勘のいいガキはデカパイハーレムの夢をあきらめない!   作:そとみち

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24 禁断のサービスシーン“二度打ち”

 

 そんなわけでやってまいりましたわよ湖のダンジョン。

 

「ロック……アンタ前に行きなさいよ」

「なして。戦闘力からっきしなんですから後衛がベストポジションじゃないっすかアルトさん」

「アタシのお尻に視線感じるのよさっきから! キモいのよ!!」

「ロックはキモい……?」

「リンの語彙がどんどん望まない方向に増えていく」

『みゃあ』

 

 まぁメンバーとしては十分すぎる戦力が整っている。

 まず団長のメルセデスさんと副団長のマルカートさんが金級冒険者だ。アーチャーとソーサラーでそれぞれ遠近両方対応できる。マルカートさんは支援魔法もかけられる。この二人は中衛。

 そして前衛にイレヴンとティオとアルトさんとシミレさん。イレヴン以外は銀級だが、ティオの実力は勿論の事、ランサーとしての突破力とタンク役ならアルトさんもピカ一、シミレさんもアサシンとしてのダガーの腕前はティオと並ぶ。まぁティオはそこに加えて回復も魔法も行けるから万能だけど。

 そして後衛には俺とソプラノさんとリンとミャウだ。ソプラノさんが僧侶として回復系魔法を一通り収めているので治療はお任せ。俺が後ろからの奇襲は全部感知できるしな。

 リンは前に出過ぎないように俺が監督です。目を離せないともいう。迷子になったらマジでヤバいしな。そん時は俺が勘フル回転して探し出すけど。

 リンだってブレスという名の遠距離攻撃を放てるし、実はパーティ内の火力って意味じゃイレヴンやメルセデスさんに並ぶレベルだ。後ろも問題ないやろ。

 

 うん。

 超☆戦力過剰。

 セントクレアちゃん曰く、別にティオ一人で攻略しなくてもいいっていうか既にティオは素質十分だからパーティでボス攻略していいって言ってたけど、それにしたって豪華すぎるメンバーである。

 

「ギルドで頂いたマップを見るに、まだ細部の探索は行われていないようですね。5階層までが通常の洞窟系ダンジョンのようで、6階層以下は水場も多いようです。潜って進むルートも散見されます」

「水中呼吸の魔法は私とソプラノさんが覚えてるからなんとかなるけど……でも全身濡れるのやだなぁ」

「ロックくんがいますからね……」

「失礼な。ガチの場面じゃ流石に俺も性欲抑えますって」

「少年の中では精霊との謁見はガチの場面ではなかったのだな……」

「…………ん」

「む」

『みゃあ!』

 

 マルカートさんがギルドで購入したダンジョンマップもあるのでかなりサクサク進めている。

 道中に出てくる魔物については、今シミレさんと俺とミャウが感知した通り、索敵が先にくるので奇襲でやられることはない。

 今歩いてる3階層は洞窟の迷宮タイプのダンジョンで、王都近くの初心者向けのダンジョンとも近い、レンガブロックが並ぶ通路を歩いており、道も多岐に分かれ……そして奇襲されるルートも多数あるっちゃあるけれど。

 

「…………10時方向からコウモリの羽音。1時方向からは豚の匂い……構えろ。来るぞ」

「空中の敵はティオとシミレに任せたわ。アタシはイレヴンと一時の方向に備える!」

「了解!」

「後ろからも足音来てる。メルセデスさん頼みます!」

「任された」

「ロック、わたしもやっていい?」

「あー……一発までな」

 

 戦力過剰な今の状況で負けることはない。

 簡単な指示を終えた直後に飛び出してきたジャイアントバットとオークの群れはシミレさんとティオのスローイングダガー、およびイレヴンとアルトさんのチャージアタックで瞬殺された。

 後方から挟み撃ちにせんと迫って来たダークワーグ共はメルセデスさんが一瞬で放った無数の矢に貫かれ、さらに。

 

「すぅー………ッガァァァ────ッッ!!!」

 

 リンが大きく息を吸い込み、そして吐き出す炎のブレス……いや、もうレーザーみたいな高出力の炎の帯に燃やし溶かされ、跡形もなく塵になった。

 その向こうの壁まで貫通しておる。やっぱし怖いスねリンの力は。

 

「わぁすっごい。ルール無用ですねリンちゃん……」

「マスターがリンと喧嘩して勝ったというのが未だに信じがたいのですが」

「リンはこれ連発はできないからな。あんときゃ死ぬ気で避けまくったわマジで」

「ふぅー……。これ、まだロックにあてられたことないの。くやしい!」

「だからって俺の方を今向かんでもろて。こら狙うなやめろォ!」

『みゃっ!?』

 

 まだ気を張るレベルの魔獣も出て来てないし緩んでるのかもしれないけどここで俺を標的にしないでくだち! ミャウもいるんだぞこちとら! カウンターするぞこんにゃろ!!

