勘のいいガキはデカパイハーレムの夢をあきらめない!   作:そとみち

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86 魔族の幹部カリーナは主を失い絶望のままに身柄を拘束。王宮地下の監獄で淫らな拷問に晒されて……!!

 

 まぁえっちな拷問をするかどうかはコイツの態度次第だけどな。

 

「────ん……にゃッ!?」

「よォ」

『みゃあ』

 

 目が覚めたカリーナに俺は呑気な挨拶を返す。フードに入ったミャウも一緒だ。

 ここはグランガッチの王宮の離れにある詰所だ。先ほどの戦いで中庭から続く王宮全体にヒビやらが入って崩落の危険性がぬぐえないため、ここにカリーナを運び込んでいた。

 全身を魔装具であるルドルフさんの『シルバーエッジ』の糸で拘束し、力を籠めようものなら体に食い込むようになっているほか、イレヴンの『ヴォルトスパイダーネット』も巻いて何かあればすぐに電撃をブチ込めるようになっている。

 

「ぬっ……にゃ、クソ……!!」

「無駄だ!! 貴様の体は完全に拘束されている!!」

「『看破魔法』と『自白魔法』もかけています~。抵抗は無意味なので喋るだけ喋ってくださいね~」

「にゃっ!? 自白魔法まで使われてるにゃ!? 人権とかガン無視にゃー!?」

「魔族に人権とかあるんか?」

「ないですな」

『みゃ』

 

 さて、このような状況になるまでの経過を少し振り返ろう。

 

 フォルクルスをみんなの活躍で討伐した後。

 咆哮による洗脳を受けていたグランガッチの国民たちは無事に全員洗脳から解放されて、アンナ様の義理の父親である国王様も意識を取り戻した。

 事件の経過の説明をアンナ様とアンドレ様で行い、魔族の手が国全体に伸びていたことを理解したグランガッチの国王様は国民全員を助けていただけたことを謝罪と感謝を述べて、本格的な魔族の侵攻が始まることに対して全力での支援を約束してくれたらしい。

 その頃は俺とイレヴンはいなかったから伝聞だ。俺らはフォルクルスを討伐した直後にイレヴンをバイクに変形させて、ノインさんを迎えに走っていたからな。

 勘で場所を察していたので探すのに苦労はしなかった。国に流れる川を遡上した北のほう、洞窟の中にノインさんはいた。

 隣にあった守護結界の発生装置を再起動するのにノインさんの持つ魔力を全部使ってしまったらしく、高級な魔力回復薬を飲んでもすぐには魔力が回復してなかったんだって。

 俺の顔を見て安堵の表情を浮かべて、ぎゅっと抱きしめてくれたもんだから俺の方もドキドキしてしまった。

 ラッキースケベ発生でしたわ。まぁ事態が事態だったからすぐに離れて、イレヴンバイクに一緒に乗ってまた王宮に戻ったけどね。

 

 その後は様々な戦後処理が進んだ。

 俺らが侵入してぶっ壊しちゃった中庭全体の崩落はとりあえずおとがめなし。

 操られていた国民はやっぱり洗脳中の記憶はないようで、なんでここにいるんだ……っていう混乱があったけどそれは国王様から指示を受けたグランガッチの騎士団が国中を回って説明して回るらしい。

 国に魔族の手が及んでいたが、オーディンから来た使節団がそれを助けた……という事実がグランガッチの人たちみんなに知られる所になったようで。

 国家間のパワーバランスとか大丈夫かなとかちょっと思っちゃいますね小市民の俺としては。まぁその辺はアンドレ様たち王族に任せておけばええやろ。

 

 さて、そうして色々と話が進む中で……唯一、この場にまだ生存している魔族がいた。

 ルドルフさんが油断を見事について気絶させたカリーナだ。こいつはフォルクルスが倒れるまで気絶したままだった。

 フォルクルスを殺した後にまずヴァリスタさんが催眠魔法を掛け直してすぐに起きないようにして。さてどうするか、討伐するか……と色々話は出たのだが、俺の提案で命はまだ奪わない事にした。

