勘のいいガキはデカパイハーレムの夢をあきらめない!   作:そとみち

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72 シルクの触り心地ってドスケベだと思わない?

 

「ロック様。お連れ様方の試着が終わられました」

「あ、はーい! 見る見る!!」

『みゃあ』

 

 暫く店内のエッチな服を眺めてたところイレヴンたちもドレスを選び終えたようで、そちらを見るためにみんなが待つ別室に移動する。

 するとそこには。

 

「……どうですかマスター。似合っていますか?」

「これ、はねとしっぽがとってもうごかしやすい! よい!!」

何故(なにゆえ)拙者まで……正装はあると申しておるのに! このような装いは慣れぬ……!!」

 

 俺の女たちがドレスに身を包み、まばゆいばかりの肢体を晒していた。

 

 イレヴン。

 彼女は浅紫のマーメイドラインのドレスを選んだようだ。胸元から太ももくらいまでをぴっちりと布地が包み、そこからふわりと広がるようになっている。

 アンドロイド特有の完璧なボディラインを惜しげなく晒すデザインだ。

 自分の体に自信がないとこのドレスは選べない。フリルなどはなく純粋に体の造形を布が隠していないからだ。

 そして断言できるのが、このドレスがイレヴン以上に似合う女はいないということ。

 胸元の豊かなる包みから腰のくびれまでがあんまりにもエロすぎる。こんなの視線集めないわけねぇだろ!!

 男からも女からも絶対見られるわ! 男からは情欲の、女からは羨望の眼差しを受けること請け合いだろう。

 いやドスケベだわこれ。こんなの正装と呼んでいいのか……?

 完全にオスを惹きつける誘蛾灯だろこんなの。ドスケベ指数530000です。

 

 続いてリン。

 こいつは少々体系がアンバランスだ。いわゆるロリ巨乳で身長は低いし、しかも背中から竜翼が出るしぶっとい尻尾も生えている。普通のドレスではその辺をカバーできないからオーダーメイドになることを覚悟していた所はあった。

 しかし高級店は違った。しっかりドラゴニュート用のドレスが準備されていた。この場で仕立て直したのかもしれないな。

 ドレスの色は勿論黒。リンが一番気に入ってる色で、私服で着てるゴスロリ風の服にデザインが近いが……過剰な装飾が外れて高級感を伴った一着になっている。

 ミニドレスって言うのかな。脚が膝下から出るタイプで、子どもだから動きやすさも考慮されている。脚には黒のストッキングを着用して上から下まで黒オブ黒。そこにリンの白い肌が余りにも眩しさを感じさせるアクセントを生んでいる。

 しかも腰回りの綺麗な帯布がお腹周りを引き締めたことでリンの胸元、過積載な武器を思いっきり強調している。

 これは攻めやがったな……子供らしさと大人びた魅力を両立させた奇跡的なバランスのデザインだ。

 竜翼と尻尾も問題なく動かせるようでリンもご満悦の様子である。可愛いなこの愛娘。

 

 最後にサザンカさん。

 彼女は既に和装の正装を持っているとのことで俺も本人も買う予定はなかったのだが何故かドレス姿になっている。店員さんが暴走したかイレヴンが一人だけ服を着せないのも、と声をかけたか。

 圧倒的感謝……ッ!!!

 すごいよ。ついさっき俺がプレゼントした魔装具のネックレスがめちゃくちゃ()えるドレスに変身されておる。

 長髪の黒曜石のような黒髪と赤カブトの印象に寄せた赤のドレスがベストマッチング。

 イレヴンと同様に肩まで晒すタイプのドレスだが、腕の方まで胸上の布が横に広がっててスカート部分はイレヴンよりも広がっている。

 イレヴンよりも高い190cm超の身長だが、ウエストは身長比でイレヴンに負けず劣らずきゅっとくびれているし、胸も太ももボリューム溢れるビッグサイズだ。

 大いなる美。圧倒される美しさがもはや圧さえ感じさせる。デカパイ感謝で見上げた頭の角度が下がってしまいますね。

 そして健康的な肌色が照れて紅色に染まっているのが超可愛い。年上のお姉さんでありヒノクニ特有の若く見える顔の作りしてるからな。

 これが俺の女なんだぜ……?(錯乱)

 

 駄目だ!! 美しいという感情が溢れすぎている!!

