心にデュエリスト魂を持って転スラ世界に・・・   作:風月八泉

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77話 再びのネーレイマナス

 

 

 

 

 

 

 

 

 カリュブディスに総攻撃を仕掛けてどれくらいの時間が経ったか……未だに暴れ回っている。カリュブディスの方も消耗してきてはいるが、未だに倒れる気配はない。

 

『……主! 何か来ます』

 

 レイが叫びながらカリュブディスがやってきた方角を指差している。

 

「……この忙しいタイミングで、要らないお客様?」

『あらあら失礼さに磨きが掛っているのではなくって? このタイミングだから来るんじゃない……前の時のようなヘマはしない為にもねぇ』

 

 前に倒したはずの{イビリチュア・ネーレイマナス}が禍々しい魔素を纏いながら自分の前へとやってきた。

 

「アイツって……オークロードの時に居たヤツか?」

「うん、アレの相手は自分とレイがする」

「わかった、気を付けろよ」

 

 カリュブディスの方は自分がいなくても問題なく対処出来るだろうけど……ネーレイマナスの方は、自分達でなければ危険だ。

 下手をすると、カリュブディスと一緒になって暴れられたらこちらの戦力が崩壊しかねない。

 

『私としては願ってもないことねぇ。アナタを倒して、彼の御方に貢物として捧げてあげるわぁ。きっとお喜びになるものぉ』

『なんだか、危ない感じのモンスターですね』

 

 それよりも彼女は儀式モンスター。誰かが故意に呼び出したってことで、カリュブディスと同じヤツが呼び出したってところだろう。

 

「邪魔はさせないよ?」

『フフフ、可愛いことを言うじゃない。アレにそこまでの興味はないのよねぇ。あるのは、アナタよウィンちゃん』

『主には指一本、触れさせません』

『威勢のいい小娘ねぇ』

「随分と余裕だね?」

『同じ轍は踏まないのよ。それに、この子も以前の様にはいかないんだから』

 

 下の魚部分を撫でながら、妖艶に微笑んでいる。

 

「変な妖気を感じると思ったら、それって……」

 

 後ろの方で戦っているカリュブディスをチラッと見る。

 

『あら賢いじゃない。そうよ~、魔法の類は対策済みって訳なのよぉ。ふふ、ふははは』

 

 随分と気分が高ぶっているようだけど……本来の力じゃないモノを無理やり自分に宿しておかしくなっている様子だ。

 

「そんな力を手にして、勝ちに来た?」

『何とでも言いなさい! あの時の怨み……ここで返してあげるぅ』

 

 血走った目で自分へと突進の様に突っ込んでくる。

 

『主……何をしたんですか⁉』

「普通に倒しただけ? 問題はあっち側にあると思うよ」

 

 大きく口を開けて地面を抉りながら来た魚部分を避けると、今度は上の体から水の槍が雨の様に降ってくる。

 

『あははは、串刺しにしてあげるわぁ!』

「エア・ショック!」

 

 雨の様に降ってくる水槍の真横から、空気圧の衝撃波をぶつけてかき消す。

 

『そう簡単にやられてはくれないのよねぇ……忌々しい子ね!』

『情緒が不安定ですよ! 閃っ!』

『甘いのよっ!』

 

 レイの攻撃を無理やり魚の体を曲げて尾っぽで防ぐ。

 

『メガロドンよりも固いっ⁉』

「基本、あのカリュブディスみたいな体だと思っていいと思う……その代償は、大きいと思うけどね」

 

 前と比べると感情的過ぎるし、さっきから頭を抑える様な仕草もしている。

 カリュブディスも儀式モンスターみたいな感じだった。多分、彼女の中でカリュブディスの力が浸食でもしてるんだろう。

 もともとリチュアによる精神支配も受けている設定もあったはずのモンスターだからなぁ。あの危ない種族が絡んでいるとすると……厄介でしかない。

 

『いい加減に、やられなさい! 邪魔なのよっ! アナタみたいな存在はっ!』

「っ⁉ 風壁っ!」

『この、またっ‼ ワタクシの魔法をっ!』

 

