心にデュエリスト魂を持って転スラ世界に・・・   作:風月八泉

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152話 ちょっとした準備とトレイニーさんの自由

 

 

 

 

 

 

 

 

 自分が用意した紅茶をリムルが人型になって飲んでいる横で、未だにやいのやいのと騒いでいる。

 

【リムル、もう人選は決めてるんじゃないの?】

【あぁ、決めてるよ】

 

 あんなに頑張って主張してるけど……無意味に終わるんだね。

 

「あ、もしもしギィ? アタシ、アタシ。は――⁉ 違うわよッ、詐欺じゃないって‼」

 

 ギィ? 別の魔王と話してるのかな? ベレッタが光の玉みたいのを以ってラミリスが光に向かって話している所を見ると、テンペストにある通信に使ってる水晶みたいなもんかな。

 

【魔王が集まるならさ、魔王レオンも来るよね?】

【あぁ来るだろうな。やっと顔を拝めそうだな】

【うん、そうだね】

 

 とりあえず、リムルか自分が一発でも殴れれば良いなと思うけど……あのシズさんより格上だったのなら、今の自分達では力不足かもしれない。

 

「我は一緒にいっても――」

「いや、ヴェルドラは留守番でしょう?」

「ああ、この街の防衛を頼みたいしな」

「る……留守番……だと⁉」

 

 ヴェルドラが物凄くショックを受けている、しかもオーバーリアクション付きで。ただまぁ、リムルはその事を全く気にしない様子で話を進めていく。

 

「ああ、ワルプルギスにはシオンとウィンを連れていく」

「ランガは使い魔って事で、自分の影で我慢してね。「リンク」でカード化してれば、多分バレないと思うからさ」

「お二人と一緒に居られるのですから、大丈夫です」

 

 部屋の中だから、尻尾の振り方はゆっくりだけど……かなり嬉しいみたいだ。

 

「なぜだリムルよ⁉ 我ならば魔王どもにも引けを取らぬぞ‼」

「この服すごく着心地いいよ。防御面でも頼もしいし、さすがシュナのお手製だな」

「……自分のは、そんなに可愛くしなくて良かったのに……リムルと同じ感じでも、むしろズボン――」

『ダメよ。ウィンはすぐに寝間着みたいなダボっとしたダサい服しか着ないんだから』

「えぇ、ライナ様の言うとおり、駄目ですね。ライナ様も言っていますが、ウィン様は常にオシャレを意識していただかないと」

 

 あれはジャージっていって、動くにも便利な服なんだってば。

 リムルの服は黒をベースにしたカッコイイ感じの男服なのに……なにこのミニスカート。前に来てたローブを少しアレンジしながらブーツにも同じ布をあしらってあるし、カジュアルで動きやすい服ではあるけど……薄くない? 変に見えたりしないよね。

 

「もう可愛らしいですから、大丈夫ですよ」

 

 絶対にリムルに可愛い服を着せられない分が自分に来てる気がする。

 

「コラ! 我の話を聞いてるのか⁉」

「言ったろ? 対クレイマン戦にはテンペストのほぼ全軍が出動する。街の防衛を任せられるのは、お前しかいないんだよ。頼んだぞ、親友」

「美味しいモノも沢山用意しておくから、シュークリムル……食べたかったんでしょう?」

 

 確かヴェルドラがそんな事を呟いていた気がする。

 お菓子で釣れるかは分からないけど、効果は……あったようだ。

 

「じゃ、ちょっと準備に出てくるから頼んだぞヴェルドラ」

 

 

 街に残るのはヴェルドラ・ライナ・アウス・レイの四人しか残らない。

 

 

『ほ~ら、ウィンからの差し入れもあるし、頑張って結界を張ってちょうだい♪』

「お前も張って良いのでないか⁉ 魔法に関してはお前の方が適正が高いんじゃないか⁉」

 

 そんな感じでヴェルドラが文句を言いながらヴェルドラが思いっきり力を空へと放つと、強固な結界を作り出していた。

 

 

 

 

   ★☆★☆  ★☆★☆

 

 

 

 

 ちょっとした準備というのは、樹人族の集落へと出向いてやる事があるのだ。

 

「でも本当にいいの? リムル、ウィン、師匠が留守番でさ」

 

 森を案内してくれているのは、軍団蜂のアピトに大きなカブトムシ? のゼギオンが自分達の前を歩いてくれている。

 

「師匠? ……ああヴェルドラね」

「もう師匠になってるの? マンガを見せただけで?」

 

 でも、そうするとマンガを出してるのはリムルだから……リムルは師範? あれ、意味が違ってきちゃうかな。 

 

