勘のいいガキはデカパイハーレムの夢をあきらめない!   作:そとみち

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87 『デカパイドレス祭り』よッ!! デカパイで顔を圧迫してッ! 早くッ!!

 

 フォルクルスとの戦いを終え、カリーナの尋問も終えて、その日の夜。

 中庭を除いた王宮全体の安全確認を終え、崩落の危険がない事を魔法で確認して……国内の騒動も一先ず落ち着きを見せて。

 そして俺たち王都遠征組一行は、改めてグランガッチの王族により開かれた歓迎会と謝礼を兼ねたパーティ……いわゆる貴族の夜会に参加していた。

 

「事件があった当日に食事会やるんか……」

「グランガッチは元々国全体がパリピな感じなんですよ~。祭り好きと言いますか……大会に客が少ないのおかしいな~って話してたのもそれが理由ですし、アンナ姉様が第二王子を見初めて結婚するくらいですからね~」

「凄い説得力ある」

『みゃあ!』

「アンナは確かにそういう性格の男性を好みそうですね。パリピ夫婦だったのですね」

「大変仲睦まじいご夫婦でございますよ。グランガッチの国王様からもアンナ様は大変覚えが宜しいようで」

 

 俺は潜入捜査に入る前に着替えた正装を改めて身に纏っており、イレヴンたちもあの時に買ったドレスを着用中だ。超眼福。

 ノインさんも俺の隣にいてくれて、純白の気品あるドレスが空色の髪によく似合っている。褒めたら喜んでくれた。可愛い。

 したらイレヴンもサザンカさんも何故かドレスの感想を求めて来たので素直にめっちゃエロくて最高って答えたら微妙な顔された。なんや。

 

「ごはんおいしい……おいしい! うまうま!!」

「リン殿、余り一気に食べ過ぎるとドレスに零れてしまうでござるよ。呑み込んでから次を食べられよ……ほら、ほっぺについているでござる」

「むむ……! ごくん!! ありがとサザンカ!!」

「めちゃくちゃ料理出てくるな……いや流石グランガッチだわ。獣人は食事量多いもんな基本的に」

「うむ! 問題はそれが見る見るうちに消えていき給仕が追い付いていないことだな!! ドラゴニュートのお二方がまぁよく食べる事!!」

「我らは通常の人類や獣人とは違い、体内にドラゴンと同等の魔力炉心を携えているタイプの竜人なのだ。燃費はレベルが上がれば上がるほど悪くなる……強者の弊害だな。うむ、このドネルケバブはよく火が通っている」

「いやヒルデガルドさんケバブって肉塊にそのままかぶりつくもんじゃないと思う」

 

 アンドレ様とアンナ様はグランガッチの王族と国営にかかる話をしているので離れた席で食事をとっている様だ。

 そして俺らの目の前、出てくる料理をそのままがつがつと食べ尽くすドレス姿の竜人が二人。うちのリンとそのお姉さんのヒルデガルドさんだ。

 今なんかヒルデガルドさんからまた新しい情報零れてきて俺戦慄してんだけど??

 なに? リンの胃袋はまだ本気じゃなかったって話か? 確かに遠征始まってからヒルデガルドさんに鍛えられてたので、いっぱい食べて回復しろよと思って20人前くらい食べさせてたけど今後はそれが常態化するんか??

 金はあるけどさ。作る側の手間とかそういうさ。

 サザンカさんがきっと何とかしてくれるだろう(白目)。

 

「……ふぅー……」

「マスター……?」

 

 まぁでも冗談じゃなく、リンとの関係は重大な意味を持つようになっちまったからな。

 もちろん俺はリンの事を家族として愛しているので蔑ろにするとかそういうのはないけどさ。

 コイツの親である黒竜が、魔族にとって要である闇の魔素を管理している存在だということで……そしていずれはリンがその使命を背負う、ようなことになるのだろうか。

 

 分からない。

 俺はどうすればいいのか。

 

 まぁ俺が分からないのは当たり前の話なんだよな!!(真理)

 

 だってリンの事なんだもん。

 リンが知って、どう考えて、何を選択して、どう決断するかって話なんだから。

 そこに俺の意思が入る余地ねぇわ!! 俺はリンの意思を尊重するわ!!

