勘のいいガキはデカパイハーレムの夢をあきらめない!   作:そとみち

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55 これが決勝戦でいいのでは?

 

 

『見事ッ!! これが伝説のアンドロイドの実力なのか!? 多彩な攻撃で相手を翻弄したぞ!! 圧倒的な実力差で第一試合を制したのはイレヴン選手ですッ!!』

 

「とうとう俺の名前が実況のお姉さんに呼ばれなくなった」

「まぁ今回はタイマンですからね。マスターに何かさせては私の名折れというもので」

 

 はい。最初の試合勝ちました。

 あっさりしすぎ? いやだってマジでなんも話すことなかったんだもんよ。

 相手の人だって予選を勝ち抜いた猛者ではあるんだけどさ。こちとら魔族幹部と渡り合えるほどの力を持つイレヴンがさらにここ最近でレベル上げまくってたわけで。

 純粋な実力差で制しましたわ。開幕からグランドスピナーで近づいてドリルブラスターで突っついてトドメにドリルスティンガーキャノンでぶっ飛ばして勝利でした。

 向こうはオーソドックスなソードマンで剣と盾で応戦したんだけどドリルブラスターは回転が掛かってるので盾で防御すると盾をはじくんだよね。

 イレヴンと相対するにはなんかしら特化してないと厳しいだろうな。バランスタイプであるほど力押しで容易に勝ちを拾える。

 まぁバランスタイプでも全部極めたヴァリスタさんなんかは何やっても対応できたりするんだけど。

 

『では勝利者インタビューですっ!! イレヴン選手、今のお気持ちは!?』

「俺ね? エントリーしてるの俺だからね??」

「マスターに傷をつけずに勝利することができてほっとしています。本来は私は魔獣や魔族との戦いを専門としているので、対人相手には使えない武装などもありますが……それでも、アンドロイドがどれほど戦えるのかを知ってもらうためにも、次の試合にも全霊をもって挑みたいと思います。特に相手が相手ですので」

『とても真面目なコメントありがとうございましたっ!! ついでにロック選手にも聞いておきましょう!!』

「ついで。まあ……そりゃもう俺のイレヴンが最強なこ」

『ハイありがとうございましたーっ!!』

「聞けよ最後まで俺の話を」

「聞いても余計な話しか言わないでしょうからこれでいいのでは」

 

 雑に勝利者インタビューを終わらされて試合会場から退場する。

 速攻で勝負決めたから次の試合が始まるまではだいぶ間があるな。観客席に戻って恐らく俺の勝利を喜んでくれたであろう孤児院のみんなやノインさんを探してきてもいいんだが……それだって時間的に余裕がある。

 ついでだ。次の試合に出場するサザンカさんの控室の様子でも見に行くか。

 

「サザンカさんは控室から試合会場までのルートで迷いそうだからな」

「そうですね……」

 

 一度一緒にルートを確認しておくくらいはしてあげてもいいだろう。迷って不戦敗なんてなったら余りにもあんまりだしな。

 ってなわけでサザンカさんのいる控室へ。おっじゃまー。

 

「どもー。俺ら勝ちましたよサザンカさん!」

「おお、それはお目出度うござる! 流石でござるなイレヴン殿!」

「俺は?」

「まぁまぁ……しかし次の試合は簡単にはいかないでしょう。サザンカかヴァリスタか……どちらも優勝候補の一角ですから」

「うむ。王都最強とも名高いと噂のヴァリスタ殿……最初の試合で相対できたのは真に幸運でござったな。昂る……」

 

 入って挨拶しつつ、しかし様子を見れば随分とテンションが上がっている様だ。

 うん、面頬で隠れて見えないけど多分凄くいい笑顔してるんだろうな。後で見たい所です。

 

「俺もどうせ戦うならサザンカさんがいいっすねー。ヴァリスタさんとは模擬戦したことあるし……何よりサザンカさん美人だし!! サザンカさんに俺の強さを見せつけてやるわい!! ってわけで勝ってくださいね!!」