 と、まぁ順調に俺達のダンジョン攻略は進んでいた。このメンバーで順調にいかなかったらそれはどれだけヤバいダンジョンかって話になるしね。

 湖の精霊セントクレアちゃんが教えてくれたダンジョンの最下層は18階。そこまで一気に辿り着くためにも手間はかけていられないのだ。

 なのでやはりここで輝くのは俺の勘である。

 

「────ん。その分かれ道、左に行きましょ。そっちの方が早いと思う」

「む……マルカート?」

「マップには右側への経路しか記録がありません。確かに右側に進んでから下層に下る階段への経路は少々迂遠ですが……左側は行き止まりしかないと書かれていますが」

「団長、私はロックの勘を信じたほうがいいと思います。ダンジョンで……ロックの勘が外れる事ってほとんどないから。あるとすればその先に女性型の魔獣がいる時くらいで」

「マスターの肩を持つわけではないですが、私も同意です。マスターの勘の鋭さはメルセデスも眼にしているでしょう?」

「……団長に判断は任せるわ」

「私もです」

「…………右に同じ」

「ふむ。……ロック少年の言う通りにしてみるか。今は余裕があるしな、では左だ」

 

 メルセデスさんに一度俺の勘の冴えを見せられてたのが良かった。今回の冒険ではちゃんと俺の話聞いてくれる。超助かるわー。

 さてそうして左に進路を切り、少し進むとマップの通り三差路があってその先全部行き止まりに見えるが、そのうち一本が伸びてる小部屋に用があった。

 

「さーてさてうへへのへ……絶対なんかあるわこの部屋。下手に入らないでくださいねっと。おっじゃまー!」

「ロックがはいってっちゃった。わたしも……」

「リン、こういう小部屋は罠がある事が多いのです。マスターに任せましょう」

「部屋の前の壁になんか書いてあるわよ。謎解きかしら……」

「えーと……『心暗き者が見るは闇の誘い、空を仰ぎし者が味わうは……』」

 

 みんなを一度小部屋の前に待機させて俺はその小部屋に侵入。

 まず入り口の足元に罠ね。あいさつ代わりに解除して。んで入って行けばワイヤー張られてるからこれも解除して。あと大きな罠は3人くらい部屋に入ったら吊り天井落ちてくる仕掛けがあるけど壁の一部のレンガくりぬいて中の仕掛け弄れば止められるって言うね。ちょろいわー。

 んで全部の罠を解除してから、正面の壁のレンガに見せかけたボタンを勘でちょい、ちょい、ぽちーと。

 はい隠し通路発見。多分4階層くらいショートカットできると思いますね。

 

「『……そして心を共にする友が多いほど死神は笑い……』……いや読み終わる前に罠全部解除しないでくださいロックくん」

「軽くドン引きなんだけど」

「……確かに、よくあるタイプの罠ではあります。部屋に入った直後の足元、そしてそれに気を取られればワイヤー、それまで見つけて安心したところに重量感知系の罠……しかし、最短経路でそれを躊躇いなく解除できるものなのですか? さらにその先の隠し通路まで……?」

「うんうん、流石のロック。こいつはこういうやつです」

「いつもこうでしたねマスターは」

「……すごいな。成程、これがロック少年か」

 

 ようやく俺の真価を見せつけられたってやつだよなァ!!

 じーさん……あの世で見てるか……!! 俺はとうとうアンタに鍛えられた勘でハーレムの第一歩を踏み出したぜ……!!

 つってもまだまだこれからなんすけどね。これで多分相当階層ショートカットできそうだけど、5階層より下は水中を進むこともあるって話だし。早めに水中呼吸の魔法かけておいてもらいましょ。

 

「ってなわけで水中呼吸の魔法お願いします。泳ぎは……あれ、リンとイレヴン泳げる?」

「む! だいじょうぶだもん! はねとしっぽでぶんぶんおよぐもん!」

「私はそもそも呼吸不要なので水中でも活動できますし、泳ぎも特段問題はありません」

「そっか。リンだけはちょっと心配だわ。そういやケンタウリスの皆さんは……」

「問題ない。カナヅチでも私が引っ張っていくからな。私自身も魔力を操作して水中でも走れる」

「私、ちょっとだけ自信ないです……」

「ソプラノは団長に乗っていけばいいわ。アタシは問題なし……ってかミャウはどうすんのよ!? その子こそヤバいでしょ!?」

「ところがどっこい。こいつはお風呂大好きなキャッツなので泳ぎも大丈夫キャッツ!」

『みゃあ!』

「マジ……?」

 

