勘のいいガキはデカパイハーレムの夢をあきらめない! 作:そとみち
話を聞けばこうだ。
「魔装具の情報が手に入ったの! 湖の向こう側にある『ネレイスタウン』に伝わる話で、湖にいる精霊の試験を突破すれば魔装具が授けられる……っていう噂で! ここ最近新ダンジョンの攻略でクランのみんなもだいぶ働いてたから、息抜き兼情報収集兼旅行に行くことにしたの! ネレイスタウンも栄えてるところだし!」
「ほうほう」
「で、町で魔装具の詳しい情報集めて、場合によってはダンジョン探索したり魔装具探したりするだろうから……そこにロックの勘が欲しい! クランのみんなは私が説得するから! その代わり出来る限り大人しくしてほしいんだけど……!!!」
「おいおいティオ、安心しろって。俺がやんちゃだった時があったかよ?」
「そのクソみたいな自信どこから出てくるんですかマスター」
『みゃあ』
「ぼうけん……?」
あの後、どうやらティオは目的であった魔装具の情報をゲットしたらしい。
湖付近の街か。確か新ダンジョンの一つもその近くに現れてたよな。遠いからあんときは選択肢から外してたけど、もしそのダンジョンに潜るようなことになればファーストボックスまだ回収できるかもしれん。
あと湖の精霊の試験という話だけど湖の精霊っつったら多分女性型だよな。ドスケベ精霊の可能性ありよりのありけり。
そしてケンタウリスのお姉さま方と一緒に旅ができる。
断る理由どこにもねぇよなぁ!!!!
「ティオのこと応援してやりてぇからな……! お兄ちゃんはいつだってお前のことを想ってるからなティオ!! もちろん大人しくしてるさァ!! 俺はティオのお兄ちゃんだからなァ!! ゲッヘヘ!!」
「絶対嘘じゃんそのツラ」
「ぼうけん? ぼうけんいくのロック? わたしもいきたい!」
「……どうするのですかマスター。私は当然同行しますが、リンも連れていくのですか?」
「そこもちゃんと考えておる」
さて、イレヴンは俺の女であるゆえ当然同行するわけなんだけど今日はたまたまリンが一緒に来ている。
長めの遠征になる予感がするので、本来ならば孤児院にリンを預けなければいけないところなのだが、しかし今回は事情が違う。
同伴相手が女性オンリーの『ケンタウリス』の皆さまなのだ。
「家で反対してたのは、俺とイレヴンだけじゃ面倒見切れないかも……っていう心配の話でさ。今回は同伴する女の人がいっぱいいるわけだ。ティオ、クランのメンバーはどれくらい参加するん?」
「ん、今のところは私と団長入れて6人かな。テノールさんは産休中だから王都でゆっくりするって!」
「そか。そんだけいればリンの面倒見るのもお願いできるだろ。その分の手間賃は報酬分配があれば俺とイレヴンで一人分の計算でいいよって事にすれば諸々スッキリ! ヨシ!」
「むー。わたし、めいわくかけないのに……」
「ロックはリンが心配なのですよ。でもそれだけ人数がいれば確かに監督役は十分でしょう。あとはロックが女性に囲まれて暴走しないように私が気を付けるだけですね」
「そこはホントに期待してるねイレヴンさん」
『みゃあ』
俺、イレヴン、そしてケンタウリスから6人。計8人の大人がいれば流石にリンを世話する人数が足りないということはないだろう。ケンタウリスはみんな俺やティオより年上の人たちばかりだしな。
女性には優しいクランだしリンやイレヴンを排斥するという事もないやろ。俺が排斥されるかもしれないけど。
メンバーみんなめちゃくちゃ美人なのが悪いんや……!! マジで顔面レベル高いからなケンタウリスの皆さま。
冒険者だけじゃなくて王都民にもファンが出来るのも当然と言える。全員俺に惚れねぇかなぁ。
「出発は明日の予定! 2時間後くらいにクランハウスで冒険について打ち合わせするから、そこにロック達も来てくれる? 道具とかも準備しといてくれると助かるな!」
「おーよ。長い旅になるなら色々買い込んどかないとな。よしイレヴン、リン! 買い出し行くぞォ!」
「かしこまりました」
「おかいもの!」
今日の午後からクランメンバーと打合せということで、それまでに旅の準備を整えるために俺たちは一度ギルドを後にして買い出しに向かった。
※ ※ ※
イカしたメンバーを紹介するぜ!!
