勘のいいガキはデカパイハーレムの夢をあきらめない!   作:そとみち

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118 オオカミだって言ったじゃないか! 言ったじゃないか!!

 

 お風呂も上がって、夜も更けて。

 ノインさんの次にお風呂に入って体を清めた俺は、水分補給をしてから心臓の早鐘をどうにか落ち着けて、彼女の部屋の前に立っていた。

 とうとう童貞喪失の時が目の前に迫ってるんだぜ!?

 それも超絶美人でロイヤルデカパイな昔から仲のよかったお姉さん的存在に!! 筆おろし!!

 興奮を抑えろという方が難しいデス。今夜の俺はオオカミだ。オオカミになるのだ。

 

「すぅー…………ふぅー……」

 

 深呼吸を一つして。

 俺は決意を籠めて控えめにドアにノックする。

 

「……ノックしてもしもーし?」

「あは。名言使ったな~? ……空いてますよ、どうぞ」

 

 相手がノインさんということもあり、俺の口から異世界転生チートさんの小説の台詞が自然と零れて、それにくすりと笑って返事をくれるノインさんの誘いに応じてドアを開いた。

 つい先ほど増築された部屋になるノインさんの部屋に入れば、そこは王族とは思えぬ実に生活感にあふれた……なんだろう、女子の部屋! って感じの部屋で。

 カーテンは桃色、ベッドは可愛い花柄の、でもシンプルなそれで。高級感に溢れる家具なんてのも無くて、大きな机とすごく座りやすそうなチェアが一つあって、クローゼットがあって……でもそれくらいで。12畳くらいの部屋だろうか。

 ううん……なんか落ち着くなこの部屋! いやこれからする行為にドキドキはするけど!!

 

 そして、部屋の奥。

 ベッドの傍に腰かけるノインさんに目を向ければ、その姿に余りにも目を奪われてしまった。

 

 今日、王城でも見せたウェディングドレス。

 それを纏って俺を待ってくれていたのだが、着用しているドレスの布の面積が昼に見たときと比べてものすごく少なくなっている。

 足首まで覆っていた純白のスカートはすっかり取り払われて、健康的な肌色の太ももが際どい所まで露出されており。

 フリルのラインは残したままで、お腹周りの布も無くなっておへそも見えて、胸がより強調されるように布地で包まれてそれをフリルが装飾して。

 二の腕まで包むシルクの輝きが艶めかしい手袋を着用しているのが逆にエロスを強調しているというか。

 ノインさんのふわふわな髪は相変らずウェディングヴェールで包まれていて、淫靡さと神聖さが奇跡のように噛み合った佇まいを見せていた。

 

 ドスケベッッ!!!(渾身)

 性欲ッッ!!!!!!(渾身)

 

「ノインさんッ……ちっと刺激強いっす……!!」

「えへへ、旦那様に喜んでほしくて~……私もちょっと恥ずかしいですけど、ね。……隣、来て?」

「はいぃ……」

 

 ぽんぽん、とノインさんが座るベッドの隣をはたいて示したので俺は恐る恐る近づき、隣に座る。

 ぎしり、とスプリングの効いたベッドがきしむ音がして、この上でこれから行われるであろう情事を想起させて心拍数がハネ上がってしまった。

 ちらりと隣を見れば、恥ずかしそうに頬を染めて微笑むノインさんと、横から見ることで凄まじい盛り上がりを見せつける胸元があって。

 限界が近い。(冷静な判断)

 

「……ッス……あー……ッスゥー…………そのォ……」

「……くすっ。ねぇロックくん。ちょっとだけ、私のお話を聞いてくれますか?」

「えっあっハイ」

「ありがと。ふふ……実はですね。私、ロックくんと出会うまで……あんまり生きてても楽しくなかったんですよね~」

「急にクソ重い話になるじゃん」

 

 早速どうすればいいかわからずテンパり始める俺に対し、そっとこちらに肩を寄せてきて、触れ合う体からお互いの体温が伝わりつつ、ノインさんが切り出した話は俺と出会う前の頃のお話で。

 生きてても楽しくなかったという、そんな彼女の真意を静かに聞き届ける。

 

「……私、普通に育って、普通に冒険者として活躍して、たまに趣味の物語を読んで……なんて、そういう人生が良かったんですよね。冒険者に憧れてましたし、王族としての人生なんて求めてなかった……王家の教育が窮屈に感じてたんです。……こんなの、誰の前でも零せる話じゃないですけどね」

「…………」

「退屈でした。今は父様も母様も、家族のみんなも、そんな私に優しくしてくれてたことが理解できたから、そういうのはないですけれど……15歳の頃の私は、とにかく退屈でした。彩りも何もない人生だった。だから少しでも変化が欲しいと思って、お忍びで出かけた図書館で……ロックくん。君に出会ったんです」

