勘のいいガキはデカパイハーレムの夢をあきらめない!   作:そとみち

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200 ガキに慕われる系主人公ですよろしくお願いします

 

 我が美声を轟かせる時ッ!

 

「よーし、リズムは覚えたか? んじゃ次は一緒に歌うぞー。お腹から声を出すんやぞネェちゃん」

『うん──♡ がんばるね──パパ──♡』

「いくぞー。デッデッデッデ……あ~く~び~が~で~る~よぉ~♪」

『あ~あ~あ~あ~♪』

「あ~く~び~の~と~き~は~~♪ の~ど~が~いっ~ぱい~ひ~ら~き~ま~す~♪」

『あ~あ~あ~あ~♪』

「懐くの早すぎない?」

「…………子どもの世話は、お手の物か。流石はミル孤児院の長男、だな。マトモな所は、本当にまともだな、お前は」

 

 ネェちゃんと並んで美声を披露していると、隣で休憩してたアルトさんとシミレさんに突っ込まれた。

 なんや。きちんとした教育やぞ。孤児院で教わった声出し音頭の歌をネェちゃんに教えて拡声魔法なしでも声が出せるように鍛錬しとるだけやぞ。

 

 つい先ほど、護りの指輪の顕現化に成功してから一悶着あり、その後。

 護りの指輪の本体であるネェちゃんが完全に世の中の何もわかっていないガキであることを理解した俺は、教育を施すことにしたのだ。

 ガキの御守りや指導なんてのは慣れたモノだ。なにせ俺は孤児院の長男。一番年上のお兄ちゃんだったのだ。

 ティオほか、孤児院にいるガキ共は俺が色んな面倒を見てやった過去を持っている。

 俺もお兄ちゃんなので年下の面倒を見る仕事はシスターに雑に任されて、それをちゃんとこなしてやっていたのだ。

 ネェちゃんの体がデカパイでも心が子どもなら俺の中では子供判定。性欲を持て余すこともない。

 リンは肉体年齢が大人だし言葉が拙いだけでちゃんと心も大人なので嫁判定だがネェちゃんは子供判定だ。

 実際生まれたのも半年前だし俺の魔力から生まれたから本質的に俺の娘なわけであって。娘に性欲を向け始めたら終わりだと思うし。

 

 まぁそんなこんなでネェちゃんが暴走しないように教育的指導を果たしているのが今の俺というわけです。

 人と人のつながりが大切な事、ネェちゃんの事も俺は大切な一人だと思ってるけどネェちゃんにも俺以外の人とのつながりを大切にしてほしい事、色んな人との交流が生まれるからこそ一番大切な人っていうのの尊さが生まれる事、だからネェちゃんにもみんなを守れる立派な女性になってほしい事、そんな素敵な女性になったら俺もさらに惚れてしまうだろう事……など、色んな事を色んな手管で教えて、素直なネェちゃんは俺の言う事をしっかりと聞いてくれた。

 無垢な少女に色んな事を教え込むの最高に楽しいよなぁ!?(光の指導者)

 一般常識を教えるところから始めて、その辺りで周りで見てたみんなも(まぁロックなら大丈夫だな……)ってなって訓練を再開して、幼児相手にするように時折組体操みたいな運動を絡めてネェちゃんをキャッキャってさせたりしてつまらなく感じないように気を配りながら、親交を深めていた。

 その後はすっかり俺に懐いて言う事を聞くようになってくれたので、今後もいっぱいお話したいなって話を切り出して、俺も今後はネェちゃんに返事をしたいから、もっと声を大きく出す練習をしようって話になり、発声練習をすることになったのだ。

 精霊の声を大きく出す方法ってよくわかんないけど発声練習しておいて損はないやろ……多分。(雑)

 

「まだまだ声が小さいぞネェちゃん! 俺よりも大きく声を出してみるんだ! もう一度大声勝負だ! いくぞ!」

『うんっ♡ 次はパパに負けないもんっ──♡』

「すぅーっ……無限におっぱい揉みたーーーーーいッッ!!!」

「最低! カス!!」

「……どうして肝心な時以外は常に愚かを晒すんだ、お前は」

『パパに抱かれたーい♡♡♡』

「この親にしてこの子ありね……」

「……だが、まぁ。拡声魔法無しでも、オレの耳に五月蠅い程度には、声が出せるようにはなったな……」

 

