心にデュエリスト魂を持って転スラ世界に・・・   作:風月八泉

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150話 ディアブロの強さとダルクな仲とラーメン?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ションボリとしたディアブロとシオンを周りの皆が見ながら会議は進む。

 

「シオン、エドマリス王からは何か得られたか?」

「あ、はい‼ 国王に接触した商人が地獄蛾の繭で織られた反物を持ち込んだとかで、それで我が国に目を付けられたそうです。それに今後の流通の主流が奪われることを恐れ、今回の件に繋がったのだとか……」

 

 動機は大体がリムルの予想通り。

 問題は商人の方だよね……明らかにテンペストの情報を流すため、故意に国王と接触した可能性がある。

 

「紫苑、その商人の正体? わかってたりする?」

「い、いえ。申し訳ございません、そこまでは……」

「ううん、良い? ただちょっと気になっただけ?」

 

 リムルがこちらを見ていたので、少しだけ見返すと頷かれた。

 自分の考えと大体は一致ってことだろう。

 

 可能性として一番高いのはクレイマン……或いは、ヒナタに情報を流した第三者の可能性も捨てきれないけどね。

 

 まぁ、今は下手に藪をつついて化物なんか出てきちゃったら大変だし、探りは入れないけど……頭の片隅にでも覚えておいた方が良いことなのは確かだ。

 

「シオン、捕虜は三人だっただろ? あと一人からは何か聞けたか?」

「いえ、それが酷く怯えた男で、ほとんど会話になりませんでした」

「怯えた男?」

 

 なんかリムルの反応がちょっと変だ。

 

【リムル? その男って?】

【あぁ、俺の「無心者」ってスキルで生き残った奴だから、少なくとも心は折れていなかったはずなんだが……】

 

「確かディアブロに生け捕りを頼んだよな? どんな感じのヤツなんだ? 結構手ごわかっただろう?」

 

 なるほど、ディアブロを呼び出したのはその時かな……あとは自分と同じように眠気に襲われてたはずだ。

 

「いいえリムル様、小者でした。ですが、人間にしてはそれなりに魔法を操れたようです」

「という事は、魔法使い?」

「はい、ただウィン様やそれに連なる霊使いである皆さまの足元にも及ばぬかと」

「シオン、名前くらいは聞き出せたか?」

「はい‼ ラーメンです」

 

 ラーメン…………それが、名前? いやいや、あ、ダメだ……意識しないようにしてたのに、思いっきり食べ物の方が頭の中に浮かんでくる。

 

「ラーメン?」

「聞かぬ名だな……」

「著名な兵士であれば、情報局がチェックしているんですが……俺は初めて聞く名ですね」

 

 フューズも知らない名前らしい。

 

「私も知りません。しかしファルムスで協力な魔法使いというと……王宮魔術師のラーゼンがいましたね」

「英雄ラーゼン、忘れてはならぬ男よな」

 

 エラルド公が顎に手をあてながら、近い名前の者を上げる。

 ガゼル王も“ラーゼン”という名前は知っているらしい。

 

「ラーゼンならば、その名はユーラザニアにも轟いております。大国ファルムスの守護者にして、叡智の魔人と呼ばれる翁だとか」

 

 アルビスも聞き覚えのある名前らしく、しっかりと“ラーゼン”と言っている。

 

「紫苑?」

「シオン……」

 

 自分とリムルの呆れた眼差しが紫苑の方へと向かう。

 

「ち、違います‼ 街を襲撃してきた若造の一人でしたし、皆が言うような魔法使いではありません‼」

 

 ん~、どういう事だろう。

 ガゼル王やアルビスといった面々から聞いた限りでは、老いた人間、あるいは魔人と言っている事から、紫苑が言う若造とは確かに違う事になる。

 

「魔法使いなどと、適当なことを」

「心外です」

 

 またディアブロと紫苑の口論が始まった。

 

「襲撃者……そういえば異世界人の一人にとどめを刺そうとした時、ラーゼンと呼ばれる魔法使いの老人に邪魔されました」

 

 ゲルドも心当たりがあるらしい。

 

「うむ、用心深い男じゃったの、下手に追撃すればこちらの被害が甚大になる故、見逃したのじゃが」

『あぁ、あのお爺ちゃんね……確かに異世界人の若い男を守って逃げたヤツならボクもみたよ』

 

 白老とアウスも思い当たるお爺ちゃんがいるらしい。

 

