勘のいいガキはデカパイハーレムの夢をあきらめない! 作:そとみち
ってなるのはとりあえず愛を誓い合った俺の女とヒルデガルドさんまで全員抱き終わってからの話だな。
「ふぁああ…………」
カポーン、と謎の擬音が生まれる我が家の浴室で、俺は首まで風呂に浸かりながら疲労感からくるため息を零した。
今日も疲れたわねンモー!!
「ここ最近俺働き過ぎでは……? そろそろ休暇を求めてもいい頃では……?」
そんな至極当然の想いが脳裏によぎりつつ、思い返すのはつい先ほどの出来事。
───トゥレスおじさんの奥さんを
無事に再起動したトゥレスおじさんの奥さん……アンドロイドの初期型『
号泣しながらひたすらにワンさんを抱きしめるトゥレスおじさんに困惑しながら、カトルが「母さん」と呼ぶのに驚いて。
しかし、まぁ、何と言うか……ようやく今日の騒動を、ハッピーエンドで〆られたなって感じで。その場にいた俺らの顔に浮かぶのは、達成感の伴う笑顔だった。
んでその後。
とりあえず折角15年越しに再会できた夫婦の、家族の時間を俺らが邪魔してもなんだったんで、その後の説明とか話し合いとかはトゥレスおじさんともワンさんとも旧知の仲のルドルフさんに丸投げして、我らロック一行は帰ることにしたのだ。
俺の命令に絶対服従になった第二席、幻魔将アイムは絶対に人類に抵抗しないように念を押して命令を重ねて、みんなで夜空を飛んで誰にも見られないようにしながら王城に運んでまたしても牢に確保をお願いした。
たまたま応対してくれた第六王女のマリア様がデカパイ揺らしてめちゃくちゃびっくりしてた。可愛い。
前に捕えていた幹部のカリーナからはあんまり情報引っこ抜けなかったが今度は将軍格だからな。魔王軍の情報をこれでもかと聞き出せるだろう。従順になったし。
王城にアイムを運んだ後、ティオはクランに経緯を報告してくると言ってケンタウリスに戻っていって。
俺らロック一家はようやく帰宅。リンだけではなくみんな疲れてお腹が減ってたので急ぎでサザンカさんと俺が飯作ってまずはモリモリ晩御飯食べて。
一連の騒動でだいぶ夜も遅くなっちまってたんで、今日はもうみんな風呂入って寝よ寝よ! ってなって、みんなの勧めもあり俺が一番風呂を頂いているというわけである。
「はぁ……マジで疲れェ……」
そこでようやく一息がつけた俺は、ここ最近あんまりにも俺の日々が忙しすぎることにようやく思い至ったのだ。
イレヴンと出会ってこの方……いや、イレヴン発見から最初のダンジョン攻略からケンタウリスとの遠征までは1週間くらいのんびりしてたし、ケンタウリス遠征から闘技大会までの間は2週間あったからそんなでもないけど。
問題はその後だよ。
闘技大会の5日はフルに戦ったし魔族騒動もあったし、優勝して疲れェ……ってなったし。
闘技大会終わった翌日はノインさんの騎士になって、その2日後にグランガッチに向けて王都に出発。
片道四日の遠征して、グランガッチでさらに騒動になってその勢いのままに魔王軍の将軍一人倒して。
その翌々日にはホエール山脈に出発して、さらに翌日に到着して温泉に入ってちょっと癒されたけど、その翌日にはノワールさんとの出会い、魔王ダブレスちゃんとの出会い、戦争開始、リンの管理権継承、戦争終結があって。
戦争終わった翌日はノインさんと結婚して童貞卒業して。
んでその翌日が今日よ??
トゥレスおじさんの奥さん蘇生させてついでに将軍もう一人捕まえたのよ???
