ここだけ先生が技術力を持ったオタクの場合   作:ゑりおっと

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シッテムの箱操作時に先生がどうなっているか判明しましたね。そりゃ普段からあれだけ精神をほいほい移動させてたらパヴァーヌ2章の精神ダイブも驚きや躊躇い無しに実行できますよね。

あれ、でもそしたらアロナのお土産にしょっちゅう買っているお菓子(アロナちゃんねる#4以降参照)ってどうやって…?




第一章 アビドス廃校対策委員会編
第1話 廃校対策委員会


さて、遂に始まった先生として初めての長期任務、メインストーリー第一章アビドス廃校対策委員会編。対策委員会からシャーレ宛に手紙が送られ、要請を受理するためアビドス自治区にやって来ていた。原作先生のように徒歩でだなんて絶対に行かないし、砂漠の移動ということで水も携帯食料も十分用意した。しかしどこまで行っても元日本人、砂漠に対する認識を甘く見過ぎていた。

 

「あっつい……暑くて干からびそう…」

 

『動いてないのにあっついよぉ~…。いや私というか動き続けてたのはバイクだけどね?でも熱処理が追いつかな~い…』

 

オートバジンで景気よくシャーレからかっ飛ばしたのは良かったものの、順調だったのは最初だけ。地図はアテにならない、気がついたら同じ場所を1時間ぐるぐる回ることを何度か繰り返し、2日の夜を過ごした。そして長時間動かし続けたせいで燃料の底が見え始めたため、下り坂や平坦な道では押して歩いていた。

 

ジェットスライガーだと一発だろって?時速1300キロという音速超えの速度で急加速・急停止出来るマシンに生身で乗れと?殺す気か。それに変身して乗ったとしても『どーも、シャーレから来ましたー』とミニバン程の大きさの空飛ぶバイクに乗った電飾人間を誰が信用するのか。ただでさえホシノの好感度はマイナスから始まってるのにいらんことでアビドスの子達から不信感を買いたくない。

 

歩き疲れた、道の途中で、思い出すもの…夢に見るもの…いやいかん、暑さで脳機能がおかしくなっている。どこか、どこか日陰か何か…

 

『先生!北東150メートルに人間大の生命反応、確認しました!もしかしたら休憩できる場所を教えてもらえるかもしれません!』

 

「おお…おお!ナイスだ、アロナ!」

 

シッテムの箱が起動し、マップ上で赤い点が動いているのが見える。助かった…!

 

「さてAIちゃん、ガス補給のために、もう一踏ん張り…しますか…!」

 

『オーライ先生!行くよー!』

 

 


Side ?????

 

 

今日は目が早めに覚めたから軽く片道50キロのサイクリングを早朝にした。

 

連日から続くDU地区での動乱、連邦生徒会の機能不全。外は大変らしいけど余裕がないのはこっちも同じ。今日も自分に出来ることはとにかくやろう。

 

愛用の自転車を漕いで学校に向かう。

 

しばらく漕いで、軽く汗を掻いた。

 

ん………?エンジン音?それも単気筒。

 

こんな辺鄙なところ…砂漠でツーリングなんて珍しい。

 

通行の邪魔にもならないように少し脇に寄って、停車する。どんな車種なのだろうか、どんな人が乗っているのだろうか。それを見るために後方をみる。

 

今まで見たこともないバイクに跨っていたのは男の大人だった。

 

「おーい、そこの君!ちょっといいかい!」

 

これが私の、私達の学校に深く関わってくる先生との初めての出会いだった。

 

 


 

 

「…ん、なるほど。いざ来てみたはいいけど砂漠で遭難していた、と」

 

「ここいらは砂漠だって聞いていたから、水も食料もしっかり用意したつもりだったんだけど…恐るべし、砂漠」

 

「大変だったね…えっと、ちょっと待って。確か…」

 

ごそごそとリュックを漁っている

 

「はいこれエナジードリンク。お腹の足しになると思う」

 

「ありがとう…」

 

「えっとコップ……!」

 

そのままボトルを手渡してきたのでぐびりと飲み干した。今朝から何も飲食していない体によく染み渡った。

 

「…あっ!ごめん!」

 

「……ううん、気にしないで」

 

「それで、連邦生徒会から来たって言ってたけど何の用で来たの?」

 

