心にデュエリスト魂を持って転スラ世界に・・・   作:風月八泉

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154話 魔王からの招待

 

 

 

 

 

 

 

 もうすぐワルプルギスへの招待が来ると、部屋の中で待機していた時にライナと紅丸から秘匿回線の通信が届き、リムルが対応している。

 

「――わかった、では許可を出すけど……くれぐれも状況を見極めるようにな‼ 無理をするなよ」

「誰からだ? リムルよ」

 

 聖典というマンガを読みながらヴェルドラがリムルに聞く。

 

「作戦中のベニマルだよ……おい、ウィン……」

「ん? 自分は何も聞いてない?」

「なら何で目を逸らすんだよ‼」

「いや、ライナが自ら留守番を選んだ時点で、何か企んでる? そのくらいは分かってたし……やるなら、紅丸達の方に参加して暴れるんじゃないかなって思ってた?」

「教えてくれよ‼」

「いやいや、リムルもそのくらいは考えられたでしょう?」

 

 言い訳よりも、リムルも仲間の事を理解しようと言った方がこれ以上は怒られないだろうと思い、ちょっと攻めの姿勢で言う。

 

「ぐっ……確かに」

「クレイマンの城を攻めるの?」

「ああ、シュナまで加わって俺を説得してきた……ライナのヤツをお前に説得させようと思ったんだけど……」

「ふふ、むしろ応援するよ?」

「だろうな……」

「ほう……」

 

 ヴェルドラが興味ありげに反応するが、すぐにリムルがヴェルドラを睨む。

 

「お前は留守番だぞ」

 

 がっくりと両肩を落としてソファーの座り直して落ち込んでいるヴェルドラを横目に、リムルもソファーに座り直している。

 

「もっと早く動けば違った? けど、ライナに先手を打たれたね」

「くっ‼ ライナめ……この我を出し抜くとは」

 

 実際、魔王フレイに連れ去られたカリオンが囚われている……というのが良く分からないんだよね。

 ミリムにしてもユーラザニアという器である街は吹き飛んだが……死人は出ていない。

 

 クレイマンの狙いが分からない……ユーラザニアの土地を得たいなら、ミリムを操っている時点でユーラザニアの国民や兵士ごと吹き飛ばした方が効率は格段に良いし、確実に国レベルで囲い込めるはず。

 

 カリオンにしてもそう……魔王フレイが連れ去った意味が解らない。

 意図としては、人質として交渉するにしても……ユーラザニアを吹き飛ばしたら意味などないし、むしろ戦争を引き起こすだけだろう。

 

 国民である獣人族は、躍起になってカリオンを取り返しに行くはず。

 クレイマンが軍を動かすのも……なんか、少し遅い気がするし。

 もしかしたら、魔王フレイとクレイマンの思惑は別かもしれない。

 

 それを知る為にも、敵の本拠地の調査は必要。だからライナの動きは決して間違った行動ではないし、それが分かってるからリムルも絶対に反対ってことを言わないんだろう

 

「朱菜に説得されたってことは……朱菜も戦に?」

「あぁ……不安はあるが、シュナの気持ちもわかるしな」

「ところで、ヴェルドラは魔王のことを知ってたりする?」

 

 ヴェルドラなら魔王の事を少なからず知ってるか聞いてみる。

 

「魔王か……何人かは戦ったこともあるぞ。二千年近く前だったか、我が戯れに滅ぼしたヴァンパイアの都があってな、そこを統べる女吸血鬼が魔王の一柱だったと記憶しておる。ヤツめ滅茶苦茶にブチ切れておってな、良い遊び相手になってくれたものよ」

「戯れって……」

「それは相手も怒るね……」

 

 可哀想に、その魔王さん。

 

「名はなんと言ったかな……る、ルルス? いや、ミルスだったか?」

「ヴァンパイアの魔王なら代替わりしたよ。今はヴァレンタインって男」

「なに? そうなのか」

 

 さっきから軽く二千年前とか聞いてるけど、大昔って感覚は長命の種族ならほんの数年前くらいの感覚なのかな。

 

 自分達も寿命に関しては無いに等しいからなぁ。

 

【リムル、気をつけて?】

【あぁ……ヴァンパイアの怨みが薄れていることを祈るばかりだな】

 

「遊び相手といえば、巨人族の魔王ダグリュールだな。何度か喧嘩したが、勝負はついておらぬ」

 

 ヴェルドラはリムルを捕まえて、クッションみたいに肘置きにして足に乗せている。

 というかヴェルドラと戦える巨人とか、敵対したくないね。

 

「そういえば師匠ってギィとは戦ったことないの?」

「む? ……うむ、奴は、はるか北方に居を構えておるしな。まぁあんな何もない所には行く必要もないのだ‼」

 

 妙な間があったし、誤魔化す様にスライムのリムルで遊び始めた。

 

「そっかぁ、アイツ強いもんね、なにせ――ギィはこのアタシと同格、最古の魔王の一柱だからね‼」

 

【リムル……ラミリスから出た言葉で油断しないでよ?】

【わ、分かってるよ‼】

 

「あとリムルが知らないのはディーノちゃんかな」

「ディーノちゃん?」

 

 そう話を続けていると、部屋の一角が一気に魔素が変化していく。

 ランガも直ぐに気付いたようで、警戒するように唸っている。

 

「……迎えが来たようですね」

「ランガ、大丈夫だ」

「しかし、我が主」

「魔王からの招待なんだよ?」

「これくらい無礼で丁度いいだろう」

 

 部屋の中が明るくなり、煙が上がったかと思うと壁だったはずの場所に仰々しい大きな扉が現れた。

 

「相変わらず仰々しいねぇ」

 

 ラミリスは慣れた感じだが、自分と感じる感覚に似ているらしい。

 

「……空間を繋げる扉?」

「みたいだな、凝ってるなぁ」

 

 

 重く大きな扉が開いていく。

 

「――お迎えに参りました。ラミリス様」

 

 ディアブロと同種の威圧感――デーモン……それも最上位のデーモンロードだね。

 

 女性のメイド服をきた悪魔の女性が、扉の奥から現れた。

 

「久しぶりじゃんミザリー‼ 相方のレインは元気?」

「お陰様で変わりありません。そちらが、リムル様ですね?」

 

 ラミリスと挨拶を交わしていた女性がリムルの方を見る。

 

「我が主、ギィ様よりお連れするよう仰せつかりました」

 

 さっきからラミリスが言ってたギィって魔王に仕えているのか。

 

「どうぞこちらの門を通り、魔王達の宴――その会場へお進みください」

 

 ラミリスはトレイニーさんとベレッタを連れて、扉の方へと向かって行く。

 

「リムル、先行くよ!」

 

 そう言ってラミリスが扉の奥へと消えていく。

 

「ミリムにレオン、クレイマン」

「それにヴェルドラと渡り合えるような人達? 後はデーモンロードを従える魔王?」

「この先は文字通り、魔窟だな」

「リムル様、ウィン様……」

 

 紫苑が少し心配そうに声を掛けてくる。

 

 ランガをカード化させて、デッキホルスターにしまう。

 

 リムルと少しお互いに見合って、深呼吸する。

 

「よし、行くか‼」

「うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の解放テーマ、ワルプルギス終わりまで

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