ラブコメ展開に恵まれるけど告白されたら死に戻る呪いをかけられた   作:管章 眞曽

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二年生①前編

あの衝撃の再会から翌日。

クラスは朝から転校生の話題でもちきりだ。

 

偶然、転校生らしき子が先生に連れられ職員室に入っていったのを見たという一人が転校生はむちゃくちゃかわいい女の子だった!と噂を流したのでさあ、どんな子であろうかと、クラス中で予想が飛び交っている。

 

「なあなあ、やっぱ転校生ってよくね!?なんつぅーかその響きが良いっていうかさぁ、つまらない日常に加わる新たなスパイス!学校に慣れない子に色々サポートしてお近づきになっちゃったりしてさぁ!

くぅー!夢が広がるぜぇ!」

 

転校生が女の子だと分かった途端にハッサクは騒ぎ始めた。

本来、ハッサクのようなのが男子高校生のあるべき姿のかもしれない。

俺もなぁ、くだらない妄想は嫌いじゃないんだけどなぁ。

実際、中学の俺はハッサクと同じ反応だった。

 

「ああ、そうだな。」

 

「あん?なんだお前、今更クール系に方針転換か?遅い!遅い!もうキャラ変には手遅れだ!

なに斜に構えてるんだよ!お前もどうせ自分にはって思わずガンガンいこうぜ!

自分から行動しなきゃ、恋愛は楽しめない!だ。」

 

ハッサクの言うとおりだ。まったく。

厭世家になるにはまだ早い。

昔馴染みが女だからってなんだってんだ!きっとなにも問題あるまい!

 

「はい皆、席に着け~。お待ちかねの新しい仲間の紹介だ。」

 

いつもはだらだらと席に着席する皆が今日に限っては素早く各々の自席に着席し、転校生の到来をかたずを飲んで見守る。

 

「じゃあ入ってきてくれ!倉元。」

 

教室の扉を開け、入ってきた美少女は俺達と同じデザインの制服に身を包んだ瀬那だ。

俺の元親友が美少女すぎて辛い。なんのラノベ?

教室の所々でひそひそとした品評会が開かれている。概ね前評判通りの好印象のようである。

 

彼女は中央の教卓に歩みを進める途中、教室全体を見渡して俺を認めたらしい、朗らかな笑顔でこちらに向け手を振ってきた。

それも大きく。

 

転校生の突然の行動に先生もみんなも驚きこちらあたりに体を向け彼女が手を振っているのは誰かと捜索を始めた。

俺の周りにいる人達のなかには「今の俺に向けてやった?」「いやwちげぇだろ。」「おまえじゃねえ、座ってろw」と推測を交わしている。

や、やめてくれぇ~瀬那。そういうのは苦手なんだぁ…

 

「ねえ?もしかして蓮斗君、彼女の知り合い?」

 

俺の前の席に座っている、里奈が振り向いて手で声を抑えるようにしながら小声で問いてきた。

 

「鋭いな。実はそうだ。昨日、俺の家の隣に越してきた。その縁だな。」

 

「おいおい、マジかよ。どんな運だ?そりゃ。」

 

とハッサクが茶化してくる。

 

俺と里奈は幼馴染だが家はすぐ近くというわけではない。

歩けば3分の距離にはあるけど。

里奈は昔から妙なところで鋭い。よく瀬那が俺に向けて視線をよこしたとわかったものだ。

俺の返答に里奈がへぇ~!そうなんだ!面白い偶然だね!と驚いた様子で返すのを予想していたのだが、

 

「そうなんだ。」

 

と短く一言。

いつも、なにに対しても自然と微笑ましく思ってしまうほど感情豊かに受け答えする里奈にしては珍しい。

邪推だが今日は…いや、よそう。流石によくない。

 

「倉元、どうしたいきなり?」

 

「いえ!すみません突然驚かせてしまって!」

 

教卓の前に立った瀬那は向けられる視線に物怖じせずに顔を上げ、まっすぐ立ち向かうと

 

「はじめまして!今日からお世話になります!倉元瀬那です!

前の学校ではバスケットボールをやっていたので、ここでも女子バスケ部があったら入ろうとおもいます!

趣味はスポーツ観戦です!あとアニメもちょくちょく見ます!おすすめの漫画とかアニメがあったら教えてください!