マジでどんだけハードワークなんだよ俺はよォ!!(忌憚なき意見)
「まぁいいんだけどさァ……やったことはみんなの為になる事だしさァ……」
愚痴っぽくなったが、別にこれまでやってきたことが嫌だったー、とか仕事押し付けやがってー、とかそういう想いは一切ない。
何故かというと、俺以外のみんなが一番頑張ってくれているからだ。
今日みたいなケースとか魔王とかそういう特殊な相手だった時はなんか俺が全部なんかやってるような感じに思われてるかもしれないが……全くそんなことはない。俺は大したヤツじゃないのだ。一番楽してるまである。
ワンさんを助けられたのだって、俺以外のみんなが主に魔力や魔法の面で頑張ってくれたからにすぎない。戦争の件だって俺は魔王軍の奴らを騙して裏かいてザコ将軍一人倒しただけで、実際に戦争を終わらせたのはリンやイレヴン、サザンカさんや国中のみんなが頑張ったからだ。
俺がみんなに全力で甘えられるからこそ、なんかいい感じに俺の勘も響いてるし、こうして落ち着いた時間を過ごせているのである。
俺の周りに最強格のメンバーが揃っているから勘もフルに働いてくれるのだ。いつもホントに感謝している。
だがそれはそれとして俺は働き過ぎである。(確固たる信念)
折角ハーレムがほぼ形となり始めているというのに、俺が疲労でぶっ倒れてしまってはさらに俺の女たちに心配をかけてしまうだろう。
なので決めた。明日は休もう。
「闘技場の模擬戦も午後だけとかにして……午前中はみんなとショッピングデートとかしてぇなぁ……呉服屋『リーゼ』に行って……イレヴンの装備もワンさんに返したから新しい服整えないとだし……うん……その流れでコスプレ大会開いてェ……エッチ確認してェ……」
ちょっとくらいのんびりしたって許されるだろう。
人間は働き続けると壊れてしまうのだ。壊れる前にのんびり休むのが長く冒険者を続けるコツである。俺今冒険者って扱いになってないけど。
※ ※ ※
さて、そんな風に明日の怠惰を己に誓っていたところで、唐突に一つの物音がした。
浴室の外からだ。ごそごそと大きな衣擦れの音が聞こえ始める。
「えっ。……
その音で誰がいるのか分かった。
リンは竜翼と尻尾が大きいので脱衣の時に大きな音が響くのだ。その辺大変だよな。
しかし脱衣所で服を脱いでるということは……。
「うん。はいるねー。せなかをながしてもらうの」
「そこは『流してあげるの』って言う所ではないかね?」
「えー? ……じゃあながしっこしよ!」
「まず恥じらって??」
当然にして全裸になったリンが浴室に入ってくるという事である。
なんやちゃんと恥じらってきなさいよンモー! ノワールさんの知識をインストールしたとはいえまだ子供よねこの辺ー!
俺だってすでに非童貞なので以前バードマン温泉で見せたような童貞しぐさはないけどさ。もう大人に成長したというならそれ相応の恥じらいというものをですね。
「うぶぇー……」
「かけ湯してるのは偉い」
「えへへ。どーん!」
「飛び込むのは偉くなァい!」
しっかり身体にかけ湯をしてから、しかし俺とお風呂に入るのが嬉しいのか、笑顔でそのまま浴槽にダイブしてきた。
コラー! お前身長はちっさいけどデカパイと竜翼と尻尾の体積がデカいんだからお湯が無駄に零れちゃうでしょー!!
ケガしないようにちゃんと両手でしっかりとリンの小さい体を受け止めてやる。すると楽しそうにすりすりと体を密着させてくるリン。
ゴメン尻尾とかの鱗部分が素肌に触れてそれなりに痛いわソレ。
「ふぃー……」
「ふぅ」
まぁしかし、肩までお湯に浸かればそれ以上暴れることもなく、俺に背中を預けてほわーっと二人で風呂の温かみを味わう。
ディセットじーさんの娘夫婦が……家族が住むはずだったこの家のお風呂はそれなりに広い。二人くらいまでならかなり余裕をもって体を楽に伸ばせるのだ。
この後お風呂に入るみんなの為にお湯を注ぎ足しながら、正面に抱きしめるリンの体を軽く観察する。
特攻の武器がいくつも突き刺さっていたのに、その肌には傷一つついている様子はなかった。すげぇなブラックドラゴン。
こりゃ並大抵の冒険者じゃドラゴン討伐なんてできないわ……なんて思っていると、じろじろ見られているのを察したのか、リンが首だけ振り返ってきて口を開いた。
「……ねえ。きょうはわたしのばんでしょ?」
「エッ急に何? 何の事?」
「つがいの、こうびのじゅんばん! つきあいがながいじゅんでいったら、ティオとノインのつぎがわたし!」
「あ、あー……そう、ね。そうねェ……」
ダイレクトアタックか??
確かに……昨日の初夜では付き合いの順って言ってノインさんを選んではいたのだけれど。あれは半分くらい新婚初夜を迎えるっていう理由が強かったんだけどなぁ。
それに確かに付き合いの長さで言えばティオがダントツで、さらに言えば微差でシスターが最長なんだけどさ。二人は抱いていませんわよ俺??