「……そっか。それで話が合う俺と出会って、よく話してくれるように……」

「ええ。好きな物語で盛り上がれる年下の男の子なんて、初めてだったから。……夢中でした。貴方に会える図書館での時間が、カフェで感想戦をしながら過ごせる時間が、本当に心地よかった。王城で公務の内勤をしている辛さなんて、君と会える時を想えば何でもなかった。本当に楽しかったんです。ロックくんは、私の人生に光をくれたの。この世界で生きる理由になってた……」

「そこまで想ってくれてたんスね。……なんか……ごめんなさいね!? デカパイお姉さんと好きな本の話で盛り上がれて楽しいなぁウヘヘってくらいにしか考えてなくて! いや俺も超楽しかったですけど最高に癒される時間でしたけど!!」

「えへへ、ありがと。……でね、私はそんなロックくんに……君に、いつか王城から連れ出してくれないかなー、なんて。第九王女という重苦しい肩書から解放してくれて、ハーレムに入れてもらって、愛してもらえたらな……なんて、夢見てたんです。ずっと。……叶っちゃいましたね、夢」

 

 彼女の、第九王女として生まれてしまったノルン=オーディンという一人の人間の苦悩。

 聞けばそりゃあ……そうだな、という感想を持った。

 俺だって、勿論生まれも育ちも中々に波乱万丈な所もあったけど、だからってじゃあ王族に生まれて責任押し付けられてかたっ苦しい生活をしたかったかと言われたら正直な所NOだ。

 ノインさんも……そんな環境に嫌気を感じていたところがあったのだろう。

 そこに俺という日常の象徴みたいなヤツに出会って、そんな出会いを尊く感じてくれていた、ということで。

 

「……なんか……話聞いてるとアレですね。ほら、前に言ってた『秘密×秘密のプリンセス×プリンセス』みたいな話ですね。王女として生まれた女の子が、生活を窮屈に感じる中で少年に出会って……みたいな」

「あっ、あは、あはは~……そうかもしれませんね~。うん、あんな感じなんですよね~。私にとってロックくんは、もしかしたら白馬の王子サマになってくれるかな~、みたいな期待を勝手にしちゃってたんですけど……本当に、なってくれて。父様にも……国王にも認められる冒険者になって。ハーレムも作っちゃって。そして私が嫁入りしても恥ずかしくないくらいの立派な男の子になって……うん。……なんだか色々、話しちゃいましたけど……改めて」

 

 前に読んだ異世界転生チートさんの作品にノインさんの境遇が似ていることを思い出して口にしたところ、なぜかちょっとノインさんが慌てだした。どうした急に。

 でもやっぱり、最後まで話を聞けば彼女の本意はそこだ。

 俺という存在が、彼女の救いになっていたという事。

 

 そして、話す内容もおおよそ伝え終えたところで、そっと俺の手にノインさんの手が重ねられる。

 吐息の熱すら伝わるほどの距離で、俺の目を見つめ返す彼女の表情は、どんな高名な絵画でも敵わないだろうなと思えるほどの美しい笑顔で。

 

「────大好き。私は貴方を心から愛しています、ロックくん。……しっかりと、はっきりと、これだけは伝えたかったの。私の愛する君に」

 

 真正面から、想いを伝えて来た。

 茶化す隙が一部もない余りにも真っすぐなその想いを受けて、めっちゃこう……気恥ずかしさが生まれてくる。

 俺の顔今火が出そうなほど真っ赤になってる自信があります。

 そんなに一人の女の子にずっと想われてたのは……こう……凄い気恥しさがあると言いますか!

 いやこないだノワールさん復活させる時にもみんなから告白された身ではあるんだけど! 落ち着いた時間に、二人きりで、こんな近くで、真正面から想いを伝えられるとね!? 受け止めきれる器の広さがまだ作られてないというかァ……!!

 

 でもここで茶化すのは違う……と思うので。

 俺も俺なりに誠意を籠めて、全力で返事を伝えよう。

 

「……その、俺も! ノインさんの事大好きですッ!! 孤児院にいたころに出会って、卒院してからもずっと図書館で会ってカフェで話をしてくれて!! いやこんなハーレム目指してるようなアホなんで他の女の子にもコナかけてたり実際にノインさん以外にもいっぱい嫁が出来てて個人的には嬉しいけど一人だけ愛したりってのは出来ないのでそういう申し訳ない所もいっぱいあるんですが……それでも!! ノインさんの事ずっと大好きだったし、これからも好きでいる自信があります!! だからうまく言えないけど……大切に、しますから!! ノインさんが愛してくれるような俺で在れる様に、俺らしくこれからも生きていくので!! だから愛想つかさないでって言うか……いやその、ずっと一緒にいられたらいいなって思います……でいいのか!? いいかなぁ!?」

 

 やっぱり駄目だったよ。(沈痛)

 クソッどこまでも締まらねぇな俺はなぁ!? 上手く想いを言葉に出来てなかったような気がする!!

