ラブコメ展開に恵まれるけど告白されたら死に戻る呪いをかけられた   作:管章 眞曽

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大変申し訳ないのですが誤って未完成のまま投稿したので改定後とストーリーラインは変わりませんが一部加筆、修正が入ってます。
改定前を読んだからと読み返す必要はありませんがご迷惑をおかけします。


三年生突入編と宿題

「ーーっていうわけだ。どうだ参考になるか?」

 

「ははは…秋葉さんらしいね。」

 

俺は帰りのHR前の時間で瀬那に秋葉から聞いたことを話した。

 

「余計なお世話かもしれないが秋葉の対処法は我が道を征く!っていう強さがある秋葉だからこそできる方法だ。

なにも言わずズバッと断るんじゃなくて、言葉を費やして相互理解を深めるのもありだと思ってる。

…といっても第三者の戯言なんだけどな。」

 

「ううん、ありがとう。おかげで何をすべきか。あの子にどんなお返事ができるかわかった。

しつこいと思うけど今日はありがとうね。」

 

相談を受けた時の憂いの表情は彼女から消えていた。

 

「そうか。一助になれてなによりだ。」

 

放課後、俺は早々に瀬那と別れ学校を去ったので事の顛末はわからなかったがその日の夜に瀬那から届いたメッセージによれば瀬那は相手の心情を受け入れたうえで自分の気持ちを全て吐露したらしい。

 

結果、わかりあうことができ、うまくいったようでおそらく以前とかわらない良き仲としていれるだろうとのことだ。

 

少し、羨ましい。

告白は学生にとっては重大なイベントだ。

秋葉は身勝手な押し付けと称したがそれでもやはり尊い行いだと思う。

好きな人の前で柄にもないことをしっちゃたり、なんでもないことで幸せになったり酷く悲しんだりそんな切なくて楽しい恋というぬるま湯から抜け出し一歩踏み出そうとする勇気は素晴らしい。

果たして俺には彼女たちに向き合える機会が、勇気があるのか。

 

ふっ、いささか感傷的になってしまった。

どうせこんなのモンスター童貞たる俺の考えすぎ。

今まで数多、女の子を悲しい思いにさせてきたが未だ童貞の男、二宮君です。よろしく。

 

 

 

 

 

翌朝、俺の靴箱に果たし状が入っていた。ラブレターはもらったことがあるが果たし状は初めてである。

 

正確には果たし状と書かれてるわけではないが、ご祝儀がはいってるあれ(名前を知らない)みたいに長方形に折られた大きな紙の中には「放課後、屋上に来い。」と筆ペンを用いたであろう達筆な文字が書かれた無地の便せんが入っていた。

ほぼ果たし状である。

 

にしてもかっこいい字だなあ。こんな字をみると俺も筆まめになりたくなる。

といつも通り授業を受けて放課後に屋上へ向かった。

 

そういえば果たし状だ。

ってことは俺は誰かから因縁をつけられたというわけである。

あるいはまったく心当たりがないがだれかと因縁がある、ということになる。

 

そんな摩訶不思議状況なのに俺はふつーに学校生活をおくっていた。

いつのまにか俺もずぶとくなったなーと思いつつ屋上の扉を開けるとそこには腕を組み仁王立ちした女の子がいた。ほえー、女の子。

 

「君が、例の?」

 

「いかにも!そういう貴様は二宮蓮斗で間違いあるまいな!」

 

おぉ…話し方も濃いなこの人。

にしても本当になんで呼ばれた理由が分からなくなった。

秋葉や瀬那の件はイレギュラーなだけであってこの子は初対面のはずだ。

 

「そうだけど…なんの用?」

 

そう聞いても返答はなく無音の間を肌寒い秋の風が埋める。

なにこれ?どういう状況?

 

数瞬の後、彼女はカッと目を見開き、張りがある声を発声した。

 

「わた、我が名は百瀬華麟!貴様に倉元瀬那をかけての宣戦布告をする!」

 

「は、はぁ。センセンフコク…」

 

瀬那の名前まで出てきてさらによくわからなくなった。

でも彼女は至って真面目そうである。

百瀬華麟…その名前、聞き覚えがある。

 

「悪いけど俺、なんかしたっけ?瀬那とは友達だけどわざわざ宣戦布告して断りをいれるほどじゃないと思うんだけど。」

 

「噂にたがわぬクソボケっぷりだな!二宮蓮人!」

 

「な!クソボケ!?なにか間違ったこと言ったか!?」

 

「すまん!今のは我の個人的私怨でつい出た!恨むなら恨め!」

 

私怨!?俺、なんかやっちゃいました?

