硬い土魔法を用いて(土系統の魔法&魔法の圧縮の訓練)弓矢みたいにした方がカッコイイって事で、弓道やアーチェリーのような競技として遊んでみたり(コントロール&想像力向上の訓練)をしたりしただけなのになぁ。

 

 

「それら全部、ウィンが得意とする風霊術なんかの魔法系だが……ウィン本来の戦いからしたら、もっと別の力を使って戦うからな。まぁその話は追々としてだ、お前達には別に任せたいことがある」

 

 早く話を逸らしたくて、リムルの言葉に乗っかりながら真面目な話へと切り替える。

 

「……そうそう、弱体化の原因である複合結界の解除と、紫苑達の……魂の拡散を防ぐための新たな結界の用意をして欲しい?」

 

 

 

「人選は――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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 楽しく読んでいただけたら感激です。暇つぶしでも貴重なお時間を割いて読んでいただいただけでも感謝です。

 誤字脱字のご報告、本当にありがとうございます_(._.)_


 暑すぎたり、雨が降り過ぎたり、果てには大きな自信と……大変な日が続きますが、体調管理にはお気をつけて、頑張っていきましょう。

次の解放テーマ、ワルプルギス終わりまで

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