心にデュエリスト魂を持って転スラ世界に・・・   作:風月八泉

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145話 友達と手伝い

 

 

 

 

 

 

 

 

 封印の洞窟から出ようと入り口まで歩いて来る前から、なんか騒がしい声が聞こえてきているが、……なにかあったのかな? かなり騒がしい。

 

 

「ねぇ、リムル……」

「ん? どうした?」

『なにかあったの?』

「いや、外の様子が――」

 

「そこをどいてくれ‼」

「お断りします、リムル様とウィン様は付き添いは不要だとおっしゃったのです」

「そうであるぞユーラザニアの方々、我輩は誰も近付けないように命じられたのである」

 

 紅丸やガビル、ディアブロが洞窟前に立って誰も中に入れないように立ちはだかっている。

 

 言い争いになってるのは、ユーラザニアの面々らしい。

 

「洞窟にこもっておられるのはお考えがあってのこと、我らが邪魔をするわけにはいきません」

「しかし、もう3日だぜ!? あの伝説の暴風竜が復活したんだろ⁉ 主が危険かも知れねぇってのに手をこまねいているつもりかよ⁉」

 

 叫んでいるのはスフィアかな。

 性格からしてヒータに似た感じだったからなぁ。

 

「煩いネコですね。大人しくしないと潰し――」

「やめろディアブロ‼ それじゃあ仲裁になってねぇ‼」

『なんでリムルの側近は血の気が多いのかしらねぇ~』

『お前はもうちょっとこの事態を収めるって姿勢を見せろよなッ‼』

 

 ヒータとエリアの温度差が凄い事になってるが、ギャラリーもかなり多く集まっている。

 

「リムル様がご無事なのは間違いない。ただ、ヴェルドラ様が復活なされたとなると、我らとしても迂闊に動けないのだ。とにかくここは我々に任せて――」

 

 話を聞いていてヴェルドラが自身を指差し、リムルと自分に目を向けてきた。

 

「あ~……皆スマン、心配かけてしまったみたいだな」

「少しは話をしておくべきだった? 御免なさい」

『確かに混乱するのも無理ないわねぇ。今後の反省点かしら?』

 

 皆に声を掛けると、一斉に視線が集中してきた。

 

「リ……リムル様‼ ウィン様‼ それにライナ様……と……誰?」

 

 リグルドがヴェルドラを見て固まる。

 まぁ、見た目でいきなりヴェルドラですって言っても、分からないよね。

 

「とにかくご無事で安心いたしましたわ、何せ突然あの暴風竜ヴェルドラの気配が復活したのです。一体何がおこったのかと」

「それは確かに……驚く?」

「ああ、皆にも紹介しておこう」

 

 リムルがヴェルドラの後ろに回って、背中を押しながらヴェルドラを前へと突き出す。

 

「こちら、ヴェルドラ君です‼」

「ちょっと人見知り? だけど良いヤツなのは確か?」

『そうね、みんなも仲良くしてあげてね』

 

 ちょっとリムルと一緒になってヴェルドラの事を揶揄うように紹介してあげると、すぐにライナも自分達側に乗っかって、ヴェルドラを紹介しだした。

 

「ば、馬鹿を言うな‼ 我は人見知りなどではないぞ? ただ単に、我の前に生きて辿り着ける者が少なかっただけなのだ‼」

 

 周りのゴブリン達はもちろん、他の皆もしばらくポカンと口を開けながらヴェルドラをただ呆然と眺めている。

 

「ホレ、自己紹介」

「妖気を抑えられるようになったお陰で、かえって皆、半信半疑?」

「む、そうか……まぁ、よかろう」

『は~い、皆静かにね~。ヴェルドラの話に注目して~』

 

 ワザとらしくヴェルドラも、おほんっと声に出して言う。

 

「我は暴風竜ヴェルドラ=テンペストである。我が貴様らの主であるリムル、ウィン、ライナとどういう関係なのか気になっておることだろう‼ 知りたいか⁉ 知りたかろう‼ そうか、では教えてやろう‼ ……友達だ‼」

 

 なんか目を見開いて全員がヴェルドラに注目していて、最後の言葉まで終わった後の静かな一時、風が少し流れていく。

 

「「「「「「友達‼」」」」」」

 

 いま、物凄くこの場所から逃げ出したい気持ちになっている。

 

 ゴブリン達が騒ぎながら「友達‼」と「ヴェルドラ様と――」連呼して叫んでいるのは、とても恥ずかしい気持ちになってくる。

 

 リムルも顔が赤い。

 

「我らが守護神、ヴェルドラ様。ご復活を心よりお祝い申し上げます」

「おう、ドライアドか、懐かしいな。我が森の管理、ご苦労であった‼」

「勿体ないお言葉です。精霊女王よりはぐれた私共を拾っていただいた御恩、返しきれるものではございません」

 