『へ~……可能性があるとすれば、魂……の入れ替えでもしたんじゃないかしら? ただで助けるほどのお人好しってワケじゃあないでしょう』

 

 ライナがリムル……というより、ラファエル先生に語り掛けるように言う。

 

〈告。精神系魔法の秘儀を用いれば、肉体を乗り換える事が可能となります〉

 

【え、じゃあまさかラーメンって……】

【リムル、ラーメンって言わないで、食べたくなってきちゃった】

【おいウィン……お前まさか、ラーメンを作ってみようとか、考えてないだろうな?】

【…………食べたくない?】

【…………今じゃないだろう……】

【食べたい?】

【…………作ったら、食わせろ】

【ん、了解♪】

 

「あ、あの……」

「ミュウラン?」

「ラーゼンです……三人目の捕虜の名前……」

「はい、確定?」

 

 紫苑が思いっきりショックを受けているが、しっかり相手の名前くらいは憶えておこうね……尋問の意味がなくなっちゃうから。

 悔しそうにディアブロを涙目で睨んでいるけど、今回は紫苑が覚えてなかったのがいけないからね……なんかディアブロも勝ち誇ったように笑ってるし。

 

【でもさ、皆が警戒しているラーゼンって人を「小物」扱い出来るんだね……ディアブロの強さっていったい……】

【まぁ確かにな、ホントなんで俺達に仕えたがってんだろう】

 

「ヨウム、捕虜の三名を連れてファルムスに戻ってもらう訳だが……ディアブロも連れて行け」

「あ、ああ。それは心強いが……いいのか? その人、わかりやすくショック受けてるけど」

 

 左遷されるとでも思ったのかな? 違うのに。

 

「あ、流石に一人じゃあ不便でしょう? ダルクも連れて行って欲しいかな?」

『あっ⁉ 俺もかっ⁉』

「いや、なんでダルクもショック受けてるの? 重要な作戦なんだからディアブロに並ぶ力があって仲が良さそうなダルクが適任でしょう?」

「そうだぞ、ディアブロ。お前が適任だから頼むんだよ、ラーゼンを見張れる実力がある者にしか出来ない仕事だろ。ファルムス攻略の要になってくれ」

 

 しっかりと説明をすると、ディアブロもダルクも納得してくれたようで、すぐに立ち直ってくれた。

 

「承知しましたリムル様、ウィン様。早急に終わらせて戻って参ります」

『ったく、しょうがねぇなぁ……メインで動くのはお前に任せるぜ。俺は裏工作の方が好きだしよ』

「えぇ、それでは宜しくお願いしますね。ダルク様」

『様はいらねぇよ。面倒だから呼び捨てで良い……俺もお前の事は呼び捨てで呼ぶしな。同僚ってことでよろしく頼む、ディアブロ』

 

 ガッシリと握手を交わしているディアブロとダルクに、ヨウムも混じっていく。

 

【良いのかウィン。ダルクまで出しちまって? こっちとしては助かるけどよ】

【重要な作戦だし、ダルクならディアブロと一緒に居ても大丈夫だと思うし、何かあればすぐに動いてくれるから、安心して任せられる?】

【これで、西方聖教会とファルムス王国への対応対策は決まったな。残るは対クレイマンの作戦だ】

 

「こちらから伝えるべきことは以上だ。他に何か話す事柄があれば言って欲しい」

 

【具体的な策は自分達と三獣士だけで詰めれば良いよね?】

【あぁ、各国首脳会談はここでお開きかな】

 

「あの……いいですか?」

「フューズ?」

「先ほど現れたラミリスという……魔王? の話はいいんですか?」

 

 自分とリムルの「あ」という声が重なった。

 完全に二人して忘れていた存在だった。

 

「ラミリス様、ラミリス様‼ 書物に夢中になっている場合ではございません。早くリムル様、ウィン様にあの事をお知らせしないと‼ 今がチャンスですよ」

「ウルサイわね‼ アタシは今、とても忙しいの‼」

 

 ベレッタが必死に説得してくれているが、効果はないね。

 

 というかマンガを勧めたんだね、ヴェルドラ。

 

 リムルがどういう事かとヴェルドラを半目で見ているが、当のヴェルドラはやれやれと言った感じで首を振っている。

 

 

 

 本当に、何しに来たんだろうラミリス……寂しかったのかな? 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の解放テーマ、ワルプルギス終わりまで

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