「実は…」

 

少女…砂狼シロコにこれまでの経緯を説明した。

 

「良かった…。アヤネの手紙、届いてたんだ」

 

「もしかして君もアビドスの生徒さん?」

 

「ん。手紙を送った子…アヤネは私の後輩」

 

「良かった…ようやっとアビドスへの道を見つけた……」

 

「私は登校中だし……着いてくる?」

 

「是非お願い、シロコ」

 

「ん、じゃあ行くよ」

 

シロコはペダルに足をかけ、私はエンジンを再びかける。燃料は一目盛り分しかないが、セーブしながら走ったお陰でアビドスまでには辿り着けそうだ。ガソリンスタンドは…郊外で探すか。

 

「そのバイク、ヘイローが浮かんでいるなんて、変わってるね」

「ちょっとした事情があってね、機会があったら話すよ」

 

そんな雑談をしながら学校に向かう。しかしシロコくん、君はどうしてバイクと並走出来ているんだい?なんなら時々こっちを追い抜いているのはどういうこと…?*1軽くで100kmランニングをするスポーツ少女は格が違うというものか…。

 

 


アビドス高校別館 廃校対策委員会部室

 

 

「というわけでこちら、連邦生徒会シャーレの先生、だって」

 

「よろしく、みんな。一応乾ヨスガって名前があるけど…先生って呼んでくれるといいな」

 

「わざわざ遠いところまでご苦労さまです~。あ、お水をどうぞ~♡」

 

「っぷはぁ!生き返る…」

 

「ようやく…!ようやく受理されたんですね…!良かった…」

 

「これで弾薬と補給品の支援も通ります!」

 

「良かったねアヤネちゃん!」

「うん!」

 

エルフ耳の少女と猫耳の少女…奥空アヤネと黒見セリカが手を合わせて互いに喜びを表している。

 

「…はっ、早速先輩に伝えなきゃ!私連れてくる!」

 

「行ってらっしゃ~い」

 

セリカが風のように教室から飛び出した。

 

「じゃあ私達の自己紹介をしないとね。今出たのは黒見セリカ。1年生」

 

「同じく1年の奥空アヤネです」

 

「私は一つ上、2年の十六夜ノノミです♡」

 

「で、同じく私が砂狼シロコ。さっきも言ったから分かっていると思うけど。…あ、別にマウントを取っているわけじゃなくて……えっと、それでセリカが連れてこようとしているのが、最年長の小鳥遊ホシノ先輩。元アビドス生徒会の副委員長」

 

「おっ、シロコちゃん呼んだ~?」

 

「あ、噂をすれば」

 

ガラッと扉が開かれ、セリカが自分よりも小柄な桃色の髪の少女を連れてきた。彼女がアビドスの最高戦力、小鳥遊ホシノ。眠そうにふらふらとした緩い雰囲気とは裏腹に、こちらを一瞥し、怪訝な目線を浴びせてくる。

 

「先生、だっけ?よろしくね~」

 

「うん、よろしく」

 

信用されていないのは重々承知。それでも彼女達に受け入れてもらうためにもその視線に気づかないフリをして挨拶をする。

 

「あ、そうだ。補給品の詳細だけど…。」

 

 

……

 

 

「こんなに…。良いのでしょうか?」

 

「勿論。今まで動けていなかった分を考えると寧ろ足りないくらい。今D.U.から弾薬と補給品が出発したから今夜にも届くと思うよ」

 

「お~、流石は先生だ。今夜は皆でお迎え会でもやろっか~。ちょっと帰りが遅くなるかもしれないけど皆良い?」

 

「賛成です~。あ、皆さん放課後の予定とか…」

 

「ん、私は問題ない」

「私も今日は特に…セリカちゃん?」

「ぅえ!?い、いや~わ、私も無い…わよ。……あとで大将に連絡入れなきゃ

「?」

 

「あ、そういえばガソリンスタンドとかって近くにある?バイクの燃料がすっからかんでさ…」

 

「スタンドならここから歩いて十数分もあれば付きますよ?」

 

「ありがとう、今日は少なくともここに滞在するつもりだし…。空いている部屋って貸してもらえることは出来る?」

 

「ん、じゃあ…みんな、良い?」

 

「問題有りませんよ~」

「まあ、一日だけなら…」

「良いと思います!」

「異議な~し」

 

