幻夢コーポレーションに関して、警戒心を高くしながら、俺達は永夢さんから新たな情報を貰っていた。
「俺達が依頼を受けている間に、そんな事が、すいません。すぐに来れなくて」
「あっ良いんだ、そっちの仕事も大切だから。それにしても」
そうしながらも、永夢さんは、ブリザードエイジを手にしながら見る。
前回の戦いにて、姉さんが作りだした新たなガシャット。
もしかしたら、今後の役に立つかもしれないので、永夢さんにも起動して貰おうとしたけど。
「まるで、反応しないですか」
「うん、さっき、試しにやってみたけど、全然。そっちの方は」
そうして、俺も永夢さんから受け取ったゲキトツロボットを起動させた。
だが、結果的に言えば。
「駄目ですね」
それを使用する事は出来なかった。
同じガシャットのはずなのに、なぜ反応しないのか。
疑問に思う俺達を余所に、姉さんはこちらに来る。
「詳細は分からないが、どうやら私達と永夢達のライダーシステムを共用する事は出来ないようだ。
幸いにも、君から借りたデータを元に、ゲキトツロボットの複製する事は出来たがな」
「なんか、犯罪しているようで悪いなぁ」
「そう言わないでくれ」
そうしながらも、ゲキトツロボットを永夢さんに返した。
「それにしても、同じはずなのに全く違うなんて、なんか同じゲームなのに、機種が異なるから遊べないという感じに似ているような」
そう永夢さんは呟く。
「とりあえず、僕はこれで」
「はい、それじゃ」
そうして、永夢さんとそのまま別れる事になった。
未だに、情報が少なく、どう行動すれば正解なのか。
それがまるで分からない。
「姉さん、情報共有はやっぱり」
「エグゼイドは、性格的にも信頼は出来る。だが、同時に彼は幻夢コーポレーションの事を信頼している。迂闊な情報は彼にも危険を及ぼす」
「だとしたら、情報共有をするべきは」
「まぁ、極端に言えば、貴利矢さんに」
俺達が、そう話し合っている時だった。
先程、別れたばかりの永夢さんからの連絡が来た。
「永夢さんが、一体?」
俺は首を傾げながら、その連絡を受ける。
「もしもし、永夢さん、どうかしたんですか?」
「ごめん、すぐにこの場所に来てくれないか、バグスターが現れた!」
「っ」
その言葉を聞くと共に姉さんと共に頷く。
ここから、目的の場所まで遠い。
バイクで移動しても、間に合うかどうか分からない。
「ならば、これをさっそく使ってみるか」『ゲキトツロボット』
「ぶっつけ本番という訳か、何が出るか分からないぞ」
「勿論」
そのまま、俺の身体の中に姉さんが入る。
そして、そのままガシャットをゲーマドライバーに装填する。
「「超進化!!」」『『ガッチャーン! レベルアップ! 僕らの物語は進化する! デジモンストーリサイバースルゥース! アガッチャ!ぶっ飛ばせ!突撃!ゲキトツパンチ!ゲ・キ・ト・ツロボッツ!』
俺達は、そのまま新たな姿へと変わる。
姉さんの顔はまるで狼を思わせるように変わる。
それは、以前のシャカリキスポーツとどこか似ている。
しかし、それとは違うのは、背中に巨大なロケットエンジンを背負う。
そして、その拳には鋼鉄はまるでロボットを思わせるアーム。
「これは、マッハガオガモン?」
『どうかしたのか?』
「いや、前回のはガルルモンだったのに、なんでガオガ?」
『それは私に言われても知らない。とにかく、向かうぞ』
同時にロケットエンジンが点火する。
ここから、目的地まで届くかどうか分からないが、それでも真っ直ぐと飛ぶ。
「うわぁぁぁ!!」
『ふむ、翼で飛ぶのとは違う感じだな』
「冷静に言っている場合!!」
俺はそのままジェット噴射に身を任せながら、目的地が見えてくる。