「ふーん……こんなクソガキに付き従うなんて随分物好きなのねイレヴン。貴方の外見ならケンタウリスでもやっていけるわ。どう、今からでもアタシに乗り換えてみない? 大切にするわよ?」
アルトさん! 18歳! ランサー! 銀級冒険者!
少々高飛車だがその顔面偏差値ですべてが許されるッ! ブラウンのロングツインテールが眩しいデカケツ美人! 胸はそこそこだ!
とにかくすごいパワーだぞ! クランの一番槍だ! スピアチャージが必殺技だ! タンクとしても働くぞ!
一度デカケツ揉ませてくださいってお願いしてから口をきいてもらえてないぞッ!!
「リンちゃんのお話はティオから聞いてましたけど、こんなに可愛い子だったんですね。ふふっ……ミャウちゃんもいますし、にぎやかな遠征になりそうですね。ロックくんさえいなければ」
ソプラノさん! 21歳! 僧侶! 銀級冒険者!
主にメンバーの回復役を担ってるぞ! しっかりしたお姉さんだ! ギルドの事務関係も今はこの人がやってるぞ! テノールさん産休だからな!
控えめの身長に控えめのお胸だがやはり顔がよいッ! ちっこいのに雰囲気が凄くお姉さん! 髪はアッシュに近いロングストレートだ!
口説いた時もドン引きされたけど暴言は返って来なかったからまだワンチャンあると思っているッ!!
「………………」
シミレさん! 20歳! アサシン! 銀級冒険者!
素早い動きで敵を翻弄し切り刻むぞ! ティオのダガー捌きはこの人に教わっている! 無口な人だ! あとオレっ娘だ!
胸部装甲がすんごいぞ! 片目に眼帯してる黒髪ショートボブの物静かな美人さんだ! くわえタバコがえっちっち!!
前に全力でおっぱいガン見してたら無拍子でダガー投げられたぞ!! 避けたけど!! 避けた俺のことドン引きした目で見てたけど!!
「ギルドでも噂のイレヴン様……歓迎いたします。ようこそクラン『ケンタウリス』へ。ご一緒される竜人のリン様もティオに聞けば力もある様子……同行はまったく問題ありません。しかしロック様が同行されるのはやはり一抹の不安が残ります」
マルカートさん! 25歳! 魔術師! 金級冒険者!
この人の魔術の腕は王都でも相当上位だ! 王族からの依頼とかもたまにこなすらしいぞ! ティオの魔法の師匠だ!
この人も胸部装甲がかなり厚いぞ! しっかり者の雰囲気で切れ長の目が美しい! 泣きぼくろがドスケベの証だ!
全力で口説いた結果二時間くらい正座させられて説教されたぞ! 反省はしていないッ!!
「ま、まぁまぁみんな……今回はイレヴンさんがちゃんとブレーキかけてくれるから! 私も見張っておくし!」
こいつはティオ。解説することない。
「……まぁ、ティオから聞いたところによればロック少年は新ダンジョンのファーストトライで相当な戦果を挙げたと聞く。その点は期待しているぞ、少年」
そしてこの人が団長のメルセデスさんだ! セントール! 28歳!
ごめんな? 俺ともあろうものが性欲より先にその体のカッコよさから説明させてもらうな?
まず見よこの馬体ッ!
