心にデュエリスト魂を持って転スラ世界に・・・   作:風月八泉

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137話 反魂の秘術と死者蘇生の秘術

 

 

 

 

 

  △▲△▲視点:ダルク【分身体】▲△▲△

 

 

 

 

「お、おい‼ 急にどうしたんだよランガ殿!?」

「眠る……グルーシス……殿。悪い、があと、たの、む」

 

 丁度テンペストへの入り口付近でランガが眠りについたようだ。

 俺に任せておけと言ったのに……さすがはリムルお付きの魔獣だな。しっかりと主の思いも汲んで行動している。

 

「おや、ランガ殿は進化の眠りについているようですね」

『しょうがねぇだろう。寝かしといてやれよ』

 

 初めに声を掛けたのが悪魔の男からだったせいか、……たしかグルーシスって男だったかな、かなり警戒しながら此方を見てくる。

 

「クフフフ、そう警戒しないでください。私は新たなる魔王に召喚された名もなき悪魔です。後ろの二人は私の雑用係なので、気にしなくて結構」

「あ、ああ。三体の悪魔のことは聞いてるよ」

『俺のことは知っているか?』

 

 色々とごたごたしていたからな、もしかしたら俺のことを知らない可能性もある。

 

「確かダルク様だったな。ウィン様の同族だと聞いている」

『警戒をするのは仕方ないよなぁ、気配を消して近付くからだぞ』

「おや、そういう貴方様こそ、ノリノリで一緒に気配を消していたではありませんか」

「ええと……そっちのデカイのが担いでる男は?」

「この者が生き残ったおかげで私は召喚されたのです。とても感謝しているので、丁寧に扱ってあげた次第です」

 

 一際デカイ男の方には、悪魔の男が一人でボコボコにした人間の男が完全に意識を失くして人形のように扱われている。

 

「丁寧ねぇ……」

『こっちの方も地下牢に入れといてくれとリムルから預かってるぞ』

 

 リムルから頼まれていた敵国の王様と、その側近を簀巻きにして意識も刈り取りながら浮かして連れて来た頭陀袋を投げる。

 

「……アンタもか……まぁいい捕虜なら皮膜結界で守っておいてやれよ。今、街の中は魔素濃度が高すぎる。生身の人間には毒だ」

 

 確かに結界内では、生身の人間にはきつい環境だろう。

 

「そこまでしたら甘すぎませんか?」

『面倒だな……袋に入ってるし大丈夫だろう?』

 

 ほぼ同時に、大体同じ意見が隣に居る悪魔の男から発せられた。

 

「……丁寧に扱ってやるんだろう? 死んじゃうぞ」

「おお、そうでした。死なれては不味いです、私が役に立つところを見て頂かないと」

『はぁ、敵国の重要人物だったか……仕方ないな』

「おや、最低限の分身体である貴方が能力を使っても大丈夫なのですか?」

『このくらいなら問題ないぞ?』

「クフフ、流石ですね」

 

 なんかグルーシスの顔が、「怖すぎるだろ」という感じで見てきているが……気のせいだろう。

 

 

 ピシッ――。

 

 少し結界の方で音がしたから、皆が一斉に結界を見る。

 

 すぐにガラスが割れるような音と共に、綺麗に張られていた結界が崩れていく。

 

「おや」

「結界が……⁉」

「中で何か大きな力が動いた様子」

「悪い、ここで待っててくれ‼」

 

 グルーシスは気になる事があるのか、慌てて街の中央の方へと走って行ってしまう。

 

「ふむ、待っていてくれと言われましても」

『良いから行こうぜ、俺も中央広場に行かなきゃいけないしな』

「宜しいので?」

『こいつ等を逃がさなきゃ、別に構わねぇだろう』

「なるほど、確かにそうですね」

 

 ということで、悪魔達を連れて中央広場へと向かう。

 

「ミュウラン無事か⁉」

「グルーシス!?」

 

 中央広場ではリムルが何やら初めているようだった。

 

「只今戻りました、我が君」

 

 悪魔達が跪いてリムルに向かって挨拶をしている……ただ、何をしようとしてるかは分かるが、すこし魔素量が足りない様子だな。

 それは悪魔の男の方も分かっているようだ。

 

 しかし、白いマントが女神様でも着ているような衣服に見える程に神々しいねぇ。

 ライナが宿っているウィンも、無駄に張り合ってんのか……綺麗に見えやがる。

 

「失礼ながら申し上げます。どうも魔素量が足らぬようですが……」

 

 チラッと此方の方を見ながら、すぐに前の方を向いて力の集中に戻る。

 

「……是。必要量を満たしておりません。生命力を消費し、代用します」

「お待ちください我が君‼ 代用にご自身の生命を用いずとも……」

 

 チラッと悪魔の男は後ろに居る悪魔達に目を向ける。

 

「……良き考えがございます。この者達をお役立てください、主の役に立つことこそが我らにとって最大の喜びなのですから」

 

 少し思考を巡らせたのか、悪魔の二人を眺める。

 

「……了。規定に必要な魔素量を補填可能。その案を承認します」

 

 そういうと、力を盗り込みながら二体を吸収していった。

 

「おお……羨ましいぞ、お前達」

『どういう状況だコレ?』

『お、分身体じゃないか、丁度良い、力を戻すぞ……それで全部わかる』

『ふむ……分かった』

 