 大声を出す練習をしてたらネェちゃんの声もようやく周囲にも聞こえるようになってきた。

 どうやらネェちゃんは性的な知識だけが偏っちまってるようだな。近親相姦は駄目ですよ。(正論)

 一先ずこれで今後はいつでもコミュニケーションが取れるようになったので、指導を終えて改めて俺はネェちゃんに向き直る。

 

「声は出せるようになったから、今後は指輪に戻っても俺に声をかけられるようになったかな」

『うん♡ パパのおかげだよ、ありがと♡』

「可愛い奴めー! うりうりー!」

『うにゃー♡』

 

 声が出せて偉い! って褒めたらめっちゃ可愛い微笑みを見せて来たので雑に頭を撫でてやったら喜んでた。可愛いなコイツ。

 さて、じゃあ会話が問題なくできるようになったことで改めて指輪としての能力をしっかりと把握しておこう。

 コイツが俺の唯一の武器であることは間違いないしな。顕現化したことで何が出来るんやろ。

 

「ってなわけで改めて聞くけど。ネェちゃんは顕現化すると何が出来るんだ? なんか俺にバフとかかかるの?」

『うん♡ 私が顕現化している間、パパの防御力がすっごく上がるの♡ それと、パパに向かう攻撃に対しては自動でバリアーが展開できるわ♡』

「ほほう……」

『パパのよわよわなレベルでも、ここにいる他の人たちくらいのレベルの攻撃でも、何回かは耐えられると思うよ♡ すっごいんだから♡♡』

「ふむ……」

 

 いらねぇな……。(素)

 

 いやぁ……だって今までも攻撃を受けるって択が俺の中に存在しなかったからさ……。

 回避特化マンだし回避できない攻撃に対しては捌き斬りするしな……それが出来なかったら耐える耐えない以前に死ぬっていう生活を送ってきてから防御力がちょっと上がってもな……。

 困った。顕現化させる理由が目の保養以外になくなっちまうぞこのままだと。

 他にいい使い方はないもんか。例えば俺以外の誰かにその効果を付与させられるみたいな……。

 

「その効果を俺以外の誰かを対象にするとかは出来たりせんか? 護りの指輪なんだし誰かを守る事に特化してるんだろ? 俺以外は駄目?」

『えー? 私はパパを護れればそれでいいのにぃ……♡』

「俺もネェちゃんに護ってもらえてうれしいけど、スキル的にタイミング合わせたバリアー張れるだけで十分すぎる働きしてくれてるからな。過ぎたるは及ばざるが如しといって、余分な防御力は俺の命を危うくする可能性すらあるのだ」

『そんなぁ!? 私、パパの足手まといになるのは嫌ぁ……』

「わかるぜ。なので俺はバリアーを使えるだけで充分なので、他の人の防御力を高められればそれに越したことはないというわけで。できそう?」

『それなら……うん、パパが意識してくれれば、パーティメンバー全体の防御力の底上げなら、できるよ♡』

「えらい! すごいぞネェちゃん! そんじゃ早速試してみるか……アルトさんにシミレさん、ちょっといいスか?」

「不安がすごいわ」

「……コイツの近くにいると大抵何かに巻き込まれる……」

 

 ちょっと渋ってたけど説得してから改めて聞いたらちゃんと他の人の防御力も挙げられるんだってさ。

 なんで試しに近くにいたアルトさんとシミレさんにそのバフってやつを試してみる。

 どうやればいいかいまいちよくわかってないがうおおなんとかなれーっ! アルトさんとシミレさんの防御力高まれオラーッ!!