 

 ってわけで早速伝えますかね。

 こんなん俺だけで悩んでても何にもなんねぇし。

 ちっと頑張って悩んでみたりしたけどやっぱ俺は悩むの似合わん。

 

「……リン」

「ん!! ふぉんははほっふ!?」

「口の中の食いもん飲み込んで落ち着いてな。ちょっと話があってさ」

「ん。……もごもご……ごくん。ん! ……なに?」

「黒いドラゴンの詳細が分かった」

「……えっ!? ほんと!?」

 

 俺はリンに歩み寄り、そっと膝をついて目線を合わせる。

 いや俺自身が身長そんな高くないからちょっと見上げるような形になるけど。

 普段はあり得ない視界の低さから見えるロリデカパイ下乳を包むドレスがちょっとイケない気持ちにさせるけど! そういう目でリンは見てないけど!!

 

 しかし俺の放った言葉に驚愕に目を見開いたリンが、料理を手からぽろっと落として呆然としてしまう。

 料理は地面につく前にルドルフさんがシュババッとキャッチして無事だったが……まぁそれくらい衝撃的な話だよな。

 ずっとずっと探し求めていた情報なんだから。

 

「魔族から聞き出した。リン、お前の親のドラゴンはこの国の近くにいる」

「どこ!? わたし、おとうさんにあいにいきたい!! どこにいるの!?」

「待て、慌てる気持ちは分かる……が、まず俺の話を聞いてくれ。シスターにも教わったろ? 人の話を聞く時は静かにしましょうって」

「うっ……ん。わかった……」

「えらいぞ」

 

 リンが俺の言葉を聞いて、大人しく話を聞けるように口を噤んだ。

 尻尾はちょっとそわそわと動いているが……しっかりとシスターの教えを守り、人の話を聞く時はまず落ち着いて聞けるようになっている。ずっと静かにしなさいって言われ続けてた俺とは大違いだ。

 ……大人になったんだ。

 この旅の中でも護る為の強さを自分から求めて教えを乞えるようになり、孤児院の子供たちにはちゃんとお姉さんとして守れるようになって……そして、俺の話も静かに聞けるようになった。

 俺と出会った頃と比べると本当に成長した。

 だから……俺の話を聞いて、自分で自分がどうしたいかを決めることもできるだろう。

 そう信じて、俺はカリーナから聞き出した情報をすべて嘘偽りなく伝えた。

 

「じゃあ話す……まず─────」

 

 ホエール山脈の頂上にブラックドラゴンがいること。

 ドラゴンという種族が世界のマナを管理する存在で、ブラックドラゴンは闇のマナを担当していること。

 産んだ子供にその使命を託すのが通例であること。

 リンがブラックドラゴンの子どもということは、リンがその定めを継ぐかもしれないこと。

 リンを攫った魔族がカリーナであること。

 カリーナがリンを攫った理由。

 

 俺が聞いた情報を全て余すことなくリンに伝えた。

 

「……って感じだ。最後まで聞けて偉かったな、リン」

「うん…………ううん……?」

「リン……」

『みゃあ……』

「……どうしたい? 俺はリンの希望に沿うよ。今からでも行きたいって言うなら準備して連れていくし……」

 

 話を聞いて、リンは苦悩の表情を見せた。

 そりゃ悩むだろうな。会いたいと思っていた親がいる場所が分かって……でも、同時に自分が次の闇のマナの管理人になるのかもしれない、なんて話を聞いてしまったら。

 苦悩させたくないってのが本心だけど……けど、ずっと知らないままで過ごすのがリンのためにならないと俺は考えた。

 

 知って、どうするか。

 以前シスターとも話した内容。リンが何を選択するのか、俺はそれがどんな選択であっても聞き届けるつもりだった。

 

「……ヒルデ」

「なんだ」

「ヒルデも……ドラゴニュートだよね? どうしてヒルデはむかしからずっと……その、かんりにん? になってないの?」

 

