心にデュエリスト魂を持って転スラ世界に・・・   作:風月八泉

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153話 同盟と共闘の心

 

 

 

 

 

    △▲△▲ 視点:ライナ △▲△▲

 

 

 

 

 

『さて、リムルやウィン達が忙しい間に……こっちの事はこっちで進めちゃいましょうか。正直言って、相手の出鼻を挫くなら早いに越した事はないのよね』

 

 会議室に集めた面々を見ながら、ちょっと秘密裏に話を進めたい事があったので、ベニマルやシュナ、そして三獣士の皆など……クレイマン軍と戦うメンバーを集めた。

 

「良いのか? こんな……」

「……でも、ライナ様の言う事も確かだと、思います」

 

 ベニマルとシュナが迷いながらも来てくれた事に感謝しなきゃね。

 

『それに、クレイマンの思惑でリムルやウィンの帰りが遅くなるかもしれないでしょう? それなら、アタシ達だけで動ける時に動いたって構わないでしょう……何の為にリムルやウィンが魔王になり、その恩恵を受けて進化したのよ?』

 

 少し圧を籠めながら、会議室に集まった面々を見ながら言う。

 

「そう、ですね。皆で強くなったのです。いつまでもリムル様やウィン様を頼りにするのではなく、我らが主達に頼ってもらえるよう、強くならねばダメですね」

 

 ゲルドの声に何人かが頷いている。

 

『今回の役割で言えば、クレイマンの城へ攻め込む好機だもんねぇ。やらない手はないでしょう。ウィンちゃん達に悪いけど……やられっぱなしって嫌よねぇ』

『少し宜しいでしょうか、気になる子達が居るのです。警備隊に所属していた狐の獣人の女の子フォスって少女、ステラという少女、ハーピィのネムという少女の仲良しな三人組です』

 

 レイが珍しく手を上げて、発言していく。

 

『そんな子達が居たの?』

「えぇ、警備隊に確かに所属していますね。フォスという子はゴブエモンに指導役を頼んでいました」

 

 リグルが思い当たるようだ。

 

『それで、レイは何が気になるの? ボクは良く分からないメンバーなんだけど?』

『いえ、もしかしたら今回の事に関して一番詳しく情報を掴んでいるのは、彼女達ではないかと……ウィンやリムル、さんが魔王になってから、それぞれが自国に帰っていますから。ステラという子はミリム様を崇めている。竜を祀る民だと言っていました』

「ふむ、確かに気になるな」

「しかし、自国に帰ってしまっているなら……今、この国に残っているのはフォスという子だけになりますよ? 話を聞くのは無理では」

「少なくとも、フォスは何も知らねぇだろうな。三獣士である俺達も話してないことが多いしな」

『まぁ、戦地に赴けばステラという子とは会えるんじゃないかしら?』

『ん~、その話は保留かな。情報を持ってそうな本人達が二人ほど居ないんじゃあ話も聞けないもん。それより、ボクらがどう動くかって方が先だね』

 

 アウスが地図を開きながら、其々の姿をあしらった石の駒を取り出す。

 

「あら、良く出来ていますね。私の駒もあるのですか」

「おっ⁉ オレのもあるじゃんか‼ カッコ良く作ってくれてんなぁ」

 

 アルビスとスフィアの二人がアウスの作った駒の出来を褒める。

 

『戦地に行くタイミング、クレイマンの城を攻めるタイミングは……そうだねぇ、きっとワルプルギスへと赴く少し前ってところね。シュナ……行くのでしょう?』

「はいっ‼」

「はぁ……俺は、反対したんですけどね」

『あらベニマル、反対の立場で一人残されて納得出来るのかしら?』

「……無理ですね」

 

 深く息を吐きながら、頭を掻きながらベニマルが降参とばかりに言う。

 

『安心してください、ベニマル様。我らが必ずシュナ様をお守りしますから』

『えぇ、私達が一緒なんですから手出しなんてさせませんわよ。今回の騒動だってずっと守りに徹していたのですから、怒りをぶつけたって良いはずですわ』

『皆、怒ってる……絶対に行くから』

 

 ハレもニニもフゥリもやる気十分という感じで、かなりの圧がある。

 

『まぁリムル達の方はそれで良いとして、問題は共闘するにあたる同盟軍として動く事だろうね』

「獣人族の悪いクセですね」

「まぁしょうがねぇよ。弱い奴に従うってのは性に合わねぇんだから」

「一発かましてやれば、大人しくなるとは思いますが……」

『それじゃあダメでしょう。軍の力は個ではなく、統率力や集団の動きと数ですよ。出来る作戦がそれだけで、どれだけ増えると思っているんですか? ボク等にはリムルやウィンみたいな圧倒できる力はないんだからね』

 

 三獣士の面々が何故か微妙な視線をアウスやアタシに向けてくるが、無視しよ。

 