 凄まじい衝撃で脳がまともに働かない!! 高名な絵画を目の当たりにしたときのようだ……!!

 

「美しい……」

「マスターの表情が無になっている」

「美しい。かわいい。素敵。可愛らしい。奇麗。見た目が良い。容姿端麗な。容姿端麗の。美麗な。眉目秀麗の。麗しの。カワイイ。ルックスが良い」

「weblio類語辞典のようになってしまわれた」

「正気に戻るまで少し時間をください」

「いつもくるってるのに?」

『みゃあ……』

 

 はらはらと涙を零しながら俺の女たちの美しさをとにかく褒め称えることにした。

 髪型もなんか弄っててさぁ……アクセサリー類まで整えてるじゃん。

 これアクセサリーもまとめて購入する必要がある奴だな?

 買います(即答)。

 いや無料にしてくれるのかもだけど。無料範囲内かな?

 そろそろリンにもお洒落を覚えてもらいたい所だったからマジでちょうどいいっていうかサービスいいなこの店。

 ホントに今後この店ご愛顧させてもらおう。

 こうやってエンゲル係数が下がっていくんだなぁ。

 

「いやマジで……ホンット似合ってるよ。イレヴンのこれ、しっとりしたラインがめっちゃ好みだわ。シルクみたいな手触りで……触れてみたいくらいだ。後で触っていい?」

「ふふ。マスターに気に入っていただけたならば何よりです。触れるのは二人きりの時なら許しますよ」

「リンも……お洒落さんになったな! いいよ、すごい可愛い。めっちゃ可愛い! 髪も結い上げるとこんなに印象代わるんだなー、知らなかった。お姫様みたいだぞ!!」

「ふふーん!! でもかみのゆいかたはよくわかんなかったからイレヴンにやってもらうの」

「サザンカさんもこれ……凄いっすね! めっちゃ綺麗! ホントお世辞とかじゃなくて……綺麗です。大和撫子な普段の印象からガラっと変わったから凄い衝撃受けてます。この装いだとネックレスもすごい映えて……似合ってますよ!」

「主殿……うむ、有難う。照れるでござるな」

 

 そうして少々落ち着いてから改めてみんなを褒める。美しい女は褒めるのが男の義務なのだ。

 思うままに褒めちぎったらそれぞれなんか喜んでくれたのでグッドコミュニケーション取れたのだと思っておこう。

 褒める語彙が足りなさ過ぎて脳内はドスケベに溢れてるけどそういうのは零さないから俺。紳士だから。

 

「じゃあみんなが良ければ……これで仕上げてもらっていいですか支配人さん!」

「畏まりました、お買い上げ有難うございます、皆さま大変着付けがよくて……当店としても気合を入れて選ばせていただきましたので。様々な場面でご愛用くだされば幸いです」

 

 そうして問題なく購入決定。

 サイズとかアクセサリコーディネイトのお勧めとか着用の仕方とか手入れの方法とか髪の結い方の説明資料まで色々一緒に貰ってしまった。

 アフターケア完璧かよこの店。マジでみんなにお勧めしとこう。

 

 さてそんで俺の方の正装も私服も受け取って。サザンカさんの以外の服は俺のアイテムボックスへ、サザンカさんのは自分のアイテムボックスに保管頂いて。

 いい服が選べてお値段もサービスしてもらえて、満足感いっぱいで呉服店『リーゼ』を後にした。

 

 

 

※    ※    ※

 

 

 

 さてその後は食料とかも無事に買い込んで買い出し完了。

 呉服屋で結構時間を過ごしてしまったのでちょっとお昼に遅い時間になっちまった。ので。

 

「ごはん……!! おなかへった……!!!」

「リンの食欲が暴走しはじめている」

『みゃあ……』

「いっぱい食べさせてあげましょうね」

「王都は食物も店も随分と種類が多くて目移りしてしまうでござるなぁ」

 

 リンのお腹からすげぇ音が鳴ってますわよさっきから。

 なんだろ……最近色んな機会で10人前を超えて無限に食べ続けてたから胃袋広がってないかコイツ?

