勘のいいガキはデカパイハーレムの夢をあきらめない! 作:そとみち
朝。
「ん……」
いつもの時間、早朝の頃に意識が目覚める。
俺の腕には愛するイレヴンの頭の重みが感じられて。恐らくはいつも通り無意識で頭を撫でながら寝ていたんだろうな。
勿論お互いに一糸纏わぬ姿で、イレヴンの体温を……人と変わらないその熱を全身に味わいつつ、昨晩の睦みあいも思い返されつつ、しかし僅かに脳裏によぎるのは幾分かの寂しさ。
ここ数年は常に胸の上にミャウが乗ってて変ないびきかいてたんだよなぁ、というそれだ。
いやもちろん俺の嫁達との逢瀬を優先したい所は在るのだが……しかしアイツも大切な家族の一員だ。俺の心を癒してくれた愛猫。
サザンカさん抱いてヒルデガルドさんまで抱いたら次の日はお風呂プレイとかで満足させてもらって、夜はミャウと一緒に寝るかなぁ。アイツのいびきと爆睡中のアホ面が恋しくなってきた。
「……おや。起きてしまいましたか」
「ん。おはよ、イレヴン」
「おはようございますマスター。……昨晩は、とても素敵な夜でした」
なんてくだらない考え浮かべてたら、腕枕で至近距離で俺の顔をじっと眺めていたイレヴンが俺が起きたことに気づいたらしく、朝の挨拶を交わして。
そういやイレヴンは寝なくてもいいんだっけか。
「もしかしてずっと俺の寝顔見られてた?」
「ふふ。寝てる時のマスターはとても可愛らしいので。飽きませんでしたよ。昨晩あんなに激しくしてくれた人と同一人物とは思えません」
「テレるぜ……ふわぁ」
聞けばやっぱりずっと眺められてたとのことで。なんや可愛いなこいつめ。
イレヴンの素肌が触れ合う感触が実に気持ちよくて、少し体を動かしてシルクのような肌を擦り合わせてデカパイに顔を埋めるような姿勢を取った。
やだこの枕最高級。
「んー……いい……」
「んっ♡ 昨日あれだけ味わいつくしたではないですか……♡」
「いいもんはどんなに味わってもいいもんだ……むふー……」
「あんっ♡」
デカパイ枕に顔を埋めてると昨晩の情事が思い返される。
最後の方は高みから降りてこれなくなったイレヴンが普段のすました顔をぐちゃぐちゃに蕩けさせて何度も痙攣しながら果てまくって……と。
そんな風に思い返してたら当然にして起床し始める俺の分身。硬いものが柔らかい太ももの間に挟まる様になってしまった。
「……朝から元気ですね、マスター♡」
「最高の女が隣にいるからこの現象は不可避です」
「ふふっ……すっきりしてから降りますか?」
「……いい?」
「勿論です。私はマスターの女ですから。では……」
その後イレヴンの豊饒なる二つの実りに包んでもらってめちゃくちゃスッキリしてからリビングに降りて朝食を作ることにした。
イレヴンはいい女です。(大賢者)
※ ※ ※
朝飯も食べ終えて、女性陣が身嗜みなど整えてるところで我が家のチャイムが鳴った。
「ん?」
『みゃ?』
「おや……ルドルフですね~」
玄関先を向いてノインさんが誰が来たか教えてくれる。
ルドルフさんか。今は俺んちの隣……と言っても家同士は少し離れてるけど。そちらにお住いのはずで。
多分昨日は朝はトゥレスおじさんの所にいて、午後からは王城で仕事をしていた筈で。
そうなるとアレか。昨日の打ち合わせの話を伝えに来てくれたのかな?
