「ここで、死んでたまるか」
そうしながら、貴利矢もまた、すぐにギリギリチャンバラを起動させる。
それと共にレベル3へと変わると同時に、その両手にはガシャコンスパローを両手に持って、構える。
「ははははぁ、無駄な事をねぇ!」
そう、ゲンムは笑い声と共に、ゆっくりと歩く。
それを見た貴利矢もまた、ガシャコンスパローで斬りかかる。
だが、その攻撃を、ゲンムは軽く手で受け流しただけだった。
次の瞬間。ガシャンと音が鳴り響き、貴利矢の腹部が撃ち抜かれていた。
ゲンムの攻撃は、一撃で貴利矢のレベル3という防御を打ち破っていたらしい。
それを、瞬時に把握する。
「ぐっ」「まだ、終わっていないぞ」
それと共に、貴利矢に対して、ヴァンデモンもまた攻撃を行っていた。
蹴り飛ばされた貴利矢へ、更に追撃を仕掛けようとするヴァンデモンに合わせるように、ゲンムは蹴り上げる。
「はははぁ! 君に出来る事なぞ、たかが知れている!」
「だからどうした? やってみなければ分からないだろう?」
それと共にゲンムの足を受け止める貴利矢だが、それはあくまで一時凌ぎに過ぎない。
そして、この隙を逃さないゲンムではなく、すかさずヴァンデモンが貴利矢の顔面を殴り飛ばした。
その勢いによって吹っ飛ぶ貴利矢は即座に体勢を立て直そうとするも、そこに既にゲンムの姿はない。
「どこにっ」
周囲を見渡す。
だが。
『クリティカルエンド!』
ゲンムは、バグルドライバーのABのボタンを同時に押し待機状態にした後、もう一度Aボタンを押すと発動する必殺技。
宙に浮かび、黒いオーラが浮かぶ。
それと共に、ゲンムの周囲をヴァンデモンの蝙蝠が集まる。
「ふんっ!」
そして、ゲンムは、そのオーラと共に、貴利矢に向かって、突撃していた。
それはまるで、隕石のように見えなくもない程の速度だ。
「がっがぁぁぁ!」
その一撃を受け、貴利矢は変身が解除される。
そして、既に瀕死。
「ゲームオーバーだな」
そのまま、ゲンムは変身を解除する。
「良いのか、放っておいて」
「問題ない」
ヴァンデモンは、そう変身を解除した黎斗は笑みを浮かべながら、ゆっくりと離れていく。
「がっぐぅぅ」
そうして、死にかけた貴利矢。
そして、貴利矢を見つけた相羽達。
だが。
「貴利矢さん!」
そう、彼らはすぐに駆け寄る。
「今の姿は、ゲンム、それに」「デジモンなのか」
そう言っている間にも、彼らは貴利矢に駆け寄る。
「貴利矢さん! 大丈夫ですか!? 貴利矢さん!」
「貴利矢が消えかけてる!?」
「一体、何があった!?」
「さっきの奴……ゲンムだな」
「ああ……少し悪ノリが過ぎたみたいだ」
「しっかりして下さい!」
「俺達に話したい事があるんだろ」
「永夢……。世界の……人類の運命は任せたぜ。忘れんなよ。お前が笑顔でいる限り、お前はお前だ!」
「えっ……?」
「お前の運命は、永夢……お前が変えろ!」
その言葉と共に、貴利矢は、その姿を消した。
レーザー・メモリー
「・・・ここは」
自分は、確か、消滅したはず。
疑問に思いながら、立ち上がる。
「あっ、起きたか!」
「んっ?」
すると、自分に話しかける声がした。
「まさか」
「貴利矢、ごめん、間に合わなかった」
「どういう意味だ?」
「俺、出てくるの遅れてしまったから」
「・・・そうか、自分のパートナーデジモンという訳か」
その電気を思わせる姿から見ても、おそらくは自分のパートナーデジモンだろう。
「にしても、ここは一体、どこなんだ?」
それと共に疑問に思い、周囲を見る。
「ここは、俺達、デジモンの生まれ故郷」
「・・・生まれ故郷?」
それは、どういう事なんだ?
「俺もよく分からない。けど、貴利矢が知っているドルモンも、ドラクモンもここからリアルワールドへと向かった」
「リアルワールドって」
それにはさすがに驚きを隠せなかった。
しかし、あのドルモンも、自分の事をよく知らないと言っていたが。
「まさか、こんな世界があるとはな、待てよ」
「どうしたんだ?」
「つまりは、俺が元の世界に帰れる方法があるのか?」
そう問いかけると。
「分からない、けど可能性はある」
「・・・そうか、だったら」
自分のやる事は決まった。
「さて、それじゃ、行きますか、そう言えば、名前は?」
「俺?俺はパルスモン!」
「そうか、パルスモン、それじゃ、行くとするか」
しばらくは、死んで、冒険。
それも良いかもしれないな。
何よりも、ここでしか見つけられない真実もあるかもしれないからな。