 さてそんな思い悩むリンだが、自分一人で答えを出す前に同じ種族であるヒルデガルドさんに答えを出す(しるべ)を求めたようだ。

 確かに。ヒルデガルドさんもドラゴニュートで……恐らくはレッドドラゴンの子なのだろう、鱗や竜翼、髪の色などから見ても。

 しかし彼女は150年以上前から自由人だと聞いている。マナの管理を引き継がなかったのだろうか。

 

「……私は、生まれ落ちた時には既に二人の姉がいた。三つ子の末妹というやつだ。私は出来が悪くてな……次女が管理人を継いだのだよ。親のドラゴンと長女は()()()。私は結局親の意思も継げず、姉も守れず……根無し草でぶらぶらしている世捨て人なんだ」

「……」

「親から分け与えられた魔力炉心も姉妹で3分割だったからお前よりも随分と才がない。100年以上生きていてもこの程度の力だからな」

「……わたしにも、きょうだいがいるのかな?」

「どうかな。……ドラゴンが子を産む条件は2つ。一つは私やお前のように、次代に継ぐ子を産む時だ。これは単性生殖で行われ、子の体内には魔力炉心が宿る。お前の体内にある炉心は私の物よりも強いな、年齢を考えれば。つまりお前は一人っ子の可能性が高い」

「……なるほど?」

「もう一つはドラゴンと人が交わった場合……この場合はドラゴニュートとしての才能と交わった人間の才能をそれぞれ引き継ぐが、魔力炉心は持たないドラゴニュートが生まれる。150年前の冒険者飽和時代にはこのタイプのドラゴニュートがそこそこいたな」

 

 ヒルデガルドさんからまた新しい情報が零れ落ちてくる。

 うーん……こんだけ詳しいと、俺とリンに最初に会いに来た時点でリンがどんな境遇の子なのか察してた疑惑あるなこの人。

 ただ、当時の俺たちにそれを伝えてもどうにもならなかった。俺は金も力もない銅級冒険者だったし、リンはまだ言葉も覚えてない子供だった。

 だから俺達の事を(おもんばか)って当時は何も伝えなかったんだろうな、ってのはちょっと感じられた。

 

 けど最後の情報ちょっと待ってくださいよ??(豹変)

 

「ドラゴンと人が交じり合って……? えっ。どうやって交じり合ってたか詳しく聞いてもいいっすかねェ!? ドラゴンがオスだとすればそれを受け入れたメスが!? とんでもねぇメスだなオイ!?」

「急に興奮し始めるなロック=イーリーアウス」

「黙れマスター大至急」

「どうして主殿はすぐに恥をさらすのか」

「真剣な話してる時の顔はすごくいいんですけどね〜、長続きしませんね~」

 

 いやだってさぁ!? ドラゴンが人と交わってドラゴニュートが生まれるケースが当のドラゴニュート本人に証明されたんだぜ!? 革命だよ革命!!

 すげぇ……ドラゴンのちんちんを受け入れる女の人がいるってことだろ? 夢があるなオイ……ドラゴン側どうやってハメたんだよマジで……ドラゴンって身長10m以上あるって話だろ? すご。

 

「ちなみにドラゴンと人の交わりはドラゴン側がドラゴニュートに変身して為されるので貴様の想像するような物とは違うぞロック=イーリーアウス」

「なんでぇ。つまんね」

「ロック、いまはそういうはなしじゃない……!」

「はいおっしゃる通りデス。これが人の話を静かに聞けないダメな大人の姿だぞリン。お前はこうなっちゃ駄目だぞ」

「ばーか。……ふふ。ロックはおばか」

「何も言い返せねぇや」

『みゃあ!』

 

 いつものように興奮を零したらみんなに突っ込まれた挙句リンにも呆れられらるというね。

 かなしみ。どーせ俺はこんな奴だよ。シリアス長続きしないマンだから。

 でもリンから笑顔がちょっと零れたので道化になった甲斐があるわ。コイツには笑顔でいてほしいというのは俺の願いだ。

 俺の願いであって、リンの願いではないのだけれど。

 

「……ロックは、さ。わたしといっしょにいたい?」

「そりゃもう当然」

「……わかれたく、ない?」

「そりゃもう当然」

「……でも、もしおとうさんが……わたしにあとをつがせるってはなしになったら……おうとにいられなくなっちゃう……あえなくなっちゃうよ……?」

 

 重ねてリンが俺の気持ちを聞いてくる。

 もちろん嘘偽りなく答えるさ。俺はリンと離れたくない。それが本心。

 けどリンが危惧するところはちょっと違うかな!

