心にデュエリスト魂を持って転スラ世界に・・・   作:風月八泉

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46話 新たな力の解放と三人の御巫達。

 

 

 

 

 

 

 

「なかなかいい具合に出来たな」

「そうだね……」

「可愛いですよ、ウィン様。えぇ、本当に……可愛いです」

『流石はシュナの力作ね。ウィンを良い感じに引き立ててる』

『サポートというか……ほぼ、シュナと変わらず隣で舞う感じになるなぁ』

『ボクは裏方だから、良かったよ』

『演舞は私とヒータがバックに居るから大丈夫だよ』

「そうだね……」

 

 初めは抵抗をしていたが、今はもう心が真っ白になっている気分だ。

 

「リムル、どうせなら本格的な感じを出さない?」

「ん? 本格的っていうと?」

「神事だしさ、ヒータにエリア、それに自分が一緒に舞うからさ。草薙剣みたいなのをヒータに、八汰鏡をエリア、八尺勾玉を自分が持って自分が舞う感じ?」

 

 それぞれ、遊戯王カードにある装備魔法カードだ。

 使う機会もなかったので、肥やしとして使っていないカードフォルスターに入っていたカードを取り出してリムルに見せる。

 

「へぇ~、良い感じだな。自分達で使わないのかよ?」

「自分達は魔法使い、使えないよ? とにかく、何も持ってないのも格好付かないでしょう、だから其々が持って祈る感じの方が雰囲気が出るでしょう」

 

 エスプリットのテーマは良く知らないし、スピリットモンスターにしか装備できないカードをどう使えと言うのだ。

 まぁ御巫テーマなら知っているけれど……装備やコントロールなどが出来る面白いテーマだったし、反射ダメージなんかの効果も面白い感じだったからよく覚えている。

 

「なるほどな。「大賢者」いけそうか?」

 

〈…………個体名、ライナ=テンペストの協力があれば、実物に近い物が作り出せる可能性があります〉

 

『ふ~ん…………まぁ別に良いわよ。アタシだけなんにもしないって訳にはいかないしね。それくらいなら協力はしてあげるわよ』

 

「なぁウィン……偶に思うんだが、大賢者とライナってさ、仲悪いのかな?」

「そんな事はないんじゃない? ……多分、ライバル的な関係なんじゃない?」

「あ~……なるほど」

 

 自信はないけど、きっとそんな感じのはずだ。

 

「まぁ作れそうなら、よろしくお願いしたい?」

「任せとけ!」

『ちなみに、リムルは何でスライムボディのままなのかしら?」

「んぇ⁉ そ、それはだな……ご神体として祀られる役だからな!」

 

 ライナが疑問に慌ててリムルが答える。

 

「えぇ、本当は一緒に舞いを踊りたかったのですが……神様役がいるだろうと、リムル様からの助言で、今回はウィン様だけという感じになったんです」

「それに、ウィン様が出るなら、ヒータさんやエリアさんも一緒に踊ってくれると……リムル様から提案されましたね」

 

 朱菜と紫苑が自分の知らなかった情報をポロっと口にしてくれた。

 

「へぇ~、そうなんだ?」

「いや、これはだな! ほら、綺麗どころのお前達が舞う方が神様にも印象が良いだろう。決して俺が巫女服やら巫女の舞いを踊りたくなかったって訳じゃあないからな!」

 

 言い訳をするリムルに目を逸らす事なくジットリとした視線を送る。

 

「じゃ! みんなも頑張ってくれよな⁉ 俺は町の皆を見てくるからさ!」

『逃げたぜ、リムルの旦那』

「まぁ何時か絶対、この借りは返すから大丈夫?」

 

 部屋から逃げて行ったリムルを軽く睨んで、怨念を籠めて未来に思いを馳せる。

 

『綺麗だって~、ウィンも私達の事を綺麗だって思ってくれてるかな。えへへ――』

 

 エリアは朱菜達と一緒に可愛いと言われてはしゃいでいる。

 

「朱菜や紫苑も含めて、可愛いとは普通に思うけど?」

 