 隠し通路を進みつつ、イレヴンを除く全員に水中呼吸の魔法をかけていく。

 リンだけがどうなるかはちょっと心配だが本人は泳げると豪語していた。

 物理的に行けるのか? ってちょっと気にしてたメルセデスさんも問題ないらしい。セントールってすげー。

 そしてアルトさんが気にしてたミャウだけどこいつはお風呂大好き猫だから大丈夫やろ。今もやる気に満ち溢れてるし。

 

「…………水中で、魔物に襲われた時は、どうする」

 

 しかしそこでシミレさんが問題提起。

 確かにな。泳いでいる最中というのは基本的に人類は無防備だ。そこに魚型のモンスターとかが来て全滅、なんてケースはよくある話。

 だが……俺たちは違う!(ギュッ)

 

「私が水中でも魔法で攻撃できるよ。水魔法得意だし!」

「わたくしもお力になれるでしょう。一通り水中で使える攻撃魔法も修めております」

「私も水中での機動力には自信があります。よほどの速度でなければ腕をスクリューにして動き回れるかと」

「水中で撃てないほどぬるい弓を扱った覚えはないぞ」

「メルセデスさんだけスゴイ脳筋スタイル」

「…………心配は無用、か」

 

 水中でも戦えるメンバーが揃ってますからね。

 サハギンでもケルピーでもなんでもござれよ。でもケルピー相手だとメルセデスさんが殺りにくいか?

 いやそんなことで情けかける人でもないわな。安心して潜れるわ。

 

「あ、やっぱ水張ってら。しばらく潜って泳いで……で、右手側かな。そっちに行けば抜けられそうです」

「水場でも勘は冴えるのか……ではそれに従うか。潜るぞ」

 

 しばらく隠し通路の階段を下りればやはり水が溜まっており、そこからは潜って泳ぐことになる。

 俺たち一行は水中呼吸を駆使しつつ、さらにダンジョンを泳ぎ進んでいくのであった。

 

 ─────これが俺の作戦とも知らずに。

 

 

 

※    ※    ※

 

 

 

「───ぷはぁっ!」

「ってやる必要ないだろ呼吸できてたんだから」

「気分的なやつー! でも襲撃少なくてよかったね!」

「げはぁー……水中嫌いですぅ……」

「ソプラノはもう少し泳ぎを覚えなければな。ダンジョン攻略が終わったら湖畔で遊泳でもするか?」

 

 無事に水路を泳ぎ終えて、水面から次々と上がってくる俺達パーティの面々。

 なんで潜ってったのに水面がこんなところにあるんだろう……とかいう疑問は無粋だ。ダンジョンだしな。仕組みマジでよくわからんわ。

 まぁでも上がってみればそこはもう通常のダンジョンの壁面のようなレンガ造りではなく、自然にできた洞窟といった雰囲気だ。6階層より下に来てることは間違いないな。

 

「あー……びっしょびしょ! このままじゃ風邪ひくわ!」

「ぶぇー。おはなにみずはいった……くしゅんっ!」

『みゃあ!』

「そうですね。服が水に濡れすぎて戦闘にも支障が出そうです。一度絞って乾かす時間が欲しい所ですね」

「……ふむ、確かにな。シミレ、ロック少年、この周辺に危険はなさそうか?」

「ん。………………多分、問題ない。魔獣の呼吸は聞こえない」

「俺の勘でも問題なしっす。こっち隠し通路ですしね、罠もなさそう。この広間で少し休憩していきますか」

 

 水中からあがって少し進み、ちょっとした広間まで移動したところで、女性陣からずぶ濡れの現状に対して文句が上がる。

 この瞬間を待ってたんだよォ!!!!(渾身)

 俺のパーカーは撥水もいいしこのままずぶぬれだってすぐに乾くが女性陣の服はそうではない。下着までびちょびちょのぐちょぐちょになっていることだろう。

 もちろん俺も鬼ではない。当然服を脱いで絞って乾かして着替える時間を取ろうと考えていたさァ!!

 風邪引いちゃ大変だもんなァ!! みんなの為を想って俺も全力で支援しますよォ!!

 

「ってわけで火を起こしましたよ!! みんな暖をとってもろて!! 物干し竿も設置したんで使ってもろてェ!! 俺が見張りやっておきますよォォ!!」

「早。……ってか準備良すぎ。アンタまさかこれ狙ってたんじゃないでしょうね?」

「んなこたないすよー! いずれ水に潜る必要が出てくるダンジョンだってのは出発前から考えてましたからね!! アイテムボックスに万全に備えてただけっす!!」

「じゃあ着替えるための天幕も準備してくれてますよねロックくん?」

「その発想はなかったな……」

「カス野郎が」

「余りにもマスターの思慮が浅はかで逆に恥ずかしいまであります」

「ロックはカス……」

『みゃあ……』

 

 なんやなんや。物干し竿だって安くねぇんだぞ。3セットも準備してきたから今後使う事まずねぇぞこの竿竹は。実際使うやろがい!

