勘のいいガキはデカパイハーレムの夢をあきらめない!   作:そとみち

69 / 218
69 タスクを明確化することはとても大切

 

 そんなわけでギルドに向かって出発!

 

「サザンカさんやっぱその鎧着ていくんすね」

「うむ。昨日は騒動の件もあって素面を見せたが……何があっても主殿を守らねばならぬ故。それにやはりこちらの方が落ち着くでござる。昨日は主殿にも言われて鎧を脱いだがどうにも頼りなくていかん」

「一昨日の件もこれから備えると国王から直々に話もあり、御咎めもなかったですからね。昨日はマスターが寝落ちた後に素顔のサザンカに言い寄る酔っ払いの男がいましたので、そういったのを近寄らせぬ措置としても有効かと」

「俺のサザンカさんにナンパしかけた男がいたって……? 名前と顔覚えてる? シバきに行こ??」

「ロックがまたへんなかおになってる」

「はは……主殿以外の男に靡くようなことなどございませぬ。ご安心を」

「やだテレるー!」

「お世辞に弱いマスターであった」

『みゃあ』

 

 とりあえず昨日からマジで色々あって今朝も色々あったが……改めてちょっと整理しよう。

 俺はこれから何をしなければならないか? 漏れがないようにリストアップします。

 ギルドに向けて歩きつつ、やる事リストをメモ帳に書き上げていく。

 

「んー。あれと、あれと……あとこれもか……」

 

 そしてざっと思いついたやることは以下の通り。

 

 ・闘技大会優勝した賞品の魔装具を受け取る

 ・ギルドで魔族関連の調査とか噂とかどうなってるのか調べる

 ・図書館で新刊を読む

 ・3日後の遠征に向けて色々買い出し(食料、装備、生活用品)

 ・リンがしばらく俺と同行することを孤児院に伝える

 ・トゥレスおじさんに昔どんなことしてたのか聞く

 ・サザンカさんが魔族と戦えるように魔装具を準備したい

 ・できればリンも? 装備整える?

 ・ってかサザンカさん装備摩耗してない? 研磨しなくて大丈夫? 武具屋行く?

 ・闘技大会で戦った人や訓練手伝ってくれた人へのあいさつ回り

 ・そういや優勝したけど俺銀級のままなの?

 ・王族についても調べたい→イレヴンに図書館で調べてもらおう

 ・イレヴンのレベルどんくらい上がった? 新スキル解放やる?

 ・そういやサザンカさんが乗っ取られてた時に聞こえた声アレなに?

 

 ……とりあえずこんなもんか!!

 

「えー、じゃあ歩きながら早速……サザンカさんは大会でだいぶ装備酷使したと思うけど、研磨とか大丈夫? いい店紹介しましょうか?」

「うむ? ああ、心配には及ばぬ。拙者の大太刀も鎧も、基本的に己で研いで整備しておるのでな」

「そっすか。ならOK……イレヴンはレベルどんくらい上がった? スキルポイントはかなり余裕ある?」

「ええ、魔族の群れを壊滅させたことと、あと闘技大会決勝でかなり上がりました。ポイント消費が重いスキルの開放も問題なく出来ますね。できればさらに魔力炉心の出力を向上させたいです」

「そか。んじゃあとで遠征で使いそうなスキル開放を打合せしよっか。あとはー……リンは装備とか付けたいか? 武器とか防具とか興味ある?」

「ない!!」

「即答」

「いらない! ブレスと、つめと、しっぽと、はねでなんとかなる! そうびっておもいんでしょ! いらない!」

「いやいや……最低限の装備はしておいて損はないぞ? 金はあるんだし、みんな普通はそうするんだからさ。どっからそんな妙な知識が入っちまったんだ」

「サザンカは鏡って持ってますか?」

「うむ、手鏡ならば。使われるか主殿?」

「そうか俺か……」

『みゃ』

 

 とりあえずサザンカさんの現在の装備は問題なし。あんだけの刀と鎧なら攻防に心配はいらないか。

 んでイレヴンも順調にレベルが上がったわけで。なんなら最後バトルロイヤル形式で勝利したわけで普通に大会勝ち進むよりも経験値は獲得できた感じなんかな。結果よし。

 リンの装備については本人が嫌だって。俺の真似してるのかもしれんけどあんまり回避特化スピードタイプってんでもないだろお前。

 どうせなら防御積んで後方支援専門の遠距離砲台役になってほしい所はあるなぁ……前には出てほしくないなあんまり。

 まぁ確かに竜人ボディのタフさはとんでもないんだろうけど。

 