 

「……あ、すごい。すっごい上がってるわ防御力……ってかほぼ倍になってない!? ウソでしょアタシ自身で使える防御バフの数倍の効果あるわよコレ!?」

「…………相変らず、規格外だな、お前は。これなら殆ど相手の反撃を考慮せずに戦えるぞ……軽装のオレでも、重装備に並ぶ防御力まで……これで、敏捷が落ちないとは……恩恵がデカすぎる」

「ほえーすっごい」

『えへへ♡ すごいでしょ♡』

 

 成功したらしく、アルトさんとシミレさんがめっちゃ驚いてた。

 なんだかすごい効果らしい。俺にはさっぱり分からんのだが……でもタンクの役割を持つアルトさんがあそこまで驚いてるんだからハンパない事になってるんだろうな。

 ってか二人とも自然と自分の防御力上昇を感じ取ってるんだけどそういうのってどうやってわかるんやろな。俺自分のそういうステータス的な物感じ取れたことないわ。感じ取るほどの高みにいないのかも。涙。

 まぁでもネェちゃんの性能がすごい事は分かった。これなら顕現化させるタイミングもどこかでありそうだな。覚えておこう。

 

「よし、んじゃネェちゃんがすごく強くてカッコいい俺の唯一の装備として今後も活躍が見込めるのが分かったから、今日は一旦顕現化を解除しようか」

『うん♡ またいつでも呼んでね♡ えっちしたくなったら応じるから♡』

「……呼ぶの? そういう目的で」

「いやァ……自分の娘みたいな存在をそういう目で見るのは人間的にアレだと思ってェ……」

「…………絶妙なラインを守るな、お前は」

「そんじゃ顕現化解除っと」

 

 では改めて顕現化を解除。

 ネェちゃんを維持してる魔法みたいなのは感じ取れてたから、それをこう……蓋を閉じるというか……注ぐ魔力を全部戻してもらうみたいな……言葉にするの難しいな!

 でも感覚的にやれるのは分かってるのでそっと解除する。

 すると、目の前にいたネェちゃんの姿がすっと消えて、護りの指輪がぽわっと光って、どうやら指輪に意識が戻ったみたいだ。

 

「……ネェちゃーん? 指輪の状態でも会話できますかー?」

『──はぁい♡ パパ、私の声──聞こえてる──?』

「あっすごい聞こえた! ちょっと小さめだけどちゃんと声聞こえてる! ヤッター!」

『ヤッタ──♡』

「…………アタシには全然聞こえないわね。シミレは聞こえる?」

「……離れた距離で、何とか声が聞き取れるといった程度だがな」

 

 指輪に戻ったネェちゃんにボイトレの成果を見せてもらい、指輪の状態でも会話ができる事を確認。これでいつでも会話できるぜ!

 我が娘だからな。きちんとした社交性を獲得していつか素敵な男性に巡り合わせてやらなければならない。パパが交際を許すような男を見つけるんだぞネェちゃん。

 他の男に惚れるようなことがあるんだろうか……。(素の疑問)

 

「……マスター。護りの指輪とは上手くいったようですね」

「ん。イレヴン」

「万が一が無いように遠目に眺めていました。会話もできるようになったという事で……五月蠅くしたりなどはないようですか?」

「うむ。元々シャイな性格で俺にだけ甘えてくる感じの子のようで……誰かと話してると割と静かにしちゃうんだよね。今みたいに」

「そうですか。マスターが身内として、仲間として受け入れるのならば私たちも何も言いませんが、何かあればすぐに相談してくださいね」

「それはもちろんそう。まぁもうそんな心配もないと思うけどね」

 

 イレヴンが声をかけてきて、どうやら今日の訓練もそろそろ終わり様な雰囲気。

 心配してくれたけどもうネェちゃんとは和解したんで俺。俺が困るようなことすると怒って嫌いになるぞって言ったらめっちゃ動揺してたから変なコトはしないと信じたい。そういう言い含め方をするのはあんまり好きじゃないんだけどね。仕方なし。

 訓練してる方を見れば、いつの間にかセントクレアちゃんも顕現化が解除されてたようで姿を見なかった。

 今夜のママ予定のノワールさんはまだ無事に存在している様だ。ヒルデガルドさんもいつの間にか来ていて、リンも混ぜてドラゴニュート三人でなんか話してる様子。てぇてぇ。

 

 まぁそんな感じでいろんな出会いといろんな強化があった今日の訓練は終わりを迎えて、我らロック一家はノワールさんに向けた晩餐会の買い出しに中央通りに向かうのであった。

 美味しい物食べさせてやらんとね。せっかくこうして出会えたんだし。

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