 でも皆さまを天幕で覆うなんて発想の外だったナー。どうせ女子しかいないんだからいいでしょー! ンモー!

 俺はしっかり見張りしてますからねッ!! 安心して着替えてくださいね皆さま!! 

 途中でみんなの方が無事か確認するために振り返るかもしれないけどこれは見張りだからなー!! 仕方ねぇよなー!! 覗きとかじゃねぇからやむを得ないよなー!!

 

「…………はぁ。……ロック。オレを見ろ」

「ん。何すかシミレさん……ッッッ!?!?」

 

 そんな風に内心でテンション上げてたら急にシミレさんに呼ばれて、なんだなんだと視線を向ければ……急にシミレさんが前かがみになってこちらを見上げるような姿勢を取って来た。

 ドスケベッ!!!(錯乱)

 どしたんスかシミレさん!? ぼよよんぼいんなばいんぼいんが強調されるようなポーズをなされて!? 誘ってんスか!?

 すごいッ……布地が双丘の北半球に張り付いてこの世の美をすべて詰めたような丸みを生み出しているッ! 服のシワがドエロ!! したたる水滴が意味深ッ!!

 そんな……ごめんね!? 俺シミレさんのホントのキモチを分かってやれてなかったってわけですね!? 

 俺の事そんなに求められているとは思ってなかったよ!! 据え膳食わぬは男の恥ッ!! パイオツ突撃ィィィ!!

 

「目だ」

「ぐわあああッ!!」

「耳だ」

「あがあああッ!!!」

「鼻」

「がああああ!! がああああああッッ!!!」

「アホすぎる……」

 

 そして思わずルパンダイブしたところに見事なVサインが目に突き刺さり俺は光を失った。

 続いて両耳をパーン! と両手ではたかれて鼓膜喪失。

 鼻にも太っとい鼻栓を奥の奥まで詰め込まれて抜けなくなり鼻血が無限に滴り落ちた。

 五感が!! 俺の五感がァァァァ!!!

 

 そしてのたうち回ってたら全身も拘束されて全く動けなくなるというね。

 ここまでやる???(素の疑問)

 

「…………よし。今のうちに着替えるぞ」

「さすがにちょっと憐れかなー……でもこうしないと絶対覗いてくるもんねロック」

「マスターの日頃の行いが悪いせいなので一先ずは何も言いませんが。後で治癒魔法はかけてあげてくださいね」

「ティオとマルカートは火魔法も使って早く乾かして済ませよう。助けはしないが流石に少年が憐れだ。助けはしないが」

「かしこまりました。では……『ドライバースト』、弱出力で……と」

「終わったら私が治癒魔法かけてあげますからねロックくん。聞こえてないでしょうけど」

「まぁここまでやらないと安心して着替えられないんだから普段のロックの言動が悪いわ」

「ロックはあわれ……」

『みゃあ……』

 

 目も耳も鼻も封じられ、俺は女子陣がびっしょり濡れた服を着替えて乾かすシーンを見る手段を失った。

 この程度の拘束ならばたとえ五感を封じられていようと関節を外して脱出も可能ッ! って縄抜けしたら誰かが俺の関節を外した状態で固定して再び拘束されたし。

 でもこの感触はシミレさんかな。触れる肌がかなり熱を持ってたからめっちゃ薄着だった感じある。もしや下着一枚で俺の再拘束してたのかな。

 しっかたねぇな許してやっかぁ!!!(掌ドリル)

 

 それに俺にはまだ味覚と触覚が生きてるからな。肌で全てを感じることが許されている。

 感覚を研ぎ澄ませ……今、俺の前には全裸の美女が6人……ッ!! 甘露ッ!!(なおティオとリンは除く)

 

「ふふ……うへひひ……ふへふひひ……!!」

「なんか漏れてる」

「割と満身創痍なのに余裕あるのがキモいわねコイツ……」

「マスターが今何を考えてるのかある程度分かるようになってきたのが逆に悲しいですね」

「ふむ。私は割と少年のこれも愛嬌に思えて来たぞ」

「団長それ毒されてます」

 

 俺が全力で女体の熱を感じ取ろうとしてごろごろと地面を30分くらい転がってるうちに女性陣は着替えを済ませたらしい。

 その後ちゃんと拘束解いてもらって治癒魔法もかけてもらって温かいミルク貰って俺の服を乾かす時間までくれたからちょっと泣いちゃったじゃん。

 みんな優しい……なんかごめんちゃい……。

 

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