早速玄関に迎えにいけば、やはりそこにはいつもの佇まいの老紳士が立っていた。
「ほっほ。おはようございます、ロック様」
「おはよーさんです! 今日はどうしました?」
「昨日の王城での打ち合わせの内容をお伝えに参りました。トゥレス殿の使い走りでございますよ」
「なーる。じゃどうぞ中へ。お茶出しますんでゆっくり聞かせてもらいますよ」
「すみませんな。それでは失礼いたします」
聞けばやっぱり昨日の打ち合わせの件とのことで。助かりますね。
トゥレスおじさんの使い走りと自虐してたがその表情はいつも通りの飄々とした微笑みだ。ホントに雰囲気あるよなぁこの元執事さん。
とりあえずルドルフさんを招いて、緑茶をサザンカさんに淹れてもらってお出しして。
「ム! この緑茶は実に上質でまろやかな味わいですな。……玉露でございますかな?」
「おお、味だけでお判りになるとは……ルドルフ殿は茶を嗜まれるので?」
「ほほ。かつてヒノクニを旅した経験もございましてな。サザンカ殿が生まれるよりも前のお話ですがな」
ホントに雰囲気あるよなぁ!(羨望)
俺もお茶とか食べ物とか一口食べて銘柄当ててみたいわ。ンまいお茶であるという事しか分からないぞ俺。
まぁいいや。改めてルドルフさんから話を聞くことにしよう。
「で……王城での今後についての話し合いってどうなったんです? 長い話になる?」
「長い話にはなりましたが、私のほうで簡単にまとめた書類を持ってきております。まずはこちらにお目通しください」
やだこの人ホントに有能!!(感謝)
口頭だけで聞いても俺絶対眠くなって忘れる自信あるもんなぁ。勿論イレヴンが覚えてくれてるんだろうけど。男の話長時間聞けないマンだから。
でも読むのは得意だ。異世界転生チートさんの本で鍛えたし、本を読んでて眠くなることってどんな本でも基本的にはないし。
書類でまとめてもらえれば後で見返すことも出来るしね。助かります。
配られた書類をみんなで受け取って。
さて読みますか。
「……ふむ……なるほど……」
「……サザンカ、これなんてよむの? むずかしいことばいっぱい!」
「ああ、それは……」
「お~……なるほどな~……?」
じっくり読み込んで、イレヴンやルドルフさんとも内容を確認して。
んでいつもみたいに箇条書きにしてまとめてやったぞオラッ!!
これ見て今後の方針何となく察してくれオラッ!!
~王都の現状~
①兵力、冒険者共に消耗は無し。
②魔族が王都を狙っていることは間違いない。トゥレスおじさんが被害を受けているし、アイムからも確認した。
③今後も魔族が潜入していないか気を付ける必要がある。
④警備も増やすが、手っ取り早いのは守護結界の強化。魔導士組合に依頼して下級~上級魔族が王都に潜入したらすぐわかる様に結界を強化するよう手配した。
⑤しかし幹部級や将軍格が本気で忍び込むのを察せるかはわからない。
⑥俺の勘を当てにしたいが行動を縛るのは本意ではない。勘が響いた時にすぐに応援を手配できるようにしておきたい。
⑦なのでノインさんに小型の魔導通信機を渡しておくので何かあったらこれを使ってほしい。ギルド本部や各街にも設置してるやつで本来は個人の魔力で扱えるものではないけれど俺とノインさんなら使えるやろというトゥレスおじさんの判断。
⑧アイムにも王都全体の魔族の気配を察知させている。将軍格なので魔族の気配には敏感らしい。
~アイムから聞き出した魔王軍の現状とトゥレスおじさんの推理~
①魔王軍は現状、かなり厳しい事になっている。
②第四席と第六席が不在。第一席のベルゼビュートは戦場で俺に捌き斬りで殺されてるが、もしかすると復活できていないのではないかと。
③復活できていれば、ベルゼビュートの権能なら即座に王都に舞い戻り単独で殲滅できてもおかしくない。闇の魔素がまだ人類領に漂ってる現状で攻めてこない理由が薄い。