純白の馬体に女性の上半身なんだけどマジで馬体がカッコイイんだよねメルセデスさん! その辺の軍馬とか馬車用の馬とかマジで比較にならないほどの仕上がりだ。好走が期待できますよ。
ホントにこう……重圧な筋肉を柔軟性を帯びた肉で包んでるというか……本当に惚れ惚れする艶とハリ。その点だけでもめっちゃファンです。
女性だから馬体のお腹から後ろ、お尻を隠すようにロングスカートを着用しておられるんだけどね。スカートの上からでも分かる筋肉のハリ。かっこいいわマジ。
もちろんそれに見合った健脚だ。噂によれば一日で1000キロも駆け抜けたとか。イレヴンバイクとどっちが速いのかな。挑戦してみたいところある。
はい。そして馬体の上、女性の上半身ですけどこちらもまぁ美しい事。
ティオよりも濃い藍の髪を靡かせて、そしておっぱいもぼんぼんぼいん。ウエストはきゅっとくびれて馬体に繋がっている。
顔も最早説明不要の超美人よ。マジでこの人種族的な部分を超えて綺麗だよなぁ……時代が時代なら神馬とか言われてそう。彫刻の様な美しさがある。
そしてめちゃんこ大人で冷静な人だ。俺が一目見て口説いた時も子供の言う事か、と笑って済ませる優しさがあった。その後諦めずにチャレンジし続けてたら後ろ蹴りアタックを食らって死にかけたけど。
この人だけはギリギリ俺の腕前の部分は信頼してくれてる……と信じてえなあ! この遠征で更に信頼度稼いでやるぜ!!
「今回の遠征では大変お世話になります。マスターがご迷惑をおかけしないようにできる限り……できる限り努力させていただきますので」
「リンです! よろしくおねがいします!!」
『みゃあ』
そして今回の遠征で初めて顔を合わせるイレヴンとリンがそれぞれのメンバーに挨拶した。
イレヴンはそもそも綺麗なのでその時点でメルセデスさんに気に入られたようだ。他のメンバーもかなり好感触。シミレさんは無口だからコメントはなかったけど。
リンも子供だが才能あふれる竜人だ。ティオが前に組手したときの事を話してたようで、色んな意味で期待されてるみたい。将来はケンタウリスに加入したり……すんのかな? まぁリンが冒険者になるのかって話からだけど。ケンタウリスなら預けていいよ俺も。
なおミャウは以前にケンタウリスにお邪魔したときにみんなに可愛がられているので既に俺の手から離れて今はソプラノさんの膝の上だ。メスの癖に女の膝の上が大好きらしい。メスの癖に。
さて、そして俺ですが。
「どうして全身拘束されているのですか? どうして……」
「あんだけ粗相するなって言ったのにいきなりシミレさんのおっぱいに飛び込もうとしたからでしょー! ロックのバカー! 私の立場も考えろー!!」
めちゃくちゃロープで拘束されていた。
仕方ねえだろシミレさんの100超えおっぱいが視界に入ったらよ……!! 無意識で飛び込んじまうだろ男なら!! デカパイが悪い!! 俺は悪くねぇ! クソー!!
でもようやく目も慣れて来たから流石にこの段階でこれ以上興奮はしませんよ。リンも見てるしね。
「よいしょ」
「よいしょの一言で抜け出していい拘束じゃあなかったですよねロックくん? シミレが本気で縛ってましたよねそれ??」
「……………ふん」
「相変らずキモいわねコイツ」
「誰も見つけられなかったイレヴン様を発見し、新ダンジョンのファーストトライでは魔族と遭遇しても生還し、さらに相当のロードマップを開拓。事実だけ羅列すれば才ある銀級冒険者なのですが……どうしてロック様はそんな欲望塗れになってしまったのか」
「やはり面白いな、ロック少年は」
全身の関節外して縄抜け技術駆使して拘束から抜け出したら何故かケンタウリスの皆さまからドン引きされた。
なんや。こちとらシーフやぞ。シーフが縄抜けして何が悪いんじゃい。
昔からティオやカトルに模擬戦の木偶人形として愛され続けた結果、回避力のほかに無茶な姿勢するための関節外しとか鍛えたし。
そもそもロープの結び方も甘かったし。張力が集中してるところ勘で見つけりゃそこ緩めるだけよ。シミレさんに悪いから口には出さんけど。
「まぁ俺もマジで落ち着きましたんで……とりあえず明日からの遠征の日程とか色々打合せしません? ソプラノさん隣座っていいですか?」
「一瞬で矛盾しないで? 隣にも来ないで? 来たらメイスで殴りますからね?」
「じゃあシミレさんお隣いいすか! アルトさんは既に逃げるように席から立ち上がってるし! お邪魔しまアッすみません調子乗りましたダガー向けないでください嘘です冗談ですシミレさんいつもお綺麗ですね鋭い瞳がキュートでンあっぶねッッ!!」
「…………避けるな」
俺が円満な打ち合わせを進めるためにお姉さま方のお隣に座ろうとしたらシミレさんがノーモーションでスローイングダガーしてきた。ホントこの人予備動作無いわねンモー!
