心にデュエリスト魂を持って転スラ世界に・・・   作:風月八泉

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140話 悪魔の名付けとロゼの紹介

 

 

 

 

 

 

 

 皆が寝静まっていく中で、リムルと一緒にのんびり酒盛りを交わしていると……一人の男が近付いてきた。

 

「我が君、魔王となられましたこと、心よりお祝い申し上げます」

 

 足をピシッと揃えて、右手を胸に当てながらお辞儀をしてくる。

 椅子に座りながらリムルと二人して振り返って、男のことを眺める。

 

「我が君って、リムル?」

 

 リムルの方を見て言っているっぽかったので、聞いてみたが――、

 

「ん~、誰だお前?」

 

 心当たりがないらしい。

 

 完全に忘れているリムルが悪いんだろうけど……男が頭を抑えてふらつき、かなりのショックを受けている様子だ。

 

「ご、ご冗談を……悪魔である私が心核にダメージを受けました」

「我が主よ、この者は貴方様が召喚された悪魔の一体です」

 

 ランガがリムルの影から顔を出して男について、少し説明してくれる。

 

「ランガ殿‼」

『まったく、だから一人で行くなって言ったんだ。あの時のリムルは睡魔に襲われてる状況だったから、説明をしないと解ってもらえねぇって』

 

 ダルクの方も少し遅れて悪魔の男の肩を叩いて慰めている。

 

 そしてリムルは……おぼろげだが、そういえば呼び出したなという感じの目の動きをしている。

 

「色々と手伝ってもらって助かったよ。長々と引き止めて悪かったね、もう帰って良いよ」

「……えっと、リムル?」

「んぁ? どうした?」

 

 いや、どうしたじゃないよ。

 ほら見てあげて、物凄く心にダメージを負ったかように地面に膝までつけて震えちゃってるからね、あの悪魔さん。

 

 偶に……偶に? まぁリムルだからって言うのもあるけど、絶対「早く帰りたいのに俺が許可を出さないから困ってた」的なことを考えているに決まってる。

 だって、もう帰っていいと発言して、満足そうに微笑んでるもん。

 

 チラッとランガの方を見る。

 何とか促してあげてくださいと言わんばかりの目で見られるけど……自分にどうしろと? 悪魔さんは確かに可哀想ではあるけど。

 

『あ~、おい、リムルさんや』

「ん? どうしたダルク?」

『泣きそうになってんぞ、コイツ』

「えっ⁉」

 

 ダルクが物凄く面倒そうに大きな溜息を吐きながら、なんとか悪魔さんの方へとリムルの興味を戻そうとしてくれる。

 

「あれ、もしかして報酬が足りなかった?」

 

 リムルは慌てて立ち上がり、悪魔さんの方へと寄っていく。

 

「いえ、そうではございません」

 

 悪魔さんがすぐに体勢を立て直して、片膝を付きながらリムルに頭を再度下げる。

 

「先だってお願いしておりました通り、配下の末席に加えて頂きたいのです。検討して頂けないでしょうか?」

 

 悪魔さんの勢いにおされる様に、リムルがちょっと引いている。

 

『呼び出した時に、とりあえず役立つことを証明して見せろって点はクリアーしてると思うぜ』

「ゔっ……確かに」

 

【そんな約束してたんなら、後はリムルの方が答える番?】

【いや、そりゃあそうなんだが……ん? っていうか上位悪魔……じゃないなコレ‼】

【そうなの?】

【一緒に出てきた二体は上位悪魔だったんだが、こいつはどう見てもそれ以上の存在だ】

 

〈解。反魂の秘術を行使した際、魔素量の補填に消費致しました〉

 

【消ひ……ええっ⁉】

【容赦ないね、ラファエルさん……だっけ? でもさ、そうなると、このまま帰しちゃうのって……】

【でもコイツ強そうだし……叛意を持たれたら危険じゃないか? 諸刃の剣だぞ?】

【まぁ、そうだけど……大丈夫なんじゃないかな?】

 

 なんか物凄くリムルに懐いてる気がするしね。

 

