勘のいいガキはデカパイハーレムの夢をあきらめない! 作:そとみち
『いいですかロック=イーリーアウス。私は確かに貴方に今宵の交尾を求められ、それを承諾しました』
「はい」
「んっ……♡」
『ですが、今の私は魔刀【
「そうなんだ……」
「ふぅぅっ……♡ あっ、そこっ……♡」
夜も更けて、リンの部屋に設置されたツインサイズのベッドの上で、俺はノワールさんから交尾前の注意事項と言われてそれを素直に聞いていた。
なお胡坐をかいた俺の膝の上にはネグリジェを脱いだリンがいて、俺の両手で色んな所を解されて下拵えの最中である。
一度調理されたからか随分と下味の沁み込みが早い。美味しくなるようにと自分からねだるように腰を擦り付けてくる。もっと揉み込んでやろう。
『ロック=イーリーアウスは、子孫繁栄に強い執着を持つ……生物として、人類として持ち得る三大欲求の一つである性欲が強いという事は私も理解しています。リンが食欲に目覚めたように』
「そうすね」
「んっ♡! んー、んーっ……♡」
『そんな貴方が、私との子作りを希望してこうして誘いを受けたのは分かりましたが……大変申し訳ない事に、私は貴方との子を成すことが出来ないのです』
「そっかぁ……」
「あっ、あっ、んっ♡ もっと、もっとっ♡ おっ、お゛っ──♡♡」
『……リンはどうしたのです?』
「これが交尾前の準備ってやつなんですよ。お互いに触れあって信頼感や安心感を得ることで交尾っていっぱい幸せな気持ちになれるんで」
『そうなのですね……』
「ふへえ……♡」
リンを軽く高みに導きつつもノワールさんの続く話を聞けば、どうやら彼女は実際に子を孕むことが出来なくなっているという事で。
その報告は俺には少々ショックであった。
いや別に絶対孕ませる! って思ってたわけでもないんだけどね。
でもなんかこう……実際に子供出来ません私は幻影ですって自分から言われると……あの時に確かにリンのママの命は尽きていたんだっていう事実が突きつけられた気がしてね……。
まぁいいか。(切り替え)
生前味わえなかった悦びやら楽しみを味わうことが出来るってことだからなァ! 食の楽しみを味わったから性の悦びも味わってもらわねぇとなァ!!
『私は交尾という行為をしたことがありません……そうした実体験に伴う知識を、今になって味わうようになるのは、考えようによってはおかしなことですね』
「そうかもですね」
「はぁ、はぁ……♡ ……ロック……ん、ちゅ♡」
「ん。む」
「ちゅ、ちゅ♡ すきぃ……♡ ね、はやくおとーさんにもしてあげよ……?」
「よしよし。今誘い受けされてるところだからなーちょっと待ってなー」
『……本当に、娘は安心しきっていてるようですね。権能を受け継いだブラックドラゴンがここまで人に心を許すようになるとは』
そしてこのノワールさんの誘い受けっぷりですよ。
どうやらノワールさんはブラックドラゴンの使命でホエール山脈から動かなかった竜生を過ごしたことで、交尾がどういうものなのかを概念としてしか知らなかったようだ。
リンと一緒だな。リンは子ども過ぎてそういう知識に欠けていたが、長年生きていたノワールさんも出不精だったことで存知なかったと。
まぁホエール山脈にいる様なワイバーンとかの交尾とか全く違う意味合いになるからな人類の交尾は。
愛を深め合い、欲望のままにお互いの体を味わい、研鑽の歴史があり様々な手法が存在する。
そのすごさをブラックドラゴンにも教えてやろうというのだよ!
『改めて……私は子を成すことが出来ません。勿論、ロック=イーリーアウスの事は高く評価していますが、我が子ほど心を通じる時間を過ごしていないのも確かです』
「ふむ?」
「ちゅ、ちゅ……れろっ♡ ふちゅ、ん~♡」
『心を通じ合わせるのが人類の交尾と言いましたが、恐らく私はロック=イーリーアウスとそこまで心を通い合わせることはできないでしょう』
「…………あ、そこ好き」
「ん♡♡ んー……んっ、んっ、んっ♡」
『ロック=イーリーアウスが望む様なそれにはならないとは思いますが……それでもよいならば、交尾に応じましょう。子を成すこともなく、心も通い合わせることもない。私はこのような存在になっても、世界を統べるドラゴンの誇りは胸の内に抱えていますから。人間一人に靡く様な事にはならないでしょう……』
サ・ソ・イ・ウ・ケ……見事な……。(素の感想)
絶対これ即落ち二コマの前振りじゃん。貴方とのセックスで感じる事なんてないんだからねっ! ってフラグ建築しまくりじゃん!