 チラッとリムルとライナの3人で視線を合わせる。

 

【そういや、この人達……もとはラミリスんとこにいたんだっけ?】

【うん、ラミリスの方も知ってる感じだったしね】

『トレイニーさんの小さい頃というのは、ちょっと想像がし辛いけどね』

【たしかに……】

 

「それで、その……その御姿は?」

「うむ、これはリムルが用意してくれた依り代だ。ウィンとライナは我の妖気を抑え込む修行に付き合ってくれたのだ」

「あの強大なオーラを抑え込む修行とは……さすがはウィン様、後でその方法をお伺いしてみましょう」

「なんでもありだな、あの人達……俺は暴風竜と友達になる方法を聞いてみたい」

「たしかに気になりますね」

 

 そんな感じで盛り上がっていると、空間移動で蒼影が戻って来たようだ。

 

「リムル様、ウィン様。ただいま戻りました」

「ソウエイ」

「お疲れ様?」

「クレイマンの動向ですが……」

 

 騒がしい方を向きながら、蒼影が少し黙って観察しだした。

 

「後にした方がよろしいでしょうか?」

 

 コソッとリムルと自分に耳打ちしながら聞く蒼影の気遣いが嬉しいが……それはそれで恥ずかしいので、遠慮して欲しい。

 

「いや、むしろ……この恥ずかしい空気を変えたい、調査結果は会議室で聞こう」

「ふぅ蒼影……本当にこのタイミングで来てくれてありがとう」

『この場にいない幹部全員を大会議室に召集してちょうだい‼ ついでにヨウムやカバルなんかも呼んでくるように』

「承知」

 

 蒼影がすぐに空間転移で姿を消して、皆を呼びに行った。

 

「リムルよ、何かあったのか?」

「ああ、今後の方針を決める準備が整った」

「ふむ、我にも手伝えることはあるか?」

「もちろん、ある」

「むしろ、ヴェルドラが居てこそ?」

「ハッハッハッ‼ そうかそうか」

 

 

 

  ▲△▲△視点:ウィン(end)▲△▲△

 

 

  ▼▽▼▽視点:ヒータ ▼▽▼▽

 

 

 

 

「貴女も来ていたんですか?」

『そりゃ~な……考えてることなんざ、一緒だろう』

「ここ……は……? 余は一体……」

「目が覚めましたか」

 

 日の光が全く見えない建物内に、頑丈な鉄格子に囲われ、分厚い石造りの何もない場所に繋がれた者達が居る。

 

「こ、ここはどこだ⁉ ヌシは誰じゃ!? 余が誰かわかっておるのか⁉ 余は大国、ファルムスが王、エドマリス――」

『うるせぇな』

「知っています」

 

 声を聞いてるだけで、少し苛立っちまう。

 この馬鹿のせいで、ウィンもリムルの旦那も……あんな決断を下す事になったんだ。

 

『テメェこそ、ここが、何処か分かってんのか?』

「ここはジュラ・テンペスト連邦国の地下牢の一つです。私は盟主リムル様、ウィン様の第一秘書シオン。捕虜の尋問を仰せつかりました」

 

 牢のドアを開いて、シオンが中へと入って行く。

 

「捕虜……じ、尋問……?」

「貴方にはファルムス王国の内情について、全て話してもらいます。殺さなければ何をしてもいいと、お許しはいただいておりますので。リムル様は私に仕返しの機会をくださったのだと思います……ですが、私個人としては、正直な話、殺されたことに対する怒りはあまりないのです。負けたのは私の弱さ故ですし、その上、こうして蘇らせて頂きました」

『全くだな……お人好しな主様方だぜ』

「ところで、ご存じですか? リムル様もウィン様も……人間がお好きです」

『オレ達配下の魔物が、むやみに人間を傷つける事を良しとはしないからなぁ』

 

 オレとシオンはゆっくりとした動作で、自分の武器を手に持つ。

 

「そ、そうか、では穏便に話そうぞっ……余もヌシらに協力するのは、やぶさかではないぞ」

『はぁ~、ったくよぉ』

「とはいえ、やはり許せないこともあるのです……貴方の決断が……リムル様、ウィン様に人間を殺させた」

『リムルの旦那やウィンの綺麗な手を……テメェは人間の血で汚させたんだっ‼』

「千に刻んでも、なお足りない。この世に生を受けたことを……未来永劫後悔させて差し上げましょう」

 

 地下牢内に、汚い悲鳴が木霊するが、そんな事は知ったこっちゃねぇ。

 

「貴方も教会について、話すことがあるなら早く話した方が身のためよ? 王を助けようとした……あのラーゼンのようになりたいのなら、別だけれど」

 

 ミュウランが坊主の男を諭すように語り掛け、彼の前に入れられた人間の形を保てなくなっている魔法使いに目を向ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の解放テーマ、ワルプルギス終わりまで

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