 あと最後にメモった、俺にだけあの時聞こえた謎の女の子の声について。

 落ち着いてから乗っ取られサザンカさんと相対した時を思い出して、なんか声が聞こえたような気がしてた。

 あの時イレヴン声かけた? って言っても知らないらしくて。

 ワンチャンもしかして護りの指輪か? と思ってあの後自分の部屋で何度も声かけてみたけど何の返事もなかった。

 幻聴だったのか魔族がなんかやったのかノインさんがやったのか……分からんけどとりま急ぎのタスクではないのでこれはまた声が聞こえたらその時に考えよう。

 

 そんな風にタスク処理しつつ歩いてたらギルドに到着した。

 

「おっじゃまー!」

「……おお! 優勝者が来やがったぞ!! 今日も相変わらずイレヴン綺麗だな!」

「クソッ妬ましい! 昨日はゴチだったぜ大将!!」

「どうなってんだお前の星の巡りはよマジで」

「ふふん! 僻むな僻むな男どもー! 器ってやつよー!!」

「マスターから余裕が溢れ出している」

 

 さてそんなこんなでギルドに着いたらめっちゃ視線集めちゃいましたね。

 まぁ優勝しちまったからなぁ!! 俺のハーレム計画もどんどん進んでるから羨ましいだろモブ男性冒険者どもめ!

 やらねーからなイレヴンもサザンカさんもリンも!! 昨日奢った件はちゃんと後で何か返せよな!!

 あとなんで相変らず女性冒険者の皆さまは近寄って来ないのかな!! いいんだよ近寄ってきてくださって!! 全員抱いてあげますよ!!!

 

「おや……おはようロック少年、今日も変な顔をしているな」

「変な顔て。おはよーさんですメルセデスさん!」

「む、セントールの女丈夫(じょじょうふ)……観客席におられたのは眼にしているが、相対すればなんとも(おお)きい……」

「はは、そちらも随分と体格に恵まれているじゃないか。初対面だし挨拶をさせてもらおう……私はメルセデス。クラン・ケンタウリスの長だ。どうやらティオたちがお世話になったらしいな。まだ王都に滞在できるのかな、君は?」

「うむ、主殿より聞き及んでおり申す。拙者は山茶花……今朝がたロック殿に仕官いたしました故、魔族を滅ぼすまではこの国に滞在することになり申した」

「えっ!? ロックまさかサザンカさんまで落としたの!? どーなってんだよぉ!?」

「色々あったんじゃよティオ」

『みゃあ』

 

 モブをさばいて一旦席について……ってしたらケンタウリスのみんなも来ていたようで、サザンカさんは初対面となるメルセデスさんとご挨拶していた。

 俺の傍に駆け寄ってきて関係を聞いてくるティオだが既に彼女とは大人の関係だから。子供にはまだ早いからこの話は。

 

「もー、首長くして待ってたわよアンタを。重役出勤とは随分貫禄が出たんじゃないの」

「ん。なんすかアルトさん、俺を待ってたんすか……ハッ!? まさか俺の活躍に惚れた女がまた一人!? さらにハーレムが広がっちまうのか!? 我が世の春ッ!!」

「コーフンしてんじゃないわよ違うから。アンタも表彰式の前に説明受けたでしょ! 魔装具よ魔装具! 大会の賞品がギルドに届いてんのよ!」

「俺とティオもいて、あとはロックさえ来りゃ上位4名の魔装具の分配が出来る所だったんだよ。もう少しして来なけりゃ俺とティオが呼びに行くかって話してた」

「ん、カトルも……あーそっか、ギルドに届けてもらってたんか。あの場で受け渡すと万が一があるからって言われてたなそういや」

「ちなみに賞金もギルドで受取だったよ! まぁロックの分は無かったんだけど」

「一晩で消えたからな俺の一億」

『みゃあ……ふにゃー……』

 

 そしたらアルトさんに声かけられて、聞けば早速商品である魔装具がギルドに届いてたみたい。

 そういやそんな説明受けたなぁ……あの時は放心状態で殆ど聞き流してたからな。なんだ早速タスクの一つが処理できるじゃん。

 ってかそうじゃん、魔装具ゲットできるじゃん。

 じゃあちょうどいいや。サザンカさんが使えそうなもんあればそれにしよう。

 ちなみに大会賞金も受取があったらしいが俺が別口で5000万Gを受け取ったことはティオには秘密にしておきました。新しい仕事の支度金だからねこれはね。

 