「じゃあ先生、着いてきて。」

 

 


 

 

渡り廊下を通り、先程の部室からはどんどん遠ざかっていった。

 

「ねえシロコ、ここっていつからこうなっているの?」

 

「私が入学してきたときには既にこの状態。嘗てはマンモス校って言われるくらいには大きい学校だったみたいだけど…。度重なる砂嵐で自治は壊滅状態。復興に費やした借金も膨れて次々と転校していった、みたい」

 

「…そこまでボロボロなのに、どうして入学したの?」

 

「…先輩やノノミには助けてもらった。慕われる後輩も出来た。ここが、ここだけが私の居場所だから」

 

「そっか」

 

聞けば聞くほどここは詰んでいる。助けを求めても手を差し伸ばしてくれない大人達、いざ助けてもらったと思えばそれは悪魔との契約の始まりであり、今こうして彼女達は苦しんでいる。それでも、と必死で借金返済に向けて頑張っている。

 

……強いな、やっぱり。画面越しで見るだけとこうして彼女達に面と向かって現実として見せられるのではまるで違う。そんな彼女達が何も出来ずに終わる?否だ。そんなこと、絶対にさせない。

 

「職員室は…う、砂が酷い。こっち」

 

先程の部室とは反対側の部屋に着いた。

 

「ん、ここなら大丈夫。どうぞ」

 

ノブをひねる。最初に入った場所よりもさらにこぢんまりとした部屋に来た。部屋には応接室と書かれている。内部は黒いソファ2台にハザードマップ、ホコリを被って久しいガラス戸の本棚があった。

 

「ここなら最悪寝泊まりも出来るし…何か作業するためのデスクもある。気に入った?」

 

「うん、これだけ揃っていればバッチリだよ。ありがとう」

 

「それじゃあ次は」

 

タタタンという軽い音の後に爆発音が鳴る

 

「銃声…!」

 

「隠れて!」

 

シロコが部屋の隅…一番壁が厚い場所に誘導し、身を乗り出させないように片腕で私の身体を遮る。

 

「カタカタヘルメット団…こんな時に…!」

 

「敵襲?」

 

「こっちの人数を少ないのを良いことにいっつも狙ってくる奴ら。大した奴らじゃないけど…今は弾が…ううん、やるしかない、先生はここから動かないで」

 

ジャキリとスライドを動かし、いつでも発砲可能状態にしたシロコはそのまま窓から飛び降りた。

 

「ちょ…って危な!」

 

急に窓から飛び出すからつい身を乗り出してしまったが、直後に響いた銃声と、真横で破裂したコンクリートの破砕音が耳に入り、咄嗟に身を隠す。

 

『危ないじゃん何やってんのさ!?』

『しょっちゅう銃弾が飛んでくることを忘れないでください!私がバリアを張っていなかったらどうなっていたことか…!』

 

「ごめん二人共!……それでさ、5人で弾薬が少ない状態であの数の相手、行けると思う?」

 

『難しいんじゃないかなぁ…私が変形して蹂躙してもいいけど…ホシノちゃんがこれ以上警戒しちゃうし、何より変形して戦うとそれでガス欠になっちゃうから無理だよ』

 

『先生…』

 

「…行こう。何も出来ないままなんて、こっちも嫌だからね。アロナ、お願いできる?」

 

『はい!マッピングとナビゲートはお任せください!』

 

『二人共、ファイト!』

 

 


 

 

「ひゃははははー!撃て撃てー!」

 

「おめーらが弾尽きてんのはこっちの耳に入ってんだ!そっちの5倍近くはいるうちらを捌けるかなぁ?」

 

「くそっ…どうしてそれを!」

 

「このままじゃジリ貧です…」

 

「…っ!」

 

応接間から走り出し、玄関前に辿り着く。対策委員会の方が劣勢のようで、グレネードの爆発音や絶え間ない銃撃が耳を劈く。そんなものはお構い無しに私は外に出て、彼女達に呼びかける。

 

「アビドス廃校対策委員会!」

 

「!?」

「先生!?隠れてって言ったのに」

「何しに来たのよアンタ!」

「……」

 

「あ?」

「んだあいつ…?」

「ヘイローも無いし、まじで何なん?」

 

「君たちは、どうしてここを守りたいんだい!」

 