 

 

 

  ▼▽▼▽視点:ダルク【分身体】(end)▼▽▼▽

 

 

 

  ▲△▲△視点:ダルク▲△▲△

 

 

 

 

「既定の魔素量に達したことを確認しました。これより“反魂の秘術”を再開します」

「それじゃあ、こっちも始めましょう。“死者蘇生の秘術”をね」

 

 デッキホルスターから魔法カードを一枚。ウィンの姿をしたライナが取り出す。

 

「足を引っ張るんじゃないわよ」

「…………」

 

 その確率はライナの方が高いとばかりにリムルの代行者として行動しているラファエルがライナの事を見る。

 

 ラファエルが集めた魂をしっかりした形へと作り出し、ライナの方は死者蘇生のカードを扱いながら、この場一帯に魔法陣を展開していく。

 倒れている者達一人一人に魂と、死者蘇生の魔法カードに描かれている「アンク」の十字が浮かび上がって、ラファエルの作り出した魂をしっかりと体へ宿していく。

 

 ウィンの「生霊の魂」の効果もあって、しっかりと体に馴染みながら一体化していく様子がわかる。

 

 

 それらの秘術を行使するには莫大な魔素量が必要だろう。そして制御する魔力量も想像を絶するもののはず……だが、ウィンの助けがあれば、その成功率が3・14%なんて数字から一気に跳ね上がる。

 

 それにだ、その数値はリムルやウィンが魔王へと進化する前に算出されたものだ。

 今のリムルは魔王へ進化しているし。

 ウィンも同じく魔王への進化をしてしまっている……本人は適当に否定しそうだけど……問題は、進化を果たした今となっては――――その蘇生の確率なんて、無理やり叶えられるだろう。

 

 そうでなくては、俺の主なんて名乗らせねぇよ。

 

 今まで死人だったはずの魔物達に生気の息吹でも吹きかけられたように、身体の傷は消え、綺麗な体と進化に伴った体の変化も訪れ始めている。

 

 息をしていなかった体が、寝息の様に息を吹き返していく。

 

『お目覚めか……随分とおせぇじゃねぇか』

「あな、たは?」

『うわぁ、ダルクじゃねぇか……目覚めの一番にお前の顔かよ』

『ふん、情けなくもやられた貴様が悪い……お前らのせいでウィンやリムルがどれだけ苦しんだと思ってやがる……寝すぎだ馬鹿が』

『そりゃ……悪いことをしちまったな』

『いまはゆっくり休め。お前らを蘇らせてくれたウィンとリムルに感謝しながらな』

 

 俺がそういうと、またすぐに眠りについてしまう。

 

「進化の眠りぃ⁉」

 

 俺の説明がなくても、意味を知っている者が居るのは楽だな。

 ミュウランが街に起きている現象を説明してくれている。

 

 ヨウムやカバル達たちに分かり易く説明をしてくれている。

 

「ええ、リムル様とウィン様は見事に魔王へと進化なされたわ。みんなはギフト……そうね、主の進化のお裾分け、とでも言うのがわかりやすいかしら……リムル様、ウィン様の系譜に連なる者達は、祝福を得て、進化の眠りについたのだと思う」

『ふむ、正解だな』

「なんで貴方は、進化の眠りにつかないのか、かなり不思議なんだけど?」

『俺は少々特殊でね。精霊体っていうのにも、色々と種類があるんだよ』

「な……なるほど……」

 

 ヨウムはなんとか、納得している様子だけれど……多分、解ってないな。

 

『それに、ここを守るのにお前らだけだと力不足だろう。そこの悪魔は別として』

「おや、貴方様がお一人居れば十分な戦力だと思いますが、確かに二人で守れば絶対ですね」

「ってそれより、死んじまった皆は⁉」

「シオンさん達は生き返ったんでやすか!?」

「魂はちゃんと戻せたのぅ⁉」

「……無事に蘇生出来たわよ。それはそこに居るダルクって人も見てるわ。魔王となったリムル様とウィン様の秘儀でね。でも安心するのは、まだ早いでしょう」

『そうだな、一度死んだのは間違いないのだから、記憶も無事であるという保証はない』

「と、とにかくぅ‼ 皆さんを屋根の下に運びましょうかぁ」

 

 エレンは場の空気が暗くなる前にと、提案する。

 

 こういう気遣いは、流石だと言えるな。

 リムルやウィンが気を許すはずだ。

 

「そうだな‼」

 

「多分、大丈夫でしょうけど」

 

 ぼそっとミュウランが呟いた声が聞こえる。

 

『はは、分かってるじゃないか』

「そういうなら、貴方様からきちんと教えてあげるのが良いんじゃないかしら?」

『はっ……お前の雇い主だったものよりも、遥かに凄いと目に見えて分かったなら、しっかりと仕える事をすすめるぜ』

「……本当ね、クレイマンが霞んで見えるわね……」

「ミュウラン?」

『あれはリムルやウィンの凄さに当てられただけだ、しばらくお前が付いていてやれば元に戻るだろう』

「そりゃあ、あんな蘇生術なんて、見た事ねぇからな……ユーラザニアもテンペストには手を出さねぇよう俺が警告しねぇとな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

次の解放テーマ、ワルプルギス終わりまで

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