「じゃあとりま魔装具の分配しちまいますかね。えっと……4つの中から選んでいい感じっすか?」

「ま、アンタが一応優勝したからね。先取権は譲るわ」

「もし魔装具が不要と言う話ならケンタウリスで買い取ってもいいぞ、少年」

「そっすか? どーしよっかな。……ちなみに4種類って何があるんすかね? 実物見てから選びたい所」

「そうだね、テーブルに持ってきてもらおっか……すみませーん!!」

 

 眠そうなミャウをフードに収納して魔装具選びを始めようとしたところで、魔装具を求めるメルセデスさんが言外に売ってくれオーラを放って来たので愛想笑いで返しておいた。

 すんません今はサザンカさんがいるんで俺らも魔装具が必要なので売りません。いいのがなければ売るかもだけど。

 

 さてそうしてティオがギルド職員さんにお願いして、俺らの座るテーブルに4つの魔装具が置かれた。

 布に包まれているが……まぁこの時点で大体中身は分かるな。

 一つだけめっちゃ小さい包みがあるからこれは指輪とかかな?

 

 ……ってかあれだな。

 もしかしてサザンカさんが使う大太刀みたいな魔装具が見つからないと装備できなくてムダになったりするのかな?

 魔装具について俺詳しくないからなぁ……よし。

 せっかくここに喋れる魔装具がいるんだから詳しく聞いてみよう。

 

「開封前にちょっと質問いい? 魔装具の二人に」

『はい?』

『何かしら?』

「魔装具って武器も防具もあるって聞いたけど……防具の場合は魔族の攻撃に対する抵抗力が上がるって感じだよね? でも攻撃には適用されない感じ? 自分に合う武器の魔装具を見つけないと魔族に攻撃が通らないって理解でいいのかな?」

『ああ、それは少し理解が違います』

『そうね。……まず、魔装具を装備している者は、それだけで魔族と渡り合えるの。勿論攻撃も通るわ。魔装具で直接攻撃しなくてもね。でも威力の通りが違うっていうか……』

「ほほぉ……?」

『ざっと解説すると───』

 

 その後イルゼとセントクレアちゃんが教えてくれた内容は大体以下の通り。

 

 ・『魔装具を装備している』状態ならば魔族に攻撃は通る。

 ・魔装具属性がついてる武器で魔族に攻撃した場合は、魔装具のランクに応じて特効が乗る。

 ・イルゼとかセントクレアちゃんは魔装具の中でもSクラス。メルセデスさんの神弓やヴァリスタさんの魔剣はAクラス。ここにある4つの魔装具もAクラス。最低ランクはCクラス。

 ・防具としての魔装具は魔族からの攻撃への抵抗力が高まる。それを装備して普通の武器で魔族に攻撃しても一応攻撃は通るが、特攻は乗らない。

 ・純粋に攻撃力が高ければ、魔装具属性の防具を装備していれば魔族とは戦える。

 

「なるほどなぁ」

「へぇー……セントクレア様が魔力全部注いで作ったから凄い武器だとは分かってたけどそんなに凄かったんだ、この双剣!」

『そりゃそうよー! 私の力の結晶なんだからねこの魔双剣は!!』

「ってか何、イルゼお前そんなに凄かったの? 親父から貰ったときに何の説明もされなかったぞ俺?」

『トゥレスは必要な事すら口にしないほどの無口ですから……』

「まぁでも質がこの二振りより落ちるとはいえ、魔族と戦うなら武器の魔装具が欲しいわよね……ビッグランスから武器乗り換えようかしら」

 

 大体理解した。

 つまり……俺はとりあえずサザンカさんが装備できそうな魔装具を選べばいいってわけだな!

 サザンカさんは鬼強い。あの大太刀での攻撃だけで並大抵の魔族なら防壁で無効化されない限りは有効だろう。

 この小さい包みがワンチャンあるな。身に着けても邪魔にならないものならいいのだが。

 

「それじゃあ早速開封していきますか。イレヴン、開けてくれる?」

「かしこまりました」

 

 では知識も更新できたところで、早速俺たちは魔装具の選定に入るのであった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。