まぁ避けたんだけど。そして避けた後のナイフはメルセデスさんがなんと空中でキャッチした。ワザマエ!
「こら、ハウス内でダガーを投げるなシミレ。壁に穴が開くだろう……殺るなら組み打ちで殺れ」
「…………了解」
「響きが物騒」
「マスターも興奮しすぎです。今回は私が犠牲になって隣に座るのを許しますから落ち着いてくれませんか」
「ロック、わたしよりめーわくかけてる! ひとのこといえない!」
「リンに言われるとすごい胸が痛い!! ごめんな……考えるより先に口が開くバカで俺」
「情けないよロック……腕はいいのにホント普段の言動で損してるよ」
「ただの息抜き旅行のつもりだったのにアタシ今からすっごい不安だわ」
「まぁ……普段の男性からの視線への耐性をつける訓練だと思いましょう、アルト」
「確かに普段からよくゲスな視線は向けられるけど! ロックはそれにも増してすごいねっとりしてて……なんか……ヤ!」
「全くアルトさんったら素直じゃないんですからー」
「話しかけんなこのカス!」
「ひどい」
ふむ……まぁ以前よりはだいぶ態度も柔らかくなってる感じあるね。リンとイレヴンのおかげかな。
前はマジで殺すか殺されるかみたいなところあったし。俺はウインクして目で殺すつもりだったんだけどみんなは隙を見て俺を殺そうとしてた感じある。特にアルトさんとシミレさんが。
その時に比べればまぁ平和なもんよ。
俺もちゃんと働くから可愛いもんだと思ってお目こぼししてほしいなぁ!
さてその後は流石にマジで俺も落ち着いて、イレヴンの隣で遠征の目標や流れについて確認した。
大体以下のとおりである。
①ネレイスタウンへ移動
②町で観光、兼情報収集
③魔装具の情報集まったらそれを探す
④魔装具見つかっても見つからなくても新ダンジョンも一回は探索する
⑤あまり無理せずにほどほどで引き上げて王都に帰ってくる
だそうで。
新ダンジョン探索はどうかなー……リンを連れてっていいもんだろうか。
みんな銀級以上だから腕前に不安があるわけじゃないけど、けど正直な所俺の目から見ればこのクランで一番強いのはメルセデスさんで、二番目がティオだ。ティオは回復魔術近接戦闘何でもできるし。
リンの戦闘力自体はめちゃんこ強いんだけどな。ただ逆に後衛を守ったりするっていう連携がとれるかどうかってのも分からないし。
ま、俺はティオに呼ばれてある意味やとわれ冒険者みたいなもんだしな。主導権はケンタウリスにある。
流れに身を任せつつ、リンを一番に考える……くらいでいいのかもね。
「じゃあ出発は明日の朝8時だ。王都正門前に集合なので遅れないように頼むぞ」
「了解です。万が一にも遅れないように今日はクランハウスに泊まらせてもらえますか?」
「殺すわよ」
「早く出て行ってください」
「…………」
「イレヴン様とリン様だけであれば構いませんよ。このクランハウスは客間より先は男子禁制です」
「君は本当に永遠に思春期だな」
「ンーンン」
やっぱり駄目でした。ティオもイレヴンもリンもコイツマジ……って顔で見てきた。ごめんて。
遠征中に一回くらいは美味しい思いしてぇなぁ俺もなー。まぁやれることやってガンバロ。
~登場人物紹介~
■アルト
ツンデレツインテールデカケツランサー18歳。八重歯生えてる。
■ソプラノ
低身長すとーんボディ僧侶21歳。一部に熱狂的なファンがいる。
■シミレ
眼帯無口デカパイアサシン20歳。実はタバコの煙が苦手で咥えタバコ。
■マルカート
デカパイツリ目キャリアウーマン魔術師25歳。ガチレズ。
■メルセデス
彫刻のような美麗ボディのセントール28歳。王都で一番速く走れるのが自慢。
■テノール
夫持ちのクラン事務職27歳。産休中。