仮面ライダースルゥース   作:ボルメテウスさん

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根底は同じだが

貴利矢さんからの言葉を聞いた俺達は、多少迷ったが、そのまま彼と共に調べる事にした。

俺達が案内されたのは、今の貴利矢さんの職場らしい病院であり、彼の机まで案内された。

 

「調べると言っても、どうするつもりだ?あいにく、私は実験体にされるつもりはないが」

「分かっているよ、君は他のバグスターと変えは効かないからね。何よりも、自分としてもあんまり知り合いに酷い目に遭わせたくないから」

 

そうしながらも、貴利矢さんが取り出したのは、爆走バイク。

 

「爆走バイクを、なんで今、ここに?」

「自分が今、少し借りたいのは、そちらの爆走バイクなんだよね」

「俺達の?別に良いですけど」

「おっ、サンキュー」

 

なぜ、ここで爆走バイクを欲しがるのか疑問に思うが、特に拒否する理由もなかったので、俺達は、そのまま貴利矢さんに渡した。

すると、貴利矢さんは、そのまま爆走バイクを読み取る為に買った機械にセットした。

それも二つ、同時に。

 

「これは一体?」

「変身出来ない理由を探ろうにも、ガシャットは幻夢コーポレーションにしか知らないからね。

分かるとしたら、同じ物を見比べたら、何か分かるかもしれないと思ってね」

 

そうしながら、貴利矢さんはパソコンにセットした爆走バイクのデータを見比べる。

 

「それで、自分としては聞きたいのは、感染されたのは何時ぐらいな訳?」

「そうですね、確か」

「16年前だな」

「えっ?」

 

それを聞いて、貴利矢さんは、思わず俺達の方に振り返る。

 

「16年前って、それは可笑しいだろ、だってバグスターは5年前に、いや」

 

すると、貴利矢さんは何かを考え始める。

同時に、貴利矢さんは、何かを理解したように、見比べる。

 

「なるほどなぁ、だからか」

「どういう事ですか?」

 

すると、貴利矢さんは納得したように頷くと共に、俺達にガシャットを渡す。

 

「少し分かったんだよ、ドルモンの正体が」

「本当ですか、それは一体!?」

「少しだって、言っただろ、まぁ、極端に言えば、バグスターに近い別の生命体だな」

「バグスターではない?」

 

それには、俺も姉さんも首を傾げる。

 

「君達の情報によれば、誰かの手で造られたという部分だけど、おそらくは間違っていない。

二つのガシャットには共通したデータが多くある。おそらくはガシャットの内部にある情報だと思う」

「けど、バグスターに近い何かって、どういう事だ?」

「おそらくは、元々、バグスターとドルモンは同じデータから作成された。だけど、各々が別の手に渡った。バグスターを利用した黒幕は感染を目的に作成した。それが現在も広まっているゲーム病の元」

 

そう、貴利矢さんは、自分が変身に使っている爆走バイクを見せる。

 

「一方、そちらは最初にタクミ君が触れた事によって、変化。体内に取り込んだ事によって、バグスターとは全く異なる生命体を生み出した」

「それが、私という訳か」

「しかも、見ていると、おそらくは感染している人物を消滅させようとした病原菌を排除する為に、それに似た特性へと進化する。だが、急激な進化は身体に大きな負担がある」

「だから、ドルガモンになった時には、苦しかったのか」

「まぁ、バグスターが人を乗っ取って、殺す存在ならば、ドルモンはいわば、人と共生する生命体という訳だな」

 

そうすると、貴利矢さんも納得するように頷く。

 

「だからこそ、プロトゲーマドライバーが使えたんだと思うぜ」

「どういう訳?」

「自分は色々な所から情報を取っているからな。そのプロトゲーマドライバーは、そもそもプロトガシャットって言う、ヤバいガシャットでしか変身出来なかった。

けど、プロトガシャットよりも前に生まれたドルモンだからこそだな。本能的に、それに対応する為に変化したんだろうな」

「俺達が、貴利矢さん達のガシャットを使って、変身できなかったのは」

「あまりにも世代が離れすぎた為だろうな。世代が近い故に、プロトゲーマドライバーは使えた訳だな」

 

最後に貴利矢さんは頷く。

 

「だけど、これはある意味、良い知らせだ」

「というと?」

「つまりは、ドルモンはバグスターウイルスじゃない。どちらかと言うと、バグスターワクチンだな。あぁ、でも、これだったら語呂が悪いな」

「ふむ、ならば」

 

すると、姉さんが呟く。

 

「デジタル・モンスター、略してデジモンでどうだ?」

「デジモン?」

「なんとなくだが」

 

それに対して姉さんは、笑みを浮かべる。

 

「うんっ、それで行こう」

「そうだな、さて」

 

すると、俺達の所に連絡が来た。

 

「もしもし、永夢さん、どうかして!えっ!?」

 

俺達の元に来た連絡。

それは、なんと患者の身体から二つのバグスターが現れたこと。

それを聞いて、驚きを隠せなかった。

 

「どうやら、さっそく出番のようだな」

「はいっ、貴利矢さんは」

「良いぜ、自分も、少し気になっていたしな」

「ありがとうございます!」

 

俺達はすぐにバグスターの場所に向かって、走る。




レーザ・メモリー
「デジモンか」
まさかの想定外の事実に、自分は驚きを隠せなかった。
何かしらのバグスターの変異種だとは思っていたが、そもそも別の生き物であるという事で、少しだけ残念な気持ちもあった。
だが、同時に新たな可能性にも見られた。
「現状のバグスターは、おそらくは進化していても、根元は同じだ。そして、ドルモンが行っているガシャットの作成もまた、元々の物を再構築している」
それは彼らで造りだしたガシャットのみでしか出来ないだろう。
これまでの戦いで、本来のガシャットでは見られない姿も、彼ら自身の中にあるデータを組み込む事で、新たな姿へと再構築したんだろう。
その証拠が、爆走バイクを使って、彼らが変身したリベリモンという姿。
周囲の環境に順応して、進化する。
まさしく、デジタルモンスターという訳だ。
さらには、それを進化させた事で、新たなガシャットも生み出す事が出来る。
だけど。
「それもまた、彼らの中でしか出来ない」
それは、他には応用する事が出来ない。
自己解決してしまった生命体故に、治療する事は出来ない。
戦力という意味では、今後も頼もしい存在だ。
「今よりももっと前、それこそバグスターウイルスが最初に感染した人間のDNAがあれば、造れる可能性がある」
バグスター化した遺伝子の一部を正常なDNA配列に再構築して、置き換えるシステムが。
その為にも。
「探すしかない。黒幕から情報を聞き出して、最初のバグスターウイルスの感染者を」
消滅していない事を願うしかないがな。
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