「ははは、そう期待されてしまえば応えねばな。うむ、先日は妙なことも申してしまったが……あらためて、拙者もお二人と戦う心構えを決め申した。出来る限りの技術(わざ)、出来る限りの力を見せようぞ」

「こちらも同じ気持ちです。ですが初戦の相手こそ強敵……頑張ってくださいね」

「うむ」

「んじゃ控室から舞台への経路を迷わないようにチェックしておきましょうねサザンカさん。この部屋を出てどちらに行けば舞台か覚えてますよね?」

「む、莫迦にするでないぞロック殿。無論……左でござる!」

「右です」

 

 お互いに発破をかけ合いつつも聞いてみたらやっぱり道覚えてなかったわこの人。

 予選の時は控室なくて参加者複数名が舞台に向かってって感じだったしそれについてったんだろうなぁ。控室までも第一試合で出場する俺が案内した感じだったし。

 不安なのでその後2往復ほど舞台までの道を一緒に確認してからサザンカさんと別れた。

 

 そして観客席に向かう所で、ちらりとヴァリスタさんの控室も様子を見てみると。

 

「頑張ってくださいよ師匠……」

「お兄様、応援しているわ……」

「うむ! 愛する妹と期待の弟子に応援されては……」

 

 向こうも向こうでちゃんと応援がいらっしゃっていたようで。

 こりゃ俺の出る幕はないな。家族の時間を邪魔しちゃ悪いわ。

 

 しかし……あれな。

 

「俺らの試合の前、控室に誰も応援に来てくれなかったな」

「まぁ初戦ですぐに試合開始でしたからね」

「明日からも基本的に初戦だから控室で待つ時間少なくない?」

「そうですね」

 

 誰も俺等の激励に来てくれねえじゃん。切ねぇ。

 おんおん涙を流しつつ控室通路を歩いて観客席に向かったのだった。

 

 

 

※    ※    ※

 

 

 

 さてそんなこんなで孤児院のみんなの所に顔を出した。

 試合前にリンに預けてたミャウも回収。

 さあ褒めろこのお兄様を!!

 

「イレヴンおねーちゃんすごかったー!! おめでとー!!」

「やっぱグランドスピナーの音さいっこーだよ!! またあれつかってくれよなー!!」

「さいきょーだったなイレヴンねーちゃん!!」

「こりゃティオねーちゃんにも勝っちゃうんじゃねーか!?」

「テレますね。次も頑張りますので見ていてくださいね」

「俺は?? ねぇ俺は????」

「ロックなにもしてなかった! かいしょーなし!!」

「泣きそう」

「イレヴンさんが活躍するということはロックが何もしないという事だものね。でも次の試合こそ油断はできないのだから。命を投げ捨てる様な事だけはしないでね」

「シスターの心遣いが目に染みるぜ」

『みゃあ』

 

 誰も褒めてくれない!

 まぁ何もしてねぇのは事実だもんなこの試合は。仕方ねぇ甘んじてやりますよ今は。

 しかし今後の試合でもイレヴンだけが活躍したら俺もしかするとずっと備え付けみたいな扱いになんのか? ごま塩程度にしか覚えられないとか悲しいの極みだぞ。

 でもイレヴンは張り切ってマスターには何もしないさせないさせませんの構えになってんもんなぁ。それに水を差すのもなぁ。不用意に前に出てやられたらそれこそイレヴンに怒られちまうし。

 まぁ闘技大会と言う場がシーフの本領が発揮される場ではないのは確か。

 世知辛いぜ。勝ち上がって女性人気が出るかと思ったけどそう簡単にはいかないね。

 

 そして孤児院のみんなとは別れて次はノインさんのもとへ。

 探し歩いてたらまた執事さんがポップしてきて、ノインさんが座ってる席へ案内してくれた。また貴賓席が近いなここ。

 