「………決まってる。ここが、私の居場所だから。他の場所なんて知らない、ここにしか思い出がない!それを、ここで終わらせたくなんか、無い!」

 

「他のみんなも、同じ?」

 

「勿論です」

「あったりまえよ!」

「はい!」

「勿論だよ!」

 

「…うん、よく言った!それが聞きたかった!急だけど、君たちを援護する!」

 

内ポケットから白いタブレットペンシルを取り出し、上空に向かって撃ち出す。シッテムの箱の画面をオンにして、レポートや素材集めで幾度となく見かけた戦闘画面が映し出される。

 

『状況把握完了!敵数24、補足しました!』

 

「よし…。ノノミ!地面に向かって掃射!」

「了解しました~☆」

 

ブーッと絶え間ないM134の掃射音と共に、校庭に溜まっていた砂が巻き上がり、一瞬にして周りが見えなくなる

 

「セリカ、11時と2時の方向!」

「言われなくてもっ!」

 

「ホシノ、真正面60メートルの遮蔽物に5人固まってる!お願い!」

「はいは~い」

 

「シロコ、ホシノから見て7時の方向に伏兵!援護して!」

「ん!」

 

「アヤネ、そろそろ前衛二人の弾が無くなる。予備弾補給!」

「お任せ下さい!」

 

砂煙の中、私の声だけを頼りに次々とヘルメット団を倒していく5人。……やっぱ指揮を取ることに於いてチートだよなぁ、シッテムの箱。こうして砂煙でなにも見えなくても、画面にははっきりとちょこちょこ動きながら戦っているアビドス生徒やヘルメット団のSDキャラが映し出されている。俯瞰視点による精度100%の敵数と地形の把握、指揮を考えている間の思考高速化*2、それにゼロ距離で撃たれても起動している限り防いでくれる謎バリア。

 

地形・敵数把握は打ち上げたアレでも似たようなことは出来るけど…。まさにオーパーツと呼ぶにふさわしいものだと改めて実感した。後でアロナにはお土産を買ってやろう。

 

「くそっ…前が全く見えない!」

「落ち着け!大分晴れてきた!もう少し物陰に隠れてから反撃を…!」

 

「思ってたより冷静だな…耐久戦やられるのは困ったなぁ」

 

「だろう!こうしている間にも援軍を呼べればこっちの勝ちだ!お前ら耐えろぉ!そして残念だったなぁぽっと出!アビドス!」

 

「まだ…!」

「ノノミっ!」

「これ以上撃てません…!」

 

「流石にここまで連携取れてるのは想定外だったかな…。まぁ打開策、持ってきたんだけどね」

 

ホルスターから銃を抜く。Gシリーズはまだ弾の量産化に至ってないので置いてきた。それにそこまで重いものを数百キロ離れた砂漠に載せて走るなど論外。そこで新しい銃を作ることにした。反動も少なく、軽くて、いろんな戦局に対応可能。それが満たされるものを作ってきた。これこそ技術者魂…と言っても製造はチェンバー頼りだったけど。

 

先ほど射出したホッパーと同じ側の内ポケットから例のものを取り出し、銃に装填する。反動の少ない――劇中では必殺技状態を女性の細腕でも問題無く撃てていた、いろんな戦局に対応――様々な属性が内包された記憶(メモリ)を持つアイテムが使える銃と言えば、こいつが最適だ…!

 

サイクロンマキシマムドライブ!

トリガーストームボム、発射!」

 

銃口に風が収束し、緑色の光球となる。トリガーを引き、ヘルメット団が固まっている場所に放つ。風の記憶を封じた弾は地面に当たると一柱の竜巻となり、砂嵐となって遮蔽物が舞い上がる。

 

「今!叩き込んで!」

 

がら空きとなったヘルメット団に一斉にかかる。先程の竜巻に恐れをなしたのか何人かは気絶した仲間を背負ったり、ヘルメットが割れて恥ずかしがった仕草を見せて撤退していた。リーダーと思しき赤いヘルメットの子がヤケになったのかシロコに突っ込んでいった。しかしその奮闘も虚しく……

 

「ふんっ!」

「ぐえっ」

 

鳩尾にシロコのキックが炸裂し飛ばされる。

 

