勘のいいガキはデカパイハーレムの夢をあきらめない! 作:そとみち
翌日になった。
魔王ダブレス城が王都に侵略してくるまであと4日……と、俺の勘が捉えている。
今日、明日、明後日の夜を迎えて、その翌日には恐らく最終決戦が待っているのだろう。
人類の運命を決める最終決戦が迫る中で、俺は何ができるのだろうか。
「とりあえずおっぱいで」
「朝から元気ですね、マスター……んっ♡ こっちも、よくお目覚めのようで♡」
「昨晩、あんなにも激しく愛してくださったというのに、こんなに……んんっ……♡」
ベッドで横になった俺の両側から生まれたままの肢体を押し付けてくるイレヴンとサザンカさんの大いなる実りを両腕で贅沢に揉みしだいて、真面目な方に向かおうとする俺のなんちゃってシリアス思考を吹き飛ばしてやる。
デカパイお姉さんな二人は朝から性欲に塗れた俺の頭を優しく撫でてくれたり、俺の頭(隠語)を優しくすりすりしてくれたりしてる。
二人とも朝には強いからな。イレヴンなんて眠ってないし。なのでこうして目覚めてからのアフターピロートークタイムできるの助かるわー。
そのまま一度軽く三人それぞれで気持ちよくなってから、むぎゅーっとデカパイに頭を包ませてもらいつつ、落ち着いてトークを交わす。
「……あと4日で決戦だね」
「そうですね。マスターの勘がそう感じ取っているならば、そうなのでしょう」
「いよいよでござるな。どれほどの
昨日ようやくわかったのだ。
俺が真面目に考えてもなーんもならん!!
ええねんて。いつも通りデカパイハーレムを味わって、なんかいい感じに勘が響いたらそれなりに頑張る俺で。
いつも通り心にデカパイ、体にドスケベでなんかいい感じのタイミングで奇跡を起こす切り札として動けばええ!
真剣にみんなの力になりたいと考えてはいるけど、具体的にどうするかを決めるのは俺じゃなくてええ! そういうのは頭のいい人たちに任せればええ!!
「────って俺は考えてて。なので実際に最後の戦いが始まるまでは、また情けない所一杯見せると思うけど……よろしくね」
「ようやくマスターらしくなりましたね。昨日は色々あって調子がおかしくなっていましたが……」
「その刹那的で楽観的な思考をいつでもできる所が主殿の器の広さでござるからな。不安で心が竦んでしまうよりかは何倍も好い姿勢かと思いまする」
なんで昨日俺の情けない所を見せてしまって、それを受け入れてくれた二人にもそんな俺のスタンスを明かすことに躊躇いはなかった。
遠慮する間柄じゃなくなったって事なんだよね。俺がハーレムに最も求めたかった部分だ。遠慮しながら過ごしてたら絶対どっかで軋轢産まれるだろうし。
ノインさんやリン、ティオや他女性陣皆様方に俺がハーレム作る事に対してとてもおおらかになってほしいよね! 聞いているかねネェちゃん!! 隙あらば俺と二人きりになろうとしてないかねこの呪いの指輪は!!
「ま、今日も一日頑張りましょ。まずは朝ご飯作ろっか」
「承知いたしました。ノワール殿も決戦まで顕現できる闇の魔素を魔族領で吸収していたとのことでしたから、大量に御作りしましょう」
「今日は9時から王城で最終決戦に向けた打合せがありますからね。それに備えていきましょう」
嫁さんたちとちゅっちゅと朝のキスを果たしてから、変わらない一日を過ごすために俺たちはベッドの後片付けをしてリビングに降りて行った。
※ ※ ※
朝ごはんを食べて、身嗜みを整えて、王城に集まった。
今日は王城にある会議室の中でも一番広い所で最終会議があるらしい。
俺達ロック一家(+ノワールさん)の他にも、王城からは王族のほとんどが参加しているし、ルドルフさんももちろん参加。
ケンタウリスの面々も見えるし、ヴァリスタさんもカトルもヒルデガルドさんもいるし、勿論トゥレスおじさんもワンさんもアイムもいる。
騎士団からもすごく身分高そうな甲冑を装備してるおっさんが参加してて、書記官らしい女性の方々も壁際に待機してて……勢揃いですね!!
