勘のいいガキはデカパイハーレムの夢をあきらめない! 作:そとみち
朝。
「んー……よく寝た!」
「すぅ……すぅ……♡」
清々しい目覚めを味わう俺と、隣で幸せそうな表情で眠るヒルデガルドさんがいた。
昨晩はお楽しみでしたね。
ご要望のらぶらぶちゅっちゅな夜伽を、それはもう満喫してもらいましたよヒルデガルドさんに。
いつも嫁さんたちとするような、とにかく最高の高みに達させるために俺が全力で愛しまくるそれではなく、お互いにしっとりと満足感を器に満たすようなスローセックスに努めたというか。
愛を伝える言葉がいっぱい種類があるのってこんな時の為だったんだなってくらい、お互いに愛を囁きまくって、抱きしめあいながらじっとり共に昇っていく楽しみを見い出せたというか。
達した回数は普段嫁さん達とやるそれよりも随分と少なかったんだけど、精神的充足がすごかった。
疲れ果てて気絶するように眠るってんじゃなくて、お互いの熱をしっとり感じながら安眠を迎え入れる様な……そんな感じで寝ましたね。
新たな知見を得たな。夜のレベリングは大変順調です。
「だが俺のきかん坊は未だに満ち足りないらしい」
「んみゅ……ん、ロック……?」
はい。
そんなこんなで起きた俺がまず気付いたのは下半身の膨張と硬直。
精神的に満足したけど肉体的な満足が少なかったせいか今日は朝から元気だなお前な!
ううむ……レベリングしすぎてなんか最近俺の息子が元気すぎる気がする。
かつてはサザンカさんに絞り殺されそうになった経験もあるが、次戦となったイレヴンとサザンカさんとの濃厚接触では割と楽勝で勝ったしな。
コツを掴むのは昔から早かった自信があるけどこっちまでコツを掴むの早くなくてもいいんだがなぁ。じっくり楽しみたいじゃん。
うーん……と俺が首をひねっていると、俺の腕枕が動いたのを察したのか、ヒルデガルドさんの瞼がゆっくりと開き始めた。
起こしちったかな。
「……おはよう、ロック♡」
「おはよーさんです、ヒルデガルドさん」
「ん♡」
朝の挨拶を交わしたところで、ヒルデガルドさんからしっとりとした朝のキスを捧げられた。
堕ちたな。(確信)
まぁ昨日あれだけ密着しながら密接な密事を交わしたからな。三密だよ三密。
最後のほう完全にヒルデガルドさんの目にハートマーク浮かんでたもんな。
リンやノワールさんもそういうところあるよね。めっちゃ行為には積極的というか。
ドラゴニュートって普段他人と接する機会が薄い種族だし、その分愛が深いのかもしれん。これはニーズヘッグやその娘二人も期待が出来ますよ。
「ロック……好きだ。昨晩お前にささめかれた言葉に、一つも嘘はなかった……お前の深い愛の言葉の、甘美な毒に犯された。心の底から、お前を愛してしまった……」
「嘘をつけない人生送ってますので。俺も大好きですよヒルデガルドさん」
「ああ……迷いは晴れた。私はお前についていくよ、ロック。お前がきっと、私の望みを叶えてくれる……そう信じる」
「任せて下さいよ。大船に乗った気分でいてもろて」
「もし万が一約束を違え、お前が命を落とすようなことがあれば、私も他の女たちと共に後を追おう。お前が死ぬまでの私の人生を、お前に捧げる」
「急にクソ重感情ぶつけてくるじゃん」
急に重力がすごいな! 重力修行かな!!
ドラゴニュートに共通する癖の一つをまた見つけちまったな! 愛が深くて重いんだよな!
そういう所すっごいなんて言うか……希少種って感じがしますね!
そういやエルフもみんな愛が重いな俺が知る限りな! 俺の周り愛が重い女ばっかりだな!!