ここまでフラグを建築されては即落ちさせねば無作法という物。
ノワールさんに人類の愛情表現を教えてやろうというのだよ!(二度目)
「まぁまぁノワールさん。もしノワールさんが
『そう、なのですね?』
「そうなのです。そのお礼に今リンがしてくれてるようにお返ししてくれて、お互いにお互いを想いあう事で高めあう儀式って言うか……」
「ん♡ れろ、んむっ♡」
『そうなのですね……』
「なんで、俺もノワールさんの事いっぱい愛しますから。試しに俺に体預けてもろて。緊張もあるかもですけど、一先ず俺のすることを受け止めてもらうことから始めましょ」
『わかりました。では……期待はあまりしていませんが、どうぞ』
「いただきます」
「んちゅ♡」
リンの頭をなでなでしながらリンに頭をぺろぺろされつつ、ノワールさんも誘ってとうとう人生初の3Pを本格的に始める事にした。
大丈夫だ。セックスにて俺は最強。何人もの至高の女を抱いた俺には精神的動揺や不安によるミスはない。
既にノワールさんの弱い所を勘で捉えている。
存分に気持ちよくなってもらいましょう。
「まずはキスから。ノワールさん、目を閉じて」
『ん……』
「ん」
「んっ♡」
親子丼の実食が始まった。
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【side トゥレス】
「……どういう、ことだ」
『あっれぇ!? ココでしたよねぇ150年前の魔族の本拠地って!? 座標チェック……方角ヨシ! 星の位置ヨシ!! なのになんでぇ!? どういうことぉ!?』
「ここで間違いありません、つい先日まで私もここにいたのに……」
バイク形態に
魔族領の調査。この先必ず起きるであろう魔王との決戦に際し、魔族が何を企んでいるのかを調査する必要がある。
今は闇の魔素の供給が止まり、魔族どもの動きも全く活発化しておらず、そもそも魔族が復活し始めたのもアイム曰く半年前ごろからだ。
魔族は殆ど姿を見せず、道端にいるのは魔族領に適応した魔獣程度で、それらも人類領に存在する魔獣よりレベルが高い程度。
俺とワンとアイムが走り回るのに影響はなかった。
時折強い闇の魔素の気配を感じ取れば、そこに魔族がおり、尋問も兼ねて討伐して動き回っていたのだが、中々現状の魔王軍についての有益な情報は零れてこない。
せいぜいが先日ロックのお陰で事前に防げたフォルクルスとカリーナの件くらいで、大きな成果は挙げられていなかった。
しかし、今日は違う。
周囲の魔獣の脅威をある程度除いてから、深夜に忍び込む形で魔族領にある魔王の居城に潜入する作戦であった。
かつての大戦を潜り抜き、魔王さえ討伐したワンと、二週間前まで魔王軍の将軍であったアイムがこちらにはいる。
ワンはアンドロイドだ。過去の
150年前に存在した場所から変わっていない魔王軍の本拠地に、隠蔽魔法なども仕掛けながら急接近したのだが……しかし、そこには。
「……何もない。大穴が開いているだけだ」
『こんな穴空く様な爆発が昔にあったってことですかねぇ? いやでも私が魔王倒した時はフツーにブッ殺して城から出てった後に転移魔法で人類領に帰ったんだけどなぁ……? その後に爆発オチが起きてたとか?』
「いえ……私は先日まで居城におりましたが、このような大穴が開いていることもなく、現存しておりました」
「表面の土が緩んでいないし、乾燥しきってもいない。この大穴が開いたのは最近のようだな」
そこには、大穴が開いていた。
底が見えない大穴……というわけでは無い。闇視の魔法をかけて見れば、底は確かに存在する。
半球状に、直径1キロ、深さ500mほどの穴が開いている。
地面を調べれば、つい最近空いたような地面の様子が分かった。
爆発により空けられた穴ではない、掘り出したような跡が見える。
すなわち。
「
『どっへぇ!? どんな現象ですそれ!? 150年前でも聞いた事ねぇですよそんなのー?』
「あれ程の大きさの物を浮遊させる……魔王様でもそのようなことは不可能に思えますが……」
『めっちゃでっかかったんですよー魔王の城って。中も迷宮になってて歩くのが面倒で……まぁ当時のマスターはなんか一目散に魔王への最短ルート通ってましたけど』
「ロックのような力があったのかもしれんな、150年前の命在る者は。……しかし確かに、信じがたい状況だ。それほどの大きさの物を浮遊させたか、転移させたとして……それを為すほどの闇の魔素が既に存在はしないはずだ。そんなことをした時点で闇の魔素が尽きるはず」
『ですよねー? どう考えても魔力廻せないですよねー流石にここまでの事をやらかしやがったら。どうなってんのー? 魔族が闇以外の魔素を使えるようになったんですかねー? どーなんアイムー?』
「いえ、そのような権能は私も聞いたことがありませんが……」
「……」
三つの月が夜を照らす中で、そこに深く暗い闇を広げる大穴を見下ろしつつ、俺たちはこの現象への推理を零した。
これほどの現象を起こすためにどれほどの魔力が必要になるか。王都そのものを浮遊させるような所業、どう考えても闇の魔素が足りないはずで。
だが、実際に城は消えている。事実として捉えなければならない。
調査もすぐに並行して進めるとして……しかし、一か月後に予定されていた王都軍による最終攻勢は大きく形を変えなければならないだろう予感がしていた。
何か、大きなことが起きている。かつての大戦でもなかったであろう何かが。
「……一先ず調査だ。穴の底は見えている……罠もなさそうだ。潜るぞ」
『うえぇー!? もしかしてバイク形態でここ降りるってんですかー!? これ私の視点がフロントライトあたりにあるからめっちゃ視点低くて普通に走るだけでもスリルあるのに! この闇の穴の中に飛び降りていくんですかぁ!? オフロード対応してないんですよぉ!?』
「腕でカバーする。不安なら目を閉じていろ、ワン」
『しっかたねぇなぁどーせムリって言っても行くんでしょーマスターは!! しっかりハンドル掴んでてくださいねマスターをもみじおろしにはしたくないですからねぇ! アイムも転げ落ちんなよなー落ちたら回収めんどくせーからな! マスターの腰しっかり掴んどけよな!!』
「は、はいっ!」
「行くぞ」
何はともあれ、まずは調査だ。
魔王の居城、魔王軍の本拠地に何が起きたのか、それを調べるために俺はワンのアクセルをぐるんと廻し、大穴に飛び込んでいった。