心にデュエリスト魂を持って転スラ世界に・・・   作:風月八泉

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 ※※== ちょっと時間が戻ります。時系列的には、リムル達がお出迎えされて、大体ミリムとクレイマンと争っている辺りです ==※※


172話 ディアブロとダルクの悪巧み

 

 

 

 

 

 

 

 

  △▲△▲ 視点:ダルク △▲△▲

 

 

 ガラガラと馬車の音が心地良く聞こえるが……道が整備されている訳ではないので、多少なりと揺れを感じる。

 

「――やれやれ、シオン殿にも困ったものですね」

「厄介だな……回復魔法が通用しない状態だぜ」

 

 普通なら破損や負傷、体の一部が傷ついた状況なら良かったのだが、シオンがどんなスキルを使ったかは分からないが、法則を捻じ曲げるように、人の身体を粘土や人形みたいにグチャグチャにしてしまっている。

 

 つまり、だ……箱詰めにされている肉片は、身体としては正常な状態で、普通に生きている人間と変わりないということだ。

 

「荒療治で良いんじゃないか? 面倒だし……コイツらに優しさっているか?」

「それもそうですね、流石はダルク殿です。少々荒療治になりますが、耐えてくださいね」

 

 ディアブロが手の平に小さく魔素を集めて集中するのと同時に、自分はディアブロがやり易いように、肉片を重力操作で操って浮かべる。シオンがどうやって曲げたりくっ付けたか分からない状態のモノを、無理矢理に元の状態へと戻していく。

 

 

「……あっちの馬車の捕虜三人、無事にファルムスに辿り着けるかな……」

「既に無事とは言い難いけどな」

 

 

 ヨウム達が乗る馬車から聞こえてくる声に、少し笑ってしまう。

 

「だとよ。良い悲鳴が向こうまで聞こえてるみたいだぞ?」

「ダルク殿は良い能力を、お持ちですね」

「まぁリムルとソウエイが使っている粘鋼糸を使った思念伝達がヒントになってんだよ。後でディアブロにも種明かしをしてやるよ。ついでに言っとくとだな、ウィン達の方にも仕込んであるから、大体の話なら盗み聞きも出来るぜ」

「ほう⁉ それはそれは……是非、後程、お聞かせくださいませ」

 

 目がキラキラと輝きだしたディアブロを見て、コイツも歪んでるなと思ってしまう。

 

 まぁ種明かしとか言っても、俺の“カード”があれば良いだけなんだよな。

 スキルの上限で自分を含めて三枚。

 ソウエイみたいに沢山は分身出来ないが、分身体の二人は自分と相違ないレベルで戦えるし、見聞きした事はリアルタイムでお互いに共有できる。

 

 分身体のカードを作るのに、自分と同じ分の魔素量を集めなくちゃいけないのがネックではあるけどな……少なくとも分身体のカードを作るのに二、三日は力を籠めないといけないし、その間は何も出来なくなるのが問題点であり、課題だな。

 

「あ……あああ……感謝します‼ 感謝しますぞ‼ ディアブロ殿、ダルク殿‼」

「はいはい、見苦しい姿を見せるな」

「そうですね、うるさいですよゴミが」

 

 そう言って大きなタオルを頬って馬車の端っこに座るハゲの男……名前、何だったかな? 後でヨウムに聞くか。

 

「さて、次は……」

「儂よりも王を……王を元の姿に……」

 

 箱詰めにされながら、一番酷くグチャグチャになっていて、肋骨や目なんかも変な位置にある……見た目は若いが、魂の年季がズレている。

 

「なんだコイツ? あぁ……魂を排除して乗っ取ったのか」

「……ああ、そういえば捕虜の一人は貴方でしたね。ラーメン……ではなくラーゼンでしたっけ?」

「コイツ馬鹿なのか? 悪魔に願い事をするってことは代償が必要だって忘れてねぇか?」

「まさか……もちろん理解していますよね? 私に願い事をする、その代償が高くつくということを――」

 

 俺から指摘されて、思い出したかのように声を上げる。

 

「あ……いや、儂は……」

「その状態のお前に差し出せるモノって……あるのか?」

「魂まで焼かれたような感じだな……ヒータに拷問でもされたか?」

 

 俺がちょっと揶揄いながら言うと、ビクッとラーゼンが震える。

 シオンとヒータの二人に拷問を受けたのなら、この尋常じゃない状態も納得だ。

 

 それに、多分だがラーゼンは馬鹿ではないのだろうな。

 シオンやヒータの強さも、何よりディアブロの強さを体感しているのだから、力関係は魂にしっかりと刻まれているだろう。

 

 自分達がしでかした、ウィンとリムルを魔王へと進化、眠っていた獅子を目覚めさせたのは自分達だと知ったはずだ。

 

「ディアブロ、コイツから直してやろうぜ」

「ふむ、なるほど……」

 

 箱詰めの役立たずでは、対価など払えないだろう。

 なら、ラーゼン自身を代償とさせれば、色々と役に立ちそうだ。

 

 さっきの手順でディアブロと一緒に、強引に元の姿へとラーゼンを戻してやる。

 

「儂を……いえ、私を貴方様方の下僕、その末席に加えて下さい。今後この身命の全てを捧げます……ですから、どうか、エドマリス王にお慈悲を……」

「……まぁいいでしょう。少々安い対価ですが、使い道はありそうです」

「後でちゃんと戻してやる……ただし――」

「リムル様、ウィン様に対する不敬は二度と見逃しません。今後、もしも叛意を見せたなら、王の命どころか、ファルムスの地から生命の息吹が消えうせることになるでしょう」

「少なくともお前ら全員、地獄行だな……生き地獄ってヤツだ」

 

 ラーゼンが静かに頭を下げ、跪く。

 

「無論です。私の忠誠は貴方様方のために」

「わ、私も‼ 私も何でも致しますぞ‼ 私は西方聖教会の大司教です‼ きっとお役に立てますとも‼」

 

「余は……ファルムス最後の王として……ディアブロ殿とダルク殿の……望むように……協力すると……約束……しようぞ」

 

 ディアブロは微笑みながら、三人を見つめ。

 

「……ご安心を、私達に従うならば、悪いようにはしませんよ」

 

 こりゃ……ディアブロのスキルってヤツだな。

 詳細はリムルかライナ辺りが居ねぇと俺には分からねぇな。

 

 まぁ、想像できる範囲で考えるなら思念支配に魅了……あるいは勧誘か? 条件としては屈服した対象って所だろうな。

 精神的に拘束され、自由意志は術者の制限下にあるって感じだろう。

 

「おおーい。ディアブロさん、ダルクさん。捕虜たち生きてるよな?」

 

 隣を走る馬車からヨウムが顔を出して聞いてくる。

 

「問題ありませんよ、ヨウム殿。直にファルムスの領内です。国盗りのような些事、さっさと済ませてしまいましょう」

「お……おう」

 

「リムル様がワルプルギスからお戻りになられる前に、私もお出迎えの準備をしたいですからね」

「俺が居るから一瞬で行けるぜ。それに戻るタイミングもしっかり把握できる」

 

「クフフフ、流石はダルク殿です。では、帰るタイミングはダルク殿にお任せしますので、ダルク殿はリムル様とウィン様の様子を私に報告をお願いします。代わりに、面倒なファルムス関連の話し合いはお任せ下さい」

 

「オーケー、まぁ俺もやりたい事はやらせてもらうけどな。しっかりと報告してやるから安心しろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

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