 コイツには聞かなきゃならないことがある。

 もちろん魔族の現状の軍備状況とかフォルクルスがこの国を狙った理由とか、他の六大将軍がどこにいて何を狙ってんのかとか、無限に聞き出したい情報はあるんだけど、それ以上にまず俺が確認したかったこと。

 

「───お前さ。どこでリンを捕まえて来たんだ?」

 

 このカリーナという女が、奴隷商人と繋がっていた事実がある。

 それを問い詰めるチャンスだった。

 リンの事を『餌』と表現したこと。コイツが王都にいた違法奴隷商人にリンを卸した本人だろう。

 であれば、どこかでコイツがリンを捕まえたか……もしくは実際に捕まえた奴隷商人と関係があるに違いない。

 リンをこの国に連れていくべきだ、と勘が響いてたのはこれなのだろう。

 カリーナを捕らえて事情を聞き……リンの生まれ故郷を知る。

 そして恐らく、それは魔族と……魔王軍と、何か関りがある。

 でなければ魔族の幹部がリンの出自に絡むようなことはないだろう。それを知る時が来たのだ。

 

「……リン……お前がウチらから奪った竜人の娘の事にゃ?」

「そうだよ。耳元についた鈴がリンリン鳴るから俺がそう名付けた。一応今は俺があいつのパパだからな……答えろよ。どこでリンを見つけた? なんで誘拐してきた? なぁ?」

「…………くッ……」

 

 カリーナの口が重い。

 今は嘘もつけず、黙秘も出来ないようにノインさんの魔法がかけられている。

 にもかかわらずこれだけ抵抗するのは流石に魔族幹部って所か……もしくはそれほどに言いたくない内容なのだろうか。

 この情報が魔族全体の不利になるような内容……だとすれば、やはりここで何とか聞き出しておきたい。

 この部屋にリンはいない。俺とその護衛のためのサザンカさん、拘束のためにイレヴンとルドルフさん、そしてアンドレ様とノインさんがいるだけだ。

 他のメンバーはグランガッチの王族と共に事後処理に回っている。尋問なんざ子供に見せるもんじゃない。

 喋りたくない事を喋らせるのが拷問なのだ。

 仕方ない。やりたくなかったが、口を割らないというのなら……俺は躊躇わない。

 

「……そうか。自白魔法でも駄目ってんなら言いたくなるまで他の手段を試すしかないわな……」

「ヒッ!? や、めろ……来るにゃ!? 何があってもウチは喋らないにゃ!!」

「……マスター」

「ロックくん……」

『みゃ……』

「主殿。……拙者がやってもよいが」

「いや、俺がやる。リンの事だしな……躊躇わないよ」

「ひっ! い、いや……ぁ……!!」

 

 抵抗できないカリーナに近づいていく。

 びくりと恐怖で体が震え、豊満な胸がそれに連動するようにふるんっと揺れる。

 躊躇いはない。俺はシーフなのだからこういった事にも手を染めている。

 何度も経験があるしな。

 口を割らせるための拷問など慣れたものだ。手慣れている。

 俺はカリーナの瑞々しい肢体に手を伸ばして─────

 

 

 

「────にゃははははははは!!!! あーっははははははははは!!! にゃははははははは!! にゃふ!! んひひははははあひぃーーーーっひひひひ!!!」

「オラッ!! ここか!? ここがええんか!? ミャウと同じで弱点はやっぱ首元か猫だもんなァ!?」

「やめっ、やめるに゛ゃ゛ーーーー!! にゃはははは、ごほっ!! あははははははは!! 笑いすぎて、腹筋が、っははははは!! あひはははははっ!!」

「お前が喋りたくなるまで俺はお前を笑い地獄に突き落とすだけだぁ……!!」

「にゃははははははは!!! あははははっ、げはっ!! げほっ、ごほっ!! ダメ、笑いすぎて呼吸がッ……にゃひひひはははははは!!!」

 

 オラッ死ね! 笑い死ね!!

 俺の必殺のくすぐり地獄を受けて無事だったものはおらぬ!!

