心にデュエリスト魂を持って転スラ世界に・・・   作:風月八泉

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59話 魔王の影響とミリム係

 

 

 

 

 

 

 

 ミリムと仲良くなったので、全てが無事解決とはならない。彼女の世話を紫苑と朱菜に任せて、いまはお風呂の使い方と入り方を教えて貰っている。

 自分も誘われたが、丁重にお断りしてリムル達の会議に参加するという理由を言って、紫苑と朱菜の魔の手から逃れられたのだ。

 

 最近は霊使い達や御巫にレイと……なんで皆して自分と入りたがるのか……。

 

「――という訳で、魔王ミリムの滞在が決まった訳だが……、一人で行動されるのも不安なんで常に誰か側で見てやって欲しい」

 

 会議場に集まった面々に向かって、ミリムの扱いに関しての話し合いとリムルからのお願いという感じで頼み込んでいる。

 

「ちょっといいかい旦那」

「どうしたんだ?」

 

 カイジンが手を上げて、発言を求める。

 

「魔王ミリムの動向も気になるが、俺ぁ他の魔王の出方にも気を付けた方が良いと思うぜ」

「どういう意味だ?」

「魔王は何名かいるんだが、彼らは仲間同士ってわけじゃないんだよ。互いに睨みをきかせ牽制し合ってる間柄だ」

「いかにも、しかもリムル様とウィン様は連邦国の盟主というお立場。そのリムル様とウィン様がミリム様との友好を宣言し、ミリム様がこの国へ滞在している……」

「つまり「テンペストが魔王ミリムと同盟を結んだ」って思う? 事の経緯を知らない他の魔王達には、そう見えてもおかしくはないね?」

「その通りですウィン様」

 

 一難去ってまた一難という感じだね。

 他の魔王がどんな人達なのかは分からないけど……面倒な関係性は理解できる。

 

「同盟が事実なら、今まで配下を持つ事すらなかった、魔王ミリムの勢力が一気に増すことになり、魔王間の力の均衡が崩れる」

 

 状況分析から、紅丸が飲み物の入ったコップを見つめながら、淡々と語る。

 

「そして……それを面白く思わない魔王も、いるかもしれないってことです」

『この森が勢力争いに巻き込まれる、そんな可能性も考慮に入れるべきだね。ボクも紅丸の考えは正しいって思うな』

 

 アウスも考え事をしながら、紅丸の話に付け加えて言う。

 

「しかし、実際にお帰り頂こうとしても、無理なのでは……」

 

 ミリムと接した時間から想像したのか……、リグルドの意見は皆も思っていたことでもある。あのミリムの性格だ、下手に帰そうとしたら、何をされるか分かったものではない。

 

『言っても素直に帰りますってぇ性格はしてねぇな』

『むしろ仲間外れにされたって、暴れそうよね~』

 

 ヒータとエリアの想像に、皆が思わず頷いた。

 

『暴れるだけならマシですね……ここにはミリム様の好きそうなモノが沢山ありますから、手に入れようとしてくるかも知れませんよ』

『正直、ミリム様の力を抑えられる自信はありませんね。私の剣も軽くあしらわれてしまいましたし、傷一つ負わせられていませんから」

 

 ハレとレイが悪い方向の想像をして、ちょっとだけ顔色が悪くなる。

 リムルと自分でも大賢者さんが鑑定出来る力の範囲、しかも手加減した状態のミリムでも約十倍以上の強さって言ってたからね。想像もしたくない。

 

「無理に帰らそうって考えはなし? 機嫌を損ねないようにしつつ、飽きてくれるのを待つしかないと思うな」

「……あぁ、飽きて去ってくれることを願おう……という事で、ミリムが居る間は、ライナとウィンの見張りは俺がするぞ」

 

「「はい、お願いします」」

 

 何故か皆の視線がリムルに集中して、是非ともお願いしますと懇願している様にも見えるのは気のせいだろうか。

 

「仮に敵対するのなら、他の魔王を相手にする方がマシです。魔王ミリムは正しく天災ですので」

「あ~、ミリムがカタストロフィ?」

「はい」

「ウィン、頼むからミリムが居る間は大人しくしてくれよ……」

「失礼? そんなに何かをした覚えは――」

『砂糖を作ると、忙しくなるからしばらくは大丈夫じゃないかしら?」

「お前もだよライナっ!」

 

 リムルのツッコミに会議参加者全員が頷いた。

 

「じゃあ敵対する魔王が現れたら、その時考えよう」

「いま決められるのは、こんなところ?」

 

