勘のいいガキはデカパイハーレムの夢をあきらめない! 作:そとみち
「ごちそうさんでした! 今日も美味かったァ……!」
「お粗末さまで御座います。洗い物と片付けは手伝っていただけるかな、主殿」
「モチのロンです。んじゃ俺とサザンカさんで片付けて、風呂の準備は……」
今日もとっても美味しい食事を頂けました。
俺抜きの夕飯作りだったが、サザンカさんがいるので心配いらなかったですね。
ヒルデガルドさんの分も含めて65人前。
ドラゴニュート三人がだいたい20人前ずつ食べるので、残りを俺とノインさんとイレヴンとサザンカさんで頂いた。
しかし、いつの間にか俺んちのメシ事情がとんでもない事になってるよね。主に分量。
多人数料理もお手の物なサザンカさんがいてくれて本当に感謝しかない。俺一人だと流石に弱音が零れていたかもしれん。
当然ながら多人数分の料理を作るのは広いキッチンが必要なのだが、いつの間にかノインさんの建築魔法で俺の知らない間にキッチンが広くなったり部屋の数が増えていたりする。
まぁええやろ。俺の家だし。タダで家が大きくなって有難いの極みだし。
じーさんも俺が楽しく日々を過ごせてれば多少魔改造しても文句は言わんやろ。
「あ、それじゃあおふろはわたしがいれるね。きょうはヒルデとおとーさんでいっしょにはいろ!」
「ん。そっか、そんじゃ頼むなリン。洗い物が終わったらヒルデガルドさんの部屋は客間に準備しておくから」
「……待て。私はまだ泊まるとは一言も……」
『人の好意は受け取るものですよ、ヒルデガルド。私の目から見ても、まだ肉体に刻まれているダメージは残っている。貴女には休息が必要です。この家は外敵の心配がない、落ち着ける所です。迫る最終決戦に向けて、しっかり休みなさい』
「……ノワールにまで言われると、弱いな。分かった、ここまで世話になり馳走になった身だ。恥を捨てて今日は休ませてもらおう」
「元からそのつもりっすよー」
そんで夕飯後の当番を決める段になり、俺とサザンカさんでお片付けが決定し、お風呂はリンが自ら入れると言い出した。
ドラゴニュート3人でお風呂に入るのだとか。それは実にデカパイな夢が溢れる話だ。
ヒルデガルドさんはちょっと遠慮してたけど、ノワールさんが言う通り、まだヒルデガルドさんの体は疲れがたまっている。
まだ昼寝をしてマッサージされて腹いっぱい飯を食った程度だしね。そりゃあ疲れは取れ切ってないでしょうよ。
この後じっくりお風呂に入って芯から温まり、ぐっすり朝まで眠ってもらう事でようやく快復と言ったところか。
王城にいてもどうせまた仕事が頭によぎるだろうし。今日はもう俺の家から帰すつもりはないよヒルデガルドさんを。
風呂上がりのアイスも準備しておいてやるかねー。寝る前に歯磨きはしような!
さて、早速俺とサザンカさんは広くなった台所で大量の皿を洗い、リンたちはお風呂場に移動していった。
皿を洗いつつ、リビングで食後のお茶を味わっているイレヴンとノインさんに声をかける。
「そういや俺がヒルデガルドさんを連れてった後、闘技場どうだった? なんかおかしなことあった?」
「いえ、特段何か報告が必要な事は起きていません。それぞれがレベリングに努めて……とはいえ、もう大きな成果が出るような状態でもなくなってきましたが」
「私もレベル300の再々上限に達して~、これでイレヴンさん、サザンカさん、リンちゃん、私……あとカトルくんとティオちゃんはみんなレベル300ですね。他の突入組も250以上にはなっています」
「俺以外みんなすごい事になってんな……」
「どちらかと言えばレベル12でそのメンバーに入っていてかつ最重要視されている主殿が何よりも異様なのではござらぬか?」
「んなこたないわよー」
『みゃ……』
みんなのレベリングはどうやらかなり順調みたいですね。
200の壁を超えたのが10日前とかそんくらいの頃だったような気もするけど……知らない間にすごーく強くなっていた。
やはり魔王軍などもはや相手にならないのでは??