「ぐう…まっ待て!降参だ!私は武器を持ってない!そっちも武器を…痛っ!」

「だったら(ズドンさっさと(ズドン帰って…!(ズドドドドドドド」

「わ、分かったから!帰るから脚どけ…いたたたた!」

 

倒されたヘルメット団隊長の顔にシロコのオート掃射が叩き込まれる。全弾撃ちきったのか、シロコが脚を離した。

 

「お、覚えてろよ~!」

 

リーダーがやられたのを期に次々と校門や正門前にたむろっていた集団が逃げる。なんというか、負け惜しみの言い草からやっぱり彼女達も子どもなんだなと感じた。ヘルメット団の最後の一人が校門を出て、見えなくなる位置に言ったことを確認した。

 

「よし、戦闘終了。お疲れ様、みんな!」

 

「か、勝っちゃいました…」

「いや~、あの状況からひっくり返せるとはね~」

「これも先生のおかげです!」

 

「いやぁ、私は大したこと…ううん、どういたしまして。でもそれは君達が望んだことだから」

 

「私達が…?」

 

「『ここを守りたい』って。助けを求めている子どもを助けるのが先生としての仕事、大人としての責任だから。そちらこそ、ぽっと出の私の指示を聞いてくれて、ありがとう」

 

「……はいは~い、早速だけどおじさんからのていあ~ん」

 

「どうしたのホシノ先輩?」

 

「さっきあいつら援軍って言ってたよね?」

 

「…はっ!そうでした!しかし先ほどで弾薬が尽きて…うぅ、どうしましょう…」

 

「いやいや、流石に前陣がやられた直後には送ってこないでしょ。だからさ、明日になるけどさ、ヘルメット団の前哨基地、この勢いのまま堕とさない?補給は今夜来るって話だし」

 

「それ賛成!先輩にしちゃ珍しく冴えてるじゃない!」

 

「わたしもです~」

「ん、殴り込み」

「私も賛成です!」

 

「じゃあ先生?引き続きお願いできる?」

 

「勿論。乗りかかった船だし、最後までサポートするよ」

 

「決まりだね~。じゃあ明日の士気をあげるためにも、打ち上げとかやっちゃう?」

 

「良いですね!私お店で色々買ってきます!」

 

「私も行こうかな。ガソリンの補給もやっておきたいし」

 

「じゃあスタンドの近くにあるトラセグ*3で買ってきますね☆」

 

「いってらっしゃい」

 

「あ、ちょ、この大人がノノミ先輩に変なことしないか見張ってくる!」

 

「んなことしなくてもノノミちゃんに勝つのは無いんじゃないかなぁ…でも先輩の心配が出来るのはいい子だぞぅセリカちゃん、よしよし」

 

「ちょっ、いきなり抱きつかないで……あっ!そんなこと言ってるうちにもう見えなくなっちゃったじゃん!どうすんのよ先輩ー!」

 

 

……

 

 

ガトリングを体幹ブレないで撃つフィジカルつよつよ娘に力勝負では勝てないかなセリカ…、それにこっちから襲うなんて以ての外だ。今もこうしてヘルメットなしで後部座席に、太ももでシートを挟み、信号のブレーキでも体が揺れること無く私の体に全く触れていないのでいる。腹筋と背筋とバランス感覚が強靭過ぎる…。

 

『あ、次の信号右です』

『オッケー』

『マッピング中~』

 

ヘルメット越しだと道案内の声が聞き取りにくいので、インカムを通じて会話をしている。

 

『そういえば時折聞こえてくる、この可愛らしいお声は一体どなたなのでしょうか?』

『それはうちのサポートAIだね、自己紹介よろ』

『こんにちはノノミちゃん!AIちゃんだよ!よろしく!』

『わぁ、よろしくおねがいします♡』

 

そんな会話を交えながら、ガソリンスタンドとコンビニに行き、夜には申請した物資を載せた補給ドローンが降り、内容物をみんなで確認してから解散。

 

一日が終わった。しかし、あの目……知っているとはいえキツイな…今後もアビドスのみんなと上手く付き合えるのだろうか。

 

 


Side 小鳥遊ホシノ

 

午睡の最中、セリカちゃんが起こしに来てくれた。なんでも連邦生徒会から人が派遣されたらしい。今まで何をしていた、今更何をしに来た。文句を垂れたい気持ちを抑えてされるがままに部室へ向かう。

 

「…………最年長の小鳥遊ホシノ先輩。元アビドス生徒会の副会長」

 

「おっ、シロコちゃん呼んだ~?」

 

「あ、噂をすれば」

 

シロコちゃんの向かいに居る人物を見る。大人…?連邦生徒会は少なくとも生徒で構成された組織のはず。そこにいる大人?どういうことだ?首から下げているタグは砂で汚れているがぱっと見偽物には見えない。それに、なんだこの違和感……?