「あ、ありがとうございますぅ」

「なんだか照れますねぇ」

『まぁなんだ、ウィンも可愛らしいぞ』

『やった~!』

 

 じゃなかったら、遊戯王カードのテーマとして人気なんて出ないだろうしね。

 朱菜や紫苑も町の皆から人気が高いのはいうまでもない事だろうし。

 

『はぁ、ウィンてばこういう時はもっと感情を籠めて褒めなさいよね』

『まぁそういう所がウィンなんだって……ボクらの好意とか自分に対する周りからの評価には鈍感ってレベルじゃないんだからさ』

 

 何故かライナとアウスがため息交じりに自分の方を睨んでくる。

 なぜという感じで小首を傾げたら、更に深いため息を吐かれてしまった。

 

「解せない?」

 

 ジト目で此方を見ながら、ライナとアウスはコソコソと話し始める。

 

『自覚を持ってもらうにはどうしたらいいかしら?』

『もっと女の子だって事を意識させるしかないかと思うよ?』

『難しいわね……――――――――』

 

 途中からライナがアウスとだけ思念伝達で話し始めて、会話が聞こえなくなる。

 

 聞こえた最初の段階で、背筋が寒くなってきた。

 

 

 

 

   ★☆★☆  ★☆★☆

 

 

 

 

 昼間の間は中央広場や、人が集まり易い場所に笹を立てて町の皆に短冊を配って回る。数も多いので、皆で手分けしながら、短冊の使い方を説明しながら各所に出向いた。

 文字を書けないモノは、笹を建てた場所に重役の人が立っているので、代わりに書いてもらうという感じになっている。

 知り合いに文字が書ける人が居る者は、その人に代筆してもらうことも可能だ。

 

 まぁ中には短冊に何を書く内容で悩んでいる人も居るようだけれど……。

 

「リムル様の為に尽力するのは当然だからダメだ。戦士としての高みを目指すのも改めて書く事では……町の平和も同じことだし。シュナの幸せを願ってはどうだろうか? いや、大きなお世話と小言がくるな……あぁ~~~~、昨日から考えているのに全然決まらない、一体どうしたら――」

 

「意外なのがあると面白いな。なぁベニ……どうしたの?」

「願い事が決まらないんだって」

 

 窓からリムルがぴょんと顔を出して、紅丸の様子にちょっと驚いていた。

 

「……もう、『毎日健康で暮らせますように』とかにすれば?」

「いや! もう少しこう……かっこいいのを!」

「紅丸って意外と……」

「ウィン、それ以上はいけない……」

『もうちょっとデリカシーってモノを身に付けさせなきゃダメね』

『ウィンだからな~』

『ウィンちゃんだからねぇ~』

『ボクらも、もっと頑張らないとダメって事だね……なるほど、こういう時の神頼みか……ウィンの事を書けばいけるかな』

 

「アウス! 何を書くつもり⁉ というか、皆も納得して短冊に一心不乱に記入しないでよ‼ なんか怖いよ⁉」

 

「君たちも大概だね……というかさ、なんでこんなに部屋が荒れてるのかな?」

「あぁ、それは――」

 

 自分と紅丸が何とも言えない視線でお互いの顔を見て、リムルに分かり易く部屋の奥を指差して見せる。

 

「なんですか! この願いは⁉」

「何を書いても自由という事ですので、書いただけですが! なにか!」

 

 紫苑と朱菜が華麗な舞い……組み手? むしろ演武だろうか……鮮やかで速い動きをしながら互いに拳や足が飛び交っている。

 

「そんなモノを私が神に届ける訳がないでしょう!」

「皆の願いは平等ですよ!」

「寄こしなさい、此処でお炊き上げして差し上げますから!」

「姫様と言えど、そんな事はさせません!」

 

 あんな場所に入って行ったらどうなるか分かったものではないので、紅丸も自分も何にも言わずに見ている事しか出来ないでいる。

 

「な、なるほどな……」

 

 ちなみに紫苑が書いた内容は『リムル様、ウィン様と添い遂げたい』という感じのモノという話だ。そして、その内容をリークしたのはライナである。

 彼女が朱菜に耳打ちしながら、そんな内容を神に届けて叶えちゃっても良いの? 的な事を言っていたらしい。

 