 彼女は自分が攻撃してこないと見越してか、突進的な行動を繰り返してくる。

 その隙に何度もレイが攻撃しているが……あまり効果がない。

 

『固すぎますねっ! 手が痺れて来ました』

「斬れない訳じゃない?」

『はい、攻撃は通っていますが……回復スピードが速すぎます』

「自分の魔法じゃあ、通らないし……レイの攻撃も威力が足りない?」

『そうなりますね』

 

 ただ、彼女の攻撃も直線的なモノが多くて躱しやすいため、自分達の身軽さと速さならば問題なく躱せる。

 

『さっきから痛いのよっ! 小娘がっ!』

 

 高水圧の水をレーザーの様に飛ばしてレイを追い詰める様に攻撃しているネーレイマナスに、今度は自分が真空刃を鋭く突きのように杖に纏わせて飛ばす。

 

『そんなものっ!』

「む? 外した」

 

 レイに気を取られていたから当たると思ったのだが……流石に無理だった。

 

『随分と器用な真似をしてくれるじゃない。でもそんな攻撃……』

 

 当たる訳がないとネーレイマナスが言おうとしたが、彼女の腕や頬に傷が出来ていた。

 

「魔法が効き辛いだけで、しっかりと圧縮して威力を増せば攻撃は通るでしょう?」

『はぁ、はぁ……どいつもこいつも。目障り、ワタクシの体に傷を負わせるなんてっ! 絶対に許さないっ!』

 

 怒りに任せて魔素が暴走したように吹き荒れ始めた。

 

『きゃっ!』

「レイ!?」

「ほいっ、大丈夫か?」

『あ、ありがとうございます』

 

 ミリムが吹き飛ばされたレイをキャッチしてくれた。

 

「ウィン、何なのだアレは?」

 

 ミリムは指差してネーレイマナスの事を面白生物という感じで、目を輝かせて見ている。

 

「え~っと、多分……魚人?」

「あんな魚人は見たことないのだ。というか、アレは別にワタシが戦っても問題はないのではないか!」

『まぁ、イレギュラーな敵……では、あるんですよね?』

「そうだね、アレは異世界のモンスターだから」

「では、自分がぶっ飛ばしても問題はないのだなっ!」

 

 暴れたくて仕方がなかったミリムが戦いに混ぜて欲しいと懇願してくる。

 

【えっと、いいのかなリムル?】

【あぁ、そいつに暴れられたんじゃたまらないからな。ミリムにもガス抜きが必要だろう、どうせなら存分に暴れてもらえよ】

 

 リムルからも了承をもらえたので、ミリムに頷いて答える。

 

「リムルも戦って良いってさ」

「うおぉ~、やってやるのだ~!」

『あっ‼ ちょっとミリムさん連携は――』

 

 レイの制止も効かずに一瞬にしてネーレイマナスの懐へと潜って、魚の胴体を思いっきり殴り飛ばしてた。

 

「ほう! 良い硬さなのだ」

『このチビガキっ!』

 

 レイと一緒に「あっ」と声を出して、ネーレイマナスを可哀想なモノを見るように眺めてしまった。

 ミリムに対してその言葉は駄目だよ。

 

 案の定、ミリムの拳に黒い魔素が纏い始め、ネーレイマナスをタコ殴りにし始めた。

 

「貴様には礼儀というものを教えておかねばならないようだな」

 

 あぁミリムの瞳孔が凄いことになっている。

 

『やはりミリムさんはお強いですね……私もアレくらい強くなれるでしょうか……』

「師匠が良いんだから、きっとなれるんじゃないかな?」

 

 ただまぁ、レイの場合は色々な戦い方を経験して欲しいかなって思う。彼女のテーマは多数の立ち回りが可能で多彩な戦いが出来るかどうかが強みになるだろう。

 レイを強く活躍させられるように、早くリンク召喚を使えるようにならないとね。

 

『なぜ、なぜっ! こんな小娘達にワタクシが……ワレが負けねばならんのだっ! 下等生物共が粋がるなっ――』

 

 リチュアの影響か……はたまたカリュブディスの影響か。

 

