心にデュエリスト魂を持って転スラ世界に・・・   作:風月八泉

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87話 人間の国への準備

 

 

 

 

 

 

 

 リムルとゴブタが罰としてシオンの料理を朝に食べ続けて数日。

 

「リムル、もう少しだから頑張って?」

「無理……」

 

 気絶するように倒れて、どんな夢を見ているのか……目の端から少し涙が流れていた。

 

「イングラシア?」

 

 リムルが寝言の様に呟いた。

 倒れているリムルを膝枕しながら、頭を撫でる。

 

「イングラシア? ってなに?」

「さぁ……ただ、シズさんが、そう言っていた」

「夢?」

「あぁ、眠る必要がない身体になって久しいが、意識を手放すと必ず子供達の夢を見るんだ。あまりにも鮮明で見てきたような光景でな……あれは多分、シズさんの記憶だと思う」

「ふ~ん、ちょっと自分にも見せてもらっていい?」

「あぁ、シズさんなら良いって言うだろうしな」

 

 リムルの額に手をあてて、意識をリンクさせていく……。

 確かに子供達が見える、女の子二人と男の子が三人。

 

「いやー、まさか……メシを喰って意識を失うとは思わなかったよ」

「シュナ様やシオン様にもらしたのはゴブゾウなのに、なんで自分まで……」

 

 ゴブタは一生懸命に口に頬張っては紫苑の料理を呑み込んでいる……出来るだけ噛まないよう最小限の動きで、流し込む様にしてご飯を食べて……ほぼ飲んでいる。

 

「馬鹿野郎! お前がヤツを教育しておかなかったせいだろうが! むしろ連れて行ってやればバレる事もなかったかもしれないだろう!」

「さっきまでウィン様の生足を堪能していたリムル様に言われたくないっす!」

「やめて、意識しないようにしてるんだから!」

 

 未だにズボンや長めのスカートを許してもらえず、仕草にしても男らしい行動をしたらすぐに罰が追加……もしくは延長されてしまうのだ。

 

「ウィンは良いだろう、シオンの料理を食べなくて良いんだから」

「そうっす……これを食べないといけないほうが、地獄っすよ」

 

 その言葉には、確かに何も言えない。

 

【なぁ大賢者、「イングラシア」ってなんだかわかるか?】

〈解。テンペストより西、ブルムンド王国を経た先にある王国の名が該当します〉

【へぇ、国名なの? ブルムンドは確かフューズとカバル達が居た国であってる?】

〈はい〉

 

 う~ん、大賢者さんはなんというか自分にはかなり淡泊な感じの返答しか返してくれないな……嫌われるようなことはしてないと思うんだけどな。

 

 紫苑が食後にとお茶を入れているが……あれは、お茶なのだろうか……。

 

「ウィン様もいりますか?」

「遠慮しておく?」

「そうですか、では……コレはゴブタとリムル様のお茶です」

 

 注がれたコップからなんか出ている気がするが気のせいだろうか。

 

「なんか、出てるっすよね」

 

 リムルは何も言わずに、目を閉じてさっさとお茶を飲み干していく。

 

「ごちそうさん」

「リムル様、おかわりありますよ⁉」

「あー大丈夫! もう腹いっぱい‼」

「それより、皆を会議室に集めてほしいかも?」

 

 とりあえず、これ以上はゴブタとリムルが危ないので、助け舟を出すことにした。

 

「はい? わかりました」

 

 紫苑は何かあったかと考えながら部屋を出ていく。

 

「あ、ゴブタはカバル達に伝言かな?」

「え? 俺っスか?」

「そうだな、ちょっと頼まれてくれ。アイツらには――――」

 

 

 ドワルゴンとの繋がりも良い感じになっているし、動くなら今しかないもんね。

 

 

  ★☆★☆  ★☆★☆

 

 

 

 

「――という訳で、人間の国に行こうと思う。ドワルゴンとは違い、魔物を受け入れてくれるとは限らないからな。今回は人間に化けてコッソリ潜入するつもりだ」

「……お話は、わかりました。ですがリムル様とウィン様が旅立たれるというのは……」

「左様じゃな、万が一のことがあれば、ジュラの大同盟も根底から崩壊するやもしれぬ」

 

 確かにリグルドや白老の言っている事はわかる。

 

「コッソリと言っても、一人じゃないんだ。陰に潜んだランガは連れて行くし。それに……」

「俺の分身体を一体、リムル様との連絡役に回しておく。何かあれば皆にもすぐしらせよう。そして、自分だけではなく……」

 

 蒼影がライナの方を見る。

 

『はいはい、アタシも一緒だから安心しなさい。それと、あんまり出番はない方が良いんだけど、ちょっとしたモノを、アウスやヒータ達に持たせておくから』

 

 そうって、最後に自分の方をリムルやライナ達が見てくるので、自然と全員の視線が自分に集中する。

 

「ん、この魔法カードをアウス、ヒータ、エリアに渡しておく。これは、言うなれば自分やライナ、霊使いの魔女を即座に召喚できる魔法具みたいなモノ?」

 

 魔法カード{精霊術の使い手}という魔法カードだ。

 

 アウス達には念のために彼女達の属性にあった、仮のデッキを持ってもらっている。

 カリュブディスの一戦で、メガロドンやイビリチュア・ネーレイマナスの力を取り込んだ事で、ちょっとした力を使えるようになったらしい。

 その成長の過程で、同じ霊使いであるアウス達も、多少ならカードの精霊を呼び出せるようになったらしい。

 

 力として扱うなら、自分の属性である精霊術の方が遥かに強いみたいだけどね。

 

「ということだから、安心してほしい。案内役も頼むつもりだしな」

「案内役?」

「いま、ゴブタが呼びに行ってる?」

 

 

 

   △▲△▲  △▲△▲

 

 

 

 

「干し肉もいいけど……久々にシュナさんやウィン姐さんの料理が食いてぇな」

 

「ちょっとぉ、言わないでよぉ。余計に食べたくなるしぃ」

 

「あっしら世話になってばかりでやすからね。あんまり行ってたかってるって思われるのも嫌でやんす」

 

「だよなぁ。リムルの旦那もウィン姐さん方が、もっと俺たちを頼ってくれたら、遠慮なくたかれるのに……」

 

 

「たかるって、言っちゃってやすよ、この人……」

 

 

「じゃあ丁度いいっすね! リムル様とウィン様がお願いがあるそうっすよ」

 

「うおあぁぁっ! 陰からゴブタ君が⁉」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





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 今日はちょっと短めで_(._.)_

次の解放テーマ、ワルプルギス終わりまで

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