 と言わんばかりに俺はカリーナの全身をゴッドフィンガーで攻め立ててくすぐりまくった。

 

 孤児院時代に鍛え上げたこの指技。

 おおよその被害者は落ち込んだティオだったり忙しそうなシスターだったり、あと年下のガキ共に喧嘩で勝てない時にくすぐり勝ちし続けて来たフィンガーマスターが俺なのだ。

 相手の弱い所は勘で分かるしな。何度ティオを呼吸困難に陥れたか知れないよ。

 ミャウを拾ってからは猫相手のあやし方も学んだからな。暇なときにミャウをみゃうみゃうして笑わせて脱力させたりしてる。楽しいよ。

 

「にゃひーっ……にゃひーっ……言う……言うからぁ……!! もう許してぇ……!!」

「言う? 立場がまだ分かってないようだなぁこの猫ちゃんはなぁ!! 『言わせてください』だろォ!? (へりくだ)れオラッ!! 笑い死んだ最初の魔族になりたくなけりゃあなァ!!」

「にゃはははっ!! にゃはははははははは!! 無理です言いますっ!! 言わせてください!! 全部話させてくださいにゃぁ゛ぁ゛ぁ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!」

「マスターが余りにも生き生きしすぎている」

「主殿こんな特技も持っていたのでござるな……」

『みゃ。みゃっみゃぁ……みゃみゃ!』

「……ちょっといいなぁ……」

「むぅ、何と恐ろしい拷問だ!! 無傷で呼吸困難にさせて抵抗する気を失わせるとは!! 只者ではないなロック!!!」

「流石は意外性ナンバーワン冒険者でございますな」

 

 そうしてしばらく拷問を続けて、カリーナが完全に無抵抗になった。

 

「はぁっ…♡ はぁっ……♡ 激しすぎにゃ……すごかったにゃ……♡」

「いいからはよ吐けオラッ! もう一回ヤられてーのかオラッ!!」

「ひぃっ!? もうやめてにゃ! 言います……言わせていただきますっ……!!」

 

 汗ばんではぁはぁとデカパイが上気している。眼福だぜ。

 ここで誰も見てなけりゃおっぱいに手を伸ばすところだが流石にね。俺の女(錯乱)が見てる前でダイレクトセクハラはね。我慢しよう。

 

 さて。

 改めてカリーナがリンをさらってきた情報を聞く。

 

「……あの竜人の娘はブラックドラゴンの子どもにゃ」

「それはもう知ってる。その黒いドラゴンがどこにいるのかを教えろ。なんで攫ったのかもな」

「にゃ……物事の説明には順序があるにゃ。この世界には何匹か伝説のドラゴンがいるにゃ……それらは全てが大いなる魔力を持ち、その土地の龍脈……すなわち魔素を生んでいるマナの流れを管理してるにゃ」

 

 まず出てきたのはリンが黒いドラゴン……黒竜の娘であるという話。

 そしてドラゴンという存在は伝説の魔獣であるという話。ここまでは俺も知っている。

 しかし、ドラゴンが魔素を管理しているというのは初めて聞く話だった。

 

「……今の話聞いたことあります?」

「私は知識として備えています。レッドドラゴン、ブルードラゴン、グリーンドラゴン、イエロードラゴン、ホワイトドラゴン……それらはこの世界のマナを管理する存在で、仮に冒険者に討伐されてもその命はマナより甦る。しかし……」

「ブラックドラゴンというのは私も聞いたことがないですね~。世界各地にいるドラゴンの色に合う魔素が濃い地域にいるという話で……でも黒いドラゴンは噂レベルでも話題になかったはずです。しかしそれがいるということは、やはり……闇の魔素を管理するドラゴンなのでしょうかね~、ブラックドラゴンは」

「その通りにゃ。魔族領と人類の領土を分けるホエール山脈……その頂上にブラックドラゴンはいるにゃ。アイツが魔族にとって最上の栄養素である闇の魔素が過剰に漏れるのを抑え続けているのにゃ」

 