「なんならアタシの従者として付いて来てもらうのも、ありだと思うけど」

「ラミリスは強い子を侍らせて威張りたいだけ?」

「だな、それに従者は二人までって教えてくれたのはラミリスだろ? お前の枠だってもう埋まってるじゃないか」

「ベレッタと――トレイニーさん?」

 

 なんか何時の間にかちゃっかりトレイニーさんがラミリスの枠に収まってるのは、流石としか言いようがないね。

 

「……っていうか、トレイニーさん……ですよね?」

「なんか、テンション高い?」

「ええ、そうですよ。わたくしは精霊女王の従者。ラミリス様のためならば、ジュラの大森林を離れ、時空の果てまでもお供いたします‼」

「あなた、森の管理者ですよね?」

「トレイニーちゃん、アンタって子は‼」

 

 もうトレイニーさんが壊れ――終始、ニコニコと微笑み言動がおさなっ――乙女みたいな感じになっている。

 ドライアド三姉妹が昔、ラミリスに仕えていたってのは聞いていたけどね。

 どうも、トレイニーさんはラミリスに甘すぎる気がする。実力も忠誠心も確かだからラミリスの護衛としては、適任だとリムルが言っていたが……本当に大丈夫かなぁ。

 

「アタシも魔国に住もっかな~」

「まぁ‼ 大賛成です⁉」

 

【リムル、勝手なこと言ってるよ?】

【ほっとけ、相手にしてたら時間が足りないぞ』

【それも……そうだね】

 

「さて、護衛はここまででいいよゼギオン」

「ハ……」

「ウィン様、リムル様。こちらを……」

「お、蜂蜜‼ ありがとうなアピト」

「転移術式を使ったから、疲れた?」

「まぁな~、疲れにこの蜂蜜は最高だぞ。ん~うまい‼」

 

 アピトがビンに入った蜂蜜を渡してくれる。

 

「甘いモノで癒されたなら、始めるよ?」

「あぁ、じゃあいっちょ始めますか」

 

 姉妹達にもアピトが蜂蜜を渡している横で、リムルが全身をほぐす様に伸ばしながら、準備を始める。

 

「トレイニーさんも準備はいいかな?」

「ええ」

 

 ゼギオンとアピトが去っていく姿を、ラミリスがジッと眺めている。

 

「じゃあ、この辺の木を切って加工しちゃう?」

「ああ、頼むぜウィン」

「ちょ……ちょっとリムルさん、ウィンさん?」

「なんだよ、ウィンは今忙しいんだぞ?」

「今のってもしかしてアーミーワスプだったりするんじゃ……?」

「あー……そういやそんなこと言ってたきがするな、その女王とか、なんとか……」

 

 木を風で運び、一つ一つ丁寧に人形のパーツを風霊術で作っていく。

 

「町が出来たばかりの頃に保護したんだよ。森でボロボロになってたからさ」

「っていうかさ、もう一匹の方もあれってまさか――」

「リムル、出来た」

「流石はウィンだな、細かい所まで綺麗に削ってあるし動きもスムーズだな」

「――って聞いてないし‼ さっきから何してんのさ……およ? これって……」

 

 地面に転がっている人形の各部分のパーツを見て、すぐにラミリスも気が付いた。

 

「それじゃあ後はトレイニーさん、お願い?」

「はい」

 

 ベレッタの聖魔核を参考にリムルが作った宝珠。これを心臓の代わりにする。

 トレイニーさんの根幹となる“魂”ごと宝珠に宿す。

 

「リムル、後はお願い」

「あぁ任せとけ――ここまで出来上がってるなら、あとは……」

 

 その聖なるエネルギーと同等の妖気をリムルが封入していく。

 出来上がった聖魔核を、元々、トレイニーさんの本体であった大霊樹から作ったドールに組み込む。

 

 なんでここまで面倒な事をしているかと言われれば、精神生命体であるトレイニーさんは本体、ここで言う大霊樹からスピリチュアルボディーを離脱させて、活動することが可能なのだけど、あくまでも本体は樹木。

 

 問題なのは、本体の樹木から離れすぎれば接続が切れてしまう可能性があるという事だ。そこで、リムルと考えたのが本体ごと移動できるようにする方法だ。

 

 自分が霊樹人形と精霊体の魂を作り出して、細かな核や融合をリムルが行う。

 そして出来たのが“霊樹人形妖精”霊樹と一体化したトレイニーさんはどんな場所にも行く事が出来る。

 それこそ、時空の果てであろうと、ね。

 

「ありがとうございます。リムル様、ウィン様。これでわたくしも、なんの懸念もなくラミリス様にお供することができます」

 

「準備は整ったな。迎えが来るまで戻って休もう」

 

「魂の定着もしっかりと確認したいし、賛成?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の解放テーマ、ワルプルギス終わりまで

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