心にデュエリスト魂を持って転スラ世界に・・・   作:風月八泉

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139話 シオンの料理とサバクモノ

 

 

 

 

 

 

 

 

 外ではお祭り準備が着々と進んでいるというのに、誰も居ない食堂で一つの机に四人がちょこんと座っている……なんとも微妙な空気である。

 

「ちょっと待ってよ‼ なんで自分達まで食べる流れになってるの⁉」

『そうだぞ‼ あんな殺人兵器をおいそれと素人に食べさせるんじゃねぇ‼』

 

 そう言って席を立つと、リムルが何も言わずに自分達側の方へと寄ってくる。

 

「一緒に味わってあげましょうよ‼ アイツだって頑張ってるんだし、奇跡的に美味いかもしれないじゃないですか‼」

 

 紅丸が目にも止まらぬ速さでリムルに抱き付き、死んでも放さないという感じで抱きしめている。

 

「そうそう奇跡が起きるもんか‼ 俺は行く‼ あっ‼ ウィン‼ ヒータ!? 逃げようとするんじゃない‼」

「わわぁ‼ ちょっとリムル‼ その糸の使い方やめてよエッチ‼」

 

 ピンと慌てて縫い付けたせいか、スカートが引っ張られていく。

 ヒータのほうも腰回りに糸が巻き付いているせいで、下手に動けない。

 

『くそっ‼ なんで炎で切れないんだよ、この糸⁉』

「ウィン様もヒータ姐さんも、絶対に一緒に食べてもらいますからね」

 

 スライムボディのリムルが紅丸から逃げ出そうと、伸びたり形を変えて必死に逃れようとしているけど、紅丸には効果がないようだ。

 そんな感じで自分達が何とかこの場所から逃げ出そうと必死に動き回っていると、悪魔の足音がコツコツと聞こえてきた。

 

 屈託のない笑顔と鼻歌を歌いながら、鍋を持って食堂へと入って来た。

 

 もう逃げられないと諦め、自分達四人は素直に席に着く。

 

「沢山、よそいますね」

 

 ルンルンと明るい笑顔を向けられると、お更に盛られていくシチュー……? まぁ、多分シチューなんだろう、白いホワイトソースが並々とあるし……。

 ただ、お皿に落ちる音は、シチューの柔らかい感じではなく……まるでポトフと見間違えるほどに、処理されていないように見える野菜たちだ。

 

「シオンの料理の面倒はお前に任せてたよな?」

 

 リムルが小声で紅丸を叱るが、当の紅丸はというと涼しい笑顔と諦めの表情をしている。

 

「子供の頃から、不可能なんてないと思っていましたが、思い上がっていたようですね」

『良い顔で何言ってやがる‼ これ……どうやって食うんだよ‼』

「……食中毒とか、ならないよね?」

「確かに……」

 

 リムルもジッと眺めながら、シオンの料理を眺めていたが、それではただ時間が過ぎていくだけだと思ったのか、人型へと変わって、震える手でスプーンを持ち……せめて食べやすそうな大きさのモノをすくいあげてから、口へと運んでいく。

 

 紅丸も自分やヒータも、同じようにスプーンを手に取って、シオンの料理を眺めるフリをしながら、リムルの反応を観察する。

 

 

「あれ……? 美味い⁉」

 

 リムルが目を見開いてシオンの料理を見る。

 

「馬鹿な‼」

『嘘だろ⁉』

「ふふふ、実はですね、祝福を頂く時、料理が上手くなりたいって念じたんです。という訳で、獲得したのがこのユニークスキル「料理人」」

 

 嘘だと思いながらも自分もヒータも、シオンの料理を食べる。

 

「ホントだ……うまい」

『あ~、ん~……確かに味は良いが……食感が最悪だな』

「せっかく美味しいのに、舌触りのせいでなんというか……食べれるけど、そこまで美味しいってならないかも?」

「そんなっ⁉」

 

 食べれる様になったものが出てきただけでも上出来ではあるけど、それはマイナスがゼロになっただけ……せっかくの味が……しかも食べ辛い。

 

「紫苑、次からは食材の下処理くらいはしてほしい? 味は良いんだけど……見た目と食感でダイナシ」

 

 厳しい意見だろうけど、これならきっとちゃんとした料理も、そのうちに出てくるだろう……たぶん。

 

「ウィン様は厳しいですね……次は頑張ります」

『殺人料理から進歩したんだから、まぁ良いじゃねぇか』

 

 

 

 

 

    ★☆★☆  ★☆★☆

 

 

 

 

「――――というわけで、これよりテンペスト復活祭(仮)を開催する‼」

 

 リグルドが魔イクを手に、住民達に向かって叫ぶ。

 

 急遽作られたヤグラには提灯を四方から伸ばして、夕日の赤い空に揺れている。

 ミュウランは飲み比べというより、一人でお酒を水のように飲みほしていく。

 

 ヨウムやエレン、カバル達も住民達と打ち解けながらお酒を片手に盛り上がっている。

 

 蒼影の方は上から警備しながらも……まぁソーカに任せておけばいいだろう。

 

 ガビルとゲルドは腕相撲で勝負しているし、トレイニーさんやその妹さん達もゴブイチからポテトを渡されて、楽しんでいるようだ。

 

 夜通し楽しみながら、子供達が眠気に勝てずに少しずつお開きになっていく。

 

「とりあえず、やりきったねリムル」

「あぁ、一人も欠ける事無く、な」

 

 御巫達はヤグラの上で舞いながらも、楽しそうにお酒を飲みかわし、霊使い達も同様にそれぞれが好きな場所で遊んでいる。

 エリアは……ミュウランにダル絡みしているようだけどね。

 

 レイは白老と静かにお酒を飲みかわしている。

 

 

 

 








 今日は短めで……_(._.)_




 台風やら降ったりやんだりの変な天気だったり、急激に熱くなったりで体調管理が大変です( ;∀;)

次の解放テーマ、ワルプルギス終わりまで

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