その訳を聞く前に彼女は詳しい事情を答えた。

 

「我、もういいや!私は先日、瀬那に告白した!!

しかし、寛大で素晴らしき彼女はこんな私に対して誠実に応じ自身の心の内を語ってくれた!!

彼女の言葉の裏に隠された確かな私への温かな愛は!私の心を!貫いた!!

このような人間そうそういまい!貴様もそう思うだろう!!」

 

なんと、彼女こそが瀬那が告白されたという相手だったのか。

瀬那を語る時の彼女のまっすぐな目線といい、表情といい本当に万事何事もなく解決したらしい。

よかったよかった。がしかし、

 

「そ、そうだな。な、なぜ近づく!?」

 

彼女は瀬那を賛辞しながら迫ってくる。

こうしてみると女性相手に失礼だが大きい。

 

身長は俺よりも少しばかり上で体は引き締まっていながら力強さを感じるこの風格。

思い出したぞ!百瀬華麟、今年の秋から女子バスケ部の主将に就任した女バスの期待のエース!

 

そんな子が俺の両肩を痛いほど掴んで気迫が籠った目で見てくる。

ひょぇーーーー!!

 

「私と瀬那はあの語らいを通して、恋人、友人といった関係を超越した比翼連理、いやそれすら私たちを定義するに足らぬ!と

にかく表現するには人智を越えた領域へと昇華したのだ!!」

 

「それはよかったです…ね?」

 

痛い、痛い!段々握る力が強くなってる!!

瞳孔もはっきり見えるほど開ききって、目は飛び出しそうなほどますます迫真さを増している。

 

「だがしかし、あの時!彼女と私の語らいの最中に彼女が他の者を想ってるだろう瞬間が!彼女すら知覚してないであろう一瞬があった!」

 

「なんで瀬那が自覚してないのにあなたが知覚できるんですか!!?ちょっと、痛いですっ!」

 

「日頃から瀬那を観察していた私にはわかった!それこそが、お前だぁぁぁぁぁぁ!!

故に!お前に宣戦布告する!!瀬那を幸せにできるのはどちらかを決めるぞぉぉぉぉ!!!」

 

瀬那ガチ勢だ!ナチュラルにストーカーしてやがる!

うぉぉぉ!!体を揺らすなぁぁ!!!平衡感覚が狂う!

 

「痛い!いだっい!!そんなの勝負する必要ないじゃないですか!!瀬那を幸せにできる奴は多くていいでしょぉぉぉ!!!」

 

「む!確かに!お前、天才か。」

 

俺の苦し紛れの言葉に納得したのか俺の両肩は粉砕から間一髪で解放された。

痛みで俺の目は若干涙が浮かんでいる。

よくもやってくれたな!と抗議しようとしたその時、屋上の扉が開いた。

 

「ごめん、遅れた!蓮、話って…なんで、華麟がここに!?」

 

「話?なんのことだ?俺は呼んでないぞ?」

 

「私が呼んだ。お前の名を借りて。」

 

華麟さんは堂々と言いきった。

 

「ええ!?蓮が話があるから放課後、屋上で待ってるって華麟が言ってたのは嘘だったの!?

華麟がなんで蓮に伝言を頼まれるか不思議だったけどどうりで!」

 

おいおい…瀬那、マジで詐欺に引っかかるなよ?

それで、いったいどういうことだ?と目で件の詐称者に問い詰めると

 

「私と貴様で勝負するにあたり、私だけ瀬那とすべてをさらけだしているのはフェアでないと思いこのような機会をつくった。」

 

「なんだそりゃ?人間なんて隠したいものがいっぱいあるんだからすべてをさらけ出すって言っても余計なお世話だっつぅの。」

 

今までの彼女に反感を抱いていたのか他の理由なのか自分でも驚くほど荒っぽく言い返した。

その後ろめたさから思わず彼女から目を離す。

 

「もちろん承知してる。

だが、私が見るに貴様は瀬那になんらかの忌避感を感じてる。貴様が瀬那を避ける姿に覚えがある。

前の私のように自分が背負った罪悪感からくるタイプのだ。

瀬那が貴様を思いやっているのに貴様が一方的に避けているのは納得できない。

それでは私は邪魔者なので、御免!!」

 

と言うだけ言って尻尾を巻いて逃げていった。は、はやい。

文句すら耳に届かせることはできず屋上から彼女は去っていった。

あんにゃろー、よりにもよって瀬那の前で言いやがって!なにが納得できないだ!自分勝…俺が言えた義理じゃないか。

 

「はぁ…帰ろうぜ。瀬那。あいつが言ったのはあまり気にすんな。」

 