そしてなんかすっごい場違い感すごいわね俺ね! 一応服は正装にしてあるけどさ! こういう緊張感あって厳かな空気って苦手なんですよね!!
「お兄ちゃんがまた変な顔してる」
「なんじゃい。この中で一番真剣に考えてない事を自覚しているだけやぞ」
「自覚した上で改めるって考えには一生至らねぇんだろうなぁお前は」
「私達の切り札なんだけどねぇ……こんなのでも」
「うるへー! 自分でコントロールできない力がアテにされてるプレッシャーとかあるんじゃい! なんか見た事ない可愛い装備になりやがってマイシスターめ! 似合ってんぞーうりうりー!」
「にゃあー!? 髪セットしたのにわしゃわしゃしないでぇー!? 装備は『リーゼ』で最高の軽装にしてもらったやつで……耳はやめてぇ!? 感じちゃうから!! エルフの耳って敏感なんだからぁ!?」
「グヘヘ! そう誘われたら触るしかねぇよなぁ! 触り心地いいんよなーティオの耳」
「ふっ、アんっ、ここ人前ぇ……だめぇ……っ!」
「ようやく鞘に収まったよなーお前ら。俺も胸が熱いよ」
『みゃあ』
会議前の時間に話しに来た幼馴染二人(うち一名は嫁)と他愛ない会話をしつつ、からかってきたティオの髪と耳をわしゃわしゃして心の栄養を補給する。
俺らが結婚したことはカトルには伝わっていたらしい。ティオが伝えたのかな。
なんか目にかけていた後輩がようやく婚活を終えて安心したお局様みたいな落ち着いた表情を浮かべているカトル。
ティオが俺の事を好きだったのをカトルは知ってたんだろうな……気付いてなかったのは当事者である俺だけだというね。長年やきもきさせてごめんなカトル。
お前もいい嫁さんを見つけるんやぞ。お前の周り俺以上に女が集まってんだから。
「さて……揃ったようなので、会議を始めよう。皆、席についてくれ」
俺ら以外にもケンタウリスのみんなと嫁さんたちが話してたり、ノインさんと王族が話してたり、それぞれ色んな関係でお話をしていたのだが、ディストール王の一言で騒がしかった室内が静まり、みんな席に着いた。
とうとう始まるのだ。この国の命運を決める重要な会議が。
既に眠気がすごい。(反射)
「……改めて。この度の魔王軍との戦い、とうとう相手がしびれを切らし、本拠地を動かしてこの王都に乗り込んでくるという事態になった。この事態に我ら人類軍は全霊にて抵抗し、魔王軍および魔王ダブレスを討伐し、人類の未来を勝ち取らねばならない!」
「父上の仰る通り、この戦いに全てがかかっている。これからの動きについて、我々は選択するべき最適解を構築したい。叡智と力を集結し、皆の尽力を願う!!」
ディストール王と、第一王子ウィリアム様がそれぞれ会議前にカッコいい雰囲気で宣言して、みんなそれに頷いたり腕を組んだり。
俺もまぁここで頑張らないでハーレムがおじゃんになったら嫌だからな。少なくとも俺の知ってる人間の誰にも被害が出ることなく勝ち取りてぇよ平和をさ。
つまりはこの場にいる全員を一人もかけることなく魔王軍を倒したいってことなんだけど。
「では、これから詳細に打ち合わせていこう。トゥレス殿、頼めるかな」
「ああ。俺がこれまでにやって来た調査の結果と、昨日世界中を調査してもらった全員分のレポートを配布している。それに目を通しながら、具体的な今後の動きと、最終決戦のメンバーについて選定していきたい。資料を開いてくれ」
言われるがままに手元の資料を開いた。
すっげぇ文字列の洪水デス。
小説大好きな俺ですがこういう文字列を追うのは嫌いです。目が滑る。
「……イレヴン、代わりに読んどいて」
「言われると思いましたよ」
「わたしもこれをよむのはあきらめた……」
『…………うん……』
「ノワール殿……人の使う文字は、もしやあまり読まれませぬか?」
『……はい、恥ずかしながら。聞くのと話すのは出来るのですが……読むのは慣れていなくて……』
「私が全部読んで伝えるようですね。知ってた」
「私も読んでおきますからね~こういう文書読むの得意ですからね~。ノワールさんには私が読み伝えましょう~」
なので我がロック家の頭脳担当イレヴンに読み取りの全てを任せることにした。