ご迷惑をかけることも多いと思いますがよろしくお願いします!」

 

終われば万雷の拍手が起こっていた。特に男子から。

 

「ひゅぅー。あの子すごいぜ。いまので多くのハートを鷲掴みだ。

せっかく一生分の運使ってご近所になれたのに残念だったな!まっ、競争率高いけど頑張れや!」

 

この前の席替え(ちなみに俺は教室の窓際下部をキープしてる。サンキュー、カース。)で俺の右上に座ることになったハッサクが慰める気ゼロの励ましをにやにやしながらしてきた。

 

「うるせえ、一敗男。」

 

見上げたことに3月にハッサクは意中の娘に一度告白したのだ。が、玉砕。

その日は俺も部活を休み二人でカラオケに行き、残念会を催した。

あいつ、失恋ソングはべらぼうにうまいのである。

すごい情熱的でこぶし?ビブラート?(カラオケに友人といくということにあまり縁がなかったのでわからない)がかなり多かったのを覚えてる。

 

「あっ!!てめぇ!!いっちゃいけねぇこと言ったな!告白もできないクソチキンがほざくんじゃねぇぞ!!」

 

ハッサクはあわや、席をたち俺に一発をあたえんとするも

 

「こらこら、二人とも。今、瀬那ちゃんが質問に受け答えしてるから静かにしないとだめだよ。」

 

と里奈がいさめてくれた。

 

「はーい」「ちぇっ、命拾いしたな。」

 

定番の好きな食べ物はなんですか?だったり一番面白かったアニメ、漫画はなんですか?や旅行にいくならどこですかといった質問に次々と答えていく瀬那。

 

にしても好きな食べ物、ハンバーグと唐揚げってお前…

周りも半分冗談だと思って笑っていたが姿はかわっても味覚が変わらない瀬那に驚くやら懐かしいやら。

 

「よーし、時間的に次が最後だ。川井!」

 

最後の質問者にはクラス一のお調子者であり、ムードメーカーの川井君が選ばれた。

 

「よっしゃ!川井優聖って言います!よろしく、瀬那ちゃん!

質問ですけど瀬那ちゃんは彼氏をつくる予定ってありますか?」

 

ぶっこんだ質問に男子達は「おぉー!!?」と彼の英雄的行動に驚愕し、恋バナ好きな女子たちは瀬那の次の発言に傾聴している。

かくいう俺もその一人だ。やっぱり、彼氏ができたことはあるのかしら。

モテそうだし。

 

「えぇーっと…彼氏、彼氏かぁ…実は私、そういうのまだわからなくて…でもっ、いつかできたらいいなって思います!」

 

と、とびきりのはにかみ笑いで答えてみせた瀬那。

そんな乙女的表情に女子たちは「きゃー!」と色めきだち、男子達は「フー!」と川井をナイス質問!とたたえている。

 

快活元気っ娘がみせた弱み(照れ)にやられボーっとしてしまってる人も何人かいる。

おーい、ハッサク。大丈夫かー?

 

が、こんなこと言ってる俺もやばい。

あっ、あっ、男だと思っていた奴があんな表情を、そんな一面、俺知らないあっ、あっ、あっ(脳破壊)

と心中はだいぶあれている。なんだ、てめぇ?後方彼氏面かってんだ。

 

「じゃあ、倉元は二宮の隣、あの席に座ってくれ」

 

俺の席は長方形のような席並びから、ぴょんと一つだけ飛び出した位置にあったが朝来たら隣に一つ増えてた。

うん、まあそういうことだ。

 

「よろしく、親友!」

 

そう言ってニカッと笑う瀬那は陽の光を受けて輝いてみえた。

そんな瀬那に対し俺は冷たい冷や汗が背中を伝わっていくのを感じた

 

「あぁ、よろしくな。」

 

瀬那がそうなることはないほうが可能性が高いだろう。

なのに嫌な予感がしてきている。

昔遊んだ親友で、時が経って再開して、しかも近所で学校は同じで、クラスも一緒で席は隣。

あまりに”できすぎた”展開に神の意志のごときなにか、具体的には『呪い』の霊験を感じざるをえない。

 

そして視界の端に映る俺たちを見つめている感情が抜け落ちたような里奈の表情は怖かった。

ほんと、どうしちゃったんですか(汗)あれか?もしかして嫉妬か?

でも最近は疎遠なはず…

 

順調にみえた俺の新生活、暗雲がたちこめる予報です。




私生活が忙しくなって多くは書けなくなってきたので短くなってもいいように今のうちから話を短くしました。(書いてて少し長いかな?と思ったので前、後に分けました)
そのうち1,2とナンバリングを振るかもしれません。
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