 

「そもそもどうなっても俺とリンが会えなくなるような事にはならんが」

「……え?」

「お前が仮に親御さんの後を継いでホエール山脈の頂上でマナの管理人になったとしても全然会いに行くからね俺のほうからね!! お前がヒルデガルドさんみたいなデカパイムチムチドラゴニュートになって俺に体で恩返ししてくれるまでは会いに行くからな俺は!! 週一で様子見に来るわ!!」

「どうして肉欲を我慢できないのだロック=イーリーアウス」

「王都とホエール山脈の往復で週一はかなりキツくないですかマスター」

「やかましい! 俺の性欲とお前のバイクなら不可能はない!!」

「キメ台詞のように言っておられるが内容が中々に下種いでござるぞ主殿」

「うるへー!! 嘘偽りなく俺の想いを伝えてるだけですし!! どんなことになっても俺がリンと永遠に離れるようなことはない!! それは約束する!!」

「ロック……」

「……だから、あとはやっぱリンがどうしたいかだよ。どうする?」

 

 別にリンがホエール山脈の頂上でマナの管理人になったからって会いに来ちゃいけないなんてルールないしな。

 フツーに会いに行くわ。親御さんがどう見るかは知らんけど俺だってリンのパパであっていずれはヒカルゲンジを予定しているんだからな。ヒカルゲンジって結局なんやろ。

 だから今生の分かれなんてもんはない。リンが将来的にどうしたいか、俺はそれを応援するだけだ。後方親父面でいつだってリンを見守ってるよ。

 

「…………ん……!」

「むぎゅ?」

「あ」

「む」

「あら~」

『みゃ』

 

 さてそこまで言葉を尽くしたところで、リンの前で膝立ちになって見上げていた俺の頭をリンがぎゅっと抱きしめて来た。

 りん、と彼女の耳についた鈴が鳴って。

 体勢の都合でリンのロリ巨乳に俺の顔が埋まることになってしまった。事案だよ。

 しかし相手がリンだからか特段えっちな気分にはならん。むしろ母性を強く感じる。

 しっとりした表情で俺の顔を見つめるリンに、間近で此方も見つめ返して。

 

「……ロック。わたし、やっぱりおとうさんにあってみたい」

「そっか」

「うん。あって、はなして……おとうさんがどうかんがえてるのかしりたいの。それで、もしかしたらわたしがおとうさんのあとをつぐようになるのかもしれないけれど」

「うん」

「それでも、わたしにあいにきてくれる?」

「週一でな」

「マジで通うつもりだよこのマスター」

「ふふっ……うん。じゃあやっぱり、こわいものないや。ロック、おねがい。わたしをおとうさんのところにつれてって」

「了解、お嬢様(フロイライン)

『みゃ!』

 

 決まりだ。

 リンの望みを俺は叶えてやりたいからな。

 

 次の行き先はホエール山脈。

 未踏の地に存在するリンの親に会いに行くことになった。





第四章終了。
次回から第五章に入るのですが、書き溜めが枯渇し始めたので少々書き貯めの期間を頂きたく、次回更新から毎週土曜の更新になります。
更新頻度を緩めますが最後まで話は考えてるので完結には必ず辿り着きたいところです。
あと50話くらいの見込みです(信頼度20%)

ここまでのお話が面白かった・この先のお話が気になる・完結まで頑張れと応援いただける方はお気に入り登録・感想・評価などを頂けると大変嬉しいです。
作品更新の励みになります。
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