 もしくは成長期なのだろうか。背は全然大きくなってないんだけどな。

 俺の仲間が3食10人前提供しなきゃならないメスガキドラゴンと、ほっとくと迷子になるお姉さんとで……かなりピーキーな性能してない? 

 

「とりまぺろりとお昼食べちまって孤児院に行こうか。午後はガキたちも騒ぎ出す頃だろうからな、シスターのお手伝いしにいってやろうぜ」

「そうですね」

 

 適当に行きつけの店にお邪魔して4人で飯を食べる。今日は中華です。

 13人前を注文。サザンカさんが大会の賞金から奢ると言ってくれたけどそこは当然俺が奢った。

 一応俺が(あるじ)という立場になってるわけだしな。部下に奢らせるご主人様がいてたまるかい。支度金とはこのように使うのだ。

 

「ふー、たべたー……はら6ぶんめ!」

「本当に6分目なら17人前も食べさせれば満腹になんのかお前?」

「ならないでしょうね」

「リン殿の体躯でその食欲はまこと不思議でござるな」

『みゃあ』

 

 さて食べ終えてまた歩き回って。

 しかしそのあたりでふと気づいたことがあった。

 

「あ、あれ優勝したロックくんじゃない?」

「ホントだ、隣にイレヴンもいるし間違いないわね。ホントに猫いるわよ猫」

 

「赤カブトはまだ王都にいたんだな」

「ロックに付き従うように歩いてるけどまさかアイツまた女増やしたか?」

「優勝者は流石って所か……」

 

 なんかめっちゃ遠目に俺らの事見てくるわね街の人が。

 まぁこれまでもイレヴン可愛いとかリンちゃんカワイイヤッターとかウワーッ赤カブトだーっとか言われてた事はある。

 でもそれに付随してくる俺の評価は小汚いガキがおるぞという酷評くらいだったんだけど。

 

「……やっぱ優勝すると人の見る目って変わってくるな」

「それはそうですよ。マスターは今やあのヴァリスタよりも、カトルやティオよりも強い冒険者と言うことになっているのですから、一応」

「うむ。拙者の奥義も止めるほどの立派な実力者でござる」

「そうは言うけどなぁ」

『みゃあ』

 

 肩書に中身が追い付いてねぇんだよなぁ!!

 大会は正直殆どイレヴンが頑張った結果だしな。

 ヴァリスタさんはサザンカさんが先に打ち勝ったからこそだし……カトルもティオもたまたま俺が慣れてただけで。

 落ち着いてきてからなんでこんなことになったのかと改めて思うようになってしまった。

 

 ……人生マジで判らんもんよなぁ。なんでこんなことになってんだろ。

 ノインさんとの縁がさらに深まったり、さっきの呉服屋さんでもサービスしてもらえたり、王都の人たちに顔がめっちゃ売れたり……。

 でも特にモテ期が到来してるわけでもないからどうでもいいか。(素)

 女の子からめっちゃ声かけられまくってキャーキャー言われて素敵! 抱いて! みたいになるかと思ったけど全くそんな事ねぇわ。がっかりだわ。

 

「ふぅん……遠目に見ると結構……? ……あっ、ッスゥー……」

 

 見てホラ。今ちらっと俺の方遠目に見てる女の子がいたけどなんかビクッとして逃げてっちゃったじゃん。

 なんじゃい! この顔になんか文句あるんかい!

 その辺にいるモブ顔とは一線を画すイケメン(自称)やろがい!!

 

「……こうも注目が増えますと、よこしまな思いですり寄ってくるものもいるかもしれませんから……私達も注意しなければいけませんね」

「うむ。余計な虫は払って主殿をお守りせねばな」

 

 後ろで二人がぼそりと呟いたけど確かにそういう危険もあり得るよね。わかる。

 一億Gは奢ったって事になってるけどそんなこと知らないスリとか美人局が狙って来たら大変だから俺も気を付けておかないと。

 まぁ俺の勘を誤魔化せるようなやつはいないと思うけどね。

 

 満たした腹を撫でながら、気を取り直して孤児院に向かうのであった。

 

 

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