前にレベル200のフォルクルスに相対したときに、サザンカさんが同じレベルの200で、そん時は隼断を二発堪えられていたけど……その前後にみんなの必殺技でボコしてもしぶとくフォルクルスは生きていたけど……でもまぁ、それだって何とかなった。
闇の魔素で強化した状態じゃなければ、同レベル帯なら数人がかりでかかれば相当な優位を取れる。
つまり……俺はいらないのでは??(結論)
まぁ俺が決戦に参加しない……なんてのはありえないけどね。
ヒルデガルドさんと約束してるもんね。ニーズヘッグの件だけは何とかすると。
正直な話、俺を狙ってる男が二人いる時点でオゲーッってなる所はあるけど、それはそれとしてニーズヘッグにはわからせしてやらねばならないから……。
あとヴィネアとかカリーナとか、ドラゴニュートの幹部二人もデカパイだし最終的に俺の女にしてやりたい所はあるから。
ダブレスちゃんとも愛で分かり合えたら言う事ないしね。
頑張りましょ。
「ウム! 片付けおしまい!」
「お疲れさまでした主殿。お茶を淹れ申した、ゆっくりしましょう」
「うん」
後片付けを終えて、緑茶を飲みながら嫁さんたちと他愛のない話をしながらのんびりと過ごすのだった。
※ ※ ※
さて時間も経ち、夜も更けてきたころ。
みんなでお風呂上がりのアイスを満喫し、それぞれが自分の部屋に戻って行って、俺もミャウと共に自室に一度戻っている。
無論の事だが、俺の夜は終わらない。むしろ始まる。
ここから先は大人のお時間です。
「決戦まであと3日……」
『みゃ』
「最終日はミャウと寝るから嫁さんたちを抱けるのはあと2日……!! 今宵は誰と愛を育むかなァ!!」
『みゃ。みゃぁ……みゃみゃ……?』
夜の御伽を奏でねぇとなァ!!
俺の欲望を受け止めてくれる嫁さんたちと、嫁さんたちの欲求不満を満たす俺。
そんな理想的な関係でありたいと常に思っているハーレムの主たる俺は、毎日誰かと愛を交わし合うことが義務付けられているわけですね。
決戦前日は流石に翌日に影響出るかもなので遠慮するけどね。今日と明日までは抱きますわよそりゃ。
昨日はノインさんとティオで、その前の日はイレヴンとサザンカさんで2on1で勝利した実績を持つ俺。
今日は改めてデカパイドラゴン親子丼の再注文としてもよいのではないか?
ノワールさんも魔族領の闇の魔素を吸収して決戦が終わるくらいまでは問題なく顕現化出来るようになって、それ以来リンの部屋で寝るようになって親子の語らいを存分にしている様だし……そこに俺がお邪魔して親子の語らいを子作りの講義にしてしまってもよいのではないか??
闇の魔素を統べるドラゴンに人の営みの神聖さをより深く学んでもらう事も人類代表たる俺の使命ではないか?
そうだ。そうに違いない。
「ヨシ! 今夜はリンとノワールさんに決定! そんじゃ行ってくるぜミャウ!」
『んみゃ』
期待に胸とか色んな個所を膨らませながら、ウキウキとした足取りでベッドを飛び出して自室のドアノブに手を伸ばす。
よいしょーっと元気よくドアノブを握ろうとした手は、その直前に部屋の外にいた誰かがタイミングよく扉を開けたせいで、見事に空を切った。
「のわーっ!?」
「おおっ!?」
その勢いのまま前にスッ転びそうになって、しかし俺の顔面が柔らかなる感触に包まれて転倒を免れた。
この膨らみ……弾力……瑞々しさ……そして人間よりも高い体温!
間違いなくヒルデガルドさんですね!(乳ソムリエ)
「……ヒルデガルドさん? 夜分にどしたの?」
「お前はどうして私が扉を開けるたびに奇妙な邂逅を果たすのだ? まぁいいが……一先ず部屋に入れてくれ」
「アッハイ」
当然断る理由も無く、俺の部屋にヒルデガルドさんを招く。
後ろ手に扉の鍵を閉めたのなんでか聞いてもいいですかね??
あとナチュラルにベッドに座りましたね?? 誘ってんの???
「で……どうしたんスか? またマッサージ希望だったり?」
「いや、マッサージではなく……何と言えばいいかな……その……」
「なんすか? 遠慮しないでいいすよ?」
「うむ……いや、お前には真っすぐ伝えなければダメ、だものな……」
ベッドに座って上目遣いに俺の顔を見て、妙に頬を紅色に染めるヒルデガルドさん。可愛い。
何すかマジで。そんなしおらしい態度を取られると俺も勘違いし始めますよ! エッチですよ今のヒルデガルドさん!!