「あっ……す、すまない。その、感情が重い女は、嫌いか……?」
しかし俺のストレートな感想でヒルデガルドさんの表情が曇ってしまった。
ごめんて。重い女って感じたのは本音であって嘘とかごまかしをするつもりはないんだけどね。
でもねヒルデガルドさん。
「重い女いいよね……」
「ええ……?」
いい……。(例のシーン)
プロは多く語らない。
重い女、
「いやまぁ最近俺の性癖も進化しまして。俺の周りになぜか重い女ばっかり集まるんで割と慣れたって言うか。
「っ……~~~!!」
述べた通り、愛が重いくらいで俺に嫌われると思うなよ!!
美人で愛が重い女とか味わい深くていいよねって最近は思うようになってきたよ俺も!
だって俺の周りみんな愛が重い嫁さんばっかりなんだもん。そりゃ好きにもなるわい。
俺の性癖はウナギのように柔軟で海のように広いのだ! 怯えろ魔族!
なんでそれを素直にヒルデガルドさんに伝えたところ、俺の言葉に一切の嘘がない事が分かった様で、じわりと涙を瞳ににじませて、言葉を探すように口元をもごもごさせて、しかし言葉にならなかったようで、想いをそのまま、俺を抱きしめるという行為で伝えられた。
デカパイ感謝。ヒルデガルドさんは体温高いから寝起きにぎゅっとされると温かくて気持ちいいな!
「ロック……! 好きだ、大好きだ……! 私も、私の事も愛してくれ! お前の愛で、私を満たしてくれ! 安心させてくれ……!」
「勿論愛してますよ。なんで落ち着いてもろて……あっ駄目だこれアフタートークの勢いですね!」
そのままヒルデガルドさんが俺を押し倒してきたので俺はその愛を受け入れる事にしました。(観念)
結局感情を昂らせたヒルデガルドさんが落ち着くまで、じっくり2回くらい満足させてやってから、ようやく元の落ち着きを取り戻したヒルデガルドさんと共にリビングに降りていった。
「おはようございます、主殿。ヒルデガルド殿も」
「おはよーさんです! 朝飯作るの手伝いますよー」
「うむ……おはよう。すまないな、
まだサザンカさんが料理の準備を始めたくらいの時間だったので、ヒルデガルドさんとも一緒に朝食の準備にとりかかる。
ヒルデガルドさんは料理はほとんど経験がなかったようで、おっかなびっくり包丁を扱う姿にほっこりしました。ほっこり。
※ ※ ※
朝食も食べ終えて、女性陣の身嗜みも終えて、みんなでリビングに集まった。
ヒルデガルドさんも一緒だ。リンたちと一緒に髪を整えたのだろう。今日はちょっとツヤが増している気がする。完全回復したようだ。
今日の朝食も効いたかもね。朝から牡蠣とキノコのクリームシチューと山芋オクラ芋餅がセットで精のつく料理が並んでたからね。
まぁそれは置いといて。
「さて……決戦まであと二日なわけですが。今日の予定はどんなもんでしょ」
今日の予定を確認するお時間ですわよ。
毎朝一先ずこうしてみんなで顔を突き合わせて、お茶やコーヒーを飲みながら今日の動きについて確認する習慣がついていた。
サザンカさんが来たころくらいから始まった習慣ですね。誰が何をしているのか把握するのは円満な家庭生活の為にとても大切。
「あ、それじゃあ昨日の闘技場でも話題に上がった件を、私から~」
「ん。ノインさん」
とはいえ俺たちは決戦に向けてやる事は決まってるし、今日も闘技場レベリングかな……と思っていると、ノインさんが挙手して声を上げた。
なんやろ、王女様だし前みたいに王城で用事でもあるのかな……と思って話を伺う。
「いやですね~、実は昨日ヒルデガルドさんが過労で倒れてロックくんに運ばれた後に、ケンタウリスの皆さんやヴァリスタさんとお話したんですよね~。私達も肝心な時に倒れないように、決戦前にしっかり休むべきではないか、と~」
「う……すまん、私は確かに無茶をして、皆に迷惑をかけた……」
「ヒルデガルドさんは全然責めてないしむしろこうして快復出来る程度でよかったからね! そんな自分を責めないでもろて!! ……でもなるほどなぁ。確かに……そこまでガッツリ朝から晩まで特訓! ってわけでもないけど、みんな結構連日働いてたもんなぁ」
