心にデュエリスト魂を持って転スラ世界に・・・   作:風月八泉

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82話 酒と取引と交流

 

 

 

 

 

 

 ちょっとした騒動になりかけたが、特に被害もなく収まったので、獣王国の使節団を歓迎する席へと案内する。

 

「さて、まぁなんだかんだとあったが……ようこそ、テンペストへ」

 

 リムルが司会進行を進めながら、アルビスやスフィア達にお酒や食べ物を振る舞う。

 

「……それにしても、さすがはカリオン様の認めし方々。貴方達と貴方がたの国と縁ができたことに感謝を」

「こちらこそ」

「仲良くしていこうね?」

「ふふ、そうですわね」

 

 ちなみに使節団を招いている建物は、新築した迎賓館で歓迎の宴を催している。

 

 そしてアルビスやスフィアはお酒に目がないのか……えらくお酒のウケがいい。

 

「ああ、幸せ……♡」

 

 もうアルビスは人化の状態は解けてしまっていて、尻尾の方で酒樽を持ちながら、氷の入ったグラスに注いでいる……あ、樽で飲み始めた。

 

「おい、誰だ樽ごと渡したのは……」

『ふっ、良い飲みっぷりじゃない。一人占めはズルいんじゃない? 一緒に飲みましょうよ。まだ味比べもしたいでしょう?』

「あらあら、貴女もいけるくちね」

 

 リムルのツッコミなど聞こえていないようで、さらにライナも混じってアルビスと飲み比べが始まってしまった。

 

「犯人はライナです」

「止めろよウィン!」

「え……無理。酔っ払いに関わるとろくなことにならないもん」

「おい、お前もちょっと酔ってないか?」

「ライナに、騙されたの……でも、美味しいからヨシ?」

「良かねぇよ! 子供が酒を飲むな!」

「大丈夫、子供じゃないし……こんなのはジュース?」

「ダメだ……とりあえずウィンはまだほっといても問題ないとして、あっちだな……スフィアさん。同僚を止めた方がいいんじゃ――」

 

 リムルがスフィアの方を見ると、そこには虎の姿をしたスフィアが居た。

 

「ええ――――――ッ‼?」

 

 大きな平皿に酒を並々と注いでペロペロと酒を舌で掬いながら飲んでいる。

 

「この姿って他人に見せてもいいもんなのか?」

「特段、みせていけないものではないのですが……」

 

 サルの獣人さんにリムルが聞き、ちょっと戸惑いながらも苦笑いで答えてくれている。

 

「些か、お恥ずかしいですな。油断しすぎです」

「まぁまぁ、無礼講無礼講~♪」

「せめて礼節は重んじてくれよウィン!」

 

 今日のリムルは小言が多いようだ。

 

「ははは、ウィン嬢はわかってるなぁ。あ、おかわりはあるか?」

「はい」

 

 食事やお酒を運んでいた朱菜にスフィアが聞くと、朱菜の方も準備していたかのようにスフィアが抱えている大皿にお酒を継ぎ足していく。

 

 まぁ実際、それだけ油断した姿を見せてくれているというのは、心を許してくれていると思っておこう。

 変に勘ぐっても肩がこるだけだしね。

 

『あら、もうブランデーが空ね』

「あぁ……気づけばリンゴのブランデーがどんどん空に……」

「りんごのブランデー、美味しかった?」

「えぇ、良い味よ。それより、あまり量は作れませんの?」

 

 さすがに飲み過ぎたと思ったのか、名残惜しそうにアルビスが樽を見つめている。

 

「ん~、試験的に作っただけ? 森からの恵みに頼ってるから量が取れないっていう方が良いのかな?」

「あ~、すまんすまん。客人に振る舞うのがメインだから気にしないでくれ。酒は嗜好品だし、まだ皆には行き渡っていないんだよ」

『そういうことよ。だから味比べって言ったでしょう』

「お前は飲みすぎなんだよライナ! ちょっとは残しておけよ! つうか振る舞う側だろうが……まぁ、飲みたくなる気持ちはわかるけどな』

 

 話を聞いていたアルビスが少し考え込んでいる。

 

「……では良い考えがございます」

 

 ペロッと唇に残ったりんごのブランデーを舐めとるように動かして、妖艶に微笑む。

 

「我がユーラザニアの果物をこちらにまわすよう手配いたしましょう」

「えっ⁉ いいのか?」

 

 スフィアにアルビスがよっかかりながら、二人の目が何かを訴えるようにリムルをじっとりと見つめている。

 

「……なるほど」

「それでお酒をつくってくれってことね? いいよ~。あ、コレも食べる?」

 

 丁度出来上がったりんごパイを二人に振る舞うと、目を輝かせながら食べている。

 

「あ~、割合は?」

「細かいことは任せる! オレは美味い酒が飲めればそれでいい」

 

 雑務はこちらに丸投げ……物々交換となると、妥当なラインが難しすぎる。

 そういうのは餅は餅屋というし、専門家に任せるのが一番だ。

 

 チラッとリムルを見る。

 

【任せるか……専門家に】

【ん、それが一番良いね】

 

「ゴブタ、商人詰め所にいる代表を呼んできてくれ。それ終わってからでいいから」

 

 ゴブタは会場を盛り上げるために、腹踊りをしていた。

 

「はいっす」

『あぁオレが呼んできてやるよ。食べ物もついでに持って来てぇしな』

「そう? じゃあよろしくね」

 

 ヒータが空の大皿を持って部屋を出ていった。

 

 その後、すぐにヒータが呼んで来た子が走ってきたようだ。

 たしか商人の代表は犬頭族、コボルトと呼ばれる種族のコビーという子だ。

 

「り、リムル様、ウィン様。コレは一体……!」

「じゃ、あとよろしく」

「えぇ⁉」

「話はあちらさんから、ね?」

「え、えええぇぇっ⁉」

 

 ちょっと可哀想だが、これも商人の宿命だね。

 上手くやれれば、コビーの商会も大きく成長できるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の解放テーマ、ワルプルギス終わりまで

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