「……夜這いに来た」
「ホエッ……なんて?」
「ッ……だから、夜這いに来た、と言ったのだ! ……お前に、抱かれに来た」
「……疲れてます?」
「私が勇気を振り絞って零した言葉くらいは受け止めろ! バカ!」
「すんません……」
『みゃ……みゃっみゃっ』
したらホントに抱かれに来たって言うね!
えっだいぶ動揺が強いですよ今の俺! ヒルデガルドさんとはホエール山脈で果たした俺の卑劣な約束による一夜限りの気紛れだと思ってたんですけどね!?
そんな顔真っ赤にするくらい……えっちょっとすごい今俺ドキドキし始めてる!
高位な存在でいつも凛々しくお姉さんしてるヒルデガルドさんに求められると! 嬉しいって言うか!
そしてヒルデガルドさんの告白を受けてミャウが窓からログアウトしていったね! 尻尾で器用に窓を閉めてったねいつも気遣いありがとね!!
「……お前に」
「ん……」
「前に、ホテルで抱かれたときの事を……実は、余りよく覚えていないのだ。激しくされて、気持ち良すぎて何度も気を飛ばした事だけしか覚えていない。お前が沈んでいた私の気持ちを整理させるためにああしたことは分かっているが、以前のそれは私が望む様なものではなかった。私も投げやりにお前に体を許してしまった」
「……あー、まぁ、なんというか……俺もちょっと約束持ち掛けたのズルかったっすもんね」
「お前を咎めるつもりではない。けど……今日、お前と昼に話してから……改めて、お前に抱かれたいと思うようになった。前のように激しく乱暴に、ではなくて……その、こ、恋人にするように……甘く、蕩けるように、抱いてもらえたら……私の精神的な疲労も、癒されるのではないか、と……」
「…………」
「…………頼めない、だろうか」
さて、そうしてヒルデガルドさんの真意が口から零れてみれば、どうにも彼女は以前の俺との夜をあまり良い思い出に出来ていない様子であった。
確かにあの時俺もヒルデガルドさんの頭を真っ白にすることしか考えてなかったしな。
その時のリベンジという意味でも、あと癒してほしいって意味でも、俺にもう一度抱かれたいと。ちょうどよく今夜がタイミングがよかったと。そう言う事なのだろう。
ふむ。話は理解。
俺ももちろん吝かではない。ヒルデガルドさんのような絶世のデカパイ美女にらぶらぶえっちをおねだりされてNOと言える男がいるだろうか。いやいない。
OKなんだけど……でも、それをこう、ヒルデガルドさんの緊張も込みでだけど、そんな固くお願いされてから始めたら勿体ないよね。
ヒルデガルドさんの望みは恋人のように甘く蕩ける交わりだ。
その願い、俺が果たそう。
「ヒルデガルドさん」
「なん────っ♡ んっ……♡」
本日何度目かの、不意打ち気味のキス。
幾たびも味わったドラゴニュートの唇に、おずおずと差し出される舌を絡めとりつつも、改めて俺の中で確信が深まる。
ヒルデガルドさんは、多分こういう濃厚な肉体的接触の経験が乏しい。
その上で、抱きしめあいながら愛を囁く様な情事を心が求めている。性癖として抱えている。
それを勘で捉えたからこそ、俺は彼女の望むがままに心を満たす。
絡めていた舌を離し、至近距離で見つめ合いながら、嘘偽りない本音を伝える。
「愛してます」
「……っ♡」
「大好き。俺の女になってほしい。ニーズヘッグも必ず助けて、姉妹三人で幸せになってほしいし……その上で、ヒルデガルドさんの心をずっと俺のものにしたい」
「っ……う……♡」
「だから、ヒルデガルドさんも聞かせてください。俺の事、どう思ってますか」
「あ……っ♡」
耳元で愛を囁きながら、そっとベッドにヒルデガルドさんの体を押し倒す。
抵抗せずにそれに身を任せ、シーツの上に横たわったドラゴニュートの体は、徐々に眩しい肌色の面積が増えていった。
竜鱗を収納しているのだ。
リンやノワールさんもだが、ドラゴニュートは腕回りや足回り、逆鱗のある首元などが、属性に応じた色の竜鱗で覆われている。
鱗で覆う肌の面積は本人の意志で決められて、ヒルデガルドさんは竜鱗以外は何も身に纏わずに外を歩いていることからも分かる通り、胸や下腹部の肝心な所を覆う形で鱗を表出していた。
そんな竜鱗を、俺というオスの前で自らさらけ出す、蕩けた表情のヒルデガルドさんが目の前にいる。
唆られてしまう。
「────す……好き、に、なってしまった……♡」
ヒルデガルドさんの返事を引き金にして、優しく、そして激しく愛を交わし合った。