すると、そこには見た事のないバグスター。
そして、そのバグスターが永夢さん達3人に向けて、攻撃を仕掛けようとしていた。
「姉さん!」「あぁ!」
そのまま、俺は空中から真っ直ぐと降下しながら、そのバグスターに向かって、拳を振り下ろす。
「ほぅ、来たか!」
バグスターは、俺達の存在を感知すると、永夢さん達に放とうとした攻撃をこちらに向けた。
「うわっと!?」
俺達は急いで回避し、着陸する。
「来たか、スルゥース!」
『待たせてすまなかったな、それにしても」
こうして見ると、スナイプ。
そして、見た事のないライダーまでいる。
「まさか、お前まで来るとは、嬉しく思うぞ、スルゥース!」
そう、武器を持つバグスターはこちらに向ける。
「俺は『ドラゴナイトハンターZ』の龍戦士グラファイト!さぁ、戦いを始めるぞ!」
すると、グラファイトは、その手にある武器がこちらに向けた。
それに対して、俺はすぐにガシャットをキメワザスロットに装填する。
それは永夢さんも同じだった。
『『キメワザ!ゲキトツクリティカルストライク』』
それと共に、俺と永夢さんは同時に拳を構える。
「『ウィニングナックル!』」
そして、俺達が放った一撃。
だけど、それは。
「「『えっ』」」
「ぐっ!」
なんと、グラファイトの放った一撃を簡単に吹き飛ばした。
だが、そんなグラファイトはすぐにその場を退散した。
「今のって」
それは、俺達が考えていたよりも遙かに強力な一撃。
驚きを隠せない俺達だが、既にバグスターはいなくなっていた。
「・・・研修医、そこにいる奴は」
「あっ」
すると、俺達に話しかけたのは、先程の戦いで後ろにいたもう1人のライダー。
「永夢さん、この人は」
「あっ、そうか、タクミ君もドルモンも初対面だったんだね、えっと、この人は鏡飛彩さんです」
そうして、鏡さんは俺達を見つめる。
「・・・お前達が、報告にあったバグスターウイルスに感染させられた物好きな患者と、そのバグスターか」
「それは、合っているけど」
「ならば、早々に切除する」
「待って下さい!ドルモンは、僕達の味方です!だから」
「それで、そいつが消滅したら、どう責任を取る」
そう、永夢さんはすぐに鏡さんを止めようとするが、反対に鏡さんから言葉が出る。
「・・・なるほど、確かに一理はある。だが、今はその時ではない」
「ドルモン」
すると、俺から分離した姉さんは鏡さんの言葉を聞いて、そのまま近づく。
永夢さんは、そんな姉さんを心配している様子で見つめる。
「だが、バグスターウイルスに関して、未だに謎が多いはずだ。私自身もまだそれが不明だが、情報源としては役に立つと思うが」
「それで信頼しろと」
「まぁ、難しいかもしれない。だがな、私自身は、助手を、弟が成長するのを見届けたい」
「姉さん」
そんな言葉に、俺は姉さんを見つめる。
「っ」
すると、鏡さんは、どこか苦い顔をした。
「飛彩さん?」
そんな様子を見て、永夢さんは首を傾げる。
「ならば、そうしておけ。治す意思のない患者を治療するつもりはない」
それだけ言い、彼は去って行った。
ブレイブ・メモリー
グラファイトとの戦いの最中に現れたスルゥース。
以前から、その情報はこちらに来ていた。
今でも謎の多い彼らに対して、警戒をする必要はある。
だけど。
「まぁ、難しいかもしれない。だがな、私自身は、助手を、弟が成長するのを見届けたい」
「姉さん」
俺の脳裏に思い浮かんだのは、あの2人のやり取り。
それは、今でも残るあの想い出が過る。
「俺に切れない物はない!だけどっ」
切る事は出来るだろう。
だけど、それを行う事は出来ない。
あの2人を引き離す事は、なぜか、俺の思い出を引き離す。
そんな風に想像してしまった。