 ノインさんの事大好きなのは間違いなくて! それはしっかり伝えたいけどだからといって他の子より大切にするなんてことは言えなくてェ……!

 嘘は付けないけどそれでも……こう……色々伝えたくてェ……!!

 

 なんて、涙目でむしろ言い訳するような感じで返事をしてしまったような気がするが、しかしそんな様子の俺にもくすりと微笑んで返してくれるノインさん。

 天使か?

 

「うふふ……うん、すっごくロックくんらしくて安心しました~。肝心なところでヘタれて涙目になるのがロックくんなんだよな~。わかりみ深し~」

「あっアッなんかすみませんいつも俺こんなんで! 色々申し訳なくてェ……!」

「なーんにも申し訳なくないですよ~。言ったでしょ? 私、そんなロックくんに恋をしたんです。……いっぱいお嫁さんができちゃって、一人も零したくないと思ってるところも。そんな中で、私も愛してくれるって言ってくれるところも。全部大好きなんですから……ね?」

 

 その笑顔のまま、重ねた手を指と指が絡まる様に重ね直して、体重をこちらに少しずつ預けてくるノインさん。

 あっちょっと。ベッドの上でそんな、露出の高い服装で、上気した頬でそんな、押し付けられますと。

 気恥ずかしさと照れと色んなそれで、その。俺のナニが限界を迎えてしまいそうになるんですが!

 いや迎えるんだけどこれから!! 頂くんだけどノインさんを!!

 

 

「……大好き。だからロックくん……」

 

「あ、うん、はい……」

 

 

 あっ。

 捕食者の目。

 

 

 

「─────いっぱい、愛し合お♡」

 

 

 

 

 

※    ※    ※

 

 

 

「─────そう、もっと……遠慮しないで、好きにして♡」

 

 

 

※    ※    ※

 

 

 

「んっ……あ、それ、あっ……♡」

 

 

 

※    ※    ※

 

 

 

「んふふー……気持ちよかったよ♡ それじゃあ、私からもお返しね……?」

 

 

 

※    ※    ※

 

 

 

「ごかいちょー…………えっ」

 

 

「えっ?」

 

 

 

 

 

「──────えっ???」

 

 

 

※    ※    ※

 

 

※    ※    ※

 

 

※    ※    ※

 

 

※    ※    ※

 

 

※    ※    ※

 

 

※    ※    ※

 

 

「お゛っ、ちょ、もお゛ぉ゛っ……はっ♡ あ゛っ♡ むりい゛っ♡」

 

 

※    ※    ※

 

 

※    ※    ※

 

 

※    ※    ※

 

 

「……ッ♡ ぁ゛ー……♡♡ もお゛ッ♡ オ゛っほお゛っ♡♡ だめえ゛っ♡♡」

 

 

※    ※    ※

 

 

※    ※    ※

 

 

 

「──────ッ♡ ─────っ…………♡♡ あ゛ー────……♡♡♡」

 

 

 

※    ※    ※

 

 

※    ※    ※

 

 

※    ※    ※

 

 

※    ※    ※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※    ※    ※

 

 

 

「───けだもの~」

「いや……溜まっててェ……」

 

 

「ベッドヤクザ~」

「異世界転生チートさんの本で勉強してェ……」

 

 

「解釈違いサイズ~」

「それも本で学んでェ……粗チンNTR描写がトラウマだった時期あったからここ数年でめっちゃサイズアップに努めててェ……」

 

 

「エロ同人~、絶倫~、レベル低いくせに体力∞~」

「男はオオカミでェ……」

 

 

 

「……ねぇ」

「……はい」

 

「…………もう一回しよっか♡」

「あっ、はい……」

 

 

 

 

 

 

 

 






~設定紹介~

■ロックくんのアレのサイズ
子供の頃に読んだ教育に宜しくない本の中に、小さいと大きいチャラ男にNTRされるという描写があり、それが一時トラウマになっていた。
将来ハーレムがそうならないように、同じく読んでいた別の教育に宜しくない本の中に書いてあったサイズアップ法(ガセ)を信じ込んで一心に鍛え続けた結果なぜか名刀が生まれた。
使う機会ができてよかったね。
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