④フォルクルスは間違いなく復活している。カリーナが転移したのがその証拠。フォルクルスは六大将軍の中でも知略に長けており慎重派。何か企んでいるかもと。
⑤闇の魔素が限られてしまっている現在はとてもキツい状態。戦力を増やすにせよ闇の魔素を使うので、それを何とかしないとと魔王は考えているはず。
⑥魔王以外のレベル上限は200となっているが、魔王のレベルは不明。もしかすると現状を見て他の将軍格もレベル上限を突破させられているかも。
⑦トゥレスおじさんの読みではいくつか今後魔王軍が取るであろう侵略計画も考えられるが、会議の場では確たることは言わず。今後の調査で具体性を帯びてきたら再度共有すると。
⑧今現在一番魔王軍にやってほしくない侵攻作戦が、魔装具持ちの冒険者が少ない小規模の町への陽動を兼ねた複数同時ゲリラ戦。
⑨将軍などの強い個が攻めて来ても人類軍の最強格を複数ぶつければまず勝てる。軍隊で攻めて来てもロック一家をぶつければまず勝てる。しかし散発的に小規模部隊で王都から遠い町を攻められると手が回らなくなる。そのために魔装具所有しててレベルが高い冒険者を常にどこにでも派遣できるようにしたい。
~人類軍の今後~
①戦場から逃げ出した魔族残党の討伐はヒルデガルドさんとリンがおおよそ王都周辺を掃討してくれたのでほぼ壊滅できてる様子。
②闇の魔素の広がりは王都から東側はリンが回収したから喫緊の課題はない。
③西側がまだ薄く広がってるのでリンには一度西側をぐるっと回って闇の魔素だけ回収してほしい。
④転移陣の設置についてもノインさんのほうで地方都市の大きな所だけでいいので西側も開いてきてほしい。
⑤小さな町の転移陣設置や僅かに残る魔族残党の討伐はその後全部トゥレスさんとワンさんで回れるのでやらなくてもいい。
⑥そのまま魔族領の調査までトゥレスおじさんの方でやって来てくれる。
⑦魔族領の調査を終えたら本格的な侵攻軍を結成して、ホエール山脈頂上から攻め込めるようにしたい。
~俺らの動き~
①とりあえずリンとノインさんでもう一度西の方の転移陣起動&闇の魔素回収の遠征をしてもらいたい。
②その後は闘技場でレベリングしつつ、もし遠方の町などが魔族の襲撃にあったら転移陣を使って応援に駆けつけてほしい。
③転移陣起動後の各国との折衝、貿易関係、政治関係の話には一切かかわらなくていい。王族とギルドで何とかすると。
④俺の勘が何かしら響いたら何とは分かってなくてもとりあえず速攻で報告してほしい。
⑤トゥレスおじさんの見解だが、俺の勘が人類の最後の砦。ロックが無事平穏に過ごせてれば人類軍が最終的に勝つし、ロックの勘がヤバい状況になったら人類は終わり。なので下手に国からロック個人に指示は出すべきではない……って言ってくれたらしい。信頼激重。
~その他~
①ワンさんがイレヴンの魔力炉心を積んだことでワンシリーズにはありえないスキルの解放が出来るようになったらしい。バイク形態に変形出来るようにしたとか。
②トゥレスおじさんの読みがヤバイ。アイムから必要な情報引き出してこれまでの事実を総合的に推理して結論出してってる。天才怖い。
③そんなトゥレスおじさんの推理では、闇の魔素が途絶えた現状だと他の種類の魔素を産んでるマナ溜まりが狙われてもおかしくないんじゃないかって話。サラマンダーさんがいる火のマナとか、水とか風とか……そういう所の調査も並行して行うと。
④なんでその辺に全部すぐに転移陣で回れるようにしておきたいね、って話で。
⑤何はともあれ王都側の動きは逐一報告していくから引き続きなんかあったら娘をよろしくねと。(←この一文は王様のハンコ押してある羊皮紙で正式文書で渡された。怖。)
※ ※ ※
はい。細かい所はしょったけどこんな感じでぇす!!