「ロックくんおめでとうございます~! 下手に前に出ないで相棒に全幅の信頼を置ける肝の座った立ち位置キープお見事でした~!! もちろんマスターの信頼に応えたイレヴンさんも流石です~!!」

「ノインさんが無限に褒めてくれるぅ!!!」

「あの試合でそこまでマスターを褒めることあります??」

 

 ノインさんは一昨日と同じで俺の事めっちゃ褒めてくれました。

 女神か。俺もうノインさんが褒めてくれればそれでいいよ。しゅき……。

 

「とはいえ次のお相手は大変ですね~。どちらが勝ち上がるにしてもどっちもお強いですし~。特にサザンカさん相手だと手加減とかしなさそうじゃないですかあの人~? お願いですから死なないでくださいねお二人とも~」

「大丈夫ですって! 死にそうになったらその前に俺の勘が止めてくれるっしょ多分!!」

「そうなる前に私が相手を打倒するので大丈夫です。私の防御力も機能上昇しておりますから、あの大太刀の一撃でもヴァリスタのジュワユーズの剣戟でも捌いて見せましょう」

「俺の相棒が頼りになるわ」

「当然です。マスターのアンドロイドですので」

「あら~」

『みゃあ……』

 

 ノインさんも次の相手は大変ですよねと零してくる。そらぁそうよな。事実上ヴァリスタさんと戦うってことは優勝候補と戦うってことだし。ジャイアントキリングしてやりたいね。

 もっともそれはサザンカさんが成してしまうかもしれないけど……っと。出てきたな。

 

「わ~、すっごい歓声ですね~!」

『みゃあみゃあ!』

「流石にヴァリスタさんの試合は熱量がちげーや」

「サザンカも無事に出てきましたね。……あちらも随分と熱量が違う様で」

 

 二回戦が間もなく始まる。舞台の両端の入場口から二人が入ってくる。

 ヴァリスタさんもイケメン顔で戦意溢れる顔で舞台に上がるが、しかしその対面のサザンカさんの雰囲気がこれまで以上に剣呑な雰囲気だ、文字通り。

 剣気をもって呑み込むような。鬼すら震えそうなほどの圧。

 それを見た観客席が一瞬騒めくほどの気配を纏った赤カブトが舞台に上がった。

 

 ……なんかいいなぁ、あのサザンカさん。

 俺の傍にいる時の清楚お姉さんモードも好きなんだけど、あの殺気纏ったサザンカさんも普通にカッコいいわ。めっちゃ好き。

 

「よっしゃサザンカさんがんばれー!! 王都最強を切り捨て御免しちまえー!! カッコいいっすよー!!!」

「マスターはすぐに女性を応援する」

『みゃあ……』

「ふふ~、らしいですね~。ロックくんは赤カブトさんを応援ですか~……どうなるでしょうね~」

「……ノインはどちらが勝つと思いますか?」

「私も赤カブトが勝つと思いますね~……そっちのほうが盛り上がりそうじゃないですか~?」

「割と雑」

 

 俺は当然サザンカさん応援するよなぁ!?

 そりゃもちろんヴァリスタさんも勝ち上がってカプチーノさんを笑顔にしてほしい気持ちもあるけどさ。でも個人的には一週間を一緒に過ごしたサザンカさんとの絆が優先される。

 勝ち上がって俺のイレヴンと正妻対決をしてもらうんだからよ……!(錯乱)

 

『さあ王都最強の冒険者ヴァリスタ選手とヒノクニからの挑戦者サザンカ選手ッ!! どちらも圧倒的な実力で予選を突破した強者です!! どちらが勝つのか!? いざ尋常にッ!! ───試合開始ィィィッ!!!』

 

 お互いに5mほどの距離を取り、試合開始の銅鑼の音と共に愛剣を構えて相対した。

 

 






(余談)
流石に雑過ぎたのであらすじをちょっと書き直しました。勢い任せ。
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