心にデュエリスト魂を持って転スラ世界に・・・   作:風月八泉

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68話 英雄の強化と町の様子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リムル様、ウィン様。人間たちとの協力の件。十二分に熟考してくださいね」

 

【それほどまでに根深い問題なんだな……】

 

 トレイニーさんがいつになく真剣な声で言うので、リムルと一緒に息を呑み込みながら返事を返したが……ちょっとだけ、思い出した事があるので、聞いてみたくなった。

 

「あの……もしかして、柚子胡椒味のポテチ――」

「決して、ポテチが食べられなかったから人間たちに厳しい目を向けている訳ではありませんよ。えぇ、違いますからね。魔物とというだけでも良く思わない人間がいることも、また事実ではあるのですから」

「あ、はい……」

 

【……ポテチの事も含んでるだろ、これ……まぁ、トレイニーさんの言っていることも確かだろうから、気を引き締めていこう】

【うん、そうだね……後で、新作のスイーツと一緒にポテチも持っていこうね】

【そうだな】

 

 家を出ると、ヨウムがリムル饅頭を抱えてパクパクと食べていた。

 

「愛されてるな、あんたら」

「俺そっくりの食い物だらけなのが、気になるがな……」

 

 リムルはそう言いながら自分の方を半目で睨んでくる。

 

「ウィン姐さんの仕業か……」

 

 何故か分からないが、この町に来たばかりのヨウムが納得したような顔で頷き、自分の方に呆れ顔を向けてくる。

 

「今日はヨウムの事を町の皆に知らせるから、そのつもりでいろよ」

「あぁ、わかった」

「軽くだけど、白老との稽古はどうだった?」

「……あれが……軽く?」

「実力をある程度は見れないとダメだろうからな。なんだ? 疲れたか?」

 

 なんか青い顔をして、ちょっとだけ震えている気がするが大丈夫だろうか。

 

『ふふ、気にしないでいてあげるのが優しさよ』

 

 ライナはヨウム達に付いて行って稽古の様子を見ていたようだけど……ちょっと思い出すかのように笑った後はヨウムの方を見ない様にしてあげているようで、それ以上の詳しい話は聞けなかった。

 

「ふぇ? どういうこと?」

「あ~、わかった。頑張ってくれよ」

「……まぁ、強くなれるってのは悪くねぇ」

「そういえば、ヨウムの装備もしっかりとしといた方が良いかも?」

 

 ここに来る前に粗悪品とはいえ、剣が折れてしまっていたはずだ。

 

「いいのか!」

「そういや、剣が折れたんだっけか? ならクロベエの所に行くか」

 

 ちょっと子供っぽい感じもあるらしい。

 武器をもらえると聞いて、少年のように喜び、鍛冶工房に行く道すがらのヨウムはウキウキとしている感じが自分達にも伝わってくるほどだった。

 

「お、リムル様にウィン様? 何かごようだべか?」

「ああ、実はヨウム君の武器を作って貰おうかと思ってね」

「そういうことなら、重さや長さ、手に馴染む剣を選んで――」

 

 黒兵衛の説明を受けながら、自分にあった武器を探していく。

 しっかり手に馴染む武器を選んだら、それで試し切りという感じで藁を何回か切ってもらい、動きをしっかりと覚えた黒兵衛が何度か頷いて、「わかっただ」と一言いう。

 

 いまは仮の武器として、手に馴染んだ剣をそのまま使って良いということで、黒兵衛の剣が出来るまでの仮で使うことになった。

 どの道、白老との修行で使う事になるのだから持っていた方が良いだろう。

 

「あとは……服装?」

「あ~、たしかに“英雄”になってもらうのなら、それに相応しい姿になってもらわないとダメだよな。よし、採寸にいくか!」

「え? あ、あぁ……」

「あと、ヨウムのお仲間さん達も呼んでね。“英雄”の一行が不良集団でみすぼらしい姿ってなったら各国から下に見られちゃう?」

 

 もうヨウムは好きにしてくれという感じで、驚きと戸惑いの表情で自分とヨウムの後ろを付いて歩いてくるようになってしまった。

 

 彼には悪いが、出来るだけ……それなりに体裁を整える必要がある。

 

「ふふ、ここで少し我慢しておくだけで、ヨウムが心配している伯爵を懲らしめられる上に、キミが暮らしていた場所の人達も救えるかもしれないよ」

「あ? どういうこった?」

「粗悪品で送り出した人達が、魔物の国から支援を得て、しかも武器や防具はカイジンさえも認めた業物の剣。加えて、ドワルゴンで活躍していたベスターという研究者も加わった“英雄”さんなんだから。多少の無茶は通るんじゃないかな」

 

 まぁ、その辺のシナリオはロンメルの方に話してある。彼ならヨウムの味方であり、頭も良く廻るようなので、こういう情報を上手く扱ってくれるだろう。

 

「なにからなにまで……わりぃな」

『こっちとしては、アナタがしっかりと地盤を固めてくれないと面倒事が押し寄せてくるんだから、やれる手は尽くすのが当たり前なのよ』

「そうそう、だからしっかり強くなってくれよな」

 

 ちょっと困った顔で笑いながら頭を掻いて、気恥ずかしそうにしながらも空を見上げてヨウムはしっかりと「おう、任せとけ」と答えた。

 

 恥ずかしがり屋は治らないらしい。

 

 

「とりあえず、鍋パーティーに出発だ!」

「あれを、喰うのか……」

 

 町の中央広場では、狩ったナイトスパイダーを紅丸とヒータが丸焼きにしたものと、巨大な鍋でグツグツと煮て、カニ鍋のようなものになっているものがある。

 

 台はキャンプファイヤーみたいな鉄製のヤグラだけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 








  今日は短めです。_(._.)_

次の解放テーマ、ワルプルギス終わりまで

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