「マスターの仰る通り、私たち魔王城突入組のメンバーは、以前のローティリッチのホテルで休んで以来、しっかりとした休みを取っていないのです。午前か午後のどちらかは訓練に費やし、それ以外の時間も決戦に備えておりましたから」
「ダブレスのおしろをさがすために、せかいじゅうとびまわったりもしたしね」
「疲労が溜まっていると感じる方もいらっしゃるでしょうな。自覚がなくとも、気付かぬうちに溜まるのが疲労というモノでござる。そして、肝心な時にそれは強く表れる」
『顕現化した姿である私はともかく、ドラゴニュートも疲れれば出力は落ちます。人の身であればなおの事』
「無限の頷き」
そしてノインさんから続き、みんなもおおむね同意を零すその内容は、一旦しっかり休もうという事で。
確かになー。思えばローティリッチのカジノやホテルでじっくり休養してからこのかた、俺らは休みなく動いていた。
魔王城の探索やら毎日の訓練やらで結構な運動してたし、疲労は溜まっているだろう。夜は休んでいたとはいえ、毎日日中働いていれば疲れるのが人間というモノだ。
その配分を間違えて倒れてしまったのがヒルデガルドさんなわけで、俺たちも無意識のうちに溜めてしまった疲労があって、それが決戦の場で出てしまうのは大変良くない。
ふむふむ。なるほど。
ノインさんの、そしてみんなの言いたいことも完全に理解した。なるほどね。
「明日になれば、もしかすれば魔王城の接近が早まったり、他にも何が起きるかわからないっすもんね。直近の日に休むのは危険だから、決戦の前々日である今日を休みの日にしようと」
「そういうことですね~。勿論今日という日に何かが起きるかも……という可能性も捨てきれませんけど、明日よりはリスクが低いです~。今日の時点ならまだ、避難してなくて営業してるお店とかもあって、街中を廻ったりとかもできますし~。……それにね~、今日の方がいい理由がもう一つあって~」
「それは?」
俺の予想にみんなもうんうんと頷いて同意を返してくれる。
そう言う事なら俺も全く文句なしですわね。なんなら訓練に参加してない分俺だけはマジで疲労の欠片も溜まっていない状態なわけで。文句なんて言ったら怒られるわ。
しかしノインさん曰く更なる理由があるという事で。なんやろ。
「……聞いたら、都立図書館とその前のお店のカフェは今日までしか経営してないんですよね~。明日には従業員が避難するという事で~」
「やはり図書館か……いつ出発する? 俺も同行する」
「ロック院~!」
例のポーズを決めて図書館への同行を決意した。(例のシーン)
そういう事なら今日しかないわ! そういえば俺も心のオアシスたる図書館に最後に行ったのいつだったっけなってくらいご無沙汰してたわ!
異世界転生チートさんならこんなご時世でもいっぱい続編を書き上げてくれているだろう。
その物語を読む満足感を胸に魔王に挑めば勝利は揺るぎないものとなるだろう。
行くしかない。図書館へ。
「それじゃあ今日は一日お休み! みんな気ままに休んでもらってOK! 飯屋を巡ったり温泉行ったり好きにしてくれよな! 門限は一応夕方くらいまでとします!」
「了解です。私はマスターについていきますが……」
「ヒルデ! ごはんたべよ、ごはん! ギルドと、おうさまのところと、たべほうだいのおみせにいきたい!!」
「ああ、そうだな……食べようか。ノワールもどうだ」
『そうですね、人の世の食べ物を満喫させてもらいます』
「拙者は……自宅に待機とさせていただきまする。武具の整備や、料理の作り置きなどしながら皆の帰りを待とうかと」
「サザンカさんが迷子になったら俺が探しに行くんで、好きに出かけてもらってもいいですからね。よし、それじゃ……」
それぞれの予定も簡単に確認し、リンにも保護者が2名つくことが確認できたので安心。
では早速、決戦前の最後の休日を満喫しに────。
「行くぞ!」
「お~!」
「わー!」
『これはどのような儀式なのです?』
「なんでマスターとノインとリンとノワールで並んで謎のポーズを?」
「例の本の影響なのでござろうなぁ」
「随分と染まったなリンは……」
例のポーズで四人並んでビシッと決めて、図書館に向けて出発した。