「…蓮、私のこと迷惑?」

 

「だから、気にしなく

 

「本当はね、気づいてたの。華麟が言ってたこと。私が蓮に避けられてるかもしれないって。そしてその原因も…なんとなくだけど。変だよね、私のことなのに。」

 

「……っく。」

 

慰めの言葉をかけるべきなのはわかってる。でも喉先で絡みついたように言葉が出ない。

上っ面だけの言葉を言うのは気が引けた。

残酷にも嘆かわしくも事実なのだ。

彼女の思いつめるような表情は体が切り刻まれるように心中に痛く響いていた。

 

ところが、彼女はまるで試合にこれから臨む選手が気合を入れるようにパンっパンっと顔を両手で叩いてさっきとはうって変わってなにかを決意したようにまっすぐとこちらを見つめてきた。

突然の変わりように驚く俺に彼女は問いてくる。

 

「やっぱり、こんなの私の柄じゃない。今から自分勝手なことを言うけど君を信じていい?君にこれからたくさんの迷惑をかけていい?」

 

そんな彼女に対し一拍遅れて俺もこぶしを握り、まっすぐ顔を上げて返答した。

 

「っ!ああ!もちろんだ!俺は…お前に本当は…気遣ってほしくない。ありのままに接したい。だから、頼む。」

 

もう『呪い』なんかどうでもいい。

今、この瞬間のためなら積み上げたものが崩れ去ってもかまわない。

これは俺が受け入れるべきものだ。やるならやれよ。クソカース。

例え死に戻っても俺の勝手で抱えてみせる。

 

「私、君が好き。たぶん。

うまく言えない。本当にそうなのか、私はわからない。

友愛も親愛も単なる愛も恋も定義するにはしっくりこない。なんとなく…君が好き。

あとは、君に…任せるよ。」

 

「俺は…」

 

そう言い始めて自分がまだ生きていることに気づいた。

あれぇ~?あんだけ僕、かっこつけたのになぁ~??

おっかしいなあ~?いや、別に死に戻りたいってわけじゃないんだけど!!

 

「すまん!俺も返す言葉みつからない!!俺もよくわからないんだ!!でも、いつか必ず答えを出す!

えっと、その卒業式のあとに!!必ず!だから、待ってて…くれ?自分勝手でごめん!」

 

俺はそんなとんちきな返答しか返せなかった。

言葉下手がすぎるぜ。

 

「ふふふっ、はははは!!それじゃあ私たち、今はまだ友達だね!でも今はそれが一番居心地がいいな!

これからもよろしくね!親友!」

 

差し伸ばされた手を掴んで俺たちは互いに顔を真っ赤にさせながら固い握手を交わした。

今は友達。それが今、一番俺たちに似合ってる。答えは宿題にさせてくれ。必ず提出するから。

 

ちなみにだがこの後スマホを見ると秋葉から『瀬那さんに宣戦布告されたのだけれど、なにがあったの?』メッセージが来てた。義理堅い奴だな。わざわざ秋葉に断りをいれたのか。

さらにちなみに俺は今後このことを思い出しては枕に顔を埋め叫んだことも追記しておく。

 

 

 

 

それからは特に死に戻ることはなく、二学期中間テストを終えて学校では三年生の役職の引継ぎ作業を迎えた。

これから三年生は受験のラストスパートのため期末テスト後には自由登校になる。

その前に一、二年生だけで学校が運営できるようにこの時期に引き継ぐのだ。

 

それは俺が所属する図書委員会も同じである。

 

「それではこれにて今年度図書委員会最終ミーティングを終了とする。

もう一度言うが、皆よくやってくれた。お疲れ様。」

 

「「「「お疲れ様でした!!!!!」」」」

 

俺たちの代から始まった図書委員会による大規模な改革は最初こそ委員全員の協力を得られなかったが、先輩方を中心に次第に手を貸すものが増えてきて他の委員会では類を見ないほど精力的に活動した結果、すべてとは言えないが大方達成された。

 

図書館利用者は目に見えて増え、漫画やラノベの導入は生徒会と連携し推し進めるも先生方の同意を得るのに難航したが二年目の夏ごろに地方飛び越え、全国放送のテレビ局からの取材を受け実際に10分弱であるものの放映され、その結果なのか一部認められたのである。

 

めんどくせぇというオーラを放っていたメンバーは肩をたたきあい互いの健闘を称えあっている。

う~ん、かわったね~君たち。

 

と後方恩師面してたらいつのまにか俺も周りから囲まれ称賛の嵐に

えぇ~♪そんなぁ~♪俺なんかぁ~なんもしてないよぉ~♪君たちのおかげだからぁ~♪えっ?俺も頑張ってた?偉い?ぐへっ、そうかなぁ~♪ぐへへへへ、ははははは♪

 

そしてたださえ有頂天なのに潤彰先輩が「お前には二年間、たくさん助けられたし何より俺たちがここまでやれたのはお前が居たからだ。お前さえよければ正式ではないが次期の図書委員長になってほしい。頼めるか?」とお褒めの言葉を頂くと共に大きな喝采の中で俺の次期図書委員長就任が非公式にだが決定した。

みんなありがと~う!!