「色々と情報が出ましたが……トゥレスが実に細かな部分を担ってくれていますね」
「な。助かるわーマジで」
「リン殿とノイン殿でおおよそ世界の転移陣を開ければ、あとはトゥレス殿が細かい所を埋めつつも世界中の情報を集めて……魔族領まで調査を果たすとは。いや、しかしあの御仁ならば為してしまいそうな雰囲気は感じるでござるな」
「トゥレス殿は若かりし頃より何でもできましたからな。今はせいぜい国の為にコキ使ってやるのが良いでしょう。それが彼にとっての贖罪にもなるでしょうから」
「トゥレスのことになると、ルドルフなんだかざつになるね」
「かつてのパーティメンバーですからな。実に大した男なのに己から何もしようとしなかったトゥレス殿のケツをよく叩いたものです。しかし……ようやく本人からやる気を出しましたからな。正直な所、全く
「天才と奇才が人類側にいますからね~。マトモに攻め込まれても何とかなりそうなのはそう~。後は魔王を倒せるかどうかですかね~」
『みゃ……』
まぁいろんな情報が出たけど……とりあえず俺らがやらなきゃいけないのは一つだけかな。
リンとノインさんで王都の西側のデカい街を回って転移陣を開く。これは急いでやらなきゃだから……これからすぐに出発しよう。リンの速度なら一日で終わるだろうしな。
その後は基本は王都にいて、遠方の国に魔族の襲撃とかあったらすぐに転移して駆け付けられるようにして、あとは王族からなんか話があればその時に……って感じかね。
「じゃあ今日は早速西側を飛び回りますか。大丈夫だよな、リン?」
「うん! びゅんびゅんとぶのきもちいいし! ロックもくるよね?」
「ああ。危機的な勘は今日も特に響いてねぇから、むしろこういう時に回るべきだと思う。勿論俺も付き合うよ」
「やったー!」
「ノインさん、王都西側のデカい街に限定して……って考えるとどれくらい時間かかりそうかわかります?」
「西側は陸路を使うとニャイル川やウェストグランパ海の渡航とか、キマイラ山脈とホエール山脈が繋がる所があってすっごく大変なんですけれど……それが全部すっ飛ばせますからね~。グランガッチが既に転移陣開けてるからそこをハブにして……そうですね、4時間はかからないと思います~。西の海行って最西端にある島国イーランドまでは繋いでおきたいですね~」
「4時間か……そんくらいなら何とでもなるな! ヨシ! じゃあ今日の予定を決めます!!」
そのまま今日の予定も決めた。
とりあえず闘技場には転移して、したらすぐに俺とリンとノインさんは出発。またしても世界を飛び回って西側の転移陣を開いて回る。闇の魔素も回収する。
それで午後の早い時間には王都に戻って来られるだろうから、したら早めに特訓も切り上げて。
「そして優雅に図書館に行って午後の読書をキメたいと思っています」
「そういえばここ数日図書館に行ってませんでしたねマスター」
「朝から文字読んでたら活字が恋しくなってェ……愛読書の続編が読みたくてェ……!! こんなご時世でも異世界転生チートさんはきっと新刊出してくれてると信じててェ……!!」
「うへへ~……大丈夫ですよロックくん。きっと新刊二冊くらい出してますよ~。私も読みに行きたいです~」
「ですよねえ!! 常に俺は心の栄養を求めたいッ!! なのでそんな感じで今日は過ごします。何か他に要望ある人いる?」
「おひるごはんいっぱいたべたい!!」
「西の方の街いったら名物料理いっぱい食べていいぞ!」
「やったー!」
『みゃ!』
心の栄養は常に求めたいところだよなァ!!
図書館行きたいです。本読みたい。異世界転生チートさんの新刊読みたい。
それ読み終えたらカフェでノインさんと感想戦しながらあの店のカフェラテ飲みたい。そこまで絶対やりたい。
労働のご褒美は常に求めて行くのだ。対価がないと働くやる気も出なくなっちまうからな。
働くのは主にリンとノインさんだって? そうだね×1。
「んじゃ出発しますか。ルドルフさんはこれからどうします?」
「ほほ。今日は午後から他国との交渉に呼び出されておりますが……午前中は予定はありませぬ。ミル殿の所に顔を出したのち、
「あはは、謙遜しちゃって。シスターの所行くならよろしくみんなに伝えといてくれると助かります」
「私が子供の頃ルドルフに集めてもらってた経験値増加装備貸し出しますから頑張りましょうねルドルフ。貴方ならすぐに限界突破できますよ~才能在りますから~」
「ほほ。姫様に言われては張り切らなければいけませんな」
そうして俺たちは今日の予定を組み終えて、家を出るのであった。