リンも同様の判断。ノワールさんにはノインさんが伝えてもらって、サザンカさんは読むのに苦労はしないらしい。
ケンタウリスでもアルトさんが割と首を傾げてた。親近感感じるわー。
他の人たちは問題なく読めているようで。博識ですわね。
で、イレヴンが全体を読んでまとめてくれたのが以下の通りです。
・魔王の居城は共に飛翔してる地表部分を含めて全長1.1km程度で、城自体は1km近くあるらしい。アイム情報。
・地面ごと飛んでるので、接敵の際は飛び乗る必要がある。
・これについてはリンのドラゴン形態を用いて奇襲及び接敵をかける。
・外敵に対する魔力砲撃みたいな備えも城にはあるらしいので、それを捌いたりするのは特攻チームの役割。
「そんなにデカいんかダブレスちゃんのお城……」
「150年前から変わっていなければ、あの城の中は物凄い迷宮だったはずですよ~。当時の冒険者たちも相当苦労したようで~」
・しかしそもそも魔王の城が未だに視認できていない。
・おおよその物理的位置は精査できており、俺のあと4日という勘にも沿う形。4日後の午前中には王都から10km圏内には来ているはず。
・なので朝に乗り込んでそのまま魔王と将軍ほか討伐としたいが、乗り込むときに場所を察知できていないと厳しい。
・これからも正確な位置捕捉の努力は続けるし、ダブレス城の不可視魔法を解除する手段も探っていくけど、その辺ロックに何とかしてほしい。
「頼むぜロック」
「お兄ちゃん頑張ってね!」
「ロックくんならばすぐに見つけ出してくれるであろうな!」
「ロック少年の判断に我らケンタウリスは全て従うぞ」
「指示があるならば早めに言ってくれると助かるぞ、ロック=イーリーアウス」
「みんなからの信頼がくっそ重いんですけど!!!」
・どうやら魔王城にある闇の魔素の量が奇妙なことになっている。
・昨日ブラックドラゴン親子とヒルデガルドが魔族領全体を飛び回った時点でも、以前からトゥレスおじさんが調査していた時にも、闇の魔素が通常時を超える濃い量で漂っていた。
・逆におかしい。魔族たちが闇の魔素を使っていればもっと闇の魔素が減っているはず。
・なのに残ってて、全部リンとノワールさんが回収してきたのだが、じゃあ今空に浮かんでるダブレス城はどんな動力で浮いて動いているのか?
・不明なので推測するしかない。色んなケースを想定して動かざるを得ない。
「ぜったい、やみのまそがもっとへっているはずなの。しろをうかせるなんてとほうもないまりょくりょうのはず……やみのまりょくしかつかえないまぞくが、やみのまそをつかわないでしろをとばせたりゆうがわからない」
『魔王か、もしくはこのような搦手を使うのはフォルクルスでしょうね。何をしたのかは、魔族の生態を知る我らブラックドラゴンでも答えは出ない。気を付けてくださいね、あなた』
「フォルクルスがする程度のことなら何とでもしたりますわ」
・魔王城への突入は、レベル200の上限を限界突破しているメンバーで、かつ手の内が分かり合えている者たちがいい。
・つまり俺らロック一行、ケンタウリス、ヴァリスタカトルヒルデガルドが主要な突入メンバー。
・トゥレスおじさんは遊撃隊。魔王城にリンが乗り込めればトゥレスおじさんもアイムもワンさんもいつでも乗り込めるらしい。
「……どーやって乗り込むんすか、トゥレスおじさんは?」
「魔王軍の将軍は部下を呼び出す転移魔法を使えるのは知っているだろう。アイムにそれを披露させて俺も覚えた。見知った者の元へ転移することが出来るし、ワンもアイムも呼び出すことが出来る。お前たちが無事に乗り込めればそれを使う予定だ」
「万能すぎんか」
「アイム自身は転移魔法で魔王城に戻る事は出来ないのですか? それで潜入調査をさせるとか、もしくはヴィネアを呼び出して先に潰したりなどは……」
「あの魔法は本来は城の中でしか使えません。術式を解析してどこでも使えるようにしたトゥレス様の叡智には畏敬を抱かざるをえません……」
「うちの旦那さいきょーだからなー! どやーっ!!」
はい。
まだ会議は続くけどこの辺でいったん休憩ね。