 ドラゴンがマナを管理するという話はちゃんと知識としてあったらしくて。

 でも本の虫の知識人であるノインさんもブラックドラゴンの事は知らなかった。前にも聞いたことあるしな。ということは人類が未踏の地に住むドラゴンなのかと考えた所その通りだったようで。

 

「ホエール山脈の頂上……!! なるほど、そこなら確かに誰も知らなかったわけです~。()()()()()()()でしたからね~、150年前は。時代が流れてアップデートの情報だけが反映されて侵入できるようになってたんですね~」

「……ノインさん?」

「ノルン? 今何といった?」

「あ、いや何でもないです~」

「急に変な事言い出したにゃ。……魔族は昔から、人類に与するブラックドラゴンを何とか討伐したいって考えてたにゃ。ただアイツは強いにゃ……150年前は手も足も出なかったにゃ。でも私たち魔族が再び復活した半年くらい前に調査に行った所、アイツは子を産んでたにゃ。それをチャンスだと思ったにゃ……」

 

 ノルンさんが急に異世界転生チートさんの小説みたいなことを言い出したので俺もアンドレ様も首をひねったが、しかしその後に続いたカリーナの話がさらに新しい事実を内容したものでそちらの話に集中する。

 魔族がどうして復活したのか……そこもコイツからあとで聞き出すが、今はリンの件だ。

 

「……リンが生まれてたことをチャンスと考えたってことは、ドラゴンは産んだ子に己の力を分け与える性質があるって事か?」

「そうにゃ。他のドラゴンも、ドラゴンとして生むかドラゴニュートとして産むかの違いはあれども……子供に己の力を少しずつ受け渡すにゃ。そして寿命を迎えても次の子がマナを管理する役割を担うにゃ。ドラゴンは自分の寿命を感じ取ったら子を産むにゃ」

 

 リンが生まれた理由。

 それは父親……いや母親か? とにかくリンの親であるブラックドラゴンが己の力を受け継がせるために産ませた子どもであって。

 それに気づいた魔族がリンが新たな管理人として力を目覚めさせる前にさらったという事か?

 しかし攫った理由が分からない。いや、こうして今は俺の元にいるから結果オーライと言いたいけど、魔族が取れる選択肢としてはリンを殺すという手段もあったはず。

 自白魔法も随分効いてきて、口の軽くなったカリーナに質問を重ねる。

 

「……なんでリンを攫った? 殺さなかった理由はなんだ? 何を狙ってた?」

「ドラゴンは自分の子供が死んだらそれを察するにゃ。殺したのが魔族だとバレればそれこそ魔族に甚大なる被害が及ぶ……当時はまだ復活してない魔族も多かったからなおさらにゃ。でも放っておくわけにもいかないにゃ。だから一旦攫って、奴隷として人類側の好事家に売って……そこで嬲り者にされればブラックドラゴンの怒りの矛先が人類に向くんじゃないかと考えたにゃ。結局お前にそれは妨害されちまったがにゃ」

「……そうかよ」

 

 胸糞悪い話が零れてきちまった。

 なるほどな……なるほど。ブラックドラゴンは魔族に敵対行為をしていたから殺したい。ただまだ魔族の力を持っても殺すのは難しい程度には力を残していた。

 だから子どもを、リンを狙った。しかしそこで子供を殺しちまったらそれこそ怒りを買っちまうから、攫って人類側に奴隷として流してそこで虐待を受けさせることで人類側へ怒りを向けようと考えていた。そのようにこの女が仕向けていた。

 だが俺がリンを盗み出して、さらに面倒まで見ちまって平和に過ごさせたことでコイツの企みを台無しにしてた……って事か。

 

「…………」

「マスター……」

「外道め。幼子を巻き込み己が野望を満たそうなどと……」

「待て、まだ殺るなサザンカ殿! リンの件以外にもまだまだ聞かねばならんことがある!!」

「自白魔法も随分と回ってきているようでございます。今後の魔族との戦争に備えて引きずり出せる情報は引きずり出しておきたいものですな」

「早いとこ聞き出したいですね~。フォルクルスが死んだので直属の部下にしか使えない転移魔法で逃げられることはないですが~、魔王が目覚めていれば遠隔で始末される可能性もありますから~」