「リムル、何か言い案はない?」

「俺から頼みます、アレは俺では止められません」

「と言ってもなぁ~。……なら、紫苑も神楽舞いに参加させるか?」

『あら、良いんじゃない? これ以上争っていても埒が明かないものね』

 

 ことの発端を勃発させた張本人が何を呑気な事をと、ヒクつく眉と口角が動くが、紅丸も自分も何も言い返せずに、リムルの案が最善策と相槌を打つしかなかった。

 

 

 ==夜になって、いよいよ本番という感じになると、今になって緊張が襲ってくる。

 

 

 

「ふふ、そんなに硬くならないで下さい。のびのびと祈りながら踊れば大丈夫ですよ」

 

 シャンッーーっと朱菜が鈴を鳴らしながら言う。

 

『まぁ気楽にやろうぜ!』

『私達も一緒ですから、大丈夫だよ~』

『オメェは緊張感もって踊れ! 本番でこけんなよ!』

 

 リムルと大賢者の手伝いもあって、剣、鏡、珠の三種類が完成している。

 

「そうだね……ふぅ――。それじゃあ、いこう」

 

 

 今回の舞台はちょっと演出を凝らす為に、魔法陣も描かれている。

 

 少し魔素を魔法陣に流すと、流した自分の魔素に合わせて舞台を色の球を飛ばしたり、炎を纏う事も出来る。

 

 初めにヒータが会場を盛り上げる様に、派手な火柱と、剣舞を披露する。

 剣舞と言っても、白老に教えてもらった、魅せる動きだけだが、持ち前の炎を操る能力は高いので、演出自体には問題ないし、炎を羽衣の様に纏うのも派手で盛り上がっている。

 

 次にエリアと自分が場の空気を癒す様に、水と風で熱された会場に涼し気な風を送り、水を鏡の様に展開させて、風を纏う緑色の光で龍を空に飛ばして、赤や青、緑の光で天の川を創り出していく。

 

 そこから自分の力で空に待機してもらっていた朱菜と紫苑にゆっくりと舞台へと降り立ってもらい、優雅に舞いながら魔法陣を用いて朱菜の合図を待って、虹の様な架け橋を作り出していく。

 

 会場が拍手で盛り上がっていくと、急に自分の胸元からデッキホルスターの一つが急に現れて光りながら会場の方へと飛んでいく。

 

「え? これって……」

「何だ⁉」

『うわっ! 剣が⁉』

『鏡も⁉』

「……っ⁉」

 

 自分達が持っていた剣、鏡、珠の三つが飛んでいったデッキホルスターの光に吸いこまれていってしまった。

 光が弾け飛ぶと、三人の美少女が舞台へと舞い降りた。

 

『主よ、ただいま、貴方様の下へと舞い戻りました』

『もう逃がしはしませんよ。ワタクシ達を扱えるのは主上よりいないのですから』

『……もう、離れない。絶対に……』

 

 

 赤い髪の子は左右にクルンとタイヤみたいに纏めながら長い髪を下ろしたツインテール。ちょっとハムスターみたいな感じがある可愛らしい顔つきをしている。愛嬌はあるが、少し気が強い様な感じがする。

 

 青い髪の子はショートでスケートでもするかのような綺麗な衣装に、白い肌でキッとした釣り目が少し猫っぽいかもしれない。

 

 緑髪の子は御下げのストレートヘアだ。緑色の衣装に扇子を持っていて頭に狐の耳みたいなモノも見える。

 

 その三人が自分の事を絶対に放すまいと抱き着き、擦り寄って来た。

 

 自分は突然の事で良く分からず。周りにいた霊使い達が妙に殺気立っている様子に、さらに頭の中が混乱していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 












 最初に御巫の子達が登場です……閃刀姫の面々はもうちょっと後に登場ですので、お待ちください(>_<)

次の解放テーマ、ワルプルギス終わりまで

  • ウィッチクラフト
  • エクソシスター
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  • 妖怪少女
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  • ティアラメンツ
  • 白き森
  • イビルツイン
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