 皆もとりあえずの方針と話し合いが終わり、皆が小さく息をつく。

 

「ところでリムル様、ウィン様……当のミリム様はどちらに?」

「ん? お風呂?」

「シュナとシオンに連れてってもらったんだが――」

 

 リグルドがミリムの事を聞いてきたので、今はお風呂で大人しく……。

 廊下から素足で走り回る音が聞こえてきた。

 

「リムル! ウィン! ここの風呂はすごいな! 泳げるのだ‼」

「お風呂では泳がない?」

 

 まぁ、リムルとノリに乗って露天風呂とかかけ流し湯を作ったり、サウナなんてモノも作ってしまったから……楽しめるお風呂になっているはずだ。

 スパリゾートの旅館に負けないモノを作った事は褒めて欲しいな。

 

 …………あれ? これは飽きてくれるのだろうか? むしろ居ついちゃうきがする。

 

 というか、気にしてなかったがミリムの姿はバスタオル二枚を胸と腰に巻いた状態で、女の子としては、かなり無防備な状態だった。

 部屋にいる男性陣が驚きと戸惑いの表情をしつつも、目はしっかりと開いてミリムの方を見ている。

 

「ミリム様! ほら、まだ御髪を洗えていないでしょう」

「戻りますよ!」

「おお、すまぬ。感動したから早く親友に伝えたかったのだ。あははは――」

 

 紫苑と朱菜も大きなバスタオル一枚という、危ない格好であった。

 

「じゃあな、リムル、ウィン! 明日は一緒に入るのだ‼」

 

 バッと手を大きく振ってお風呂の方へと戻る時に、胸のタオルが落ちかけていた……というか、部屋からはギリギリ見えなかっただけで、落ちたのだろう。

 

「ミリム様、タオル……!」

 

 紫苑がタオルを拾ってパタパタとミリムの後を追う。

 

「失礼しました……」

 

 朱菜がちょこっとだけ顔を覗かせて、すこし頭を下げてミリム達の後を追う。

 しん……と静まりかえった会議室の空気を、紅丸が咳払いをして、最後の一言という感じで自分とリムルの方へと視線を向ける。

 

「あ~……、ではミリム様のお相手は、マブダチのリムル様とウィン様に一任するということで」

「「異議なし‼」」

 

 紅丸が晴れやかな顔をこっちに向けて、言う。

 面倒事を全て押し付けてきたよ、このイケメン鬼。

 しかも、会議に出席していた自分とリムル以外の全員が声を揃えて、紅丸の意見に同意して、にこやかに決議を出していた。

 

「ベニマル、貴様‼」

「いや、だってめちゃくちゃ懐かれてんじゃないですか」

「うむ、リムル様以外に適任がおりませなんだ」

『ウィンとライナに関しては、ボク達も協力するからさ』

『魔王ミリムさんと、ウィンちゃんにライナちゃんは荷が重いもんね~』

『フゥリやニニにも時間が空いたら協力するように言っておくので、大丈夫だよ』

『でもまぁ、基本的なコントロールはリムルの旦那にしか出来ねぇだろうから、しっかりと手綱は握っておいてくれよな』

 

「ぐぅ……っ」

『なんか、アタシ達の扱いが囚人の監視みたいになってないかしら?』

「おかしいね……砂糖に関して、リムルとか紅丸のせいでもあると思うのに?」

「やらかしが多すぎるんだよ、お前らは⁉」

 

 リムルが頭を抱えながら唸っている。

 

「まぁ、実質ミリム係はリムルって事だよね?」

『そうね、なにかあったら手伝ってあげましょう』

「手伝えよ‼ つうかウィンも担当だ! しっかりとミリムの面倒を見ろよな!」

 

 こうして、魔王ミリムはリムルと自分が? 担当するという暗黙のルールが成立してしまったのだった。

 ……実質はリムル。

 

【お前もだ! 絶対に手伝わせるからな】

【ねぇ、人の心を読まないで?】

【分かり易い顔をしているお前がいけないんだよ! 完全に丸投げする気だったろう】

『逃げられそうにないわね……諦めなさいウィン』

 

 砂糖の制作も……厳しい監視の目が付きそうだって言うのに……更にリムルの監視も厳しくなるのかぁ。

 

 

 遊びの時間をなんとかして見つけ出さないと、ね。

 

 むしろ、ミリムを巻き込めば全てが解決するのではなかろうか……。

 

 

 

 

 

 

 

次の解放テーマ、ワルプルギス終わりまで

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