 

「うん、よろしく」

 

そうか、この人、頼りなさそうな面をしているが座り姿勢、立ち姿が全くブレていない。体幹がしっかりとしている証拠である。銃は…特殊な形状だけどハンドガンっぽいからパワーは未知数。…少なくともヘルメット団みたいな木端集団よりは出来る。

 

皆は支援に来たことに喜んでいるが、この事実に気がついているのは私だけだ。正直言って首から上と下でまるで違う動きをしているのがはっきりいって不気味だ。

 

ヘルメット団の戦闘中に妙な機械を駆使して私達を指揮した。砂煙で前が見えないはずなのに、正確な敵数を示した。砂煙が落ち着こうとしたところに、背後から突風が吹き、ヘルメット団のいる場所が砂嵐になった。そこからは早かった。銃弾を防ぐ遮蔽物も吹き飛ばされ、ヘルメット団は成す術なく撤退をした。あんな邪魔しなくても勝てる見込みはあったけど…銃弾の消費が抑えられたことは良いと言えるだろう。冗談を交えながらみんなと勝利の喜びを分かち合い、夜には本当に連邦生徒会からの物資が届いた。

 

まあこれで連邦生徒会所属であることが本当であることが確定した。彼の言う通り、本当にアビドスを助けるために来たと判断しよう。だけど、あの不気味な所作が頭から離れない。引き続き警戒しておこう…。

 

*1
一般的な自転車ロードレースの平均時速は40km/h 、早い人で50km/h 。この速度を維持して200kmを走る競技である。

*2
戦闘画面の一時停止ボタンやEXスキル範囲選択の際にされるモーション鈍化を指す。

*3
トライセグメント。ブルアカアニメ第一話でセリカが惣菜パンを買っていた。配色がセ○ンイレ○ンっぽい。




□ヨスガ先生の開発LOG Vol.2
・トリガーマグナム黒
 仮面ライダーダブルに登場するトリガーマグナムを実銃に近い黒とガンメタ、Wの部分を空色に塗装したリデコ品。地球の記憶のデータがキヴォトスで抽出不可能な代物のためマキシマムを発動する際はギジメモリを使用する。
メモリの種類はサイクロン、ヒート、ルナ、スタッグ、スパイダー、バット、ビートルの7種。前半3つはサイクロントリガー、ヒートトリガー、ルナトリガーのマキシマム再現。後者4つはメモリガジェット装填時マキシマムの再現。一度マキシマムを使用すると6~8時間程度、専用の装置でエネルギー充填しなければならないので長期遠征での連続使用は禁物。
ダブル本編でシュラウドのような一般的な筋力の女性でも片手撃ちが出来るくらいには反動が非常に少ない。余談だがギジメモリの総容量は3TBである(公式設定)。

・S.C.H.A.L.E.ホッパー
 タブレットペンシル型の小型発射装置。偵察や俯瞰視点での位置情報把握が可能な全長3センチの小型ドローンを搭載している。先生の指揮に説得性を持たせるためのダミーとして主に活用される。このガジェット最大のメリットは他者への貸出が可能という点にあり、これを通常のタブレットとBluetooth接続をすることによって、先生と同じ様に画面上で敵位置や戦場の地形を把握し、的確な指示を出せる。しかしシッテムの箱と違い通常の電子機器のため、狙撃で撃ち落とされたり、ジャミング・ハッキングのリスクが伴う。元ネタは仮面ライダーV3のV3ホッパー。

□後書き
感想、評価、お気に入り登録を、「ください。」

3桁UAで喜んでた始めのころからこんなんなっちゃった…。あると無いとでまじでモチベーションが変わってきます。

台詞や戦闘風景はホットなアニメ準拠にしました。広告でまるまる第一話を流すの頭おかしいよYostar…(褒め言葉)

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