なんか…………あれだ。
あれです。
違うんだよなぁ~~~~!!!(魂叫)
確かに俺はリンを愛してはいるし、デカパイを揉みしだいた経験もあるので、その、なんだ。抱くつもりではもちろんあった。
あったのだが……父親代わりというか、娘として見ていたというか、家族として過ごした時期が長すぎて……急にそう、エッチスイッチがONに切り替わらないのだ。
今だってお互いに素肌を密着させて体温を味わっているのだが、俺のムスコは敏感に反応を返していない。困惑しているというか。じゃきーんぺしーん! ってなってない。
そりゃあ大好きだし綺麗だと思うしエッチだとも思うんだけどなぁ。何かが足りない。
「……なぁ、リン」
「ん、なに?」
「その……確かに俺とお前はいわゆるつがいとして、妻としてお前を愛するつもりなんだけどさ」
「うん! うれしい!」
「ん。……交尾って、どんな行為か知ってる?」
なのでちょっとリンに疑問を投げかけてみた。
多分だけど……俺がリンを抱くに足りない要素がこの問いに対する彼女の答えに含まれている気がする。俺の勘がそう言ってる。
「もちろんしってるよ? ロックのこれを」
「掴むな」
「ここに」
「恥じらいを……」
「ずぶっとして、ずぽずぽして、こどもつくるんでしょ?」
「そうねェ……」
「でもいまはひにんまほうをつかって、こどもをつくらないようにするんだよね? へんなの!」
「────ああ……成程ねぇ」
そしてリンが返してきた答えに、俺がイマイチ興奮しきれてない理由が分かった。
リンが性的な行為に対して全く知識と経験がなかったのだ。
恐らくだが……これ、ノワールさんも単純に交尾=子孫を残す行為、としての知識しか持ってなかったな??
だからいわゆる野生動物がしてるような交尾という、文字通りの生物学的行動としてしかとらえていないんだ。
それに伴う性欲、快楽……そういった部分への認識が殆どないから、俺と子を成す、という最終目的しか求めてない。そこしか知らないんだ。
なーるほどね。
だから今までも特段恥じらいなく、つがいだーこうびだーって話をしてたわけね。
この分だと……多分、自分で自分を慰めたことだってないんだろうな。
無垢なんだ。
この世界の闇を統べるドラゴンは、あんまりにも無垢すぎる。
つまり、なんだ。
俺がその辺りを全部教えて染めちゃっていいってわけね???
「……リン」
「ん?」
「とりあえず……夜に備えるためにも髪と体を綺麗に洗おうか。俺が洗ってあげるよ」
「おー! わかった!」
ざばー、と俺に体を洗われるために立ち上がり、洗い場の椅子にちょこんと座るリンに、俺はシャンプー類を準備しながら背中側に回り込んだ。
これから俺はこの可愛らしいドラゴンを女にする。
料理と同じだ。
美味しい料理は、下ごしらえがどれだけ丁寧にされているかで決まるものだ。
多分、快楽の受け取り方も……どうなったら気持ちよくなるか、ってのもリンは分かっていないだろう。
でも大丈夫だ。任せてくれ。
その辺り俺は得意だ。ノインさんの体で試させてもらった。
俺はどこをどう触ったら一番女の子が気持ちよくなるのか、
「じゃあまず髪だな。泡が入らないように目ぇ閉じてろな」
「ん! よろしく!!」
頭にも当然だがツボはあり、まずは体の血のめぐりを良くして……あ、竜のツノっぽい部分も性感帯なんだな。
怒られないように、驚かないように、でもリンが素直に蕩ける様な甘い感覚を享受できるように、丁寧に下ごしらえをさせてもらおう。
なんか興奮してきた。
これはこれで……アリやな!!
よっしロックくんのエッチスイッチONッ!! リンに快楽を分からせてやるミッション開始!!
調理後の実食は俺のベッドの上で行うものとする!!
「……? ……ん、ふっ……ぁ……? ……ねぇ、ロック。なんか、からだがへんなかんじ……?」
「大丈夫大丈夫。大人の女はみんなそうなるから」
「そう、なの? ……あっ、ン、んん……?」
「力抜いてなー。素直に俺の手に体任せてもろて」
「ふぁっ、んんっ!」
頭部周りから頸筋、腋、脇腹、おへそ、内もも、膝裏、足指の間、と全身のリンパ的な何かを勘に任せて絶妙に刺激していく。
うんうん。やっぱりこう……男と女の行為って、どちらかの独り善がりじゃあ嘘ってもんなのよ。
ノインさんと褥を共にしたときには出来る限り俺もノインさんが高みに至れるように頑張ったし。
お互いにお互いを幸せにするからこそ心を通じ合わせる特別な行為になってるんだと思ってる。
もちろん俺も幸せになるけど、リンにも幸せになってもらわないとね。
「あ、あっ、ロック、それ、ヘンっ、へんになる……ンっ……!」
「ぬはは」
その後、リンの全身を解しに解して、蕩けた表情を浮かべる雌ドラゴンにしてやってからお風呂を上がった。
こんやはおたのしみですね。