 ただ彼女は前に戦った時の方が厄介だったなぁ。

 アレじゃあただ獣が暴れているのと変わり映えしない。

 

「ふん、下等生物というお前の方が下なのだ!」

 

 ミリムも全力で戦っている訳ではないようで、弄ぶようにネーレイマナスを地面まで叩き落としている。

 

『ああなると哀れですね』

「冷静に戦っていれば、まだまだネーレイマナスの方が有利な状況が作れたはず? まぁ、ミリムが居たからどうにかなったっていう感じだけど」

 

 そろそろミリムのガス抜きも良いだろうし、自分も動こうかな。

 デッキホルスターからトラップカードを取り出し、発動させておく。

 

『認めぬ、認めぬぞ! お前ら全員っ⁉ 何だっ⁉』

「周りの状況を見ていなさすぎ?」

 

 光の網がネーレイマナスの体を包んで、動きを封じていく。

 

「ん? ウィンの技か?」

「そうだよ。ここからは自分がやっておく……なんかあっちで動きがあるみたいだよ」

 

 リムルの方を指差してみると、カリュブディスのヤツが何かを喋っている。

 

「あのカリュブディスってミリムの知り合い?」

 

 なんかミリムの事を呼んでいる。

 

「うむ、覚えがあるのだ。この感じ……確か、フォビオとかいう魔人だ」

『あの荒っぽい獣人の男ですか!』

 

 大方、誰かにカリュブディスの器にされたってところだろうね。

 

『ワレを無視するなっ⁉ なにをごちゃごちゃと話しておる!』

「君は、もう終わり……次も出て来られちゃたまらないからね。ちょっと強引だけど、ごめんね」

 

 動けなくしたネーレイマナスの周りに魔法陣を展開させ、今回は彼女の力そのものを全て糧にさせてもらう。

 

 このまま見逃せば、後に何をするか分からないから……ごめんね。

 

「ネーレイマナス、アナタの力を全部もらうね「コネクト」」

『なんだっ! なにをしているキサマっ⁉』

 

 強引にネーレイマナスの力を奪っていくと、彼女の体から光の粒みたいなのが魔法陣に吸い込まれていき徐々に崩れていく。

 

『くそぉ、覚えてなさい! 絶対にキサマの事は泣かしてやるからねっ!』

 

 怒りと憎しみが籠った目で睨まれ、少し体がビクッと震えてしまう。

 それに気付いたレイが自分とネーレイマナスの間に入って、守る様に立つ。

 ずっと怨みの念をおくりながら、やっとネーレイマナスの力を取ってカード化できたのだけれど……見たことがないカードになっている。

 

 モンスターカードの色と黒い渦が描かれ、イビリチュア・ネーレイマナスの絵柄には鎖と封印の文字が浮かんでいる。

 

「ナンバーズじゃないんだから……このカードは使わないにようにしよう」

 

 ただエクシーズのシリーズは宇宙みたいな黒が主体で星の様な輝きが混ざった感じの色が特徴だ。まぁ……あのシリーズがこの世界に来たら大変なので、なくても良いと思うカードだけど。

 

 エクシーズ……しっかり仲間としていてくれるなら、頼もしいカードなんだよぁ。

 

 問題しかないカードが多いけど……。

 

『一件落着って所ですか?』

「ふぅ、無駄に疲れた?」

『でも、良い修行になりました! 私もまだまだ強くなれそうです♪』

 

 レイの成長については、白老と後で相談しておこう……くれぐれも紫苑のようにならないようにしなくては……。

 

 ネーレイマナスをカード化するのにちょっとだけ時間が掛かったけど、リムル達の方はどうなったんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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 なんか色々とハーメルン様も大変だったようですね(-_-;)

 カクヨム様やなろう様の方でも似た攻撃があったようですし(-_-)

 いつも仕事に行く前とか帰ってきてからちょこちょこ書いて投稿しているんですが……まさか昨日の投稿できずに消えるとは……(´;ω;`)


  楽しく読んでいただけたなら感激、暇つぶしでも貴重なお時間を割いて読んでいただけただけえでも感謝です。

次の解放テーマ、ワルプルギス終わりまで

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