 

実はこういうの二回目なんだけどね。

承認欲求モンスターである俺にとってはなによりも甘美なひと時なのだ。うっひょ~さいこ~う!!

 

 

その後11月の下旬に行われた生徒会会長選挙ではなんと秋葉が立候補した。

そして彼女の人気度合いを示すかのように当選し俺を生徒会副会長に任命した。

 

当然、俺はびっくり。彼女からは「これでそう簡単には逃げられなくなったわね。」と、どこか恐ろしさを感じる満面の笑みで言われた。

こんなの職権乱用じゃないか!!と抗議したが「真にすべての生徒会長が真摯に業務に取り組んでいるのなら生徒が不満をもつ校則はほとんどの学校でないはずよ。」と暴論を言ってきた。

流石に暴論と思うんですけどね。

 

でもそんなことがあったにも関わらず秘策の効果が発揮しクリスマス、バレンタインデーを死に戻ることなく突破し先輩たちの卒業式に生徒会メンバーとして参加することになった。

平和が一番!

 

しかし、岩崎先輩がなぜ告白してきたのかはわからず仕舞いのままこの学校を去ることになる。

最後にもしかしたらなにかあるかもしれないと身構えていたものの「結局君と共に仕事ができなかったのは私の唯一の心残りだ。

それにしても君は稀にみるおもしろい子だった。これからも頑張ってくれ。」と激励の言葉をおくってくれるだけだった。身構えて損したぜ。

本当にわけのわからない人だったなあ。

ちなみに岩崎先輩はかの有名な日本の最高学府に進学するらしい。ヤバいわよ☆

 

まあいい。岩崎先輩には申し訳ないが彼女よりも重要なことがある。

 

「う”う”ー!!先”輩”~!!!卒業、いやでずぅぅぅぅ!!!!」

 

「おい!当事者よりも泣いてどうするんだ!おまえ、男子高校生だろうが!!」

 

潤彰先輩が卒業してしまう!!!!!

最初は堅物で怖そうなイメージを持っていたのに実際に接して見れば冒険好きな子供っぽい一面もあってさりげない気遣いが素敵な先輩が!この学校を去ってしまう!!

 

「はは、潤、すごくなつかれてるじゃないか。嫉妬してしまうね。」

 

「はぁ…いい加減にしなさい!!!!!うわっ!!ガチ泣きじゃない!!きっしょ!!!」

 

見かねた秋葉から無理やり引っぺがされてしまう。

引くなら引いてくれ。そのほうがありがたい。

 

「まったく。甘やかしすぎたな。…俺も少しばかり寂しいよ。

だが蓮斗、今生の別れじゃないんだ。またいつか会おう。それこそお前は総合型で狙ってるんだろう?お前なら実績は十分だし俺からもなにかアドバイスができるだろう。困ったら連絡しろ。」

 

俺は鼻水をちり紙でかみながら先輩の有難いお言葉を聞いていた。

先輩は総合型で国立への進学を決めていた。

やはり見た目通りの成績優秀男児だったらしい。

 

「それなんですが先輩。俺、岩崎先輩と同じ大学行きます。」

 

「そうか…は!!!!???????おまえ、流石に咲良と同じ大学いくってなったら…」

 

「はい、だから一般すね。」

 

「!!!!!!????????!?!」

 

「はははははは、最後までおもしろいやつだな、蓮斗君。君が後輩として入学するのを一足先に待ってるよ。」

 

潤彰先輩は自分の卒業のことなんてそっちのっけで俺の説得とその道がいかに困難であるかを説きだし、秋葉も呆れ切った顔で「そうなんですよ先輩、この馬鹿説得してください。」と賛同していた。

 

どんなに言われても志望校は変えないぜ!これこそが俺の明日を掴む(告白を回避する)方法なんだから。

 

こうして俺は三年生に進級したわけだが初手から困難にぶち当たりむちゃくちゃスムーズにいった二年生と違って一年生のようなデスマーチ?が始まったのである。

 

まっ、俺の高校生活ってそんな感じになるよなー

もうここまでくると諦めの境地です。

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