『コイツのことは俺も見といてやるし、いざとなりゃライナと一緒に抑えてやるから、とりあえずは信用してやってくれよ。強さは本物だしな』

「おぉダルク殿、感謝します」

「……よしわかった。それじゃあ、お前も今から俺達の仲間だ。主は俺とウィンになるが、そこんところは宜しくな」

「おおお‼ 感謝いたします我が君‼ 叡智ある魔女様も、もちろん主と相応しきお方ですので、願ってもないお話です。あの死者蘇生の秘術は素晴らしく――」

「えっと、ありがとう?」

「とりあえずだ、我が君はやめろ、むず痒い」

「自分も、変な呼び方はしなくていい……」

「心得ました、では……なんとお呼びすれば」 

「リムルでいいよ」

「自分はウィンでいいから」

「甘美な響きです……」

 

【なんか、一々大袈裟な悪魔さんだね】

【あぁ……同感だ】

 

「それで、お前の名は?」

「私など名もなき悪魔で十分でございます」

 

【高位な存在に見えるんだけど?】

【だよなぁ……でも名前が無いのは不便だな……悪魔、悪魔ねぇ……】

 

「では、お前の名は“ディアブロ”だ。その名に相応しく俺の役に立ってくれ」

「お、良い名前だね。頑張ってねディアブロ」

 

 そうリムルが名前を付けて自分もそれに乗っかる様にディアブロに声を掛けると……なんか自分達の後ろに後光でも差しているかのように、感動というか眩しい物を見るようにというか、ちょっと自分からは分からないけれど、感動している事は確かだと思う。

 

「おおっ⁉」

 

 ディアブロって名前を付けたから、リムルから一気に魔素が持っていかれたようだ。

 

【なんか半分くらい奪われたな】

【確か上位悪魔のベレッタの時は三割くらい持っていかれたっけ?」

【より高位な存在ならもっとゴッソリいくかと思ったけどな】

 

〈告。主様は魔王化を経て魔素量が大幅に増大しております。故に、消費割合だけでは比較できません〉

 

【あ、そうなんだ】

【……ねぇリムル、ラファエルさんになってから、なんか喋りが流暢になってない? マスターとか言ってなかったよね?】

【そういえば……】

 

〈否。気のせいです〉

 

 なんか即否定された。

 いや、やっぱり流暢になってるよ。

 

 名前を付けられたディアブロの方はというと、魔素が繭のようにディアブロを覆っていて、どうなっているのか良く分からない。

 

〈因みに、魔王化によって増えた魔素量は十倍です〉

 

「じゅ……っ⁉」

「え? じゃあその半分って」

 

 とんでもない化物になっちゃうんじゃ……。

 

「ああ……進化が終わってしまう」

「もう諦めよう?」

 

 ディアブロを覆っていた繭が段々と人型へと変わっていく。

 

「――感激で胸が一杯ですリムル様、ウィン様」

「お、おう。そりゃ良かった」

 

 紅丸と……その後ろに連れているのはユーラザニアの人達かな? 丁度ディアブロの進化が終わりそうな時に来てくれるとはね。

 

「このディアブロ、今日この日より誠心誠意お仕えさせて頂きます」

 

「執事さんみたい?」

「そちらが新しい仲間ですか?」

「ベニマル」

「なんというか……気が抜けませんね」

「ディアブロだ、仲良くしてやってくれ」

 

 仲間か……あの子は召喚して良いのか……悩むな。

 

「ん~……紹介しておく?」

「ん、どうしたウィン?」

 

 とりあえずは、自己紹介だ。

 

 ロゼのカードを取り出して、召喚してみる。

 

『お呼びですか、マスター』

 

 召喚した途端に自分に抱き付いてくるロゼを見て、皆がちょっと驚いた顔をしている。

 

「えっと、彼女はロゼ……ちょ!? 変なとこ触らないで⁉」

『あら、私としたことが、申し訳ございません。改めましてロゼです。以後お見知りおきを』

「ほう、貴女も私と同じく新たなる仲間と……。同期として宜しくお願いしますね」

『えぇ、よろしく』

「また可愛い子が増えたな……なんか強そうだし……」

「たぶん、レイと良い感じのライバルになるんじゃないかな?」

「クフフフフ、どうぞよろしく、ベニマル殿」

「あぁ、よろしく。ロゼだったか、ベニマルだ。今後とも宜しく頼む」

『はい、よろしくお願いします』

 

 少し遠慮してか、自己紹介が終わるまで待機してきた者達に改めて目を向ける。

 

「紅丸、もしかして……」

 

「えぇ、実は宴会が一段落するまではと遠慮してくれていたんです。ユーラザニアの三獣士、彼らの話を聞いてください」

 

 

 

 

 

 

 

 

次の解放テーマ、ワルプルギス終わりまで

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