『では、一緒に白老お爺ちゃんに鍛えてもらうのはどうでしょう? ベニマルや私も合同訓練と称して、一対多数で挑んでもらえば、こちらの強さも分かってもらえるかと』

『自分はここに残ってマスターの帰りを待つから、訓練に参加などしなくても大丈夫でしょ――』

『もちろんロゼも強制参加です。ここで活躍すればウィンから褒めてもらえますし、手作りのお菓子だって貰える可能性がありますが……いらないと?』

『よし、すぐに取り掛かりましょう‼ マスターの為にも』

「なら私達から力ある者達に声を掛けて集まっておく様に言っておくわね」

 

 アルビスが何か思案しながら、ベニマルの方をチラッと見ていた。

 彼女の性格から、面倒な軍の指揮をベニマルに任せて戦場に出る気かしらね。思考はアタシに似た感じって所かしらねぇ。

 

 

 

 

  ▼▽▼▽視点:ライナ(end)▼▽▼▽

 

 

  ▲△▲△視点:ダルク ▲△▲△

 

 

 

 

 ユーラザニアからの避難民が列をなして入ってきているが、あれで第一陣か。

 

「そのまま、前の人に続いて進むですよ」

 

 一番元気よく動いているのは、ユーラザニアから来ていた警備隊に入ったヤツだったか、同国の者達だから率先して動いている感じだな。

 

「ここで曲がってくれ」

「うるせぇ‼ 弱い奴らが俺達に指図するな‼」

「そうは言っても、指示には従ってもらわないと」

 

 まぁ、中にはああいうヤツが居ても不思議はないか……さて、どうするかな。

 

「落ち着くです‼ もめ事は厳禁ですよ‼」

 

 いち早く駆け付けたのは、獣人の少女か。

 

「この国では強いも弱いも関係ないんです、だから……」

「ああ? うるせぇなぁ。こんな仲良しこよしのぬるま湯にいて、腑抜けたオマエはすっこんでろ‼」

 

 結構早いパンチだが……彼女には敵わないようだな。

 少女よりも何倍もある大男の拳に合わせて、カウンターを男の顔面に入れている。

 

「この国は弱いも強いも関係ないですが……決して弱くはないです‼」

 

 言うねぇ……警備隊って聞いてたが、良く育てられてる。

 

「なーにやってんだお前等?」

「ふぁっ‼ グルーシス様‼」

『くはは、良いもんが見れたし助けてやろうか?』

「……はっ⁉ ダルク様⁉」

 

 まぁ、新参者だからなぁ。

 俺の顔をみてもすぐにはピンと来なかったな。

 

「げっ……アンタはダルク、様だったか?」

『呼び捨てで良いぞ? 様とか言われるのは慣れてないしな』

「そういう訳にもねぇ……ここは俺に任せてくれませんか?」

『ふむ、わかった』

 

 一歩下がって、グルーシスに任せてみる。

 

「聞け‼ この国では強さが全てではない‼ 俺達は受け入れられる側だという事を忘れず、この国のきまりには従わねばならん‼ それが気に食わない野郎は前に出やがれ‼ 俺が相手になってやるぜ‼」

 

 そういって皆を黙らせると、少し遅れて三獣士とかいうメンバーの二人、女性達がやってきた。

「吠えるじゃねーか、グルーシス。お前も偉くなったもんだなぁ」

 

 スフィアだったか、虎の様な女性がグルーシスに笑いながら声を掛けている。

 その隣の杖を持っているのが、確かアルビスって人だったかな。

 

「スフィア様‼ アルビス様‼」

 

 獣人たちが騒ぎ出している。

 

「いいかお前ら‼ テンペストはユーラザニアの同盟国だぜ。この国にケチをつけるのはカリオン様の威光を汚すに等しいってもんさ、そんなバカな真似をするヤツはいねーよなぁ?」

 

 おお、良い殺気を放つ。

 

「その通りね、もしいたら……私が殺す」

『なんだ、俺の出番は無しか? あぁ、俺の国が弱いとか言ってたが……やり合うか? お前?』

 

 ちょっとだけこの一帯を覆うように妖気を解放しながら、闇の力で周りを暗くしてみる。

 

「い、いえっ⁉ 滅相もございませんっ」

 

 物凄く震えながら跪いていく。

 

「すいません、まさかダルク様のお手を煩わせてしまうなんて」

 

 最後に来たのはリグルだった。

 

『いや、ちょっと見回りしてただけだから気にするな』

「我等がテンペストへようこそ。リムル様、ウィン様の意向により我等は貴殿等を歓迎する‼ ……ただし、我が国には我が国のルールがある。それに従ってもらえるだろうか?」

 

 俺とは違った圧を思いっきり放ちながら、よく言うねぇ。

 リグルの圧にユーラザニアの避難民達が息を呑んでいる。

 

 

「……納得してもらえてるようで何よりだ。今日は移動の疲れをゆっくりとってくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の解放テーマ、ワルプルギス終わりまで

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