 

 少し俺が怒りを堪えていたところで、心配してイレヴンが肩を支えてくれる。

 怒りに震えるサザンカさんや、それを止める冷静なアンドレ様などもいるが……しかし、俺の聞きたい用件はあと2つだけだ。

 それだけ聞けばあとはアンドレ様に任せるさ。

 

「……ブラックドラゴンのいる所を詳細に教えろ」

「にゃ。ホエール山脈の麓に小さな温泉があるにゃ。源泉が白くて有名な温泉……そこからまっすぐひたすら北西に登った所にゃ。近くに行けば闇の魔素が濃くなるからすぐにわかるはずにゃ」

「バードマン温泉ですね~。グランガッチからは王都と逆方向ですが……ロックくん、まさか……行くんですか?」

「……いや、とりあえず場所は分かったんで、今はそれだけでOKです」

 

 一番聞きたいことが聞けた。

 ホエール山脈の頂上。バードマン温泉から北西に登って行ったところ。

 そこにリンの親がいて、リンが会いたいと願うなら……連れて行ってやるべきだとも思う。

 けど、今すぐにって話じゃない。

 先程の戦いで俺らも消耗しているし、グランガッチの混乱はまだ収まってないからな。

 それになにより、リンがどうしたいかを聞いてない。

 落ち着いたらリンに話して……アイツがどうしたいか、それを聞いてからだ。

 

「じゃあ俺からは最後にもう一つだ」

「なんにゃ」

「お前らが今回グランガッチにいたのは獣人を操って王都への尖兵にしようとしてたからだよな?」

「そうにゃ。同士討ちさせるのが一番手っ取り早いにゃ。フォルクルス様は獣人を操るスキルを持っていたにゃ……」

「なるほどな。じゃあ()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 そして聞きたかった最後のこと。

 今回の事件と直接の関係はないが、俺にとっては絶対に聞いておきたかった情報だ。

 俺がそれを聞く理由に、正しく思い至るのはこの場ではイレヴンだけ。イレヴンも俺が聞く理由は察して、黙っていてくれた。

 

「……当時、エルフを操っていたのは……吸血姫『ベルベッド』様。六大将軍の第4席の御方にゃ。あの方は支援系、催眠系の魔法に長けていたにゃ。相応の準備は必要だけど、場が整えば種族を問わず操れたにゃ」

「ベルベッド……」

『……みゃ』

 

 そして事実確認ができた。

 やはりエルフは魔族に操られていたんだ。それでダークエルフに堕ち、人類と争う事になった。

 その事実が人類に伝わらなかった。希少種だから。戦争になってしまっていたから。

 だから……禍根が残り、悲劇が生まれ、シスターが……。

 

「……ベルベッドってやつはどこにいる」

「わからないにゃ。半年くらい前から魔族幹部や将軍様が復活し始めたけどまだベルベッド様とアブソリュート様は御姿を見ないにゃ。復活していないのか、復活していて魔族領に戻れていないのか……」

「…………そうか」

 

 これでもう俺から聞きたいことは全部聞けた。

 エルフの件、出来ればその元凶がどこにいるかは聞いておきたかったけど……分からないってんなら何も出来ない。

 いや実際、やるかどうかって話は全く別なんだけどな。エルフ関連の話は勿論怒りはあるけど、直接の被害者はシスターであり、関係者はティオだ。

 この情報も、王都に戻ったら二人には伝えよう。シスターが復讐なんてするはずもないし、ティオはもともと冒険者だから戦うのが宿命みたいなもんだけど。

 それでもエルフが裏切ったことの事情の真意を知れば……救われる何かが、あると思うから。

 

「すみません。リンの親ドラゴンの件については俺の方から言うんで……アイツには秘密でお願いします」

 

 その場にいるみんなにリンの件だけお願いして、頷いてくれたことを確認し……俺はイレヴンとサザンカさんを連れて、尋問の場を後にした。

 

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